「IT技術で大学・大学院の課題を解決したい」2021年新卒入社社員インタビュー

岩田夏美プロフィール写真

さくらインターネットの中の人を知ってもらうため、さくマガではさまざまな社員にインタビューをしています。

今回は、昨年新卒で入社したCS本部(※)インサイドセールスの岩田 夏美に、現在の業務や今後やりたいことなどについて語ってもらいました。

※カスタマーサクセス

岩田 夏美(いわた なつみ)プロフィール

2021年、さくらインターネットに新卒で入社。営業部インサイドセールスチームでお客さま対応に従事。大学院時代にはフランス近代文学を研究。

知識ゼロからのスタート

――岩田さんが現在おこなっている業務について教えてください。

私は、営業部のインサイドセールスチームに所属しています。そこで、お客さま対応をしているのですが、その中でもおもに2つの業務に携わっています。1つは「インバウンド」、メールでのお問い合わせの対応で、もう1つが「アウトバウンド」、サービスを今後お申し込みいただける可能性のあるお客さまへ、こちらから架電したり、メールしたりといったアプローチをかける業務です。そのなかで、お客さまにヒアリングをおこなったうえで、フィールドセールスに案件をエスカレーションすることもあります。

 

――岩田さんは、入社2年目、営業部に配属されてからまだ1年経っていないということですが、お客さま対応において大変だなと思うことはありますか?

架電させていただくとき、そのお客さまにどういった背景があるのかとか、いま電話に出られる余裕があるのかどうかはもちろんわかりません。そういったなかで、お声を聴かせていただけることはそう多くないです。そういった中で、1日に何件もかけるのは少し大変なところではあります。

 

最初は、サービス知識も十分ではなく、チーム内で整備されているトークスクリプト通りの会話しかできませんでした。イレギュラーなことを聞かれると、頭が真っ白になってしまうこともあり、架電のたびに緊張していました。そう考えると、いまは回数を重ねたこともあり、かなり慣れてきたと思います。

 

事前にお客さまの情報を確認して、お客さまの求めていることが何なのか、ある程度把握できるようになってきました。そういった調べる力がついてきて、自分がどういった対応をすればいいかが判断できるようになってきたからかもしれません。

 

――ご自身の知識がついてきたことを実感されているということですね。入社前からITに関する知識はあったのでしょうか?

文系の大学・大学院を卒業していまして、ITの知識はほとんどゼロでした。入社してからの研修で学びました。

 

—―研修ではどういったことを学びましたか? 印象に残っていることなどはありますか?

4月、5月はエンジニアとして入社した方も含め、新卒社員全員で同じ研修を受けました。4月はビジネスマナーやプレゼンテーションなどの研修、5月以降はさくらインターネットにどのような部署があるのかを知るため、いろいろな部署をまわりました。

 

6月からはサービスサポートチームにお世話になり、7月からは「さくらのレンタルサーバ」に関するお問い合わせのメール対応をしていました。そのあとに、8月から営業部に正式に配属という流れです。

 

サービスサポートでの研修では、とくにビジネスメールスキルが磨かれたと思います。

さくらインターネットを代表してメールを書くので、ときにはお客さまのご要望を承ることができない、とお伝えしなければならない場合もあります。そういった、メールでお客さまにしっかりと伝える力が身につきました。

 

そのほかに印象に残っていることとしては、4月の研修の集大成として、社内の方に聞いていただくためのラジオ番組を作ったことです。先輩社員へのインタビューなどを自分たちで企画できたので、楽しかったですね。

大学・大学院が抱える課題からITに興味

――文系の大学・大学院をご卒業されたとのことですが、どういったことを学んでいたのですか?

大学・大学院を通じてフランス語を学んでいて、大学院ではフランスの近代文学を研究していました。フランス文学のなかでも、1800-1900年の新聞連載小説と呼ばれるものが研究対象でした。

 

――フランス文学からIT、というとあまりつながらない印象を持ちましたが、そこからなぜIT企業であるさくらインターネットに入社を決めたのでしょうか?

