さくらインターネットの DX拠点「SAKURA innobase Okinawa」がオープン!

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2023年9月1日、さくらインターネットは、DX拠点「SAKURA innobase Okinawa(さくらイノーベース沖縄)」(以下、innobase)を沖縄県那覇市にオープンしました。本記事では施設の概要のほか、9月11日に開催したミートアップの模様や、innobase のコミュニティマネージャーに就任した島袋瑞樹のインタビューをお届けします。

「SAKURA innobase Okinawa」とは?

さくらインターネットの企業ビジョンは、“「やりたいこと」を「できる」に変える”。その実現に向けて、社会の変化に対応してデジタルを主軸とした課題解決を提供するために、「デジタル化」「スタートアップ」「地方創生」「教育」という 4項目を重点テーマとして設定しています。

>>さくらインターネット企業情報 │ ビジョンの実現に向けて

これらのテーマのもと、innobase は“「やりたいこと」を「できる」に変えるの連鎖を起こす場所として誕生しました。沖縄県におけるデジタルイノベーションの創出や、DX人材の育成を目的に、業務をおこなう場所ではなく、社内外におけるリアルコミュニケーションスペースとして活用していきます。

【取り組み内容】

  • DX人材育成
    ITビジネスを創出していく人材育成のための各種イベントを施設内で開催します。
  • デジタルイノベーションの創出
    • ビジネス開発
      さくらインターネットの持つクラウドコンピューティングサービスや、そのサービス開発・運用の知見を活かし、沖縄県の持つテクノロジー・文化を重んじながら、地域企業とともにオープンイノベーションを起こしていきます。
    • スタートアップ支援
      沖縄県のスタートアップ育成支援をしていきます。

施設内観・外観

innobase では、すでに複数の企業・団体との連携が始まっています。施設コンセプトは「進化し続ける拠点」。今後も、こうしたみなさまとともに「やりたいこと」を生み出し、それらを取り入れながら進化し続けます。

【連携企業・団体の一例】

  • ISCO(一般財団法人 沖縄ITイノベーション戦略センター)
    沖縄県経済の振興を図る産業支援機関として、県内の起業・事業支援や IT利活用の推進などをおこなっています。
  • 株式会社うむさんラボ
    「社会をより豊かにする」事業への“社会的インパクト投資”と、幅広いビジネススキルやネットワークを活用した経営支援、事業開発などをおこなっています。
  • おきなわ・スタートアップ・エコシステム・コンソーシアム
    沖縄県「スタートアップエコシステム構築事業」の一環(さくらインターネットも加入)。スタートアップ支援をおこなう拠点として innobase内に「Startup Lab Lagoon NAHA」を開設しています。
  • その他
    さまざまなコミュニティイベントを innobase で開催しています。

innobase で おこなわれた Startup Lab Lagoon NAHA の開所式の模様(左から、ISCO スタートアップセクション シニアプロジェクトマネージャー 兼村光氏、沖縄県商工労働部長 松永享氏、ISCO 理事長 稲垣純一氏、沖縄県知事 玉城デニー氏、さくらインターネット 代表取締役社長 田中邦裕、うむさんラボ 大西克典氏)

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オープンイベントには総勢約160名が参加

innobase開所を記念としたパーティには、総勢約160名が出席。さくらインターネット社員のほか、県内外の経営者、行政関係者、学生など、多くの関係者さまにご参加いただき、活発なコミュニケーションが生まれていました。

さくらインターネット 代表取締役社長 田中邦裕よりご挨拶

田中 ようこそ、さくらインターネットの DX拠点へお越しくださいました! 去年から那覇市民になりましたが、今回拠点ができたことで、名実ともに沖縄の地で仕事ができるようになり、大変うれしく思っています。

さくらインターネットのビジョンは “「やりたいこと」を「できる」に変える”。私自身も 18歳のときに学生起業した身です。そこから 27年間、インターネット、スタートアップ、起業の可能性を信じ、「なにか新しいことをやろう!」という方々と一緒にビジネスをやっていくなかで、われわれも成長してきました。そして今後は、それを東京だけではなくほかの場所でも実現し、成長の連鎖をつくっていきたいのです。

沖縄は日本で一番開業率が高く、平均年齢が若くて、出生率も高い。成長可能性が高いこの地で、“「やりたいこと」を「できる」に変える” を叶えようと熱量高く取り組んでいる方々と共創し、さくらインターネットもさらに成長していきたいと考えています。沖縄の地から全国へ、成長や変化の輪を広げていきましょう! 

コミュニティマネージャーに聞く
「SAKURA innobase Okinawa」にかける想い

innobase のコミュニティマネージャーには、事業開発本部 スタートアップ推進室所属の沖縄県在住社員、島袋瑞樹が就任。「SAKURA innobase Okinawa」にかける想いを聞きました。

島袋 瑞樹(しまぶくろ みずき) プロフィール

事業開発本部 スタートアップ推進室 所属

SAKURA innobase Okinawa コミュニティマネージャー

沖縄県出身。沖縄工業高等専門学校(沖縄高専)を卒業後、ニュースサイトのバックエンドエンジニアを経て、2020年2月にセールスエンジニアとしてさくらインターネットに中途入社。入社後は沖縄県那覇市に Uターンし、リモートワークにて勤務。2023年にスタートアップ推進室に異動し、2023年9月より SAKURA innobase Okinawa コミュニティマネージャーに就任。

――さくらインターネット入社の経緯を教えてください。

じつは、沖縄高専在学中に出場した起業家甲子園の沖縄予選で「さくらインターネット賞」を受賞しているんです。結局新卒では別の会社に就職し、バックエンドエンジニアをしていましたが、もっとお客さまとの距離が近い「サービスを売る仕事」をしたいと考えるようになりました。そんなタイミングで、ちょうどセールスエンジニアの募集があったため応募し、入社することになりました。

 

――innobase のコミュニティマネージャー就任の経緯について教えてください。

沖縄に社内外とのリアルコミュニケーションスペースとして活用していく新拠点ができることが決まり、「コミュニティマネージャーが必要だよね」という話が出たときに、「やってみたい!」と手を挙げました。

「さくらインターネットのことを好きになってもらう」という意味ではセールスエンジニアの仕事と共通する部分もあると考えています。なにより、企業や地域と共創していくというのがとてもおもしろそうだなと。沖縄にゆかり深い身としても、ぜひこの新拠点にかかわっていきたいと思ったんです。

――「innobase」という名前は、島袋さんの後輩である沖縄高専の生徒たちのアイデアが原案になっていると聞きました。

はい。新拠点のコンセプトをお伝えしたうえで、沖縄高専の学生たちに新拠点の名前を考えてもらうワークショップを実施しました。そこで出た案が、「innovation(イノベーション)」 と「base(基地)」を組み合わせた「イノーベース」という名前だったんです。

そこに、沖縄の方言の「イノー」(サンゴ礁に囲まれたおだやかな海、礁池のこと)という意味を私がつけ加えました。おだやかな海で生物が育つように、この施設から沖縄発信の DX人材や、デジタルイノベーションの創出をしていきたい――。そんな想いを込めています。

沖縄高専の学生たちに新拠点の名前を考えてもらうワークショップの様子

――施設名からすでに共創が始まっていたのですね! innobaseは「進化する拠点」がコンセプトとのことですが、最後に今後の展望を教えてください。

ありがたいことに、毎週のようにイベントが入っています。イベントをするなかで、「こういうものが欲しい」「こんなふうな使い方がしたい」など、いろいろな要望が出てくると思うので、それに応えられるように、ハード面もソフト面もアップデートしていきたいですね。

自社だけで使う施設ではないので、こうして絶えず進化していくことで、地域やスタートアップ企業、そして日本のインターネット業界全体を盛り上げていきたいと思っています。

 

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「ヒトに寄り添うデジタルを、みんなの手元に。」フラーCTO に聞くデータ×技術力の強み

デジタル社会の現在、スマートフォンアプリ(以下、スマホアプリ)は日常生活を営む重要なインフラとなっている。企業にとっても、スマホアプリのリリースは自社の事業構造をアップデートさせる一手であり、経営戦略としても重要な位置付けとなっている。そのような中、スマホアプリの開発・運用で大きな存在感を放つ企業がある。フラー株式会社(以下、フラー)だ。大企業、自治体を中心に幅広く支持される同社の強みを、CTO の伊津惇さんに聞いた。

伊津 惇(いづ あつし)さん プロフィール

フラー株式会社 ​​執行役員CTO兼エンジニアグループ長。1989年生。新潟県出身。国立長岡工業高等専門学校卒業。卒業後は、自動車部品メーカーにて、組み込みソフトウェア開発をおこなう。2017年4月にフラーに参画し、エンジニアとして「長岡花火公式アプリ」「Snow Peak公式アプリ」の開発をおこなう。2021年執行役員CTO兼エンジニアリンググループ長、フラーの開発組織の拡大に携わる。ユメは世界を変えるプロダクトを創ること。

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「リリースはゴールではなくスタートライン」

近年、多くの企業がスマホアプリの開発に乗り出している。自社の知見やノウハウを活かしたサービス展開や自社EC による売上拡大、顧客エンゲージメント向上に向けた会員サービスなど、種類・用途も幅広くなっている。また、スマホアプリでは利用者の属性データも収集できるため、マーケティングとして有益なデータ獲得にもつながるメリットもある。

 

一方で、スマホアプリは開発することが目的ではなく、リリース後、いかに多くのユーザーに継続的に利用されるかが重要だ。一定数ユーザーを獲得できなければ投資対効果が低く、有益な顧客インサイトを得ることもできない。開発段階からリリース後を見据えたサービス設計が不可欠だ。

 

「当社では『リリースはゴールではなくスタートライン』と考えています。アプリはとにかくつくればいいというものではなく、リリース後、いかに成長させ、ユーザーを獲得していくかが重要です。お客さまの視点に立てば、スマホアプリのリリースは大きな投資であり、それに見合った成果は必ず求められます。開発の時点で運用やアップデートを見越した技術選定やシステム構築をしていく必要があります」

