CDNサービスを開発・運営する女性エンジニア。仕事の魅力ややりがいは?

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さくらインターネットでは、多様なバックグラウンドを持つ女性エンジニアが活躍しています。本シリーズでは『さくらの女性エンジニア Real Voice』と題し、これまでの経歴や現在の業務内容、めざすキャリア、ワークライフバランスのリアルなど、さまざまな角度から「さくらインターネットの女性エンジニア」を紐解いていきます。

第1回は、インターネットサービス本部に所属し、CDNサービス「ウェブアクセラレータ」の開発・運用に従事している稲波 志にインタビューを実施。業務内容や仕事のやりがい、これからの目標などについて聞きました。

稲波 志(いななみ のぞみ) プロフィール

インターネットサービス本部 インターネットサービス部 コンテンツ配信 コンテンツ配信チーム所属。SI業界を経て、2018年にさくらインターネットに入社。CDNサービス「ウェブアクセラレータ」の開発・運用の業務を現在担当している。

開発や保守など、担当するシステムに一気通貫して関わりたいと思ったことが転職のきっかけ

ーーさくらインターネットへの入職は2018年とのことですが、前職はどのような仕事をしていたのでしょうか?
SI業界(SI:システムインテグレーション。さまざまなシステムにおける要件定義・設計・開発・運用・保守を一貫して実施するサービス)のインフラエンジニアとして、4年半ほど働いていました。
そこでは、公共・文教・民間の様々な案件に携わりました。おもに担当していたのは、システム構築プロジェクト(新規構築、リプレース)や客先常駐での運用保守などです。

 

ーーインフラエンジニアとしてキャリアをスタートしたんですね。転職を考えたきっかけはなんだったのでしょうか?

SI業界で働いていくなかで、開発から保守まで担当するシステムに一気通貫して関われ、またインフラとアプリケーション開発が分断しておらず両方の観点で関われる環境で働きたい と思い、転職を考え始めました。

前職だとそれぞれの仕事が分断されがちな傾向がありました。

たとえば開発案件の場合は、まず発注元から依頼を受け、システムを開発して納品したら仕事完了です。開発後は、そのシステムにかかわることはありません。それが少しもどかしく感じたんです。

また、保守案件の場合だと、開発と保守両立することがなかなか難しくて。両方に関われる環境として、自社で開発から運用・保守まで担える事業会社のインフラエンジニア職を中心に探していたんです。

 

ーーそんななか、さくらインターネットを転職先に選んだ決め手を教えてください。

前職で扱っていた技術のなかで、Web配信に関わる技術が一番好きだったんです。好きなことをもっと探求できる環境で働きたいと思っていたところ、「CDNサービスの開発・運用」をおこなうコンテンツ配信チームの求人募集を見つけたんです。扱ってみたい技術や関わりたい業務にぴったりだったので応募しました。

また、運用や開発も外注せずすべて自社で担っているので、さまざまな仕事に関われそうだなと。その点も魅力に感じました。

ただ、じつは応募当時、私の技術力は募集ポジションの水準に達していなかったんです。もともと経済学部出身で、エンジニアリングに関わりだしたのは、就職してから。SI業界で勤務していたのも4年半ほどで、まだまだ経験が少なく即戦力でなかったと思います。でも意欲やポテンシャルを見込んでいただき、成長を期待してチームに迎え入れていただきました。

【Tips】CDNとは
CDN(Content Delivery Network)とは、オリジンサーバー(お客様のサーバー)のデータをCDNサーバーへキャッシュし、データの配信を肩代わりするサービスです。大量配信用の広帯域回線、高負荷に耐えられるハイスペックなサーバーを複数用い、大量データ配信に特化したシステムを提供するのがCDNです。(ウェブアクセラレータ サービスサイトより)

ーー成長を期待しての採用だったとのことですが、入社後はどのようにスキルを習得していったのですか?

同じチームのみなさんのサポートが手厚くて。「このチームでは、こういった技術を使います」といった、担当業務に必要なスキルセットがわかるリストを作ってくださったんです。最初はそのリストをもとに勉強し、試行錯誤しながら手を動かしていました。もちろん、わからないことは先輩方に質問してアドバイスをいただいたり、完了した業務は先輩方に確認をしてもらったりしていましたね。風通しがよくフラットなチームで、意見や発言、相談をしやすい雰囲気なのがありがたかったです。

たとえばプログラミングについては、前職で簡単なスクリプトを書いた経験はあっても、本格的なプログラミングは初めてだったので、アドバイスをいただきながら挑戦しました。

そうして経験を積んでいくうちに、少しずつ技術力が身についてきました。初めてのことばかりでしたが、大変さより、楽しさのほうが大きかったように思います。

 

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コンテンツ配信チームの業務内容とは?

ーー稲波さんは、入社時から現在まで継続してコンテンツ配信チームに所属しているんですよね。現在はどのような業務を担当しているのでしょうか?

おもにCDNサービス「ウェブアクセラレータ」の開発・運用や、その関連業務を幅広く担当しています。インフラ(サーバー、OS、ミドルウェア)から、バックエンド開発(新機能開発、運用ツールの開発)まで取り扱います。なかでも、OSやミドルウェアに携わることが多いですね。

リモートワークとフレックス制度を活用

ーーさくらインターネットは、コロナ禍を機に「リモート前提の働き方」に変わりました。実際にリモートワークで仕事をしてみていかがでしたか?

もう4年近くリモートで働いているのですが、いまはなんの不自由もなく快適に働けています。当初は戸惑いも多少はありましたが、みんなで工夫したり、働きやすいようツールなどを作ったりしたことで、とてもいい環境になりましたね。

対面で会う機会は少なくなりましたが、その代わりチャットや通話、ドキュメントを共有するなどといった方法で、密にコミュニケーションを取っています。チームメンバーもだんだんリモートワークに慣れてきて、出社していたときよりも効率よく仕事ができているように思います。

 

ーーワークライフバランスはいかがですか?

リモートワークやフレックス制度があるので、働く場所や時間の自由度が高く融通が利きます。

また、連続で有給休暇を取得すると手当がもらえる「連続有休手当」もありがたいですね。前職では休みが取りにくい環境だったので、連休を推奨しているのはよい意味でおどろきました。

こうした制度を活用し、計画的に時間変更や有給休暇を取得することで、仕事とプライベートのバランスを保っています。

 

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サービスの成長を間近で見届けられる楽しさ

ーー仕事をするうえで苦労していることはありますか?

幅広い内容を取り扱うので、日々情報をキャッチアップしていく必要があります。その点はやはり苦労していますね。一方で「開発や保守など、担当するシステムに一気通貫して関わりたい」と思ったのが転職のきっかけだったので、その大変さも含めておもしろいです。

 

ーー大変なことが多いぶん、仕事のやりがいも大きいのでは?

そうですね。一番のやりがいは、「サービスの成長」を見届けられることです。機能面や利用規模など、いろいろな要素で「サービスの成長」を見届けられるのが、喜びでありやりがいだと思います。お客さまからのフィードバックや自分の提案から、さまざまな機能が充実していくのを間近で見られるのは楽しいですね。

 

ーーサービスに一気通貫して関わっているからこそ感じられるやりがいですね。最後に、稲波さんのこれからの展望や目標について教えてください。

「サービスの成長」に貢献できるエンジニアとして、サービスの成長に深く関わっていきたいと考えています。そのためにも、技術力を上げ、新機能の企画の段階から関わっていきたいですね。

私のチームでは、趣味でも技術を扱っている方が多くて、雑談するときでも技術的な話をすることが多いんです。プライベート用のサーバーを持っていて、自宅で管理している方もいるほどなんですよ。

そんな環境だからこそ楽しく仕事ができていますし、「好きなことを仕事にしたい」という方にはうってつけの環境だと思います。ぜひそうした方たちと一緒に働けたらうれしいですね。

 

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キャリア相談窓口担当者に聞く、さくらインターネットのキャリア支援の取り組み

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さくらインターネットでは、会社が「働きやすい」環境を提供し、そのなかで社員個人が「働きがい」を追求できることを理想として、働き方の多様性を実現するさまざまな取り組みをおこなっています。

今回は、キャリアコンサルタントの有資格者で「キャリア相談窓口」の相談員を担当する、弓場淳代にインタビューを実施。「キャリア相談窓口」の取り組み内容や、さくらインターネットのキャリアの考え方について質問しました。

弓場 淳代(ゆば あつよ) プロフィール

ES本部所属。新卒採用、キャリア支援担当。営業事務やパソコン教室のインストラクターなどの仕事を経て、2004年さくらインターネット入社。カスタマーサポートを経て、人事部門へ異動。

社員のキャリア設計をサポートする「キャリア相談窓口」

――キャリア相談窓口はどういった目的で設置されたのでしょうか?

社会情勢の変化や技術革新などによって、自分を取り巻く環境が目まぐるしく変化するVUCAの時代のなかで、自分のキャリアを主体的に考えることは非常に重要です。

社員のキャリア設計をあと押しし、社員と会社がともに成長していくために、キャリア相談窓口は設置されました。「どんなスキルや経験を得たいのか」などといった仕事に直接的にかかわる部分だけではなくて、家庭や日常生活、その変化も考慮した「ライフキャリア」の視点でキャリア設計をサポートしています。

 

――誰にどういった相談ができるのでしょうか?