学部生・院生時代に、情報部門のアルバイトや教授のアシスタントをしていました。そのときに、「学校法人の図書館や情報システムは、ネットワークやインフラにじつは結構お金がかかってるんだよ」と大学の関係者の方から聞いたことがあるんです。

 

国際系の大学にとって、同じような全国の大学とつながりを作ったり、さまざまな言語の地域からの資料へのアクセスは、必須の課題なんですよね。いまはDX(デジタルトランスフォーメーション)の時代と言われていますし、とにかく大学も情報戦です。

私が通っていた大学では、フランス語や中国語などの学部もあるのに、じつは図書館だと英語圏の論文へのアクセスしか整備されていないという現状もあるんです。学術論文を書くうえでは、どこから文献を得てきたのかが重要なのですが、そういった問題もあって私も苦労しました。

 

大学に、そういったいろいろな課題があることを知って、現代の技術や文化で、自分が携わっていた学問の世界を豊かにしたいと思いました。それで、インターネットインフラで文教向けのサービスを提供しているさくらインターネットに興味を持って、ご縁があって入社したという感じです。

さくらインターネットでの働き方

岩田夏美の写真

――ITの知識がほぼなかったとのことですが、実際に入社してみて、不安はありませんでしたか?

同期や先輩にいろいろ質問できたので、少しずつですが自分の成長を実感できました。難しいかもしれないと思っていましたが、そこまで抵抗もなかったですね。わからないことは何でも聞けたので、そこにストレスは感じませんでした。

 

入社前は大きな会社ですし、組織としては堅いところもあるかもしれないと思っていました。でも、いろいろな方に気軽に相談できますし、役員の方とも話す機会があって、自分がやりたいことがあれば、チャレンジさせてくれる環境も整っています。月並みですが、風通しの良い環境だと思います。

 

――岩田さんは、さくらインターネットが「リモートワーク前提」の働き方となってからの入社ですね。

はい。じつは、学生時代、自宅から学校まで往復5時間かけて通っていたんです。なので、移動が一切なくなって、朝に革命が起きたなと(笑)。

通勤がないので、始業までの時間は散歩したり、ゆっくり朝ごはんを食べたりできるので、朝の時間をゆったり使えるのがいいですね。学生のときは4時半起きでしたから。社会人になってからのほうが時間に余裕があるかもしれません。こんなに1日の時間を自由に使えてもいいのか、と思うぐらいです。

 

いまも通勤に1時間ぐらいかかるところに住んでいますが、通勤自体が少ないので、住む場所をある程度自由に考えられるのもいいですね。

 

――研修も含め、ほぼリモートとのことですが、上司とのコミュニケーションはどのようにとっていますか?

月に1回、1on1で業務について相談にのっていただいたり、アドバイスをいただいたりしています。それ以外にも、相談したいことがあればすぐにZoomをつないで聞いてもらっていますね。実際にとなりにはいないとはいえ、近くに感じられるように配慮していただいていると思います。

 

――会社の福利厚生(さぶりこ)でよく使っている制度はありますか?

さぶりこフレックス(勤務時間変更)はよく使っていますね。月に1、2回出社するのですが、そのときに通勤ラッシュを避けるため、勤務時間を少し遅くしたりしています。

あと、駅から会社まで迷ってしまうことがあるんです(笑)。なので、迷う時間も考慮していますね。

 

――たしかに、通勤する機会が少ないと、そういうこともありそうですね。「さぶりこ」は入社前からご存じでしたか?