 

そう説明するのが、フラーCTO の伊津さんだ。同社は日本でスマホが普及し始めた 2011年に創業。現在では「デジタルパートナー事業」という名で事業を展開し、アプリを中心としたデジタル領域全般のソリューションと、スマホアプリ市場・競合分析サービスの「App Ape(アップ・エイプ)」を提供している。同社の事業展開の経緯を見ると、アプリ開発のソリューションに先行して 2013年から App Ape の原型となるサービスを展開しているが、同サービスではどういった価値を提供しているのだろうか。

 

「App Apeは、独自に取得したスマホアプリの利用データを統計処理し、市場・競合分析に活用できる利用動向データを提供するサービスです。具体的には特定のアプリのユーザー規模やユーザー構成、利用パターンなどの指標をシンプルな UI で可視化しています。また、競合となるアプリのユーザー数や利用時間、上昇・下降トレンドもわかります。アプリ開発や運用に必要なデータが分析でき、よりスピーディな意思決定が可能になります」

 

原型となるサービスを含めれば、フラーは 10年にわたり App Ape によるデータ分析をおこなっている。同社がクライアントワークを開始したのは 2017年のこと。これまでの自社プロダクト開発で培った技術力、そして App Ape によるアプリ利用動向データの知見やデータ分析のノウハウが揃う同社にスマホアプリ開発のニーズが寄せられたのは、自然な流れといえるだろう。

 

「開発しようとしているスマホアプリの競合が、どのようなユーザーがどのように利用されているのかは、表層的な情報では掴みづらいものです。

 

実際、お客さまが若年層と予想していたスマホアプリのメインユーザーが、じつは 30〜40代であることがわかり驚かれることもあります。想定ユーザーを見誤るとリリース後の収益化プランに大きな影響を与えます。マーケティング施策としても、スマホアプリの開発・運用にはデータドリブンな意思決定が非常に重要になります。

 

当社の場合、App Apeに蓄積する長年のデータから、運用を見据えた適切な提案をデータサイエンスに立脚した視点からおこなうことができます。一方で、お客さまのニーズを聞くと、そもそもアプリを開発したいが、信頼できる企業に依頼ができず困っているという場合も多い。そういったところから、私たちが長年培った技術力を活かしてクライアントワークもするようになりました」

開発・運用で重視する「当事者意識」

長岡花火大会公式スマホアプリ(提供:フラー)

伊津さんが説明するように、同社の強みはデータ活用の知見とスマホアプリに関する高い技術力がシナジーを発揮している点にある。初めて手がけたクライアントワークであり、現在まで 6年に渡り運用しているのが、新潟県長岡市で開催される「長岡まつり大花火大会(以下、長岡花火)」(主催:一般財団法人長岡花火財団)の公式スマホアプリだ。

 

「長岡花火大会は毎年 8月初旬の 2日間、合計で約4時間開催されます。公式スマホアプリは、年間でもごく限られた時間のみ使いますが、その 2日間は非常にアクセスが集中し、利用シーンもインターネットへの接続がしづらい屋外の場合も多いです。

 

このアプリは、長岡花火大会をより便利で楽しいものにするようにサポートすることが目的ですが、もしも運用面に不備があれば真逆の効果を生んでしまいます。開発としても運用を見据えた対応を随所にしています。

 

たとえば、機能の中には会場のマップや当日のプログラムが表示されるようになっていますが、リリース 1年目はインターネットから常に情報をダウンロードして表示されるようにしていました。しかし、それではインターネットに接続しにくい場合、肝心の情報が表示されにくいことがわかりました。その反省を活かし、現在ではマップやプログラムの建付を改修し、オフラインでも常に表示するようにしました」

 

デザイン面でも配慮をおこなった。花火大会という性質上、利用は夜となる。そのため、デザインはダークモードをデフォルトとして、黒を基調として夜間でも見やすく、使いやすい UI を実現している。

 

「私たちは『当事者意識』と呼んでいますが、ユーザー体験を自分ごととした開発・運用をおこなっていることもフラーの特徴です。自身をユーザーの一部と捉えて、まず自分たちがユーザーとして体験してからアプリをつくっていくことを重視しています。

 

また、当社の社長である山﨑将司は国際的なプロダクトデザイン賞である「iF DESIGN AWARD」を受賞した UI/UX のエキスパートであり、全社的にユーザー体験を向上させるデザイン構築への意識が高いことも強みです。

 

いくらよい機能を備えていても、使われなければ意味がありません。逆にデザインがよくても利便性の高い機能がなければ長く使ってもらえない。このような機能とデザインのバランスを適切に取れていることが他社との競合優位性になっていると感じます」

 

たしかな技術力を持ちながら、ユーザーが使いやすいデザインを念頭に置いた開発をおこなう。加えて同社はデータ分析に強みを持ち、事業開発の段階から伴走して支援する。スマホアプリに関するすべてのプロセスを一気通貫で依頼ができるため、顧客としての利便性は高い。では、同社のエンジニア組織はどのような体制をとっているのだろうか。

 

「当社の場合は一般的にいうマトリックス型組織をとっています。担当する職種ごとにチームを分け、プロジェクトチームが発足するとそれぞれのチームからメンバーがアサインされる仕組みです。具体的には  iOS と Android、フロントエンド、サーバーサイド、データサイエンティストの 5つのチームに分かれています」

 

フラーは働き方の柔軟性が高く、エンジニアの場合、約7割のメンバーがリモートワークで勤務しているという。一方で、リモートワークでは連携のしづらさを課題視する企業も多い。CTO としてエンジニア組織をまとめる伊津さんは、マネジメントではどのような点を意識しているのだろうか。

 

「会社全体としては、『世界一、ヒトを惹きつける会社を創る。』をユメ(ビジョン)に掲げています。それを体現するように、エンジニアに限らず非常に多様で優秀な人材が在籍し、部署を横断しながら自身の強みや得意領域を発揮して活躍していることが強みになっています。

 

カルチャーとしても役職や部署にかかわらず交流ができるような制度を設けています。誰とでも気軽に話せることが心理的安全性にもつながり、仕事にも好影響が出ていると思います。私としてもこのカルチャーは非常に重視していて、リモート中心のメンバーでも気軽に会話ができる機会を積極的に作っています。

 

私がエンジニアになったきっかけでもありますが、やはりエンジニアは『開発することが楽しい』という気持ちが根底にあると思っています。エンジニア一人ひとりにその気持ちを大事にしてほしいです。そのためにもチーム全体で会社が持つカルチャーを損なわず、自身の能力がしっかりと発揮できる環境を整備したいと心がけています」

画像:誰とでも気軽に話すことができる、ミーティングルーム

スマホアプリの運用で「ImageFlux」を活用するメリット

アウトドア製品を販売するSnow Peak公式アプリではさくらインターネットの「ImageFlux」を活用している(提供:フラー)

フラーでは、 iOS と Android といった各環境に合わせた専用アプリをそれぞれ開発する「ネイティブ開発」と呼ばれる手法をとっている。現在では Flutter などマルチプラットフォーム開発が行えるフレームワークもあるが、ネイティブ開発にこだわるのにはどのような理由があるのだろうか。

 

「Flutter 自体は当社でも取り入れる場合もありますが、中心に据えるのはネイティブ開発です。その理由には、やはりリリース後の運用を考慮しているところが大きく、開発では Flutter が有利であることは多いのですが、それぞれの環境に向けたネイティブな機能の改修では手間が増えることもあります。

 

また、ネイティブ開発は初期コストは高くなる傾向にあるものの、中長期的にアップデートを重ねていく運用を考えたときには、コスト的にもメリットが大きいです」

 

リリースはゴールではなくスタートライン。冒頭の言葉はフラーの開発姿勢にも現れている。安定した運用とアップデートのしやすさを考慮した技術選定やツールを導入しているからこそ、フラーが手がけるスマホアプリは成長曲線を描けるのだ。

 

フラーは現在、さくらインターネットの画像変換・ライブ配信クラウドサービス「ImageFlux」を活用しているという。スマホアプリの開発に、ImageFlux はどのような利便性があるのだろうか。

 

「ImageFlux は画像やライブ映像を、配信先端末に合わせて簡単に最適化できるサービスです。フラーでは5年ほど前からスマホアプリの開発によく活用させてもらっています。

 

当社の場合は画像の最適化に利用する場合が多いですが、とくに ECサイトと連携したスマホアプリの場合、スマホアプリに合わせたサイズの最適化が必要です。ImageFlux は ECサイトに上げた画像を自動で最適化してくれるので、サイズの大きな画像でも品質を損なわずに高速で表示できます。スマホアプリは表示速度が非常に重要なので、手間なく自動でサイズを最適化してくれるのは大きなメリットですね」

 

スマホアプリは運用を続けるごとにコンテンツ数が増加し、画像点数も膨大になる。知らず知らずのうちにサーバーの負担が増え、表示速度が遅くなりユーザーの利便性が下がることも多い。ImageFlux はサーバー側の運用リスクを下げ、ユーザー体験の向上に寄与できる。

 

「加えて、サーバーサイドやバックエンドは非常に重要な職種ですが、現在業界全体でエンジニアが不足している状況です。当社が ImageFlux を導入したときも、現在と比べればエンジニアの人数が少なく、どうにかサーバーを見るエンジニアの負担を減らしたいと考えていました。ImageFlux はお客さまやユーザーの利便性向上だけでなく、エンジニアの負担軽減にも役立っています。

 

さくらインターネットは自社でサーバーやクラウドに関係するサービスを多く展開していて、バックエンドに関する信頼感は非常に高いです」

 

【さくらインターネット株式会社の画像変換・配信エンジン「ImageFlux」】

1枚の画像をもとに画像の拡大縮小、切り抜き、合成などによりデバイスに最適化された画像を簡単に生成し、高速かつ高品質で配信することができるクラウドサービスです。ECサイトや電子書籍サービス、口コミアプリケーションといった画像ファイルを多用するサービスにて、デバイスに合わせた画像変換および画像にまつわるサーバー管理や脆弱性対応などの運用コストを抑えることができます。