相談員は、キャリアコンサルタント、コーチングなどの教育カリキュラムを修了したさくらインターネット社員が担当しています。

おもに仕事のことや今後のキャリア、ご家庭の状況を含めた漠然とした不安なども相談いただいてますね。はっきりと「これに悩んでいる」という相談でなくても、キャリアや家族のことでモヤモヤを抱えているといった、漠然とした悩みやご相談でも構いません。

 

――キャリアに関する専門知識を持った社員に相談できるというのは安心ですね。キャリア相談窓口を利用するメリットはなんでしょうか?

相談内容に対する答えの多くは相談者のなかにあります。「自分はなにに悩んでいるのか」「どうしていったらいいのか」など、相談員と一緒に話しながら考えを整理することで、モヤモヤ感を解消していくことができます。

以前実施した利用者アンケートでは、「気持ちが整理できた」「利用してよかった」などの声をいただきました。定期的に相談に来ているというケースもありますね。

また、業務上かかわりの少ない他部署の社員が相手だからこそ、忌憚なく相談できる話題もあるのではないかと思います。ただ、関心はあるがなにを相談していいかわからないという声もあることから、情報発信の場を設けるなど活用いただきやすい環境づくりという課題を感じています。

 

さくらインターネットが推進する働き方の多様性を実現するための取り組みとは?
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キャリア設計によって突発的な変化に備えられる

――弓場さんは、キャリア設計の重要性をどのように考えていますか?

キャリア設計をしなくても仕事はできますし、業務遂行上とくに支障はないかもしれません。でも、納得して働けているか、ポジティブにモチベーション高く働けているのかは、自己実現のために非常に重要だと考えます。

また、「キャリア相談」というと、キャリアアップやスキルアップといった直接的に仕事に関する相談というイメージがあるかもしれません。しかし仕事という側面だけではなくて、家庭や日常生活という側面からもキャリアを考えていく必要があります。

実際わたし自身も、過去に子育てや親の介護に直面したとき、仕事をどうすればよいか悩んでしまったことがあったんです。突発的な事象が起こる前提で、あらかじめキャリアについて考えておくことの大切さを身に染みて感じました。

 

――2021年のさくマガのインタビューでも当時のことをお話しいただきましたね。

はい。仕事に追われていると、なかなかキャリアについて考えられなくなってしまうかもしれません。いま具体的に悩みがあるわけではなくても構いませんから、キャリア相談での相談員との対話をとおして、ぜひキャリアについて立ち止まって考える機会を持ってほしいと思います。

 

――弓場さんはキャリアコンサルタントの資格を取得していますよね。資格で学んだことを相談にも活用しているのでしょうか?

たとえば「突発的な事象が起こる前提でキャリアを考える」というのは、まさにキャリアコンサルタントの勉強をとおして得た視点です。

また、傾聴によるカウンセリングの手法も活用しています。あくまで私たちはアドバイザーではなくコンサルタント。悩みに対してアドバイスをするのではなく、相談者の方のお話に耳を傾けて、隠れた本当の課題を見つけて答えを引き出していくことを意識しています。

さまざまなキャリア支援の取り組み

――ほかにもキャリア支援の取り組みはおこなっているのでしょうか?

就職活動中の学生に向けた、自己理解を促すワークショップは好評ですね。「自分にとって譲れないものはなにか?」を「冒険性」「自立性」「多様性」「安全性」などといったキーワードが書かれた16枚のカードから選んでもらい、そのカードを選んだ理由を発表してもらうという内容です。就職活動の軸が定まっていないまま面接に挑むと、なかなかうまくいきませんし、内定にいたっても入社後にミスマッチが生じる可能性があります。学生たちが自己理解を深め、自分にあったキャリアを選択する一助になればという思いで実施しています。

社内では、新卒入社社員向けにキャリアデザイン研修をおこなっています。今後は世代別の研修なども展開していきたいですね。

あとは「子育て中のパパさんママさん」など、近い境遇の社員同士が集まって交流するリアルイベントもやってみたいという思いがあります。いろいろな方法で、自分のキャリアについて考えるきっかけになるような場を増やしていきたいです。

 

――相談員の立場から、さくらインターネットの社員に伝えたいことはありますか?

正直なところ、「キャリア相談窓口を利用するのは、ちょっとハードルが高い」と思われてしまっている気がしているんですよね。もっと気軽に利用してもらえたらなと思っています。

「うまく悩んでいることを伝えられるか不安」「いま具体的な悩みがあるわけではない」という人も大歓迎です。頭の整理ができてスッキリしますし、キャリアについて考えるきっかけになるはずです。ぜひ活用してみてください。

 

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可能性は無限大。高専卒のさくら社員が語る、「やりたいこと」を「できる」に変えるために必要なこと

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さくらインターネットが開校を支援した、徳島県の高等専門学校『神山まるごと高専』では、定期的に高専を卒業したOBを招き、キャリア形成の授業を実施しています。2023年11月17日(金)におこなわれた1年生向けの授業に、事業開発本部 スタートアップ推進室の島袋 瑞樹が登壇しました。本記事ではその内容をレポートします。

島袋 瑞樹(しまぶくろ みずき) プロフィール

事業開発本部 スタートアップ推進室 所属。沖縄県出身。沖縄工業高等専門学校(沖縄高専)を卒業後、ニュースサイトのバックエンドエンジニアを経て、2020年2月にセールスエンジニアとしてさくらインターネット入社。東京支社で勤務後、沖縄県那覇市にUターンし、リモートワークにて勤務。2023年にスタートアップ推進室へ異動、2023年9月よりSAKURA innobase Okinawa コミュニティマネージャーに就任。

可能性は無限に広がっている

授業の様子

さくらインターネットは、代表の田中が舞鶴工業高等専門学校在学中に起業した会社です。高等専門学校(以下、高専)卒の社員も多く在籍しており、私もその1人です。さくらインターネットのビジョンは、“「やりたいこと」を「できる」に変える”。今日は、やりたいことの見つけ方、そして「やりたいこと」を「できる」に変えるにはどうすべきか、自身の経験をふまえてお話ししたいと思います。

まずみなさんは、技術系はもちろん、それ以外の選択肢がいくらでもあり、進路変更も可能だということをお伝えしたいです。

高専をやめてもいいんです。もしやめるとしたら、1年生の終わりに高校受験をするか、3年生の終わりに高卒認定をとって大学受験をすることをお勧めします。また私の同期には、卒業後に別の道に進んだ人もたくさんいます。SEをやめてピラティスのインストラクターの資格を取った人、化粧品の工場勤務から図書館司書になった人、看護大学に入りなおした人、大学に進んだあとに歯科医科大に入り直した人。このように高専生だからといって技術系の仕事に必ずしも就く必要はないのです。

私は2018年に沖縄高専 メディア情報工学科を卒業後、とあるニュースサイトのバックエンドエンジニアになりました。その後、もっとお客さまとの距離が近い「サービスを売る仕事」をしたいと考え、2020年にさくらインターネットに転職して、東京支社でセールスエンジニアとして勤務しました。現在は沖縄県那覇市にて、2023年9月にオープンしたDX拠点『SAKURA innobase Okinawa』のコミュニティーマネージャーをしています。沖縄県におけるデジタルイノベーションの創出や、DX人材の育成を目的に、イベントを開催したり、スタートアップのクラウドインフラの構成相談にのるなどの支援をおこなっています。

みなさんもエンジニアや起業家、デザイナーだけでなく、さまざまな仕事に就ける可能性があるんです。

 

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「やりたいこと」を見つけて「できる」に変えるために

さくらインターネット代表の田中がよく申しているのですが、やりたいことは、消火器のように探せばどこでも見つかるものです。ただ、探そうとしないと、見つけられないですし、そこにあることすら気づけません。

高専OBの40、50代の大先輩方のようになるためにはどうすればよいか、そんな遠い先まで思い描くのはとても難しいことです。5年後、10年後くらいの近い未来から、まずは卒業までに具体的に何をすればいいかを考えてみてください。

みなさんは高専入学前、卒業したら何をやりたいと思っていましたか?

