“「やりたいこと」を「できる」に変える”。さくらインターネットはこのビジョンのもと、多くの人がやりたいことを叶えられるような社会をインターネットとともにつくっていくことを目指しています。そのなかで、近年注力している取り組みの1つとして「スタートアップ支援」があります。
今回は、社長室 地域統括グループでスタートアップ支援を担当する山坂 遼太郎に、具体的な取り組み内容、やりがいや魅力、今後やりたいことなどについてインタビューしました。
山坂 遼太郎(やまさか りょうたろう) プロフィール
さくらインターネット 社長室 地域統括グループ所属。2016年に新卒入社後、セールスエンジニア、カスタマーサポートを経験。2020年4月よりスタートアップ支援業務を担当。福岡県福岡市のスタートアップ支援施設「Fukuoka Growth Next」の事務局員を務める。
スタートアップ支援を通じて社会に恩返しを
――さくらインターネットのスタートアップ支援はどのようなことをおこなっているのでしょうか。
業務は多岐にわたっています。たとえば、さくらインターネットの持つクラウドなどの計算資源提供、イベントの企画運営、開発手法や組織づくりなどの各種コンサルティングをしています。そして、投資家や事業会社とスタートアップをつなぎ、新規ビジネス創出のきっかけを作っています。
またさくらインターネット社内に対して、スタートアップ文化を広める取り組みもわたしたちの業務です。新たなアイデアを形にするプロセスを通じて、新しいフィールドで活躍できる人材・サービスを増やしていくことを目的に社内向けビジネスプランコンテストを開催したり、社員に見てほしい社外イベントを周知したりしています。
――現在注力しているのはどのような取り組みでしょうか。
各地の起業家やスタートアップ、地域のエコシステムに貢献するための拠点運営です。現在は、福岡県福岡市のスタートアップ支援施設「Fukuoka Growth Next」(以下、FGN)、沖縄県那覇市の「SAKURA innobase Okinawa」(さくらイノーベース沖縄)の運営をおこなっています。
さらに、大阪府大阪市のうめきた2期地区開発事業「グラングリーン大阪」のイノベーション施設進出が決定し、プロジェクトが進行中です。これらを起点に、投資や協業につながるような取り組みを推進しています。また各拠点はさくらインターネット社員も利用できるので、社外との接点をつくる場にしてもらっているんですよ。
――そのなかで山坂さんのご担当は?
おもにFGNの事務局員です。スタートアップの方々と顔を合わせてコミュニケーションを取りながらさまざまな支援をおこなっています。またFGNをイベントスペースとして利用していただくなど、FGNという場所自体に魅力を感じてもらえるような取り組みも企画しています。2024年4月からFGNの運営体制が変わり、現在は新たな施策・支援メニュー提供のための準備をしています。
>>裾野を広げてさらなる高みを目指す。スタートアップ支援施設「Fukuoka Growth Next」の新体制記者発表会レポート
――さくらインターネットのスタートアップ支援にかける想いはどのようなものでしょうか?
さくらインターネット自体が小さなベンチャー企業としてはじまり、多くの方々や企業の力を借りて成長してきたことが根幹にあります。スタートアップと直接コミュニケーションを重ねて必要な支援をおこない、スタートアップの成長を通して、社会に恩返しをしていきたいという想いがあるんです。またさくらインターネットには、”「やりたいこと」を「できる」に変える”というビジョンがあります。いままでにないサービスや製品を生み出そうとしているスタートアップに対して、やりたいことをできるに変えるお手伝いをすることが、会社として大事な役割だと捉えています。
個人と企業、両方への支援ができる
――やりがいや魅力を教えてください。
スタートアップの成長を、間近で感じられることです。たとえば売上が伸びた、資金調達ができた、採用数が増えた、オフィスに行ったらトロフィーが増えているなど…支援の結果が目に見える形でわかります。
また「to B」と「to C」、両方の視点で仕事ができることも魅力の1つだと考えています。企業への支援になるので基本的には「to B」です。ただ、スタートアップは少人数でやっていることが多いので、実際には直接代表から相談がくることもよくあります。その人とコミュニケーションを取っていくのは「to C」の支援。直接会話をしたりイベントにお誘いしたり、その人とのコミュニケーションの結果、会社としても成長していく。私もさくらインターネットのいろいろなリソースを活用して業務をするとはいえ、自分だから支援できたと感じられるところがやりがいだと思っていますね。
――人と人との、深い関係が構築していけるんですね。
はい。とくに私が担当するFGNならではかもしれませんが、「さくらインターネットの山坂」というよりも、「山坂」として支援できたり、人脈を広げていけるところが楽しいんです。仮に担当や会社が変わっても、きっと個人としてやり取りを続けていけると思います。
また、基本的に社外のさまざまな業種の方と接することになるのでかなり視野が広がり、視座を高く、ものごとをフラットな目線で考えられるようになります。次に盛り上がるサービスやトレンドの動きを最前線のプレイヤーから直接伺えるので、アンテナの感度も高まります。自分で起業することに興味がある人は、スタートアップ支援をやってみるのもいいかもしれません。 スタートアップとともに、自分も成長していけると思います。
――一方で大変なことはありますか?