ImageFlux についてはこちらをご覧ください。

地域への貢献が新たなシナジーを生む

長岡花火大会の会場でのゴミ拾い活動(提供:フラー)

同社では 2020年より、新潟本社(新潟県新潟市)と柏の葉本社(千葉県柏市)で 2本社体制をとっている。現在会長を務める渋谷さんや社長の山﨑さん、そして伊津さんなど、フラーには新潟県出身のメンバーが多い。

 

「2017年から新潟に置いていた拠点を2020年に本社化し、2本社体制としました。これには、地元に対して恩返しがしたいという想いを持つメンバーが多かったことが背景にあります。これに加えて、実感としてデジタル領域に課題を抱えている新潟県の企業が多く、現在社会課題になっている地方のデジタル格差を解決していきたいという思いもありました。

 

IT企業は都心に集中していて、地方企業においては、スマホアプリの開発などデジタル技術を活用した事業展開などがしたくても、相談できる会社が少ないという状況があります。都会と地方では IT企業の数という面でも明確な格差があります。

 

新潟県には魅力的なコンテンツがあり、デジタル領域で強みを出せる分野も多いです。フラーとしても新潟県がポテンシャルを発揮するサポートをしていきたい。そんな想いから新潟本社を設置しています」

 

柏の葉本社は都心へのアクセスがよく、大企業のプロジェクト窓口を担うことが多い。都心でのトレンドをキャッチアップしつつ、新潟本社と連携することで全社としての技術力を底上げしている。また、両本社では地域貢献にも取り組んでいる。

 

新潟本社では前述の長岡花火大会の運営にも参画し、アプリの運用・保守だけではなく会場のゴミ拾い活動にも取り組んでいる。柏の葉本社では三井不動産株式会社との協働によりおすすめランニングコースを紹介するサイト「柏の葉ロードマップガイド」を制作。地域の発展や魅力の発信に積極的に携わっている。そのほか、会長の渋谷さんと伊津さんの母校である長岡工業高等専門学校などと連携し、IT人材の育成や起業家創出のためのプログラムを提供している。

 

「こういった取り組みは企業としてすべきことだと考えています。フラーのように新潟や柏の葉といった地域に根ざし、スマホアプリの開発をしている IT企業はまだ珍しいです。当社のような会社や働き方があり、仕事を通じて地域に貢献することができることを知ってもらうことで、地域の方々ともより大きなシナジーが生まれると考えています。

 

高専に教育プログラムを提供しているのも、高専出身のメンバーが創業した当社ならでは視点からお話しできることも多いと考え、積極的に携わっています。高専生が培っているものづくりの力に加えて、IT の技術力が加われば大きな可能性があり、さらには会社をつくることでできる広がりも知ってほしいです。そういった教育支援を通してフラーに興味持っていただき、就職を希望される高専生も非常に多いので、連携いただいている高専の方々にはとても感謝しています」

 

創業から 12年が経った現在、フラーはどのような事業展開を見込んでいるのだろうか。最後に CTO の視点から伊津さんの展望を聞いた。

 

「創業から現在まで、スマホアプリにかかわる事業を展開し、企業の成長とともに対応できる領域も増えていきました。今後も企業としての経験を積みつつ、さまざまな領域へと展開できる体制を整えていきたいですね。

 

一方で、当社がクライアントワークでのスマホアプリの開発に乗り出したのは 6年ほどで、他社に比べるとまだ実績の数としては少ないと感じています。今後は実績数も増やしていきつつ、これまで積み上げてきた知見やノウハウを活かしながら独自のプロダクトソリューションをつくっていきたいです」

 

フラー株式会社

 

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生成AI がもたらす新たなクリエイティビティのあり方を議論する「AI が拡張するクリエイティビティ」~「NoMaps2023」イベントレポート

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AI が生成した文章やイラストが一般化し、映像や音楽などマルチモーダルへの応用も実用段階になってきました。一方、拡大する AI創作物に対する不信や不安から規制を求める声もあり、国内外で議論が広がっています。クリエイターは今後どのように AI と歩むべきなのでしょうか。さくらインターネットは北海道のクリエイティブコンベンション「NoMaps2023」において、「AI が拡張するクリエイティビティ」と題し、生成AI がもたらす新たなクリエイティビティのあり方を議論するセッションを 2023年9月14日に開催しました。本レポートではその一部をお届けします。

クリエイターの生成AI活用シーン

田中 邦裕(以下、田中):モデレーターを務めるさくらインターネットの田中です。日本が AI を牽引しているのをご存知でしょうか。先日開催された「G7広島サミット2023」のなかで、「広島AIプロセス」というものが議論されました。これは生成AI を巡る国際的なルール形成に向けた議論で、その成果文書として「G7広島AIプロセスG7デジタル・技術閣僚声明」が採択されました。AI の利活用に関して国際的な枠組みをつくるため、各国の共通理解やリスク対応などさまざまな議論がなされたのです。

続いて AI分野における当社の取り組みを少し紹介させてください。当社は、経済安全保障推進法に基づく特定重要物資である「クラウドプログラム」の供給確保計画に関する経済産業省の認定を受けました。そして AI時代を支える GPUクラウドサービスの提供に向けて、130億円規模の投資をおこない、大規模クラウドインフラを整備することを 2023年6月に発表しました。日本のデジタル社会を発展させるために必要不可欠な、AI に関わるコンピューティングリソースの安定供給を確保し、日本の AI 発展に寄与すべく、サービス提供に向けて準備しています。

 

>>さくらインターネット、生成AI向けクラウドサービス開始へ〜NVIDIAH100GPUを搭載した2EFの大規模クラウドインフラを石狩データセンターに整備〜(ニュースリリース)

 

そんな流れで本日のセッションです。ゲストの深津さんは、インターネットを巡るテクノロジーの先駆者であり、最近ですとまさしく AI、とくに生成AI の先駆者です。生成AI に最初にピンと来たのはいつでしょうか?

 

深津 貴之さん(以下、深津):画像生成AI の「Disco Diffusion」や「Stable Diffusion」など、オープンに誰でも触れるようになってきた去年(2022年)の 5、6月頃です。それまでディープラーニングは、やはり計算量的に個人が手を出すものではないと思っていたんですよ。

現在は生成AI とひとことで言っていますが、じつは 2つの大きい発明が同時に起きたことに注目すべきです。1つは「生成」で、AI がコンテンツをつくれるようになったこと。もう 1つは「言語モデル」で、人間が人間の言葉で AI に命令可能になったことです。「生成」だけだったら、エンジニアしか扱えない単なる難しいツールで終わっていました。しかし「言語モデル」の発明によって、それまでは、プログラミングの知識があって、パラメーターをいじれる人しか使えなかったものが、「猫、ちょうだい」程度の雑な命令で動かせるようになったわけです。この 2つの発明が世界を変えました。

 

田中:ChatGPT に代表される LLM(大規模言語モデル)ですよね。本日は「AI が拡張するクリエイティビティ」がテーマとなっていますが、具体的にクリエイターはどのように生成AI を使っているのでしょうか。

 

深津:端的に言うと「全部」です。まずアイデア出しを ChatGPT などの言語モデルと一緒にやります。次に自分が練ったアイデアを ChatGPT に見せて、壁打ちをします。続いて画像生成AI と相談しながらキャラクターや世界観のラフなどをつくっていきます。そしてまた ChatGPT に戻り、こういうキャラクターが活躍する場合の世界はどうすべきか、と改善していきます。

ただ現在は全部を生成AI とやるのではなく、人間の苦手分野や大変な部分を任せるイメージです。たとえば漫画であれば、武器や小物などのディティールのあるもの、あるいは町のなかに 100人描かなければいけない、などの大変な部分を生成AI にやらせて、大事な主人公は自分で描いたりとか。

あとは 3Dグラフィックでキャラクターや物体のイメージを生成して、それを資料にして自分で最終的に描いたり、人間が描いた線画に AI で色を塗らせたり。このように生成AI はいろいろな場面で使えるんです。

 

田中:なるほど。余談ですが、私が参加させていただいている政府の AI戦略会議で、まさに政府の審議会のような会議資料こそ AI に書かせたほうがいいという話が出ました。

 

深津:行政を一気に変える使い方はそこかもしれないと思っています。僕も横須賀市の職員の方に ChatGPT のレクチャーをすることがありますが、最初の演習として、行政の難しいお知らせなどを小学生でもわかるような簡単な言葉に変換して、わかりやすいものにしてもらいました。

 

田中:そうですね。あとは私もよく原稿執筆する際に、生成AI のお世話になっていますね。ChatGPT って、プロンプトで AI と会話した履歴が残りますよね。そしてこのプロンプトの履歴を追うことで、その原稿がどういう AI との対話プロセスで書かれたのかがわかりますから、いい資料になりますよね。たとえば本を購入してくれた方に、その本のもととなったプロンプトをプレゼントするのもいいかもと思います。

 

深津:最近原稿を書くときによく使っているプロンプトがあって。生成AI が出してきた原稿に対して再帰的な修正を指示するんです。そうすると修正した原稿を出してくるんですよ。それに対してまた同じ命令をすると、さらにもう一度分析して書き直してくる。これを 5、6回繰り返すと、勝手にどんどんよくなります。人間に言ったらパワハラ気味ですが、AI ならいいだろうという命令です(笑)。

また人に対して何か言う前に、「これを言いたいんだけど、本人のやる気を折らないようにポジティブに言うにはどうすればいいか」と、ChatGPT に聞いてから本人にフィードバックすることも試しています。直接対話が苦手な方はそのようにするのもいいかもしれないです。SNS で投稿するときにも「これ炎上すると思う?」と事前に聞くのは有効です。そうすると世の中が平和になるかもしれませんね。

 

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生成AI でさらに拡張するクリエイティビティとは

田中:海外に比べて、日本では生成AI が比較的受け入れられていると思うのですが、どのような背景があると思いますか?