私の最初の目標は「賃金の安い沖縄以外で食いっぱぐれない仕事に就く」ことでした。しかし沖縄高専の場合は推薦などが充実していたので、卒業さえすれば可能だと入学早々に気付き、卒業だけが目標になってしまいました。それではつまらないと、高専卒業後の目標を考え直すことにしたんです。

みなさんの中にも、入学当初から目標が変わってきた人がいるでしょう。私の同期にはゲームクリエーター希望が数人いましたが、ただ毎日ゲームをしているだけで、クリエーターになるために具体的に何かをしてはおらず、結局誰もその職に就きませんでした。「やりたいこと」を「できる」に変えるには、そのための努力が必要です。また、やりたいことを変更できるようにさまざまな選択肢を持つことも大事です。

私が先輩にヒアリングしながら立て直した5年度の目標は、「Web系の仕事に就く」ということでした。そのために技術力やものづくりの経験が必要だと聞き、ICT委員会に参加。そして、「全国高等学校パソコンコンクール パソコン甲子園」で優勝と準優勝、「高専プロコン」で特別賞受賞、起業家甲子園出場、シリコンバレー視察など、先生方の助けも借りながらたくさんの経験を積むことができました。

仕事を選んでいくうえで、高専での経験は非常に役に立ちました。じつは技術は好きですが得意だとは思っていません。授業の成績はよかったのですが自信はなかったんです。高専プロコンでもプログラムはあまり書かずに、プレゼンテーションやポスター制作などを担当していました。ただ、そのときのようにものづくりをする方のサポートや対人の仕事をしたいと思うようになり、バックエンドエンジニアからセールスエンジニアに転職したわけです。「技術+α」の職に就けたのはそういった経験のおかげであり、実際に高専のネットワークの授業で得た知識を活かすこともできました。

高専の勉強は大変ですが、すべての科目でよい成績を目指しておくと、選択肢を広げることにつながると思います。高専を卒業して技術を活かして働くのであれば、高専の経験が役立つ場面は必ずあります。

高専外での出会いが重要

さくらインターネットのセールスエンジニアになって少ししてから、やりたいことが変わりました。

私のメンター的な存在として、インターン先で出会った高専出身の女性がいらっしゃいます。彼女が沖縄と福井を行ったり来たりしながら、高専生などの人材育成で地域に貢献している姿を見て、私も地元である沖縄の働き方やITの発展に貢献したいと思うようになりました。そんなときにDX拠点『SAKURA innobase Okinawa』の開所とコミュニティーマネージャー募集の話を聞き、自ら手を挙げました。沖縄の那覇市を拠点に、全国さまざまな場所で働きたいとも考えていたので、月に1度は出張して各地を周りながら仕事を楽しんでいます。

まだやりたいことが見つからないのであれば、高専から外に出て、いろいろな人に会ってみてください。きっと自分が知らなかった働き方や仕事に出会い、やりたいことを考える機会になるはずです。閉鎖的な高専生活のなかでは、外に出て視野を広げてみることが大切だと思います。

「やりたいこと」と、やりたいことを「できる」に変える方法を書き出してみましょう。壮大なものから、在学中にできそうなものまで、なるべくたくさんです。そうすると、「やりたい」ことを「できる」に変えるために、いますべきことが見えてきます。視野を広げて、努力をして、みなさんが自分の理想とする働き方ができるように応援しています。

2025年度新卒採用エントリー受付中!

さくらインターネットでは、多くの高専出身者がエンジニア職やビジネス職で幅広く活躍しています。エンジニア職からビジネス職、またその逆も、やりたい熱意があればキャリアチェンジが柔軟にできる会社です。

就労体験イベント、データセンター見学会、先輩社員との座談会など、さくらインターネットの社風を知っていただくためのさまざまなイベントをご用意していますので、ぜひご参加ください。
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また現在、2025年の新卒採用エントリーを受け付けております。たくさんの方のご応募お待ちしております!

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裾野を広げてさらなる高みを目指す。スタートアップ支援施設「Fukuoka Growth Next」の新体制記者発表会レポート

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“「やりたいこと」を「できる」に変える”。さくらインターネットはこのビジョンのもと、多くの人がやりたいことを叶えられるような社会をインターネットとともにつくっていくことを目指しています。なかでも近年注力しているテーマとして「スタートアップ支援」や「地方創生」などがあります。その一環として運営に関わってきた福岡県福岡市のスタートアップ支援施設「Fukuoka Growth Next」が、2024年4月より新体制となり新たな支援の実施を決定。本記事では、2023年12月4日(月)におこなわれた記者発表会をレポートします。

左から、福岡地所株式会社 代表取締役社長 榎本 一郎 氏、福岡市長 高島 宗一郎 氏、フォースタートアップス株式会社 代表取締役社長 志水 雄一郎 氏、GMOペパボ株式会社 執行役員 福岡支社 支社長 永椎 広典 氏、さくらインターネット株式会社 代表取締役社長 田中 邦裕。田中はリモートで登壇しました。

「Fukuoka Growth Next」とは

現在の「Fukuoka Growth Next」外観

「Fukuoka Growth Next」(フクオカ・グロース・ネクスト、以下「FGN」)は、スタートアップ企業を支援する福岡県福岡市の施設です。2017 年 4 月 12 日の開設以来、福岡市の雇用創出や地域経済の発展に貢献するとともに、将来的なユニコーン企業の輩出を目標として、スタートアップへの継続的な支援をおこなっています。入居期間中に資金調達に成功したスタートアップは延べ85社、その金額は365億円を超え、1,262名の新規雇用を創出。現在FGNには187社が入居し、インキュベーションプログラム、ピッチイベント、そしてベンチャーキャピタルとの定期的な面談の機会を通じて、スタートアップの成長を支援しています。*1

福岡市はこのほかにも、創業の敷居を下げるための創業・人材マッチング、雇用などに関する相談支援機能を担う「スタートアップカフェ」の運営など、積極的にスタートアップ支援をおこなってきました。スタートアップ支援を市政の柱として位置づけた「スタートアップ都市ふくおか宣言」から、2024年で12年を迎えます。これまで広げてきたスタートアップの裾野を次のステージに飛躍させるため、2024年4月よりFGNとスタートアップカフェの運営一体化を決定。福岡市のスタートアップエコシステムを代表し牽引する企業の輩出を目指し、新たな施策・支援メニューを提供することとなりました。

【新たな施策・支援メニュー】

  1. 支援対象スタートアップを「Fukuoka Growth Network(仮称)」としてネットワーク化
  2. スタートアップカフェとFGNの運営を一体化
  3. 大学発スタートアップの支援を強化
  4. スタートアップのバックオフィス業務をサポート
  5. FGNのイベントスペースをリニューアル

 

“「やりたいこと」を「できる」に変える”。

さくらインターネットはこのビジョンのもと、多くの人がやりたいことを叶えられるような社会をインターネットとともにつくっていくことを目指しています。なかでも近年注力しているテーマとして「スタートアップ支援」や「地方創生」などがあります。その一環として、FGNの運営にも開設当初から携わってきました。そして2024年4月からも、福岡地所株式会社、GMOペパボ株式会社、フォースタートアップス株式会社とともに運営を担っていくことが決まりました。

>>さくらインターネット、3期連続で福岡市のスタートアップ支援施設「Fukuoka Growth Next」の運営事業者として参画が決定(さくらインターネット ニュースリリース)

新たな運営体制に関する記者発表会が開催

2023年12月4日(月)、福岡市スタートアップ支援施策運営委員会主催のもと、2024年度からの新たな運営体制に関する記者発表会がFGNにて開催されました。はじめに福岡市長 高島 宗一郎 氏が登壇したのち、各運営事業者の代表から新体制の取り組みや意気込みが語られました。

高島 福岡市長のごあいさつ

福岡市は、2012年に「スタートアップ都市ふくおか宣言」をし、継続的にスタートアップ支援をおこなってきました。その中心が、ここFGNです。スタートアップを1か所に集め、福岡のスタートアップを「見える化」した。それにより地方でもスタートアップに資金が集まり、入居企業の資金調達額は85社、365億円となりました。FGNでは創業期から成長期までの支援をおこなうことで、スタートアップのさまざまなロールモデルを示してきました。

そして2024年4月(第3期)からは新体制となります。大きな特徴は、FGNとスタートアップカフェの運営を一体化し、創業から成長まで一貫した支援をおこなうこと。そして、FGNがこれまで築いてきたネットワークを活かして、新たな支援メニューを提供することです。こうして、より高みへ到達するスタートアップ輩出を目指します。

また福岡市では、いままさに世界で注目されているインパクトスタートアップや、社会課題を解決する多種多様なスタートアップが生まれています。社会課題の解決には、ビジネスをただ拡大すればいいのではなく、その地域や課題にフィットする規模感と事業内容が大事です。これからの福岡市は「高み」と「ソーシャルスタートアップ」、この二本柱でスタートアップ支援をおこなっていきます。

われわれは、単に開業率をあげたいというわけではありません。スタートアップのチャレンジ精神、アントレプレナーシップに習い、明日の日本をつくるのはわたしたちだという主体性を持った市民を増やしていくことが重要だと思っています。これからも福岡市は、FGNを中心として、運営事業者のみなさんとともにチャレンジを続けていきます。

福岡地所:2024年度以降のFGNが目指す姿

次に、福岡地所株式会社 代表取締役社長 榎本 一郎 氏 が登壇。2024年度以降のFGNが目指す姿や支援の概要について紹介しました。

 

「時価総額500億円規模のスタートアップを5社生み出す。そのために、2029年までに時価総額100億円規模の企業を10社にしていきたいと思います。達成に向けて、入居企業はもちろん、福岡市内のポテンシャルの高いスタートアップを積極的にサポートしていきたいです。