はい。他社と比べても特徴的だったので調べていました。正直に言うと、入社前は「本当にこの制度は機能しているのかな」と半信半疑だったのですが、実際に入社してみたら、きちんと社員のみなさんが活用されていたので、「あ、本当だったんだ」と思いました(笑)。

 

私と同じく社会人になった友人と、自分たちの会社の話をすることがありますが、さくらインターネットのような制度はあまり聞かないです。親からも「超ホワイトだね」と言われました。休暇もとりやすいですし、自由度が高いなと思います。

マーケティングにも挑戦したい

――さくマガのコンセプトは「やりたいことをできるに変える」です。岩田さんが今後やりたいことと、そのために取り組んでいることがあれば教えてください。

もちろん、ITの知識ももっとつける必要はあるのですが、同時にどのようなお客さまがいるのか、これからどういった層にアプローチできるのかを考えることに興味があります。営業部に入った当初は考えていませんでしたが、今後はマーケティングの勉強もしたいと思っています。

 

あと、新しい事業を立ち上げることができないかな、と同期メンバーで話をしています。個人の業務量の可視化や、業務で使うツールに一貫性をもっと持たせることができないかと考えていて、同期のエンジニアと話し合って、社内ビジコンにも申し込みました。

 

そのときはバーチャルでオフィスに集まれるサービスを考えていました。残念ながら最終審査までは進めませんでしたが、継続してみんなで集まる時間を設けて、プランを練っているんです。

 

まだ具体的にどういったものにするかはまだ検討中ですが、ある程度固まってプロトタイプができたら、社内に限らず社外のビジコンに出てもいいかもしれません。それでもし、注目してくれる人がいれば、さくらインターネットの知名度を少しでも上げることにつながるかもしれないと考えています。

 

――いま、チャレンジしていることはありますか?

業務に慣れ始めてから、「お客さまへのメールの内容を変えてみたい」と自分から上司に相談したことがあります。

 

これまでは、電話がつながらなかったお客さまに対して、あらかじめ用意されていたメールテンプレートを送っていました。ただ、どうしてもURLが羅列しているメールって、基本的にはあまり読まれないんですよね。

 

そもそも、お客さまが電話をとれなかった、メールが見れなかったとなると、お客さまから引き出したいご要望をヒアリングできませんし、そこでストップしてしまいます。

 

なので、どのようにしたらお客さまの目に止まるような文面になるのか試行錯誤したり、返信率も見てみたりして、一からメールの内容を考え直しました。実際に成果が出始めているので、これがひとつの成功体験になりました。

 

お客さまに架電するときも、「こういったアプローチにしましょう」という方針はありますが、それだとお客さまにはあまり響かないこともあります。

メールのテンプレートを一新したことをきっかけに、電話でのアプローチ方法もバリエーションを増やすことで、実際にお客さまからのご要望を引き出せることも増えてきました。

今後は、どんどん大きくなっていくインサイドセールスチームにおいて、現在利用している営業・マーケティングツールをより活かした業務整備を強化したいと考えています。

 

 

「IVS2022 NAHA」スペシャルスポンサー さくらインターネット 田中邦裕 ✕ IVS代表 島川敏明さん対談

日本最大級のスタートアップカンファレンス「IVS」が、7月に沖縄・那覇で開催されます。IVSは完全招待制のカンファレンスとして2007年にスタート。スタートアップのピッチコンテスト「IVS LAUNCHPAD」には、これまでに多くのスタートアップが登壇し、そのうちの15%が、IPO(新規上場)やM&Aによるイグジットを果たしています。まさに「スタートアップの登竜門」ともいえるカンファレンスです。

今回、さくらインターネットがスペシャルスポンサーとして参加することが決定。そこで、IVS代表の島川さんとさくらインターネット代表の田中が対談し、IVS2022 NAHAの注目ポイントなどを語りました。

 

島川さんと田中さん

IVS株式会社 CEO 島川 敏明さん(左)、
さくらインターネット 代表取締役 田中邦裕(右)

IVSを運営する理由

島川 敏明さん(以下、島川):IVSは「IT系のスタートアップが、効率的にネットワーキングできる場を作って盛り上げていこう」とスタートしました。2007年の秋にスタートしてからの15年、年間2回ペースで続けています。IVSが始まる前は、こうしたIT系スタートアップの経営者が集まれる場が日本にはありませんでした。私は3代目の代表です。「今の時代に合った新しいIVSを作ってほしい」と前代表から託されました。

IVSに参加したことで、資金調達が決まったり業務提携やM&Aが決まったりといった、実利を最大化したいという想いで運営しています。今回の「IVS2022 NAHA」でも、みなさんがつながれる場を提供していきたいです。

 

田中邦裕(以下、田中):私は、今回のIVSが開催される沖縄県那覇市に住んでいます。沖縄で開催すると決まったのはどうしてですか?