 

深津:いくつか理由があると思っています。1つは宗教、もう 1つは漫画や映画などのエンタメです。

宗教については、たとえばキリスト教やイスラム教は絶対的な神がいるわけですから、AI を神のように崇めることは受け入れられないと思うんです。そしてエンタメの世界では、『ターミネーター』が代表的ですが、AI やロボットって人類に反乱を起こす敵として描かれることが多いですよね。

でも日本の場合、神道では八百万(やおよろず)の神がいる。神がいくらいても気にならない。そういう大ざっぱさが、AI が受け入れられている要因なのではと思います。お箸が話すとか、木綿に顔がついて空を飛んでるとか、「モノが動いて生きている」という価値観が昔からあったわけです。漫画では『鉄腕アトム』『ドラえもん』のように、ロボットが友達として表現されたものが昔からたくさん出てきていますよね。

 

田中:確かにそうですね。海外だと「AI は怖い」という印象で、アメリカではやはり警戒する声があると聞きます。あと AI によって仕事を奪われるという話もかなりあるようです。

 

深津:アメリカでは労働組合が強いので、新しいものが出たときに労働者を守ろうとする動きがありますね。一方、日本は少子高齢化社会で人口減少の一途をたどっていて、その状況とものすごく相性がいいということもあるでしょう。海外とは反対に、AI が仕事してくれればいいと。

 

田中:『2050年の世界 見えない未来の考え方』(ヘイミシュ・マクレイ著、遠藤真美訳)という書籍でも、少子高齢化をいかにポジティブに受け止めて、いかに乗り越えるかが大事だと書かれていました。そして世界のどの国も少子高齢化に向かっていくわけなので、うまく乗り越えられれば日本の強みになるともありました。日本が 1番手になることってなかなかないですから、生成AI の分野ではいいポジションにいますよね。

「生成AI でこれからさらに拡張するクリエイティビティ」といって想像されるのはどのようなものでしょうか。

 

深津:いま、生成AI はテキスト入力をしたら命令を聞いてくれて、テキストか画像を返してくれていますが、これはまだ入り口に過ぎないと思っています。生成AI、言語モデルが出てきたことで、機械が人間の言葉を理解できるようになったんです。いまはチャットだけども、そのうち音声で家電を動かしたりできるようになる。たとえば今日のようなイベントで、スタッフではなく、照明やカメラと直接会話して調整をお願いできるようになるかもしれない。こうなると、ものづくりが大きく変わってくると思います。

 

田中:確かにそうですね。また、いまの AI はどちらかというと Web経由やクラウドサービスとして「インターネット越しに使う AI」ですよね。ただこれから家電に生成AI が組み込まれるようになると、「製品に組み込む AI」も考えられるようになると思うんです。これはインターネット越しに使う AI とはまったく違うものになってくるでしょう。たとえば組み込みAI は、学習範囲を制限しないと、利用者の生活情報が漏れてしまう可能性もあるわけで……。今後、日本における組み込み型の生成AI はどういう形になると思いますか?

 

深津:クラウドやインターネットの上に頭脳を持つのか、あるいは家電などのデバイスそれぞれが頭脳を持つのかはわからないですが、僕は製品それぞれが頭脳を持ったほうが楽しい社会になると思います。

たとえばロボット掃除機に生成AI が組み込まれて会話ができるようになったとしましょう。ロボット掃除機のうえにスマートフォンなどをのせて、「きみは掃除機だけどいまから映画の撮影手伝ってよ。カメラ動かして」とお願いしたら、ロボット掃除機が「私は本来掃除機ですが、安全が担保できる範囲でお手伝いさせていただきますね」って、スマートフォンを抱えて走ってくれるかもしれない。そうなってくると、脚本・撮影・主演・演出が「全部俺 with ChatGPT」という映画撮影ができる。もちろん、みなさんが想定してないような家電の使い方がされて、事故も起きる可能性もありますが……。

 

田中:『ドラえもん』の世界の始まりのようですね。そしていま深津さんがおっしゃってた事故の可能性はもちろんあって、大事なのは生成AI の学習がどのようにされたかという追跡可能性(トレーサビリティ)です。いまはグローバルで ChatGPT をみんなでチューニングしてるわけですが、個別化がだんだん必要になってきます。製品に組み込まれた AI の場合はなおさらです。事故が起きたときに、当然警察はその機械が悪いということで調べるわけですが、これから AI を追跡しないといけなくなりますよね。

 

深津:そうですね。AI は、これからたくさんあるほうが望ましいとされています。世界の多様性の問題として、たとえば世界中の人が ChatGPT を使ってるとします。そうすると子どものころから ChatGPT と相談しながら一緒に学んで、ChatGPT と大人になる。すべての人間の価値観が ChatGPT と同じ方向に寄っていってしまうんです。やはりさまざまな思想やコンセプト、善悪の判断のラインが微妙に違う AI がいくつもあったり、文化ごとにあることが重要になるでしょう。

 

田中:いわゆる「AI の多様性」ですね。1つのコンピューターだけになると、ゲームやアニメでよく出てくる「全能の神」のようになる。いまはその入口に足を突っ込み始めてるわけですよね。

生成AI で生まれる日本のチャンス

田中:ここから先は「AI に支配されるかも」とか、逆に「AI が禁止されるかも」という未来の歴史的なラインにいます。みなさんの発言や、専門家の判断のひとつひとつが未来の明暗を分けることになりそうです。どうせなら豊かな世界のために生成AI をいかにコミットさせるかを考えたいところですが、いかがでしょうか。

 

深津:便利な技術が一度世に出てしまったあとでは、それがなかった時代に巻き戻すことは非常に難しいと考えています。昔でいえば火や車などもそうですが、便利でみんなが喜ぶテクノロジーが世に出てしまったら、禁止してなかったことには独裁者でもできない。最初に健全な使い方と悪い使い方を洗い出して、悪い使い方を封印する方法を考えるしかないと思います。

かといって、AI に反対する人を否定しているわけではありません。推進派、慎重派、反対派、いろいろな人がいろいろなチャレンジをすることで、最後に一番いい結果に着地することにつながると思っているので、賛成と反対、両方いていいんです。賛否だけで不毛に戦うよりは、それぞれが考える形が最高になるようにつくっていけばいいと思っています。

 

田中:規制は何も生み出さないですよね。日本は生成AI に関して法律がゆるいです。日本は著作権の厳しい国のはずなのに、生成AI の学習はかなり自由なんですよね。

 

深津:そうなんです。いろいろな偶然と奇跡と利害の調整が重なって AI に関しての規制が比較的ゆるくなっているのは日本の特徴ですね。世界でもめずらしいことです。ただ、いまになって、「自分の漫画を勝手に学習に使われた」と揉めたりしています。なかなか難しいですが、数年かけて利害を調整していくことになりそうです。

 

田中:じつは海外の AI研究者や企業家の間で「日本で研究開発や起業したほうがいいのでは」というまさかの動きが出ています。世界的に有名な AI の有識者たちが日本で会社をつくったり、引っ越してきています。日本ってなにせ人件費が安いし、住むコストも安いし、治安もいい。ビジネスでいきなり何かを禁止されたりすることもない。日本は、英語があまり通じないこと以外のビジネスの障壁があまりないんですよね。

 

深津:生成AI のおかげでリアルタイム翻訳ももうすぐできそうですしね。いままで日本人が世界で苦戦する最大の理由は言語だったと思うんですけど、これから AI が英語でのビジネスメールなどを対応してくれるようになると、日本にいながら海外の仕事をして、海外のお金が日本に落ちるようになる。そうすると少子高齢化や円安という時代のなかで、日本のチャンスがたくさん出てきそうですね。

 

田中:AI がいろいろなものをボーダーレスにしていくということと、そして AI の研究や開発、ビジネスの拠点として日本が非常に都合がいいという 2点ですね。

 

深津:そうです。また、いろんなものがいま AI に置き換えられていっていますが、ご飯がおいしいというのはなかなか置き換えられない要素なので、生活環境が充実している日本はいいポジションになってくるでしょうね(笑)。

 

田中:衣食住の環境が非常にいいんですよね。そこへさらに AI がやってきた。グローバル化が最近終焉を迎えたなかで日本のポジションが上がって、おもしろいことになっていくと思います。

 

深津:いままでお金持ちや超人、特別な人にしかできなかったなにかが、みんなができるようなものになる。それがテクノロジーだと僕は思っています。すごい精度で細工をしたり、モノをつくり出したり、何年もかけて練習しないとできない演奏をしたり……そういう超人的だった技術が生成AI によってみんなに解放されました。AI がますますクリエイティビティを拡張していくだろうと思いますし、みなさんもそれをポジティブに受け入れていただけるとうれしいです。漫画を描いたり小説をつくってみたり、ぜひ AI と一緒に何かへチャレンジしてみてください!

 

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ママになっても「やりたいこと」を追い続ける。元北区議会議員 こまざき美紀さんに聞く「仕事と子育て」

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子育て中の女性を含め、「働きたい女性」が個性と能力を発揮し、いきいきと働ける環境を整えることは社会の課題であり、企業にもその姿勢が求められています。

一方で、時間の調整や体力面などの問題から、「仕事と子育ての両立」がそう簡単ではないのは言うまでもありません。実際には、出産前後で仕事のスタイルが変わらないケースは少なく、時間を調整したり、周囲に頼ったり、なんとか折り合いをつけながら仕事を続けている方が多いのではないでしょうか。

 

元北区議会議員のこまざき美紀さんは、2児の母でありながら、地域や社会のために精力的に活動を続けてきた「ワーママ」の 1人です。ママになっても「やりたいこと」を追い続けてきたこまざきさんのお話から、ライフステージの変化に関係なく、女性が自己実現できる社会をつくるヒントを探ります。

こまざき 美紀(こまざき みき)さん プロフィール

1979年生まれ、福島県郡山市出身。福島大学教育学部を卒業後、2003年に埼玉県戸田市役所へ入職。15年間の在職中に 2度の出産を経験。2013年、地域団体「北区はたらくママ★ネット」を設立し、代表に就任。2018年に市役所を退職し、翌年に北区議会議員選挙に出馬。トップ当選を果たし、議員としての活動をスタート。2023年には北区長選挙に出馬。惜しくも次点でやぶれるが、現在も区民相談や子育て支援などの社会貢献活動をおこなっている。

とにかく仕事に打ち込んだ 20代。
出産や子育てのことは頭になかった

――大学卒業後は戸田市役所に入職されています。市役所職員をめざしたきっかけはなんだったのでしょうか?