まず資金面の支援として、国内外屈指のベンチャーキャピタルを引き合わせます。

次に人材面の支援として、“上場請負人”をご紹介します。上場請負人ともっとも強いネットワークを持つフォースタートアップスが、2024年4月から運営事業者として参加することとなりました。

さらに売上面の支援として、FGNがサポートするスタートアップの製品・サービスをFGNのスポンサー企業に採用いただき、売上をつくるお手伝いをします。

最後に新しい取り組みとして、ディープテック分野の支援強化をします。じつは福岡には、すでに上場を控えていて、うまくいけば早いタイミングで500億円規模となるスタートアップがあります。そのうち1社は大学の研究で生まれた技術を活用して事業化したものです。そのような学術系とも連携し、ディープテック分野のスタートアップを発掘・成長させていきます」

フォースタートアップス:「Fukuoka Growth Network」の構築

続いて、2024年4月から新たに運営事業者に加わるフォースタートアップス株式会社 代表取締役社長 志水 雄一郎 氏が登壇。企業紹介とともに、「Fukuoka Growth Network」の構築について意気込みを語りました。

 

「フォースタートアップスは2016年9月に東京で法人を設立し、現在200名体制でスタートアップ支援をおこなう、国内最大のスタートアップ支援会社です。スタートアップ育成5か年計画で掲げられている3つの柱『人・お金・オープンイノベーション』のすべてを持ち合わせています。

新体制では、FGNの支援対象を入居企業以外にも拡大します。福岡、九州、アジアのすばらしい会社を福岡に集わせ、福岡から日本を、そして世界を代表する会社を目指していく。そのノウハウやナレッジに溢れたコミュニティ『Fukuoka Growth Network』をつくります。

また従来の集合型研修中心ではなく、事業ドメイン・課題などに応じて各企業に合わせた支援をおこなうための体制を構築します。世界に羽ばたいていくためにはベンチャーキャピタリスト、メンター、コーチャーが必要となりますが、フォースタートアップスはそのネットワークを持つ国内でも稀有な存在です。国内最高峰のベンチャーキャピタル、そしてスタートアップのエコシステムを形成する方々を福岡に集める仕組みをつくり、福岡のスタートアップを世界に昇華させていきます」

さくらインターネット:技術シーズを起点とした創業・事業成長サポート

さくらインターネット 代表取締役社長の田中はリモートで登壇。自身が高等専門学校(高専)卒であり、またIPAの「未踏IT人材発掘・育成事業」プロジェクトマネージャーを5年以上務めるなど、技術人材育成がライフワークだと前置きしたうえで、技術シーズを起点とした創業・事業成長サポートについて説明しました。

 

「スタートアップの裾野を広げることと、頂点を引き上げ高みを目指すこと。これを同時におこなっていくのが重要です。富士山のように、広い裾野がなければより高い頂点には到達できません。これまではおもにIT系にフォーカスして支援をおこなってきましたが、FGNのコミュニティ外にいるディープテック分野の大学発スタートアップなど、技術面で成長余地の高い企業をどんどん引き寄せていく必要があります。

福岡市は2023年3月に、九州大学と大学発スタートアップ創出に関する連携協定を締結し、大学の研究シーズをビジネスにつなげる種まきをされてきました。そして今回の取り組みによって、これまで別々で取り組んできた大学発スタートアップのビジネス化と、スタートアップ創出支援を融合します。

さくらインターネットは上場して18年になりますが、われわれのようなサポートする側となる企業も、さらなる高みをスタートアップと一緒に目指す。FGNはそのようなコミュニティを構築していきます」

 

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GMOペパボ:バックオフィスサポートおよびFGNとスタートアップカフェの運営一体化

最後にGMOペパボ株式会社 執行役員 福岡支社 支社長 永椎 広典 氏が、バックオフィスサポート、そして新体制の大きな特徴であるFGNとスタートアップカフェの運営一体化について紹介しました。

 

「スタートアップの創業時期において、経理や人事、総務などのバックオフィス人材を配置することは難しく、社長や経営幹部が兼務することも多くあります。FGNはこの課題を解決すべく、バックオフィス業務を支援し、メンバーが核となる事業に注力できるようサポートします。

このたびFGNと運営を一体化するスタートアップカフェは、開設以来800社以上の起業に貢献してきました。その経験と実績を引き継ぎ、起業から成長まで一貫してサポートする環境を構築します。併せて、FGNのイベントスペースをリニューアルし、従来の2倍となる150名超の収容を実現。オンライン、またはオフラインとのハイブリッド開催など、さまざまな形式でのイベント対応力を強化し、福岡のスタートアップコミュニティ活性化にさらに貢献していきます。

2024年度からのFGNの合言葉は『All for Entrepreneurs, All for Startups, Favoring High Growth Startups.』。起業家に必要なものすべて、そしてスタートアップに必要なものすべて、高成長の見込まれる福岡の企業にこれから提供していきます」

リニューアルするスタートアップカフェのパース画像 ※計画図面のため変更可能性あり

2024年度入居者募集中!

FGNでは2024年4月から入居するスタートアップの募集が開始されています。入居をご希望の方は下記より特設ページをご覧のうえ、お申し込みください。

>>2024年4月のFGN入居について詳細を見る

 

またさくらインターネットは、FGNをはじめ、スタートアップ支援を担当する社員の採用を積極的におこなっています。ご興味のある方はぜひエントリーください!

さくらインターネットのスタートアップ支援担当の採用情報

若手社員が企画運営する、さくらのインターンシップ~2023年夏のビジネスコース編~

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さくらインターネットでは、毎年、就職活動中の学生向けにインターンシップを実施しています。2023年8月末に実施した夏のインターンシップでは、採用担当の社員ではなく入社 2年目の若手社員が企画運営を担当しました。

本記事では、インターンシップの概要のほか、企画運営を通じて得たものや、この経験を活かして今後やりたいことなどについて、企画を担当した若手社員に話を聞きました。

参加した学生の方々の声もご紹介していますので、ぜひご覧ください。

>>2023年度のインターンシップ(エンジニアコース)の記事はこちら

今回インターンシップを企画運営した新卒2年目の社員

湯浅 ひなた(ゆあさ ひなた) プロフィール

CS本部 アカウントマーケティング部 インサイドセールスグループ 新規顧客対応ユニット所属。
お客さまに対して、架電やメールなどによるアプローチで商談機会を創出し、興味関心度を向上させることを目的に活動している。

今井 新太(いまい あらた) プロフィール

テクニカルソリューション本部 セールスエンジニア部所属。
営業に同行し、商談で使う構成図の作成や、技術的な説明を担当。その他、社内・社外向けの勉強会の対応などもおこなっている。

若林 敬人(わかばやし たかと) プロフィール

クラウド事業本部 カスタマーリライアビリティ部 サービスサポートグループ カスタマーケアユニット所属。
さくらのレンタルサーバに関する、メールやチャット対応や、お客さまからの声(VoC)をもとに改善を進める活動に関わっている。

講義と体験で学ぶさくらのカスタマーサポート

インターンシップの様子

さくらインターネットでは、「ビジネスコース」と「エンジニアコース」に分けてインターンシップを実施しています。各コースともに、「さくらインターネットを知ってもらうこと」「IT業界の社会的役割、実際の業務、働き方を知り、興味を持ってもらうこと」を目的としています。

 

  • ビジネスコース:営業やカスタマーサポートなどの業務を体験
  • エンジニアコース:ソフトウェア・インフラサービスの開発など、エンジニアの業務を体験

 

2023年夏インターンシップ(ビジネスコース)は、「"CX( Customer Experience)"と"CS(Customer Success)"ってなに?イチから学べるカスタマーサポート体験」と題し、8月28日から5日間にわたって大阪本社で実施。コロナ禍の影響により、3年ぶりの ”リアル開催” となった今回、16名の学生に参加していただきました。

 

1~2日目は、IT業界で働くイメージづくりに役立つ「IT業界の知識」「セキュリティや権利に関する知識」「営業の心得」「CX と CS について」などの講義を受講。3日目以降は、実際に「お客さまにさくらインターネットのファンになってもらうには?」というお題で話し合い、企画を考えるグループワークを体験してもらいました。

【インターンシップ スケジュール】

  • 1日目:自己紹介、先輩社員による講義
  • 2日目:先輩社員による講義、座談会
  • 3日目:チャットサポート体験、ワークショップ、グループワーク
  • 4日目:グループワーク、中間発表
  • 5日目:最終発表、フィードバック、懇親会

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企画運営担当の新卒2年目社員3名にインタビュー

今回のインターンシップでは「 体験をとおして、CX・CSについて理解を深めてもらう」ことを目的に、入社2年目の若手社員が、ゼロからインターンシップに参加する学生に経験してもらいたい企画を考えています。担当した3名に、今回のインターンシップを運営する際に工夫したこと、どのような学びを得て、成長したのかくわしく聞きました。

他部署の3名が協力してインターンシップを企画

――3名でインターンシップの企画運営をされていましたが、それぞれの役割などは分担していたんですか?