税制などの法務関連、銀行や投資家からの資金調達申請方法、採用や労務などの人事関連など、求められる知識の幅が広いことです。私もいままでの業務とまったく違うスキルセットが必要だったのでかなり勉強しました。
またスタートアップ支援はスピード感が重要。臨機応変かつ密な連携をとらなければなりません。さらに、さくらインターネットはリモートワーク前提の働き方で、オンラインで仕事がほぼ完結する社員もいますが、スタートアップとは対面でのコミュニケーションが基本になります。社内のほかの部署とは違う動きをすることもありますので、慣れるまでは大変だと感じるかもしれませんね。全国の拠点にいるメンバーと協力しつつ、がんばっています!
さくらインターネットなら日本全国どこでも支援できるように
――スタートアップ支援業務を担当することになった経緯を教えてください。
新卒入社後、まず東京支社でセールスエンジニアを担当しました。その後、カスタマーサポートとして大阪本社勤務。2020年4月に、自分で希望してスタートアップ支援担当として福岡に転勤しました。東京と大阪で業務経験を積み、少し1人で動けるようになってきたタイミングで、ちょうどFGN担当の社内公募が出ていたんです。私は福岡生まれ福岡育ちなので地元へ戻れますし、仕事内容もおもしろそうだと思い応募しました。 スタートアップは技術的にも取り組み的にも最先端のイメージがあったので、その支援ができる、一緒に近い場所で働けることにすごく魅力を感じたんです。
――これまでの業務の経験が活かされているところはありますか?
イベント紹介など外部に発信する機会がとても多いので、文書作成スキルが役に立っていますね。また、どんな相手でもスムーズにコミュニケーションがとれるよう、相手の状況や知識に合わせた適切な言葉選びなど、セールスエンジニアやカスタマーサポート時代の経験が活かされていると感じます。カスタマーサポートはどうしたらよいか?という相談にものれていますね。
――スタートアップ支援業務は、どのような方が向いていると思いますか?
スタートアップ、さくらインターネット、そして自分がやりたいことを1つにして周りを巻き込みながら推進できる人です。自分のやりたいことが明確で、それを周りにもきちんとメリットがあるように企画化できると、きっと活躍できると思います。
また大事なのは、相手を信じることです。スタートアップのなかで、本当に大きく成長していく企業はほんのわずか。それでも、この企業はうまくいくんだろうかというネガティブな気持ちでコミュニケーションをとってしまったら、なにも生まれません。この人のために、この企業のために、ある意味で無償の愛をもって前向きに動いていけることが重要です。
仕事の幅も広いですから、さまざまなことに感度高く、どんな状況も楽しんでポジティブにやっていける人と一緒に働きたいですね。
――今後、やりたいことを教えてください。
“面”での支援を強化していくことです。全国に拠点が点在していて担当がおり、支援体制を連携できるのはスタートアップ支援をおこなう企業のなかでも珍しいことです。それを強みに、これまでの各地域での密なコミュニケーションは継続しつつ、さらに地域を超えて、さくらインターネットであれば日本全国どこでも支援できるようにしていきたいですね。
またさくらインターネット自体が、国産初のガバメントクラウドサービス提供事業者に条件付きで選定*1されるなど、いま変革のときを迎えています。それに対して、常に変化と挑戦を続け、事業成長しているスタートアップの考え方や仕事の進め方を社内に共有し、自社に提供する価値をさらに大きくしていきたいです。
*1:2025年度末までに技術要件をすべて満たすことを前提とした条件付き。