中学時代の担任の先生に大きな影響を受け、教員を志すようになりました。大学も教育学部に進学しましたが、それから将来を具体的に考えるなかで「教育の現場で子どもたちに勉強を教える」仕事ではなく、「教育の環境をつくっていく」ような仕事に興味を持つようになったんです。地方公務員をめざすと決めて、実際に各地域を訪れてみたところ、戸田市は人や環境がどことなく故郷の福島に似ている感じがして。「この地域のために働きたい」と思い応募したところ、ご縁があって入職することになりました。

 

――市役所ではどんな仕事をされていたのでしょうか?

障害者福祉、市民活動や NPO などのコミュニティ推進、税務、入札など、さまざまな業務に携わりました。市民のみなさんと直接コミュニケーションを取ることが多く、大変ではありましたがやりがいがありましたね。戸田市には新卒で入社してから 15年もの間、お世話になりました。

 

――入職当初に描いていたキャリアプランやライフプランはありましたか?

漠然と「キャリアアップをめざしたい」という気持ちはありました。入職した当時は、結婚や出産などはまったく頭になくて、残業もいとわずとにかく仕事に打ち込んでいましたね。

育休中に家庭以外の居場所を持つことで
「自分」を取り戻すことができた

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――入職して 8年目のころに第1子、その2年後に第2子をご出産されていますね。

はい。子を授かるのにも時間がかかりましたし、妊娠中はつわりやマイナートラブルに悩まされ……。無事に出産したあとも、病気がちだった子どもの看病や 24時間体制の育児に産後うつ気味になってしまい、体力的・精神的にも大変な時期が続きました。

 

――そんな大変な状況のなか、産休中に地域団体「北区はたらくママ★ネット」を設立されていらっしゃいますよね。なにかきっかけがあったのでしょうか?

育休中は体力的にも大変だったのですが、「社会から取り残された感覚」があってそれがとても不安でした。「〇〇ちゃんのママ」と呼ばれるようになり、会話の主語は「私」ではなく「子ども」になる。いつの間にか自分のことを後回しにするようになったり、体調が悪くても無理をしてしまったりするんですよね。

そんな状態だったのですが、あるとき同じ境遇の人たちが集まってお話をするコミュニティイベントに参加したんです。そこでは自分を主語にして、いろいろなテーマでお話をします。そうした会話をとおして、「私は母親である前に、1人の女性であり社会人なんだ」と、「自分」を取り戻せた感覚がありました。そうしたら、自然と「やりたいこと」が生まれてきたんです。

今度は私が同じ境遇の人たちをつなぐ場を用意して、ほかのママさんたちの助けになりたい――。「北区はたらくママ★ネット」は、そんな想いでママ友を誘って立ち上げた団体でした。

復職してもこれまでどおりにはいかない。
民間サービスにも頼って乗り越えた乳幼児期

――職場復帰後、仕事と子育てとの両立は大変だったと思います。どんなふうに乗り越えていましたか?

幸い子育てに理解がある職場だったのですが、以前と同じように働けるかというと時間的にも体力的にも、かなり厳しかったです。思い描いたような仕事ができないことにもどかしさを感じました。

子どもの通院や看病のために休みたくても、有給休暇には限りがあるし、仕事を頻繁に休むわけにはいかない。当時はリモートワークもなかったので、病児保育や民間サービスなどを活用しながら、なんとか仕事をこなしていました。

 

――そんななか 15年勤めた市役所を退職し、区議会議員をめざそうと思った理由はなんだったのでしょうか?

市役所の仕事はやりがいがありました。仕事もあきらめたくなくて、朝出勤する前に今日やることをリストアップして消化する順番を考えたり、それぞれの作業を 30秒でも 10秒でも短縮させようと工夫したり、制限があるなかでも自分の力を発揮できるように努めていました。

ただ、なかなか職場でのキャリアアップはうまくいかなくて……。悩んで出した答えが「地域で活動すること」でした。「社会に貢献したい」という想いを実現できる場が、いまの職場のほかにあるのであれば、そっちでがんばってみようと思ったんです。また、出産や子育てを経験して、行政支援の脆弱さを身に染みて感じました。一区民として支援に取り組んでいましたが、身の回りだけでなく北区全体を変えていきたいという思いから、区議会議員を志しました。

子どもの成長と家族の応援をパワーに
「地域社会を変えたい」と選挙に挑む

――結果はトップ当選。議員となってからは、勤務時代とは働き方も変わったのでは?

フレキシブルに働けるのはメリットである一方、働こうと思えばいくらでも働けてしまうのが議員の仕事なんですよね。

私の場合、SNS などオンラインでの発信のほか、『みっきー通信』という紙の区政レポートを作成して駅で配るなど、情報発信に力を入れていました。その結果、ありがたいことにたくさんの区民の方から、ご相談の依頼をいただけるようになったんです。朝から晩まで、年末年始も土日も関係なく仕事をしていましたね。

そのため、家事や育児などのタスクは夫と協力しつつ、重要度によって優先順位づけして、隙間時間にさばくことで、どうにかこなしていました。

 

――そこから区長をめざそうと思った理由はなんだったのでしょうか?

議員になったときは区長をめざすことは考えていませんでした。でも、いろいろなご相談を区民の方からいただくなかで、議員の立場で世の中を変えていくことの難しさを実感したんです。ひとり親の方、障がいのある方、高齢者の方など、弱い立場にある方々の声を届け、スピーディに支援していきたい。であれば、区長という立場が一番よいだろうと、出馬を決心しました。

 

――北区長選出馬時、お子さんたちは小学校高学年、中学校入学ぐらいの時期だと思います。立候補された背景にはお子さんたちが成長されて、育児の負担が減ってきたという背景もあるのでしょうか?

そうですね。乳幼児期に比べると手が離れてきたと思います。ただ選挙が4月で、ちょうど上の子が中学校入学のタイミングだったので、結局その時期の記憶が抜け落ちているぐらい忙しかったのですが……(笑)。

とはいえ子どもたちも成長して、選挙や仕事のことをある程度理解して、応援してくれるようになりました。あまり見ない光景だと思うのですが、街頭演説に子どもたちがお友だちを連れて応援に来てくれたんですよ。それがとてもうれしくて、励みになりましたね。

「子育ては満点を取らなくてOK!」
自分に厳しくなりすぎず、心にゆとりを

――北区長選は惜しくも次点という結果でしたが、今後のキャリアについてはどのようなビジョンをお持ちでしょうか?

いままでどおり情報発信や区民相談を続けていますが、最近注力しているのは「現場を知る」ことです。これまで市役所職員や議員として、しくみをつくる、運用していく側の仕事をしていましたが、まだ現場で働いたことはないなと。もっと高齢者福祉・介護について深く理解していきたいという思いから、介護職員初任者研修を受けたり、高齢者福祉施設でお仕事をさせてもらったりしています。

具体的なキャリアビジョンはまだ手探りですが、「世の中をもっとこうしていきたい」という想いは尽きないので、これからもやれることを続けていきたいですね。

 

――さくらインターネットの企業理念である“「やりたいこと」を「できる」に変える”を実践されているこまざきさん。現在子育て中の女性や、今後出産育児を考えている働く女性に向けて、なにか伝えたいことはありますか?

「仕事と子育ての両立」という言葉をよく耳にしますけど、「両立する」ってとても大変なことで、私自身もこれまで両立ができていたとは思っていません。

完璧な両立をめざしてしまいがちですが、部屋がちょっと汚いとか、洗濯物が溜まっているとか、全然問題ないと思うんですよ(笑)。ご飯食べてお風呂入ってという最低限ができていれば、子どもはちゃんと元気に成長していきます。大変なときは投資と思ってシッターを使うという選択をするのもアリだと思います。

お伝えしたいのは「子育ては満点を取らなくて OK!」ということです。どうか自分に厳しくなりすぎないでくださいね。心にゆとりが出てくれば、そのうち自分の「やりたいこと」や、それを実行するエネルギーがきっと湧き出てくるはずです。

 

(撮影:ナカムラヨシノーブ)

 

こまざき美紀 オフィシャルサイト

 

さくらインターネット 採用ページ

 

さくらインターネットの人事戦略。人材の成長と成功を導く「5つの柱」

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さくらインターネットの人事部にあたる ES本部の活動は、近年注目されている人的資本経営と通じています。クラウドコンピューティングサービスを提供するさくらインターネットはソフトウェア中心の事業者であり、このソフトウェアを作るのは「人」です。まさに社員が会社の価値の最大化を担っているのです。本稿では、さくらインターネットの人事戦略の全体像とそれを具体化した「5つの柱」についてご紹介します。

 

成長と変化を促し、持続可能な会社にしていくための人事戦略

人事戦略の全体像

「やりたいこと」を「できる」に変える。

 

これがさくらインターネットのビジョンです。

多くの人がやりたいことを叶えられるような社会をインターネットとともにつくっていくために、さくらインターネットでは注力テーマの 1つとして「ESとCSの実現」を掲げています。ES とはエンプロイーサクセス、CS とはカスタマーサクセスのことです。

社員の挑戦がお客さまの成功につながり、お客さまの成功は新たな機会として社員に還元され、社員はさらに大きな挑戦ができる。そして会社としても成功につながる。そうしたすべての人が成功するスパイラルの実現を目指しています。

さくらインターネットの人事部門である「ES部」では、その社員の成功を導くための人事戦略と、それを支える 5つの柱を以下のように策定。2023年には、有価証券報告書やさくらインターネット初の統合報告書にて対外的にも発表しました。