 

IVS株式会社 CEO 島川 敏明さん

 

島川:昔から沖縄のスタートアップ経営者の方がIVSに関わってくれていて、3~4年前から沖縄で開催したいという話は出ていたんです。今回、縁やタイミングもあって開催が決まりました。決まった後の昨年12月に沖縄に行っていろいろな方と会ってみると、沖縄のスタートアップ熱が想像以上に高かったです。

 

田中:たしかに、スタートアップ熱は高いですね。

 

島川:しかも沖縄の方はみなさん、沖縄のことがめっちゃ好きなんですよね。ポジティブな方が多い印象です。「沖縄でこういうことがしたい」とお話すると、「ぜひ協力させてください」とおっしゃっていただけることが多かったです。そういった方々の後押しもあって、僕らとしても沖縄でやり切ろうというブーストがかかりましたね。

 

田中:沖縄でもスタートアップのイベント開催が増えてきていますね。沖縄の経営者と話をすると「5年前はスタートアップ支援なんてなかった」と言っていますが、最近は支援も充実してきました。2018年にISCO(沖縄ITイノベーション戦略センター)ができたことも大きなきっかけになった気がします。

行政としてもスタートアップ支援をしていますし、スタートアップに関わるメンターも充実しています。結果として、スタートアップが増えてきていますね。私もそうですが、結構、内地の経営者が沖縄に来ることも多いですよ。

スペシャルスポンサーを決めた理由

スペシャルスポンサーを決めた理由

 

田中:経営者仲間と飲んでいるときに「次のIVSは那覇でやる」と聞いて、何か協力したいなと思いました。一番の協力といえばスポンサーになることなので、すぐに決めましたね。沖縄ではじめて開催されるIVSなので、実際に沖縄に住んでいる私みたいな人間がコミットする必要があると思いました。

今年は沖縄が本土に復帰して50年の節目です。沖縄は、給与が安くて仕事が限られているといった現状があります。今回のIVSをきっかけに、沖縄からも多くの上場企業が出て、沖縄には経済的にもっと豊かになってほしい、と心から思っています。

 

島川:じつは、日本の都道府県の中で一番起業率が高いのが沖縄なんですよね。

 

田中:そうなんです。話が飛んでしまいますが、起業する一番のメリットは「お金を使えるようになる」ことだと思うんです。自分でコントロールできるお金が増えるんですよね。だから、今回もスポンサーになれたわけです。

私個人もですし、さくらインターネットとしてもスタートアップ支援に力を入れています。実際、さくらインターネットとしてLP出資もしています。

※ファンドへの出資を通じたスタートアップへの投資活動

おすすめのセッション

おすすめのセッション

 

島川:今回のIVSでもたくさんのセッションがおこなわれます。キーノートセッションでは、USEN-NEXT HOLDINGSの宇野さんにご登壇いただき、経営についてや失敗談を深掘りする予定です。また、Web3に特化した「IVS Crypto」も同時開催します。日本の経営者に加え、海外の経営者を招き登壇や交流をしてもらう予定です。

 

田中:Web3は「Webの民主化」と言われていますね。どこかの中央集権的なものに依存するのではなくて、自分たちのテクノロジーでフリーになりたい、解放されたいという思いがあります。だからこそ、若い人と新しい技術って結びつきがあるんだと思います。「新しいテクノロジー=新しいスタートアップ」というイメージがありますね。若い起業家が新風をもたらしてくれそうです。

 

