「自身の悩んだ経験を伝えたい」人事社員に聞く、コロナ禍の新卒採用とキャリア支援

≫ 「やりたいことをできるに変える」職場で働きませんか?

 

さくらインターネットの中の人を知ってもらうため、さくマガではさまざまな社員にインタビューをしています。今回は、人事・新卒採用担当の弓場淳代に、業務のやりがいや今後やりたいことについて聞きました。

 

プロフィール

弓場 淳代(ゆば あつよ)

ES本部所属。新卒採用、キャリア支援担当。営業事務やパソコン教室のインストクターなどの仕事を経て、2004年さくらインターネット入社。カスタマーサポートに従事した後、人事へ異動。

ITに興味をもってさくらインターネットへ

ーー現在どのような仕事をしていますか?

人材支援チームで新卒採用を担当していますが、今年4月に入社した新卒社員の研修フォローもしています。そのほか、新卒入社者向けのオンボーディング施策の準備を進めています。入社から3年間、組織の一員として活躍できるよう成長を後押しする仕組みづくりですね。

あとはキャリア支援にも取り組んでいます。キャリア相談窓口をリニューアルしたり、社内でキャリア研修を開催したりしています。

幅広いですが、すべて「キャリアを考える」という点で共通していますね。

 

人事の仕事をする以前はカスタマーサポートをしていましたが、新卒採用や新入社員研修など、人事の方と仕事をしたことがきっかけで、いまの部署にキャリアチェンジしました。

 

ーーカスタマーサポートをされていたんですね。当時のことを教えてください。

さくらに入社した当時(2004年)は、サービスのサポートや料金・手続きなどカスタマーサポート全般を幅広く担当していました。電話応対をしながらメールを書いて、書類の手続きも処理して……という感じです。

もちろん、いまは人員が増えて担当もわかれているので私がサポートをしていたころのようなことはないですが、当時は「さくらのレンタルサーバ」のリリース直後ということもあり、問い合わせが急増したので本当に大変でした。ただ、それよりも「ITって面白いな」という気持ちの方が強かったですね。

 

ーーさくらに入社する前はどのようなお仕事をされていたのでしょうか。

社会に出て最初の仕事は繊維商社での営業事務で、何度か転職を経験しています。

事務系の仕事をしていく中で、パソコン操作を覚えて興味を持つようになり、パソコン教室のインストラクターをする機会に恵まれました。ただ、その仕事はパートタイム雇用だったので、正社員になるために仕事を探していたときに、さくらインターネットの求人を見つけたんです。「ITの事をもっと知りたい!」と思い応募しました。

 

もともと、私はキャリアを積んで自立するという志向ではなく、家庭に入ったら仕事を辞めて専業主婦になると思っていました。女性は家庭を支えるべきといった気持ちも強かったんです。

私の世代ではまだまだそういった意識がある方が多いかもしれません。私自身、子供が小さいうちは自分の手で育てたいという想いもあったので、しばらく専業主婦をしていました。

 

ただ、家庭の事情で働かざるを得ない状況になり、社会復帰することになりました。そのときはとても消極的でしたね。ただ、さくらに入社するころには「限界を決めずに働こう」という心境になっていました。

そう思えた理由は、それまで「女性は家庭を守るべき」という価値観でいろいろと制御していたことが本当に正しいのか? と思ったことと、ITの知識をつけていくのが楽しかったことが大きいかもしれません。

 

肯定ファースト

 

「肯定ファースト」を実践

ーー上司や同僚とどのようにコミュニケーションを取っていますか?

私は大阪本社の所属なのですが、人事のメンバーは東京と大阪にわかれているので、リモートワークになる前からWeb会議をすることが多かったんです。ただ、メンバーは東京のほうが多く、大阪は2名体制でしたので、正直に言うと人事内のコミュニケーションとしては少し話しにくいと感じることもありました。

 

コロナ禍をきっかけに「リモートワーク前提の働き方」となったことで、人事もほぼ全員が在宅勤務となり、Web会議はそれぞれ自宅から接続する環境になったので、逆にうまくコミュニケーションがとれるようになりました。オンラインになったことによるメリットですね。

 

部内では毎日朝礼をしています。最初はWeb会議のカメラをONにして顔を映すことに抵抗があったのですが、それも徐々に慣れてきました。

他部門の方とは打ち合わせのときに顔を合わせる程度で、なかなかコミュニケーションをとる機会がありません。緊急事態宣言中は出社を控えていましたが、郵便物を受け取るなど必要なときには出社していたので、その日に出社されている方のお顔を見て少しでも会話するようにしています。

 

ーー弓場さんとお話していると安心感があります。相談を受ける際になにか気をつけていることはありますか?

ありがとうございます。自分のことを話すよりは、どちらかというと相手のお話を聞くほうが好きではありますね(笑)。

当社のバリューに「肯定ファースト」がありますが、誰かと話をするときは、相手が話しているそのままの言葉を聴くように意識しています。否定から入ってしまうとそれ以上は話したくないと思ってしまいますよね。なので、話を聞きながらうなづいたり微笑んだりして、安心して話してもらえるように心がけています。

 

この感覚は、もしかしたらカスタマーサポートをしていたころに培われたのかもしれません。サポートにお問い合わせいただいたお客さまとのコミュニケ―ションは、ヒアリングからはじまります。まずは、お客さまがおっしゃりたいことをそのまま聴くというのがとても大事です。

そうして話を聴いているうちに、お客さまのかかえている問題の本質が見えてくるんです。その過程がパズルを組み合わせていくような感じで、とてもやりがいを感じますね。

 