 

【人事戦略の全体像】
お客さまの「やりたいこと」を「できる」に変え、サステナブルな企業経営を実現するために、社員の能力発揮を後押しする学びと実践のサイクル、多様な人材が集い挑戦する機会の提供、安心して長く活躍できる基盤づくりを通して、社員一人ひとりの成長と成功(ES)を実現し、社会やお客さまへの価値提供の源泉である人材の価値をより高めていく。

 

【人事戦略を支える 5つの柱】

  1. 人材育成と学び合う文化づくり
  2. 心と体の健康
  3. 多様な人材の活躍促進
  4. チャレンジとリーダーシップによって新しい価値を育む文化づくり
  5. フレキシブルな働き方

人事戦略策定の背景

近年、人を資本としてとらえた経営である「人的資本経営」が急速に広まりつつあり、2023年3月期決算からは有価証券報告書などで開示が義務化されています。

人的資本経営とは、人材を「資本」として捉え、その価値を最大限に引き出すことで、中長期的な企業価値向上につなげる経営のあり方です。

資本には形のある「有形資本」と形のない「無形資本」があり、人材は無形資本です。企業価値の決定因子は従来の有形資本から無形資本に変わってきているというのが人的資本経営の考え方です。形がないものですが企業価値に大きな影響を与えるものとして、投資家にも注目されています。

 

この人的資本経営と、さくらインターネットの考え方は合致していました。

さくらインターネットは現在、物理基盤からクラウドが主体となる事業構造へと変革し、クラウドサービスの機能強化、ソフトウェアサービスの開発などに注力しています。モノではなく、ソフトウェア中心の事業になっており、このソフトウェアを作るのは「人」です。つまりお客さまに価値を提供するうえで、そして会社として成長し続けるうえで最も大事なのが人材なのです。

 

このような外部環境の変化、さくらインターネットの事業転換などを踏まえ、人的資本経営に舵を切り、人事戦略を策定していくことにしました。

策定にあたり、社内で何度もディスカッションを重ねました。決定までのプロセスのなか、役員の間で満場一致した会社としての意思があります。それが「持続可能な会社にしていく」ということです。

会社として今利益を生み出すことは重要であるものの、それだけではなく、次世代に続いていく会社を作っていくことを重視しました。持続可能な会社であるために必要なことは、まず、お客さまへ価値を提供し続けること。そして、社会から認知され続けることです。さくらインターネットでは、社員一人ひとりが会社の資本であり、社員の成長や成功こそが事業やお客さまへの価値提供の源泉だと、あらためて意思統一をしました。

 

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人事戦略の全体像を実現するための「5つの柱」

ここでは「5つの柱」の詳細をご紹介します。

人材育成と学び合う文化づくり

社内外でデジタルリテラシーに関する学びの場を提供するとともに、学びを生かす機会の提供、学び合う文化づくりに取り組みます。

当社のビジョンは「『やりたいこと』を『できる』に変える」です。「できる」に変えるためには、教育と得た知識やスキルを生かす機会や環境が重要です。また、デジタルリテラシーについては経済産業省が定義している、IT技術だけではなくお客さまに価値提供をするためのスキルを指していて、ビジネススキルや企画、プロジェクトマネジメントなども含まれています。

【取り組み例】
DX人材を育成する社内研修「DX Journey」は、社会全体で DX推進が一層求められていることを背景に、社員全員が一定の技術スキルを習得できるようつくられた研修制度です。バックオフィス業務をしている社員など、エンジニア以外の社員がプログラミングや ITインフラなど技術に関する専用の研修を受講しています。

心と体の健康

安全と衛生、健康推進および心と体を大切にする組織的な文化づくりを通し、ウェルビーイング経営を実現し、社員と会社の持続的な成長と成功につなげることを目指します。

 

人がやりがいを感じたり、成長に向かうためには、心と体が健やかであることが前提です。それは、たとえれば「足が痛ければ速く走れと言われても走れない」のと一緒。すべての活動の土台になるのが、健康な心と体だと考えています。当社では、最終目標を社員が幸福を感じられる状態(ウェルビーイング経営)とし、そのための土台づくりとして、社員の健康推進をしていきます。

【取り組み例】
「体の健康」においては、リモートワーク前提の働き方となり通勤の機会減少などによる運動不足の解消の一助としてウォーキングイベントを実施しています。そのほか、健診結果の見方や活用方法、各種健康セミナーを開催。「心の健康」においては、外部相談窓口として電話相談・カウンセリングが利用できます。また保健師を雇用し、育休復帰者や体調不良の社員などが面談可能です。

多様な人材の活躍促進

すべての社員が多様な個性を持つダイバーシティの一員であることを前提に、社員一人ひとりの個性や成長する意欲と、個々の能力を最大限に発揮できる文化づくりに取り組みます。

 

さくらインターネットの多様性の定義は、性別、地域、国籍などの属性の多様性に加え、個性や価値観やキャリアなど、あらゆる多様性を意味しています。社員それぞれが「多様性」を構成すると考え、その属性や個性を最大限に生かすことがより高い社会への価値創出につながると考えます。挑戦する一人ひとりの個性を互いに受け入れ、尊重し、個性に価値を見つけ、機会の提供の公平性を追求し、組織として生かし合うことを指しています。

【取り組み例】
結婚祝金などを同性婚や事実婚の場合にも支給するほか、女性活躍推進にも取り組み、2023年10月には新たに 4名が執行役員に就任しました。現在、社外取締役の約4割、執行役員の約3割が女性となっています。そのほか、属性(年齢)の多様性確保として、新卒採用数を拡大し、2024年度は前年度の約2倍の採用人数となっています。これは先輩社員が新入社員に教えることでの学び合う文化づくりにもつながっています。また個性の多様性としては、希望者に「FFS(Five Factors and Stress)」や「MBTI(Myers-Briggs Type Indicator)」を受講してもらい、自己理解を深めるきっかけづくりをしています。

 

チャレンジとリーダーシップによって新しい価値を育む文化づくり

社員がリーダーシップを発揮し、事業創造や新規事業にチャレンジ。多様な人材がコラボレーションし、自由な発想で新たなチャレンジができる機会と環境の創出を通じて、お客さまへの新たな価値提供につなげていきます。

 

当社は学生ベンチャーとして生まれた企業です。いまでもスタートアップ精神が文化として社内に根付いており、企業文化そのものは模倣困難で競争優位の源泉であるといえます。事業創造や新規事業の創出は新たにお客さまに価値提供ができるということ。そのためのしくみや文化づくりをおこなっていくことで、チャレンジ、行動を起こす人を称賛する会社にしていきます。

【取り組み例】
新たなアイデアを形にするプロセスを通じ、新しいフィールドで活躍できる人材・サービスを増やしていくことを目的とした新規事業創出プロジェクト「さくら満開プロジェクト」を始動。その一環として、社内でビジネスプランコンテストを開催しています。

フレキシブルな働き方

会社が「働きやすい」環境を提供し、そのなかで社員個人が「働きがい」を追求できることを理想として、働き方の多様性を尊重するさまざまな取り組みをおこないます。

 

会社に縛られず広いキャリアを形成しながら、プライベートも充実させ、その両方で得た知識・経験を共創につなげることを目指しています。リモートワーク前提の働き方に舵を切り、働き方の制度を充実させ、さらに働きやすい環境を整えます。

【取り組み例】
「さぶりこ」(Sakura Business and Life Co-Creation)と総称したさまざまな制度を用意しています。各制度は併用も可能です。たとえば、業務を早く片付けたら定時30分前に退社OK な「ショート30」と、その日の勤務時間を 10分単位でスライド調整できる「フレックス」を合わせれば、7:00~15:30(早い時間)や 12:00~20:30(遅い時間)とすることができ、業務前後の私用や保育園の送り迎えなどの都合に合わせた勤務時間の調整が可能です。社員の活用頻度を見ながら内容を見直し、更新することでより使いやすい制度にしています。

さぶりこ

変化や失敗を恐れず挑戦を

現在、この「5つの柱」についてそれぞれ具体的な施策を計画し、PDCA を回していけるように体制づくりをしています。

これまでも、これからも、さくらインターネットは社員が働きやすい環境や、社員個人の成長やモチベーション向上につながるような働きがいを追求していくための支援をおこなっていきます。さくらインターネットが成長していくうえで、物理基盤からクラウドが主体となる事業構造へ方針転換したように、今後もさまざまな変化があるでしょう。社員には、いまある支援をふんだんに活用して、変化や失敗を恐れずいろいろなことに挑戦することで成長につなげてほしいと思います。自ら変化を起こし、社会の変化に対応できる人材になっていただきたいです。

そして社員一人ひとりが思い描く成功を実現していくことで、ES と CS を両輪で回し、お客さまの「やりたいこと」を「できる」に変えていく。その連鎖を作り、持続可能な企業経営を実現していきます。

 

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チームプレーで結果を出す! さくらインターネットのオンラインセールス

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さくらインターネットのサービスは、個人だけではなく多くの法人のお客さまにもご利用いただいています。その BtoB の営業活動を担っているのが、CS本部 営業部です。営業部は、おもに大規模案件対応や大口顧客との関係深耕を担当するフィールドセールスグループと、新規案件対応や既存顧客への案件創出を広範囲に担当するオンラインセールスグループにわかれています。

今回は、営業部 オンラインセールスグループのマネージャーを務める山口 立にインタビューを実施。これまでのキャリア、業務内容や仕事のやりがい、今後の目標や展望などについて聞きました。

山口 立(やまぐち たつや) プロフィール

CS本部 営業部 オンラインセールスグループ マネージャー

はつり職人、テレフォンアポイントメント代行会社、システム開発会社を経て、2016年にさくらインターネットに入社。オンラインセールスの業務に従事し、2022年4月よりリーダー、2023年4月よりマネージャーに就任。マネジメント業務のほか、オンラインを中心とした商談のクロージング活動、既存顧客のオンボーディング・グロースアップを担当している。

営業経験と ITスキルを活かして転職

ーーさくらインターネットに入社するまでのご経歴について教えてください。

社会人のスタートは、コンクリートを削ったり粉砕したりする「はつり職人」だったのですが、怪我をきっかけに退職し、友人の紹介でテレフォンアポイントメントの代行会社に入社しました。最終的に8年勤め、マネージャー職を任されるまでになりましたが、だんだんと「このまま40代、50代になってもこの仕事を続けられるんだろうか」という不安が芽生え始めてきたんです。そんななか、Webサイト制作などについて興味を持って独学で勉強していたところ、ご縁がありシステム開発会社で働くことになりました。1年半ほど勤めて退職し、つぎに入社したのがさくらインターネットです。

 

ーー転職先として、さくらインターネットを選んだ決め手はなんだったのでしょうか?