島川:これまでのIVSもそうでしたが、今回のIVSでも若手のスタートアップをたくさん招いています。グローバルという文脈でもWeb3には注目です。Web3は「知力の総合格闘技戦」とも言われていて、新しい概念や技術が毎日生まれ続けています。IVSで後押しすることで、Web3の起業家が日本から世界に飛び出してほしいと思っています。

 

田中:最近思うのは、技術って重層的なので、勉強し続けなければいけないんですよね。新しい考えを持っている人のほうが、新しいことを覚えやすい。なので、新しいテクノロジーを”生み出す”のは、若い人が中心になります。年齢が少し上の人には、”新しい技術を活用して広める”役割があるのではないでしょうか。

 

島川:Web3の概念が加速することによって、オンライン上で活動する株式会社がすべてDAO(分散型自律組織)化していくと言われています。株式会社という法人の形ではなく、個人が集まって仕事が進んで、みんなで稼いでいくようになるかもしれません。

ただ、現状だとDAOにもいろいろな問題があります。会社のように責任だったり採用方針が決まりづらかったりします。まだ、2~3ステップは必要だと思います。そこを埋めていくスタートアップが、今後生まれてくるのではないでしょうか。

IVSにさくらインターネット特設ブースが出展

IVSにさくらインターネット特設ブースが出展

 

田中:さくらインターネットのブースに来ていただければ、メンタリングします。一日中いる予定ですので、ブースでお話ししましょう。多くのスタートアップ起業家が2つの悩みを抱えているはずです。1つは「全然伸びない」こと。成長せずに、気づいたら5年とか10年経ってしまっている。こうなるとスタートアップとは言えないのですが、結構あるんですよ。

もう1つは「成長しているけど、落とし所をどう作るか分からない」こと。「本当はこうしないといけない」と分かっているんだけど、売上を下げないために続けてしまうんです。私はどちらも経験して乗り越えてきたので、比較的成熟した企業のメンタリングが得意なんですよ。

 

島川:そこが得意なのはレアで貴重ですね。悩んでいる起業家はとても多いと思います。

 

田中:スタートアップのメンタリングって、受ける側からすると「ああすごいですね」って感じじゃないですか。ただ、私はメンターとメンティーの間に上下関係みたいなものがあると嫌なんです。よく言うのが、部活動の部長と部員くらいの関係性でいたいんですよ。部員と顧問だと遠いんです。

多くの場合、成熟した経営者とスタートアップ経営者は、顧問と部員、先生と生徒みたいな関係性になってしまいます。でも、部長だと部員の中から選ばれている同じ学生なわけですよ。僕も同じ経営者で、その中でもちょっと前行ってるよくらいの感覚でいたい。そういう距離感でやっていくノウハウも最近学んだところです。

さくらインターネットのブースで、みなさまにお会いできるのを楽しみにしています。

 

「IVS2022 NAHA」

7月に開催する「IVS2022 NAHA」では、さくらインターネット特設ステージが登場します。特設ステージでは、さくらインターネット株式会社の代表取締役社長 田中邦裕とフェロー 小笠原治が、スタートアップのみなさんへのメンタリングやスペシャルゲストをお招きしてのトークセッションを開催予定です。

 

【 IVS2022 NAHA 】 

開催日:2022年7月6日(水)~7月8日(金) 

場所:那覇市内 

参加者:スタートアップ経営者・投資家・事業担当者を中心とした完全招待制 

新規参加申込 URL:https://www.ivs.events/ 

主催:IVS株式会社

 

 

メタバースとは?やり方・始め方をわかりやすく解説

メタバースとは?やり方・始め方をわかりやすく解説

 

最近、よく耳にする「メタバース」。2021年10月にFacebookの創業者であるマーク・ザッカーバーグが、社名を「Meta」に変えたことで話題になりました。FacebookやInstagramといったSNSを主力事業としていた企業が、これからはメタバースに力を入れるという決意の表れといえます。

 

▲出典:Meta The Metaverse and How We'll Build It Together -- Connect 2021

▲出典:Meta The Metaverse and How We'll Build It Together -- Connect 2021

日本でも最近になってメタバース関連の本が数多く出版されたり、メタバースの関連団体が数多く設立されるなど、大きな話題を集めています。いまやバズワードのようになっている「メタバース」ですが、結局どういう意味なのでしょうか? やり方や始め方を含めて、わかりやすく解説します。

 

メタバースとは?