若林 敬人(以下、若林):リードが私、バディが今井さんと湯浅さんという役割設定で企画がスタートしました。

湯浅 ひなた(以下、湯浅):今回のインターンシップでは「CX・CSを体験してもらう」という目標にあったので、サービスサポートユニットに所属している若林さんに、引っ張ってもらいながら、ゼロからみんなでインターンシップの企画を考えました。

 

――インターンシップを企画するにあたって、工夫したことはありますか?

若林:日常的にカスタマーサポートの仕事をしていたので、企画はイメージしやすかったです。さくらインターネットでは、お客さまに対してさまざまなサポート体制を用意していますが、「サポート=問い合わせ対応」だけではないんですね。外からはわかりにくい、お客さまのことを考えて働いているということを知ってもらえたらと思い、その想いを軸に企画を考えました。

今井新太(以下、今井):参加する学生が楽しいと感じてもらえるようなタイムテーブルになるように、コンテンツの順序を意識しながら企画を考えました。講義パートでは、学生になじみの薄い内容が多く難しいと感じてしまう可能性もあったので、アイスブレイクや、頭や体を動かすワークショップを挟むなど工夫しました。

湯浅:私たち3人はそれぞれ違う部署で勤務しているので、お互いの認識合わせや要件定義を考えることが重要でしたね。インターンシップには「さくらインターネットを知ってもらう」というねらいがあったので、それを踏まえて「これを参加した学生に持ち帰ってほしい」という目的を考えながら3人で企画を練りました。認識合わせは大変だったのですが、迷ったときも、最初に考えた目的に立ち戻りながら検討することができ、目的に沿った企画が作れたと思っています。

インターンシップのコンテンツについて、バランスを考えながらタイムテーブルを作成したと話す今井

――大変だったことを教えてください。

若林:学生時代に、さくらインターネットのインターンシップに参加した経験があったので、今回は自分が社員側として関わることができて嬉しかったです。学生と話せるのも楽しみだなと思いました。
ただ、部署の業務にも本格的に携わるようになってきたタイミングだったので、そちらの業務とうまく両立できるのか不安でした。

今井:新卒1年目のとき、メンターの役割でインターンシップに参加していたので、「来年はこれを自分たちが運営するんだ」と意識していました。
インターンシップの企画内容は、大枠しか決まっていない状態で、自分たち次第で方向性が左右されますから、本当にうまくいくのだろうかと心配はありましたね。でも、そういった不安な部分に関しては、3人で協力しながら解消していけたと思います。

湯浅:「学生が知りたいことってなんだろう?」と、学生の気持ちに沿って考えるのが難しかったです。IT業界や会社について知ってもらいたい、リアルな業務を体験してほしい……。アイデアはいろいろ浮かぶのですが、そのなかで本当に学生が必要としていることは何なのか、よく考えるようにしていました。

 

――参加後のアンケートで、満足度が満点だったと聞きました。参加された学生からの反応はどうでしたか。

 若林:久しぶりのオフラインでの開催だったので、オンラインでは感じ取りにくい会社や社員の雰囲気を知っていただけたと思います。とてもよいイメージの感想をたくさんいただけて嬉しかったです。
インターンシップのコンテンツに関しても、学生の方から積極的に質問をいただくなど、興味を持って参加してもらえたので、大成功だったと思います!

今井:全体をとおして楽しんでいただけたようで、とても嬉しかったです。
社内の雰囲気について書いてくださってる方も多く、さくら特有の空気感が学生の方へも伝わってよかったと思います。インターンシップ最終日の懇親会で、学生の方から部署に関する質問が飛び交っていたのが印象的でした。

湯浅:さくらインターネットや仕事について、何か身になる情報や経験を得てもらえたらと考えて企画していたものの、本当に楽しいコンテンツになっているか不安な部分もありました。
実際に、学生の方から楽しかったという声をいただけたときは嬉しかったですし、感想を聞いたときはホッとして泣きそうになりました(笑)。協力してくださった社員のみなさんが、温かい雰囲気をつくってくれたおかげで、学生の方の積極的な発言・質問にもつながったと感じてます。

 

学生たちからの嬉しい感想に、感動したと話す湯浅

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インターンシップを通じて自分たちも成長できた

――企画運営をしてみて、学びになったことや、いまの業務に活かせそうなことはありましたか?

若林:いままで、ゼロから自分たちで仕事を始めるという経験をしたことがありませんでした。今後何か自部署で新しく企画を始めるような役割を担ったときに、今回の経験が役に立ちそうだなと思います。
また、自部署以外の方とも接する機会がありました。会社全体の理解を深めることができましたし、今後仕事をするうえで、ほかの部署とも連携しやすくなったなと感じました。

今井:私も今回のインターンシップで初めて、ゼロから自分で何かを企画する経験をしました。実際企画運営をしてみて、「最初に周りの人と認識を合わせること」が大切だと感じました。どんな企画でも、ゴールに向かってタスクを進めていくと思うんですが、途中で齟齬が発生してしまうことってあると思うんですね。でも話し合いをしておけば、齟齬が発生したとき元に戻せます。今後業務をおこなっていくうえでも意識したいと思いました。

湯浅:今回インターンシップを企画運営したことで、客観的な視点を持つ大切さに気づくきっかけになりました。私が所属するインサイドセールスでは、プレイヤーとして動くことが多く、多角的な視点から、企画を考えることはあまりなかったんですよね。
今回、運営側になったことで「会社」「学生」「参加した社員」など、多くの視点を考えながら企画を進めることができ、とてもよい機会になりました。
自部署でも、新規施策を立案したり、新しくツールを導入したりする機会があると思うので、こういった考え方や進め方を今後の業務のなかでも、活かしていきたいです。
じつは、人前に立って何かすることが得意ではなくて……。これまで逃げてきたのですが、新卒2年目のタイミングで経験できたのはよかったと思っています。

インターンシップを通じて、自分たちが成長したことについて話す若林

就職活動をしている学生へ伝えたいこと

――これから就職活動をしていく学生へメッセージやエールをお願いします。

若林:まずは自己分析が大切だと思います!
いまを考えるのも大切ですが、自分が会社に入社したあと「何がしたいのか」「どうなりたいのか」という今後のイメージを考えることで、面接でも説得力のあるコミュニケーションが取れ、入社後のギャップも少なくなると思いますね。インターンシップなどのイベントに参加することで、これらを考えるきっかけにもなると思います。ぜひいろいろな企業のイベントに参加してみてください。

今井:自分がやりたいことは何なのかを明確にすることが大事だと思います。
やりたいことが決まっていないと、実際の面接でも抽象的な回答しかできないですし、仮に入社したとしても、目標がないまま働くことになってしまう可能性もあるかと思います。最終的に何がしたいのか、自分が何をやりたいのか見定めるためにも、さまざまな会社や業種のことを調べたり、気になれば、説明会・インターンシップに参加してみたりすることが必要だと思います。就職活動は大変ですが、よい会社に巡り会えることを祈っています!ぜひさくらインターネットも検討してください!

湯浅:自分自身がやりたいことは何かを考えてみてください。
そのイメージができない状態のまま就職活動をおこなってしまうと、入社したあとにミスマッチが生じてしまう可能性があるので、自己理解をしっかりと深めることが大切だと思います。もしやりたいことをイメージするのが難しい場合は、「自分がゆずれない」もしくは「やりたくないこと」などを挙げていくと、自分が働くイメージ像が見えてくるかもしれません。

周りの学生が気になり不安になることも多いと思いますが、自信を持って就職活動をおこなっていただけたらと思います!頑張ってください!

人事担当者より

2025年卒の新卒採用を担当する ES部 福島 洸(ふくしま こう)

2025年の新卒採用選考がいよいよ始まりました。また、会社説明会や先輩社員との座談会などのイベントも今後引き続き実施しますので、ぜひご検討ください。
みなさまからのご応募をお待ちしております!