前職のシステム開発会社ではやりがいを持って働けてはいたのですが、上場を目指す急成長中のベンチャー企業で、未経験ということもあり業務をキャッチアップするために、早く帰ることが難しい状態が続いてました。結婚を見据え、安定した企業で働きたいと思い転職を考え始めました。

そんななか、転職エージェントから紹介された企業のうち一番興味を惹かれたのが、前職でも関わりのあった、インフラ関係の仕事に携われるさくらインターネットだったんです。東証一部(現:東証プライム)上場企業でしたから、家族も喜んでくれましたね。

 

ーー入社当初から営業部門に所属されていますが、これまでの経験はどんなふうに活かせましたか?

入社当初は既存顧客へのリテンションコールや、対面での顧客折衝が中心業務でした。こういった営業の仕事自体には慣れていたので、前職の経験は活かせたと思います。

ただ、扱ったことのない商材で知識も不足していたので、最初はお客さまがなにを求めているのかがわからず苦労しましたね。数をこなしながら、知識を習得していきました。

とはいえ、システム開発会社時代はシステム開発プロジェクトの進行管理業務を務めていたので、エンジニアとのコミュニケーションにも慣れていました。当社の業務では、顧客のエンジニアや自社のエンジニアと会話することも多いのですが、エンジニアの考えや技術面のことも理解しやすかったという点はよかったと思います。

 

ーー前職までの経験を活かしつつ、実地で知識を身につけていったのですね。入社前後でなにかギャップはありましたか?

営業組織というのは、いわゆる「ノルマ」という定量的な目標があって、その数字に厳しく向き合ってるイメージがあったんです。 さくらインターネットの営業部門は「定量目標」よりも、お客様の成功を見据えた「プロセス」を大事にしている印象を受けました。

 

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他部署との分業体制で効率的な営業活動を実現

ーーオンラインセールスグループの業務内容、役割について教えてください。

新規案件対応や既存顧客への案件創出を広範囲に担当しています。営業活動は他部門と分業体制になっています。アカウントマーケティング部のデマンドジェネレーションが顧客の認知を得てリードを作成し、インサイドセールスがリードを案件化します。そして、オンラインセールスが案件化した見込み顧客に対して、提案とクロージングをおこないます。既存顧客に対して継続的にアクションを起こし、お互いのビジネスを加速させるのが私たちの役割です。

 

ーー他部署との連携が重要そうですね。

そうですね。アカウントマーケティング部と営業部では定期的にミーティングの場を設け、情報共有をおこなっています。

また、テクニカルソリューション部とのかかわりも大きいです。現在、商談にはセールスエンジニアの担当をつけてもらい、専門性の高い技術的な話をサポートしてもらっています。ほかにも、請求などの手続き関連は同部の営業支援チームにお願いするなど、分業して効率的に動ける体制を作ってきました。

 

ーー分業体制になったことで、それぞれの業務に集中できるので働きやすそうですね。ワークスタイルについてはいかがでしょうか?

お客さまのニーズに合わせて対面で商談をおこなうこともありますが、9割5分はオンラインで仕事をしています。オンラインミーティングの時間をいただいたら、すぐに提案してご契約まで進めていくことが多いです。また、お客さま側もこうしたスピーディさを求める傾向が年々高まっている気がしますね。

やりがいを感じるのは「お客さまの実利」につながったとき

――2021年からリーダー、2022年からマネージャーに就任されていますよね。どんな役割を担っているのでしょうか?

いい意味でさくらインターネットの営業組織は、みんな仲がよくてほんわかした空気があるんです。ただ、数字をシビアに追っていくことも営業部の大事な役割。メンバーにそういった感覚を伝えていくのは私の役目だと思っています。

 

あとはメンバーのメンタル面のケアですね。リモートワーク中心の働き方になり直接顔を合わせることが少なくなったので、毎朝オンラインで情報共有会をおこなうようになりました。営業の仕事はハードなネゴシエーションを要することもあるので、気づかないうちに気持ちが落ちてしまったり、パフォーマンスが低下したりすることもあります。

様子が変だなと思ったら、こちらから積極的に声をかけるようにしています。メンバーのヘルスチェックは、結構気を遣っていますね。

 

――上司がそういうふうに目を配ってくれるのは、部下としてありがたい限りだと思います。未経験の方の採用もおこなっているとのことでしたが、未経験の方をどう育てているのでしょうか?

1か月目は、外部研修に参加してもらい一般的な技術知識の習得。2か月目からはメンターをつけ現場に配属。自社サービスに関する知識や営業のやり方のインプットをおこないます。3か月目からは商談に見学者として入ってもらい、一部のサービスの紹介や見積もり作成を任せるなど、少しずつアウトプットを増やしていきます。そうして最終的には独り立ちしてもらう。そのあとも案件単位で副担当をつけて、困っているときにはフォローアップをしていきます。また、教育内容については、教育を受けた中途入職者からのフィードバックと、教育の成果を見て、改善を続けています。

 

――寄り添いながら育成するしくみが整っているんですね。

データセンターを自社運営してビジネスをしている会社は IT業界内でも多くないと思います。さくらインターネットの事業・商材は特殊なので、営業経験者や IT業界経験者でも最初は戸惑うんですよ。だから、最初にしっかり育てて戦力にしていくということをしていかないと、人が定着しないんですよね。私が入社した当初とちがい、セールスエンジニアに技術面はカバーしてもらえますし、まったく IT の知識がない方でも研修である程度の知識が蓄えられ、半年~1年後には結果が出せるようになってきました。数年前からそういった組織づくりに力を入れてきたのが、実を結びつつあります。

 

ーーさくらでの営業の仕事について、大変に感じている部分ややりがいを教えてください。

障害が発生すると、通常業務をしながら障害対応しなければならない場面もあります。自分でコントロールできないことですし、それはやはり大変ですね。

一方で、お客さまのネガティブな反応やポジティブな反応をダイレクトに受け取れるのは、営業の仕事のよいところだと思います。一番やりがいを感じる瞬間は、お客さまの業績が上がったり、担当者が昇進したりといった、お客さまの実利につながったときですね。「喜んでもらえた」「信頼関係を築けた」というだけではなくて、こうした実利が見えると「お客さまにちゃんと貢献できたんだな」とうれしく思います。

すべてのお客さまと接点を持ち価値を提供したい

ーー山口さんのこれからの展望、目標について教えてください。

1つはすべてのお客さまと接点を持ち、価値を提供していくことです。オンラインセールスでは数多くのお客さまを担当しているので、すべてのお客さまと接点を持つことがなかなか難しい状況にあります。そこをうまく効率化を進めながら、それぞれのお客さまとのコミュニケーション量を増やす施策を進めていきたいと思っています。

2つ目が、お客様の DX支援をおこなうにあたって、インフラだけでなくソフトウェア・アプリケーションの知識を備えること。

加えて、マネージャー1年目なのでマネジメントスキルも身につけていきたいと思っています。

 

ーー最後に、「こんな人と一緒に働きたい」という人物像や、仕事に活かせるスキルや経験について教えてください。

「素直な方」ですね。IT業界はトレンドの動きが速い。そのため、お客さまに合わせて自分たちもどんどん変化、成長しないといけません。そういった変化や成長を素直に受け入れて、前向きに楽しんで取り組めるような方に来てほしいです。

また、営業スキルか ITスキル、どちらかがあったほうが覚えることが少なくて楽だとは思います。ただ両方ともなくても、一生懸命勉強して知識をキャッチアップしたり、積極的にアウトプットしたり、実際に取り組んでいる姿勢や活動が見られる方とは、ぜひ一緒に働きたいですね。

私自身、ほとんど未経験から入社して、必死に勉強していまに至っています。だからそういう方を応援したいですし、ぜひ応募いただけたらうれしいです。

 

(撮影:ナカムラヨシノーブ)

 

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担当社員に聞く、さくらのインターンシップ企画運営を通じて得たものとは?~エンジニアコース編~

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さくらインターネットの夏季インターンシップは、人事以外の社員がメインで企画運営しています。本稿では、2022年度のインターンシップ(エンジニアコース)を担当した社員 4名に、企画運営を通じて得たもの、今後やりたいことなどをインタビュー。また、今夏から始まる 2025年卒の採用について、新卒採用の担当者に聞きました。

>>2022年度のインターンシップ(ビジネスコース)の記事はこちら

さくらの夏のインターンシップ(エンジニアコース)

さくらインターネットでは、営業やカスタマーサポートなどに携わる「ビジネスコース」と、ソフトウェアやインフラサービス開発などに携わる「エンジニアコース」に分けて新卒採用をおこなっています。

夏には、「さくらインターネットを知ってもらうこと」「IT業界の社会的役割、実際の業務、働き方を知り、興味を持ってもらうこと」を目的に、インターンシップを実施しています。

2022年の夏のインターンシップ(エンジニアコース)は、8月22日~26日にフルリモートでおこない、27名の学生が参加しました。

本インターンシップは「メタバースチャレンジ2022」と題し、株式会社インフィニットループと共催。3人1組のチームに分かれて、「さくらのクラウド」でサーバーを構築し、Mozilla社のオープンソースソフトウェア「Mozilla Hubs」を稼働させます。そこでメタバース技術を使ったサービスを作り、そのアイデアを最終日に各チームが発表し、コンテスト形式で競いました。

詳細はインフィニットループのウェブサイトでも紹介されていますので、ぜひご覧ください。

>>株式会社インフィニットループ 広報ブログ

各チームに合わせたていねいなコミュニケーションを

共催イベントながらさくらで働くイメージが伝わるように、意識的に学生と雑談の時間を設けたという柳井

夏のインターンシップは、「学生に近い目線で企画をおこない、企画から実行までのプロジェクトマネジメントを経験し、成長の機会とすること」を目的に、入社 2年目の若手社員が中心となって企画運営を担います。2022年のインターンシップを担当した、2021年入社の稲垣、柳井、そのフォローとして参加した先輩社員である伊藤、三浦の 4名に話を聞きました。

 

――4名のなかでの役割分担はどのようにしていましたか?