採用活動や研修はすべてオンラインで対応

ーー以前、バックオフィスメンバーの対談でも新卒採用の準備など、とても苦労されたというお話をされていましたが、今年4月に面接や内定式などをすべてリモートで対応した新卒社員が入社しました。この1年通してどのように感じられていますか。

オンライン化したのは、私が人事に異動して間もないころでした。前任者が退職するというリミットもありましたので、引き継ぎをしながらオンライン化を進めなければならず、大変な時期だったんです。

リアルでおこなっていた会社説明会をオンライン化するための仕組みづくりは、非常に苦労しました。

前任者は実際に身体を動かさなければならない業務が多かったのに対し、すべてオンライン上でできるので、その点は楽だったかもしれません。ただ、ちょうどウェブ会議システムを現在利用しているZoomに切り替えるタイミングでもあり、動画視聴やブレイクルームなど、システムの操作方法を把握しなければなりませんでした。それに加えてオンラインでのスタッフ間の連携をどうするかという課題もありましたね。すべて初めての経験だったのでとても大変でした。

 

採用面接や会社説明会をオンライン化したことで、内定した方々とのやりとりも気を遣いました。実際に顔を合わせればどのような表情をされているかわかりやすいのですが、オンラインとなると画面に映っている部分でしか判断できません。もしかしたら不安に思われているんじゃないか、ということが感じ取りにくいんです。実際に一か所に集まることができれば、内定者同士が話している様子なども見られるのですが、画面上で”おとなりの人と話す”ようなことはできませんからね。

内定式から入社式までのあいだに、同期同士や人事メンバーとやりとりできるSNSなどを用意しているので、そちらで様子をうかがったり、積極的にコメントを付けたりしてコミュニケーションをとるようにしていました。

 

入社後の研修もオンラインでおこなっています。人事の研修は1か月、さらに配属後2~3か月は配属先の部門で研修を受けてもらいます。

昨年の研修は、緊急事態宣言が発令されるまで、会議室に集まり顔を合わせつつオフラインで実施していましたが、今年は入社式や研修も全てリモートでおこなっています。各地から参加してもらい、配属後に必要があれば各拠点近くに引っ越していただく予定です。

 

不慣れな土地や新しい環境で、ひとりパソコンに向かって研修を受けるのはかなりストレスを感じると思いますので、慣れた環境からアクセスしてもらっています。ただ、新入社員が参加するものはいまのところすべてオンラインの予定なので、どこかで実際に集まれる機会をつくれたら、と考えています。

 

自身の経験を若手に伝えたい

ーーさくマガのコンセプトが「やりたいことをできるに変える」なのですが、ご自身がやりたいことと、そのためにおこなっている努力があれば教えてください。

自分自身、親の介護や子供の成長など、家庭の事情からキャリアに悩んだ経験があります。私はほかの社員の方々に比べると長い間働いているので、働ける残り時間という点では先が見えてきているのもあり、迷惑をかけることが増えていくなか、このままさくらで働き続けていいのかな? と考えるタイミングがあったんです。

 

ただ、これから5年、10年経つごとに、私と同じように仕事以外の要因でキャリアに悩む方が増えるのではないかと思ったとき、私よりも若い世代のサポートができないだろうかと考えるようになりました。

 

そんなときに、あるセミナーを受けて「キャリアコンサルタント」という国家資格を知りました。

「キャリアに悩む人をサポートする役割(仕事)があるんだ」と興味をもって、その取得に力を入れていました。じつは、今年4月に試験の結果発表があり、無事に合格することができました!

 

ーーキャリアコンサルタントの資格を取得するためにどういったことが必要なのでしょうか。

私は「労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力開発及び向上」といった相談業務をおこなった経験がないため、一定期間スクールに通って学科と実技の試験を受ける必要がありました。

「キャリア」というと仕事だけをイメージしがちだと思うのですが、ライフスタイルをトータルで考えると、結婚や育児、介護などさまざまなライフイベントが発生し、ある日突然、自分を取り巻く環境が変わることもあります。

なので、ライフスタイル全体の要素を含めて「キャリア」を考える必要があるんです。キャリアコンサルタントの資格をとるにあたって、そういったことを学びました。

 

いまお話ししたようなことは、現代になって認識されたものではなく、産業革命以降アメリカをはじめとする多くの理論家がキャリアに関する理論を提唱しているのですが、私はキャリアコンサルタントの学びを通じてはじめて知ることが多かったんです。

もっと早くに知っていたら、これまでの人生において、もう少し気持ちにゆとりをもてたかもしれません。

私がさくらに入社したとき、まわりは若い方ばかりで、自分が平均年齢をあげているような状況でした。それを考えると、私が感じている仕事と家庭の両立や今後のキャリアが見えない辛さは、5年、10年後にはほかの人も味わうことになるわけです。

この先のキャリアで起こりうることについて覚悟ができているか、予期していたかしていなかったかで、その先の行動も違ってきます。なので、社会に出たばかりの若手メンバーに、キャリア研修などの機会を通して、キャリアを考えるときに役立つ知識や私の経験などを伝えていこうと思っています。

先日1度目のキャリア研修を実施しましたが、参加者からのアンケートをもとにブラッシュアップして継続することと、今後は「世代別」や「出産・子育て」「介護」などのカテゴリ別の研修を実施できればと考えています。

また、キャリア相談窓口も定期的に開催しています。キャリアコンサルタントには合格しましたが、まだ一歩を踏み出したところです。社員のみなさんに安心してキャリア相談をしていただけるよう、さらに学びを深めていきたいですね。

 

ーーいろいろお話くださいまして、ありがとうございました!

 

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