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さくらインターネット新卒採用情報

1番目に想起されるDXを支えるテック企業へ。さくらインターネットが目指す未来

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これまで『さくマガ』に多くのコラムを寄稿いただいてきたトイアンナさん。今回は趣向を変え、さくらインターネットの現在注力する取り組みや今後の展望について、副社長 兼 執行役員の舘野 正明にインタビューいただきました。

さくらインターネットがあったから、学生時代にウェブサイトを作れた。さくらインターネットがあったから、やりたいことができた。そう感じているユーザーは多いのではないだろうか。だが、中年の郷愁にのみ想起されるようなサービスは、いつかレガシーになる。
会社設立から 6年で上場してからも常に変革を求め、時代に寄り添い続けてきたさくらインターネット。いまのリアルな姿を、さくらインターネットの執行役員であり副社長の舘野 正明さんに聞いた。

日本のインターネットを支えるサービスを次々と開発

舘野 正明(たての まさあき)プロフィール

さくらインターネット株式会社 副社長 兼 執行役員。茨城県出身。金沢大学経済学部卒業後、味の素株式会社に入社し、国内食品事業を中心に営業を 10年経験。2002年にさくらインターネットに入社し、2004年に執行役員就任。以降、 ほぼすべての事業・サービスに企画担当・事業責任者として関わる。2008年に副社長就任。現在、経営戦略やマーケティングなどを管掌。ゲヒルン株式会社取締役兼任。

 

――そもそも、さくらインターネットの名前を聞けば「ああ!」と、なにかしらの記憶があるインターネットユーザーは多いと思うのですが、これってなぜなのでしょう。

「さくらのレンタルサーバ」はもちろんのこと、VPS、専用サーバー、クラウドと、日本の方が IT と接点を持つうえで重要なサービスの多くを手掛けてきたからだと思います。私は 2002年に入社後、「さくらインターネット」と聞いて真っ先に思い浮かぶであろうサービスは企画担当や事業責任者としてほとんど関わってきました。2004年からは経営の方にも携わるようになり、現在は経営戦略やマーケティングなどを管掌しています。

 

――さくらインターネットのビジョンは「『やりたいこと』を『できる』に変える」ですよね。これも舘野さんが参画されてからできたのですか。

そうですね。じつはこれができたのはわりと最近です。背景となった思想は昔からあったものですが、創業20周年の 2016年に言語化して生まれました。高い熱量を持って挑戦するすべての人たちが、自分のやりたいことを叶えられるような社会をインターネットとともにつくる。それが、さくらインターネットの目指す姿です。

 

――現在、さくらインターネットが取る戦略はどのようなものでしょうか。

事業ごとに個々の目的や戦略はありますが、現在の中期経営計画では「全ての人が『サクセス』する DXプラットフォーマー」を目標として掲げています。デジタル時代の顧客の「やりたいこと」を、ソフトウェアファーストで「できる」に変えていく。

2020年度までは「クラウドプラットフォーマー」としていたんですが、2021年度から「DXプラットフォーマー」に変えたんです。クラウドというと、当社では「さくらのクラウド」、つまり IaaS を連想しがちで、既存の延長線上での持続的な成長を目指すというメッセージとして受け取られる危惧がありました。それだけでなく新しい領域でも非連続的な成長を目指すんだという想いを込めて、DX にしました。

DXプラットフォーマーというと、Amazon、Google、Meta、Uber といった世界的な企業が名を連ねます。私たちのメイン顧客は ITリテラシーが高い方々が多く、こういった企業が競合になるのです。2011年に AWS の東京リージョン開設以降、私たちのライバルはハイパースケーラーになりました。

 

――厳しい戦いですね。そのための勝ち筋を、どこに見出していますか。

国や行政が活用できるレベルのサービスを提供することにより、信頼を獲得したいと考えています。2023年11月には、ガバメントクラウドのサービス提供事業者に選定されました。国や官公庁が要求するレベルを基準に置くことで、法人、個人問わず日本で信頼してもらえるサービスを提供していきたいです。

クラウド分野でのビッグ3 として AWS、GCP、Azure があるかと思いますが、そのようなメガクラウドの機能をフルに使う案件ばかりではありません。ですので、メガクラウドの特定の機能を前提とするようなケース以外では、さくらインターネットがこれらの企業と比較される存在になりたいと考えています。

国内事業者の中ではシェアでも勝っていきたいですね。まずはマインドシェア……すなわち、お客さまの心の中でクラウドサービスを想像したとき、さくらインターネットが想起される比率に注目しています。「クラウドといえば、さくらインターネットだよね」と、マインドシェアの国内事業者 No.1 を目指したいです。

 

国産クラウドベンダーが本気で挑む「デジタル・ガバメント」とは?
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社名でもある「インターネット」は、文化をも包含する

――失礼ながら、さくらインターネットが「インターネット」という単語を社名に残し続けるからには、サーバーなどの分野で生き残ろうとしているのではないかと誤解していました。

それはもう、社名にインターネットと冠するからには、インターネットには並ならぬ情熱があります。そして、私たちが考える「インターネット」という単語は、複合的な意味合いを持ちます。普段、インターネットという単語を使うとき、その言葉はネットワーク、テクノロジー、各種ネットサービスの総称でもありますよね。さらに言えば、インターネットが育んできたカルチャーも含め「インターネット」の一部だと考えています。

そして、歴史的に見れば、さくらインターネットにおいてレンタルサーバーが事業の中心となっていた時代がありました。現在はパブリッククラウドを主眼に置いています。私たちは変化し続けることで、日本の ITインフラを支えています。

 

――インフラという単語は、得てして保守的で、変化の少ない業態を想起させます。さくらインターネットはそうではないのですか。

ITインフラは、最先端のテック企業のみが参入できるフィールドです。社会の発展に不可欠なものを作るためには、最先端になるしかありません。日本の IT企業で明暗を分けたのは、「パブリッククラウドを自社開発できたか」どうかだったと思います。それができなかった方々は、クラウドの導入支援をおこなうインテグレーターになるか、かつてのビジネスや強みに依存する戦い方になるはずです。

日本のテック企業の一社として、データセンターやネットワークといった物理インフラから上物となるソフトウェアまでを垂直統合できるテック企業、それがさくらインターネットだという捉え方をしていただけるようになるとうれしいですね。

最先端といえば、生成AI に向けたクラウドサービスを始める意思決定の速度は、日本企業の中でダントツ早かったという自負があります。そのお陰もあり、経産省のご支援をいただけました。

>>さくらインターネット、生成AI向けクラウドサービス開始へ〜NVIDIA H100 GPUを搭載した2EFの大規模クラウドインフラを石狩データセンターに整備〜(ニュースリリース)

 

生成AI向けクラウドサービスに向け、大規模クラウドインフラを
北海道の石狩データセンターに整備していく

 

――2022年に、経産省が安全保障の観点から安定供給が必要なアイテムを選ぶ「特定重要物資」のリストに、クラウドプログラムが追加された件ですね。

はい。さくらインターネットは 130億円規模の投資をおこない、「NVIDIA H100 Tensor コア GPU」を搭載した、合計2EFFLOPS(エクサフロップス)*1 の大規模クラウドインフラの整備を決めました。

生成AI では、通常のパブリッククラウドと違って、単に AWS のようなメガクラウドを使えばいいというわけではなく最新GPU が必要です。当時の状況を見ると、メガクラウドは NVIDIA社の最新GPU である H100 を使った GPUクラウドを日本国内では提供していませんでした。一世代前の A100 ですら満足に提供されていない状況だったのです。生成AI による需要急増により、世界中で奪い合いになっていたからです。

しかし、ここで日本企業がリスクテイクして、事業機会の評価や採算性を踏まえつつも、国の産業や社会を支えるインフラとしてのサービス提供をせねばと考えました。さくらインターネットとしては、そこで先陣を切ったわけです。ただでさえ、日本は「デジタル敗戦」の悔しい歴史があります。第二のデジタル敗戦を防ぎたければ、日本独自の LLM(大規模言語モデル)は絶対に必要です。それが、さくらインターネットが守りたい包括的な意味での「インターネット」でもあります。

 

このようなガバメントクラウドや生成AI の取り組みを推し進め、会社としても非連続の成長をしていくために、組織改革も 10月に実施しました。

これまで中心だった IT企業や個人に加えて、官公庁や地方自治体がターゲットに入ってくる。さらに、生成AI の影響がない産業はないので法人顧客もこれまでより幅広い業種となり、新しいセグメントにリーチしていく必要が出てきました。そこで、事業・サービスのグロースに、よりコミットしていくための「マーケティング本部」を新設しました。いままでは事業・サービスごとにマーケティング機能が存在し、データの取り方も各サービスで異なっていました。そこを横串で統一し、データドリブンで施策の検討や効果の検証などをおこなっていく組織です。

従業員のサクセス(ES)が顧客のサクセス(CS)を作るサイクル

――日本のために 130億を超える投資をおこなうというのは非常に視座の高い決断ですが、それを実現できたのはなぜですか。

当社はもともと、社長の田中が学生時代に起業したスタートアップだからだと思います。大きな意志決定は社長がおこないますが、それができるのも創業者である社長が、最新のテクノロジーを理解したうえで動けているからです。また、意志決定を実現するための手段については、経営層と一般社員がフラットに話せる社風です。だからいい案が自然と出てきて、すぐに採択される。社風とビジネスのいい循環が生まれていると思います。

 

――たとえば、普通の社員が幹部社員と 1対1 で話すことも可能なのですか?