稲垣 孝洋(以下、稲垣):学生向けのサーバー構築マニュアルは、普段さくらが未経験者向けのハンズオンイベントで利用している資料をベースにして、伊藤さんが担当しました。「さくらのクラウド」での「Mozilla Hubs」構築マニュアルに関しては、柳井さんと私が検証などを担当。当日の進行役などは三浦さんが対応しました。

 

――皆さん拠点がバラバラのため、当日も含めてすべてオンラインでのコミュニケーションだったとうかがっています。やりずらさはなかったですか?

伊藤 譲(以下、伊藤):週に 1回、定例MTG を実施したり、通話をつなぎっぱなしにして一緒に作業したりしていました。このインターンシップの準備がはじまるまで交流がなかった方もいましたが、普段からさくらはリモートワークということもあり、問題なく進行できましたね。当日も、特定の人だけがリアルで集まっていたらやりずらさはあったかもしれませんが、われわれも学生も全員リモートでの参加だったので、スムーズでした。

 

――オンラインでも問題なく済むというのがさくららしいですね。学生とのコミュニケーションで工夫していたことはありますか?

柳井 健佑(以下、柳井):学生はお互いに初対面で緊張していると思ったので、自分から発言して、コミュニケーションをとってもらうようにしていました。また、普段の仕事では教えてもらう立場ですが、インターンシップでは教える立場になるので、「肯定ファースト」「リード&フォロー」「伝わるまで話そう」という、さくらが社員に求める3つのバリューはとくに意識していましたね。

三浦 勇二(以下、三浦):各チームの関係性はさまざまだったので、それに合わせたコミュニケーションをとることが、みなさん大変だったと思います。やってよかった点でいうと、各チームで朝会・夕会を実施し、夕会で「今日はあなたのこれに助けられました」と、学生どうしで感謝を伝える時間を設けました。各学生が自分の強みに気付くきっかけになったのではないかと思います。

 

――インターンシップ参加者の中からアルバイトで入社される方や内定者も出たということで、皆さんのていねいなコミュニケーションが功を奏したのだと思います。さくらでの働き方を伝えるためになにか工夫されましたか?

柳井:今回は他社との共催でしたので、王道のインターンシップというより体験イベントの要素が強かったのですが、やはり就活の一貫として、会社のことを伝えるように意識していました。さくらのサービスや仕事内容など、各チームごとに何かしらの形で説明していたので、それが生きたのかなと……生きていたらいいなと思います(笑)。

専門外のテーマに戸惑いながらも全力で学生をサポート

最終日の各チーム発表終了後、感極まって涙したと語る三浦

――企画運営を通じて、苦労したことはありますか。

柳井:メタバース関連の技術に疎かったので大変でした。当日、「さくらのクラウド」で「Mozilla Hubs」がうまく構築できるように、事前検証は何度もおこないました。「Mozilla Hubs」の資料が少なく、なかなか実現できない部分も多かったんです。自分たちで作ったアプリケーションではないので、不透明な部分を検証を繰り返して明らかにしていくという、通常業務とは違う取り組みでした。普段使わない技術に触れることで、自社サービスの理解が深まりましたね。

稲垣:メタバースを使ったビジネスアイデアを作るのが今回の趣旨。学生のアイデアを形にするために「Mozilla Hubs」でどうしたらいいのか、メンターとして学生にアドバイスする立場でした。自分も未経験で、わからないながらも知識や発想を絞りだして、学生のアイデアを広げるサポートをするのは本当に難しかったです。

伊藤:学生たちをリードするメンターの責任は大きかったですね。5日間とはいえ、非日常に放り込まれてる状況なので、精神的にも肉体的にもなかなかハードでした。2チームを担当していたので、各チームに対してメンターとして最大限対応できていたのか、いまだに疑問に思う部分もあります。各チームの Slackチャンネルを行ったり来たりして、各々の事情を把握する必要があり、大変でした。かなり鍛えられましたね(笑)。

三浦:そうですね。さくらの強みではないテーマの中で、さくらとしては何を軸に企画運営していくべきかが手探りでした。ただ企画側からすると不安だったのですが、いざはじまってみると、学生はすごく楽しんでくれたんです。どんなときも、若い人は自分で楽しみを見つける力があるんですよね。そもそも 5日間の中で教えられることは限られるので、最終的には「とにかく学生が楽しんでくれればいいんだ!」ということに気づき、進行できました。

 

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さくらの魅力をさらに伝えられるように

さくらの知名度をあげられるサービス作りをしていきたいと意気込む伊藤

――企画運営を通じて、得たものを教えてください。また、それを活かしながら、すでにさまざまな業務に当たられていると思います。さらに今後、どのようなことに取り組んでいきたいですか?

稲垣:社外のエンジニアの方と連携し、限られた時間でコミュニケーションをとって進めていく難しさを感じました。これまで自分の意見をいうのはあまり得意ではなかったのですが、他社だからこそ、はっきり言葉にしないと伝わらない。1回1回のミーティングを大切に、ゴールを明確にして進めるようにしていました。それは通常業務にも活きています。今後は、もともとイベント企画が大好きなので、学生向けに深く技術を体験できるようなイベントをおこないたいです。そのためにもっとインプットを増やして、自身の技術を伸ばしていきます。

柳井:今回は教える立場だったということで、行動意識が変わりました。インターンシップ開始前の学生との面談時、自己アピールをどうするかなど、学生に教えるときに自分も学ばせてもらいました。また、初めて採用活動に関わってみて、自分は会社のよさを伝えきれたのだろうかと、思うところがありました。数年前の自身の就職活動を思い返してみても、どうがんばっても会社の不透明な部分があったなと感じています。なので、稲垣さんと同じくですが、学生にさくらの社風や働き方をイメージできるようなイベントをぜひやりたいですね。

伊藤:社会全体のために、学生への IT教育の必要性をあらためて感じました。さくらは、高等専門学校向けに授業をおこなうなど、すでにさまざまな教育の取り組みをおこなっています。将来の IT業界を担ってくれる学生に対して、もっとできることを模索していきたいですね。あとは、学生に対する知名度をあげられるようなサービス作りをしたいです。これまでの情報発信に加えて、自身のスキルを磨いていこうと思います。

三浦:自己アピールが苦手そうな学生でも、日を追うごとにしっかり自分を出せていました。若い方の才能のかけらをちゃんと見つけて、そっとフォローしていくことが大事なのだなと感じました。わたしは昨年に引き続き、今年の8月21~23日に開催されたインターンシップにも携わせてもらいました。得た知見を活かしつつ、引き続き後進育成に力を入れていきたいですね。

 

学生時代に自身で企画したイベントにさくらの社員が定期的に参加していて、そこで相談するなかで「自分がやりたいこと」「自分がやれること」「会社がやってほしいこと」の整理ができたという稲垣

――今年も 8月からインターンシップや各種採用イベントが始まります。参加される学生、またこれから就活をおこなっていく学生の皆さまに、ぜひエールをお願いいたします。

稲垣:インターンシップや企業説明会にどんどん参加して、自分がやりたいこと・自分がやれること・会社がやってほしいことを整理してみてください。それらが揃えば、天職となりえます。また、いまはやれることではなくても、やりたいこと・やってほしいことが重なっていれば、これから挑戦していけばいいことです。皆さんが就活を乗り越えて、楽しく仕事できることを願っています。

伊藤:さくらのエンジニアは、IT技術が大好きな人ばかりです。同じように IT技術が大好きな方と、ぜひ一緒に働きたいと思っています。学生の皆さんは、自分が本当に好きなことを仕事にしてほしいです。

三浦:選択肢を広く持って、1つにのめりこみすぎないことが大事だと思います。1社2社落ちたとしても、ほかにもたくさんの会社があるから大丈夫、と気楽に構えてほしいです。数多くの選択肢の 1つとしてさくらを挙げてもらえるように、われわれは情報発信に全力で取り組んでいきます!

柳井:積極的に各企業の社員とコミュニケーションをとって、「自分の行きたい企業について知る」ことにこだわってください。そうすればきっと、自分のやりたいことができる会社を、働いて後悔のない会社を見つけられると思います。がんばってください!

担当者に聞く 2025年卒のエンジニア新卒採用

2025年卒の新卒採用を担当する ES部 林 美記

2025年卒のエンジニア採用については、今年の夏季インターンシップに参加いただいた学生を中心に、10月ごろから早期選考を始め、11月ごろから本格的に選考開始予定です。

ITインフラの技術に興味があることが大前提ですが、学生時代はもちろん、社会人になっても継続的に学ぶ意欲がある方にぜひエントリーいただきたいです。

たとえば「ソフトウエア開発エンジニア」はプログラミングの知識、「インフラ開発エンジニア」についてはサーバー、ネットワークなどの知識が必要になります。これらの不安がある方でも、挑戦したい気持ちがあれば、営業職など別の職種で入社し、ゆくゆくはエンジニアにキャリアチェンジをすることも可能な会社です。

今後も、インターンシップ、会社説明会や先輩社員との座談会、石狩データセンターのオンライン見学会など、さまざまな採用イベントをご用意しております。募集が始まりましたらぜひエントリーをお願いいたします。たくさんのご応募、お待ちしております!

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