もちろんです。むしろ推奨されている雰囲気すらあります。社長と 1on1 をしたければ、社長の秘書に依頼するだけです。
さくらインターネットは、誠実で素直な人が多くいます。だからこそ、理想に向けてどういう手段を取るべきか、真正面から議論できる社内環境が作れました。
「社員の成功があって、次に顧客の成功、そして最後に会社の成功」だと社長が常々言っていることもあるかと思います。社員が安心して熱量高く仕事をするからこそ、顧客の利益につながるのだという考えが昔から根付いているんです。

社員の挑戦がお客さまの成功につながり、お客さまの成功は新たな機会として社員に還元され、社員はさらに大きな挑戦ができる。そして会社としても成功につながる。さくらインターネットはそうしたすべての人が成功するスパイラルの実現を目指している。

好循環を加速させる人事制度

――その土壌があるなかで、ビジョンを策定したときは、どのように決まっていったのでしょうか。

人事戦略をテーマにした役員合宿をおこないました。普段はリモートで働いている役員も全員集合して、社内制度をどうやっていくかを真剣に話し合ったんですね。そこで登場したのがダグラス・マクレガーの「X理論・Y理論」です。

 

――X理論は「人は従来、仕事が嫌いなのだから、仕事をしてもらうためには強制力や管理が必要だ」という考え方ですよね。逆に Y理論は、「人は、自分が設定した目標であれば積極的に働きたくなるもの」という性善説に近いセオリーです。

そこで、さくらインターネットは「Y理論」を信じることにしました。そう信じたいと思わせてくれる社員がいたからです。だからこそ、近江商人のいう「三方よし」や、利益を求めつつも社会にとって有用であれという「公益資本主義」に近いメッセージを発信していこうと考えました。さくらインターネットが発展した結果、どこかの誰かが犠牲になるようなビジネスはやめましょうと。みんながサクセスする世界を、みんなで目指していきたいと。

現在さらに、人的資本経営に基づいた人事戦略を策定し、さまざまな取り組みをおこなっています。

>>さくらインターネットの人事戦略。人材の成長と成功を導く「5つの柱」

 

――その「みんながサクセス」を反映している施策はありますか。

さまざまなものがありますが、たとえば、地方創生です。もともとインターネットには都会も地方もありません。今も、インターネットを使いたい人は日本中にいます。ところが、事業者側は大都市に集中してしまっています。コロナ禍でリモートワークが一般化し、事業者側も都会である必然性がなくなりつつありますが、まだまだ分散できていません。

さくらインターネットは、この状況を打破するべく、かねてより北海道の石狩にデータセンターを建設したり、福岡や沖縄に拠点を作っています。

内閣官房が発信している「誰一人取り残さない社会」を作るうえで、デジタルの力で地方を豊かにするデジタル田園都市国家構想と、近しいものがあります。その土地ならではのデジタル化がより活発になるよう、地域の方々との交流を通じて、地方を創生しながら利益も生んでいきたいと考えています。

2023年9月に沖縄に開所した新拠点「SAKURA innobase Okinawa​ 」。沖縄県を起点としたDX人材の育成や、デジタルイノベーションの創出を目指す。

インターネットの原理原則を知りたい人の最終地点

――いま、さくらインターネットは積極的に採用もされていますね。多くの IT企業ではハードスキルを持つ人を望みがちですが。

さくらインターネットの場合は、カルチャーフィットも真剣に見ます。現場はとにかく即戦力がほしいですから、スキルだけで人を採用しがちです。ですが、それでさくらインターネットに来ていただいても、居心地が悪いはずです。

さくらインターネットでは人事評価制度にバリューと照らし合わせた評価項目があります。さくらインターネットが社員に求めている 3つのバリュー「肯定ファースト」「リード&フォロー」「伝わるまで話そう」を尊重して仕事ができているかを、半期ごとにチェックしているのです。

 

――それは、マネジメント層においてもそうなのですか。

そのとおりです。これらのバリューを活かせないミドルマネジメントは、評価されません。たとえば「私を通せ」「私は聞いていない」といった理由でプロジェクトの速度を遅くするマネージャーはいませんね。そもそも、評価されないからミドルマネジメントまで役職が上がりません。

さくらインターネットのこういった文化は、オウンドメディアなどでも発信していますので、そのあたりを期待して応募してくださる人も多く、いいサイクルだと感じています。

 

――最後に、あえてカルチャーフィットではなく、スキルフィットの面でほしい人材像を教えてください。

エンジニアなら「クラウドを作る」という大きなプロジェクトを楽しめる方です。クラウドを使う、売る、サポートするだけでなく、作る側になれるチャンスです。ディープなエンジニアに応募していただきたいですね。OS のカーネルなど低レイヤーに関心を持っていただいたり、CPU の脆弱性とぶつかったり。クラウド自体は、こういった低レイヤーのテクノロジーに触れなくていいものです。ですが、作る側になれば話は違います。なぜ A が B になっているのか、といった原理原則に興味を持っていただけるエンジニアなら、きっと楽しんでいただけると思います。

マーケティング部門では、グロースを意識できる方に来ていただきたいです。さくらインターネットのビジネスを伸ばす、そのための戦略を練り、施策をやっていける方ですね。マーケティングを「ビジネスプランニング」と意識できる方を求めています。

営業部門へは、顧客のカスタマーサクセスやアップセルを考えられる方を歓迎したいです。さくらインターネットが提供しているサービスを知っていただく必要があるため、技術にも明るい必要がありますね。ただ、これらを全部最初から持っている方はかなり限定されると思いますから、学ぶ意欲のある方にぜひ来ていただきたいです。最終的には、技術も営業としての専門性も身につけていただくことが理想です。

ぜひ一緒に、日本を代表するテック企業を作りましょう!

 

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*1:EFLOPS(エクサフロップス)はコンピュータの処理能力の単位で、Exa Floating-point number Operations Per Secondの略。Exaは100京(10の18乗)であり、毎秒100京回の浮動小数点演算ができることを表します。2EFLOPSという演算能力は、クラウドサービスとして整備予定のGPUの性能(「NVIDIA H100 Tensor コア GPU」を2000基以上)を合算した場合の理論値であり、数値形式として半精度で計算をおこなった場合を想定したものです。

学生の「やりたいこと」を「できる」に変える! 2023年夏のさくらインターネットのインターンシップ~エンジニアコース編~

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さくらインターネットの夏季インターンシップは、人事以外の社員がメインで企画運営しています。若手社員や入社間もない社員に企業理解を進めてもらうことが目的です。本稿では、2023年度のインターンシップ(エンジニアコース)を担当した社員 4名に、企画運営を通じて得たもの、今後やりたいことなどをインタビュー。またアドバイザーとして参加した先輩社員にも感想を聞きました。

>>2023年度のインターンシップ(ビジネスコース)の記事はこちら

左から、金沢 和樹、阿部 有輝、米田 悠人、印丸 裕貴
金沢 和樹(かなざわ かずき)プロフィール

2022年4月にさくらインターネットへ新卒入社。インターネットサービス本部 インターネットサービス部 ホスティングビジネスグループにて、「さくらのレンタルサーバ」の開発などを担当。子ども向けプログラミング教室「KidsVenture」の運営にも携わる。

阿部 有輝(あべ ゆうき)プロフィール

自衛官、SES(System Engineering Service)を経て、2023年1月にさくらインターネットへ入社。クラウド事業本部 クラウドサービス部 インフラ開発にて、「さくらの専用サーバPHY」のコンテナ基盤、監視基盤などのインフラ管理を担当。

米田 悠人(よねだ ゆうと)プロフィール

2022年4月にさくらインターネットへ新卒入社。クラウド事業本部 プラットフォーム部 基盤グループ ネットワークユニットにて、ネットワーク運用や運用効率化をおこなうためのツール開発を担当。

印丸 裕貴(いんまる ひろき)プロフィール

2021年4月にさくらインターネットへ新卒入社。クラウド事業本部 プラットフォーム部 基盤グループ 基盤ユニットにて、「さくらのクラウド」や閉域網サービスを担当。

2023年の夏のインターンシップ(エンジニアコース)

さくらインターネットでは、営業やカスタマーサポートなどに携わる「ビジネスコース」と、ソフトウェアやインフラサービス開発などに携わる「エンジニアコース」に分けて新卒採用をおこなっています。

夏には、「さくらインターネットを知ってもらうこと」「IT業界の社会的役割、実際の業務、働き方を知り、興味を持ってもらうこと」を目的に、インターンシップを実施しています。

2023年の夏のインターンシップ(エンジニアコース)は、8月21日~23日にオンラインでおこない、19名の学生が参加しました。

本インターンシップでは、さくらインターネットが提供する「さくらのクラウド」「さくらのVPS」「さくらの専用サーバ」といったサービスのサーバー・ネットワークを構築し、CPUやメモリなどの性能測定を実施。そして測定結果から各サービスの特徴を比較して、チームに分かれて発表いただきました。そのほか、さくらインターネット社員との座談会もおこないました。

 

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学生の「やりたいこと」を「できる」に変える

夏のインターンシップは、「学生に近い目線で企画をおこない、企画から実行までのプロジェクトマネジメントを経験し、成長の機会とすること」「会社への理解を深めること」を目的に、若手社員や入社間もない社員が中心となって企画運営を担います。2023年夏のインターンシップを担当した 4名に話を聞きました。

 

金沢 和樹

 

――企画運営のこだわりを教えてください。

金沢 和樹(以下、金沢):「これからの糧となるような実りの多いインターンシップにする」ことです。社会に出て、物事を進めていくときには「なぜこれが必要なのか」といった“根拠”を相手に伝え、納得してもらう必要があります。たとえば、データ検証で正しく客観的に情報を捉える方法や、プレゼン資料への落とし込みなどは、社会で働いていくための土台になります。マニュアルのなかに、統計の話を盛り込んだりもしました。

印丸 裕貴(以下、印丸):また「学生が『やりきった感』を持てるような仕組みを作る」ために、さまざまな知識レベルの学生が楽しめるように工夫しました。基本としてやってほしいことは用意しつつ、学生から要望があれば応えるようにしたんです。測定して得たデータを比較してレポートするだけであれば経験が浅くてもできますし、もっと深いことをやりたい学生には高スペックなサーバーを提供しました。ストレージの性能評価や、コンテナ管理ツールの「Kubernetes」を使ってみるなど、チームによっていろいろなアイデアを出してくれましたね。

 

――学生からは、みなさんが普段携わっている業務外の要望も出てきますよね。それに対応するのは非常に難しかったのではないでしょうか?

阿部 有輝(以下、阿部):私のチームは大規模言語モデルの性能測定にチャレンジしました。専門外の分野だったのでかなり焦りましたが、やりたいことをやってもらうのが今回のインターンシップの目的なので、動揺は隠さず「いいね! やってみよう!」と(笑)。学生ががんばってくれて、最終的にデータもとれて発表することができました。私自身もとても勉強になりましたね。

 

阿部 有輝

 

――メンターとして 1チームずつ担当されたとのことですが、みなさんメンターを経験するのは初めてですよね。なにか工夫した点はありますか?

金沢:考える力をつけてもらうため、ただ正解を教えるのではなく、必要に応じてヒントをお伝えするようにしました。あくまで学生が自力でゴールにたどり着けるように、メンターはサポートに徹しました。「やりきった感」を持ってもらうには、自分の力でゴールまでたどり着いたという感覚が大きく寄与するところだと思ったからです。ただ塩梅が難しくて、その点はメンター陣でよく話し合いましたね。

米田 悠人(以下、米田):たとえばプレゼンの発表資料は、もし時間内に仕上がらなければ成功体験になりません。スケジュールを加味しつつ、修正すべき点を具体的にすべて言ってしまうのか、それともヒントにとどめるのかは悩みどころでした。あとは各チームごとに 3~4名の学生がいたので役割分担を自由に決めてやってもらいましたね。

印丸:学生それぞれ得意分野があって、いい感じに補え合えていた気がします。インターンシップの参加者は事前に面談をして、そこである程度、得意・不得意を見て、スキルがバランスよくなるようにチームを構成しました。それがうまくいったのかなと思います。

企画運営で得た気づきを活かして

米田 悠人

 

――大変だったことを教えてください。

米田:初対面で、オンラインを通したコミュニケーションに難しさを感じました。学生の知識レベルも違いますし、オンラインの画面越しだと、説明したときに本当に理解しているのかがわかりずらい。私がオフラインのコミュニケーションを重要視するタイプというのはありますが、またこのような採用に携わる機会があれば、オンラインとオフラインのハイブリッドでやってみたいですね!

金沢:スケジュール管理です。約1か月半~2か月ほどが準備期間、そして本番は 3日間。性能測定で使うツールやサーバーはある程度こちらで準備しましたが、性能測定というのは時間がかかる工程です。データを比較してさらに資料を作ることを考えると、メンターとしてはひやひやしました。

印丸:限られた時間で、学生のやりたいことを最大限に実現しつつ、どう発表までもっていくか。そのバランスが難しかったですね。一方でスケジュールに関しては、インターンシップ後に学生に実施したアンケートでは好評だったと聞いています。短いのではという懸念があったのですが、学生からするとよい進行具合で、集中してやり切ったという感覚につながったようです。

阿部:私は社会人歴は長いのですが、 2023年1月入社でさくらインターネットの社歴がメンターのなかで一番短く、会社自体の知識にとても不安がありました。自分でいいのだろうかとも思いましたが、社歴が浅いからこそフレッシュな視点で、加えていろんな会社の経験もあるのでそれも踏まえつつ、さくらインターネットの魅力を伝えられたかなと思います。

 

印丸 裕貴

 

――金沢さん、米田さん、印丸さんのように新卒入社2~3年目という若手社員としての目線と、阿部さんのように社会人歴が長く転職経験もある中堅社員としての目線、両方から話を聞けて、学生にとってはすごくよかったのではと思います。今回の企画運営を通してさまざまな気づきがあったと思いますが、これからやっていきたいことはありますか?

米田:伝え方のスキルを磨いていきたいです。今回のインターンシップでは、メンターはマネージャーのような立ち位置だったと思っています。学生の要望を汲んだり、スケジュールとのバランスを考えたり。直球で言わずにオブラートに包む伝え方や、反対にわかりやすく簡潔に伝えるといったように、とにかく伝え方の技術が今後の仕事においても重要だと思いました。

印丸:自分の得意・不得意を把握して、周りの人を頼ってうまく作業を進めていく重要性を再確認しました。私は普段クラウドの運用を担当していますが、運用といっても実際にはいろいろな分野があります。自分とほかのメンバーそれぞれの得意なところを把握して、補完し合って仕事を進めていきたいですね。

金沢:「学生にとってどういうメンターだったら、よい成長の機会になるだろうか」とつねに意識した 3日間でした。さまざまな役割を演じ分けることも社会人には必要な要素だと思い、会社で自分がいま求められている役割をあらためて考える機会にもなりました。これからもメタ認知的に状況を俯瞰しながら、業務を進めていきたいと思います。

阿部:あらためて、さくらインターネットのバリューである「肯定ファースト」「リード&フォロー」「伝わるまで話そう」を意識して、業務にあたっていこうと思いました。それを社員として体現して、さくらインターネットの魅力をアウトプットし、今回のような採用のお手伝いをして一緒に働く仲間を増やしていきたいですね。

米田:今後も採用活動に積極的に関わりたいというのは全員一致してますね。通常業務ではできない経験がたくさんできる。何もないところから企画を立てることは、難しい反面おもしろい。部門関係なく、さまざまなことに挑戦できるのもさくらインターネットのよいところだと思います。

就職活動中の学生へメッセージ

 

――部門外の方と関われるのは、すごく刺激になりますよね。最後にこれから就職活動をおこなっていく学生のみなさんへメッセージをお願いします。

米田:自分のやりたいことを見つけて、好きな仕事に就いてほしいですね。やりたいことが一番長続きすると思っています。やりたい仕事を見つけるのはなかなか難しいかもしれませんが、今回のインターンシップで実際にサーバーを触った経験が、好きか嫌いか、その気づきになっていたらいいなと思っています。

印丸:就職活動はいろいろな企業の人と直接話して雰囲気を知るいい機会なので、行きたい企業だけではなく、同じような業界はもちろん、違う業界も受けてみてほしいです。面接の 1時間ぐらいでも、その会社の考え方や風土がわかるものです。同じような業界でも違う部分があるというのもわかるし、違う業界だとそれもそれでおもしろく、新しい発見もあるはずです。

阿部:自分の中で好きな分野・技術を見つけて、それを軸に自分の可能性を広げていただきたいです。企業研究していくうえでも、「好きだ」と思えるポイントが、その企業にあるかどうかが大事です。たとえばサービスには会社の思想などが盛り込まれているものです。志望企業のサービスに触れてみて、少しでも雰囲気を感じ取り、入ってから後悔しないようにしていただきたいです。

金沢:就職活動は「自分」と向き合えるよい機会だと思います。何をしたい、したくないのか、最終的にはどのような道を歩んでいきたいのかをとことん考えてみてください。天職と思えるような仕事に従事できればいいですが、必ずしもそのような結果に終わるとは限りません。ただ、どのような結果であっても心の底から納得して就職できるように、なあなあで流されて決めるのではなく、根拠をもって、それを原動力に進んでいってください。

 

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4名のアドバイザーとして参加した先輩社員のコメント

クラウド事業本部 シニアエンジニア エンジニア採用責任者 三浦 勇二

 

昨年のインターンシップの経験から、今年もアドバイザーとして企画運営に参加しました。

「さくらインターネットを知ってもらう」ことを第一に進めましたが、メンバーそれぞれが知ってほしい「さくらインターネットらしさ」を、それぞれのやり方で伝えられたのではと思います。入社のきっかけや、入社後にどのように成長できたか、入社前後のギャップなどは社歴の短い人のほうが伝えやすいものです。また、メンターとしてもそれぞれの強みを活かして、学生に接したことが、発表内容からもうかがえました。

なんといっても、今回学生と知り合いになれたことが、メンバーの一番の成果だと思います。ご入社いただける学生がいた場合、入社後にその学生のよき相談相手になれるはずですから。リモート環境で多拠点間で仕事をするなかで、1人でも知り合いが多いのは新入社員にとってはかなり心強いことです。

採用活動にはこれからも携わっていきたいと思っています。また、より愛される会社になるように、さくらインターネット自体をもっともっとよくしていきたいですね!

2025年の新卒採用選考開始!

エンジニアの新卒採用を担当する ES本部 西村 直也

 

今後も、就労体験イベント、石狩データセンター見学会、先輩社員との座談会など、さくらインターネットの社風を知っていただくためのさまざまなイベントをご用意していますので、ぜひご参加ください。
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そして 2025年の新卒採用選考がいよいよ始まりました。
たくさんのご応募、お待ちしております!

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