メタバースの定義についてはさまざまあり、確定したものはまだありません。この記事では、メタバースとは「インターネット上の仮想空間に作られた世界」と定義します。

メタバースは英語にすると「Metaverse」です。「Meta(ギリシャ語で”超越した”という意味)」と「Universe(宇宙)」を組み合わせた造語となります。アメリカのSF作家、ニール・スティーヴンスンの著書『スノウ・クラッシュ』で初めて使われました。この小説は1992年に発表されているので、20年前からメタバースという言葉自体はあったのです。メタバース市場は、2024年には90兆円規模になると予測され、さまざまな企業が参入しています。

メタバースの先駆け「Second Life(セカンドライフ)」

2003年にスタートしたSecond Life(セカンドライフ)は、2007年3月末には参加者が約500万人を超え、1日に仮想空間内で取引される金額は約180万ドルに達していました。*1

当時は通信速度が遅く、スマホも普及していなかったのでブームの継続とはなりませんでしたが、2022年の現在でも運営は継続されています。

メタバースで何ができる?

メタバースで何ができるのでしょうか。交流やビジネスなどで、できることが多いです。それぞれくわしく見ていきましょう。

アバターを通じて交流

アバターとは、仮想空間上で活動する自分の分身です。アバターを通じて交流をしたり、さまざまな体験ができます。アバターは自分の分身ですが、自分そっくりにする必要はありません。男性が女性のアバターを使っても女性が男性のアバターを使ってもいいですし、そもそも人間の姿である必要すらありません。自由な姿で交流できるので、多様性が大事とされる現代に合っています。

バーチャルオフィス

▲出典:Gather

▲出典:Gather

 

リモートワークが増え、メタバース上にバーチャルな仕事空間「バーチャルオフィス」を導入している企業も増えています。

「Gather(ギャザー)」というツールには、連日10万人がログインしてバーチャル会議などをしています。多くのメタバース関連ツールとは違い、ドット絵で親しみやすいのが特徴です。VR機器がなくても利用できます。オンライン会議ツールであるZoomやTeamsとの違いは、アバターで過ごせる点です。

オンライン会議ツールだと、カメラをオンにして自分自身の顔を見せるのがマナーのように思われがちです。しかし、アバターを使えばカメラをオンにする必要なく、気軽に同僚とコミュニケーションを取れます。

バーチャルイベント

バーチャルライブやバーチャル展示会などをメタバース上でおこなえます。アメリカのラッパー Lil Nas Xがおこなったバーチャルライブでは、3300万人もの観客を動員しました。

株式会社HIKKYが開催している世界最大のバーチャルイベント「バーチャルマーケット」には、毎回世界中から100万人以上が訪れるそうです。バーチャルマーケットでは、アバターなどの3Dデータ商品や洋服や飲食物などのリアル商品も売り買いできます。JR東日本、NTTドコモ、セブン&アイホールディングス、ソフトバンクなどの大手企業も出展しているイベントです。

じつは身近にあるメタバース

ここ1年くらいで急速に注目を集めているメタバースですが、以前からさまざまな形で私たちの生活の中に溶け込んでいます。代表的な例を一部ご紹介していきます。

ゲーム

メタバースと親和性の高いものがゲームです。代表例として『あつまれ どうぶつの森』や『Fortnite(フォートナイト)』があります。

あつまれ どうぶつの森

▲出典:Nintendo あつまれ どうぶつの森

▲出典:Nintendo あつまれ どうぶつの森

 

『あつまれ どうぶつの森』は、任天堂が販売しているNintendo Switchでプレイできるゲームです。ファンの間では「あつ森」という愛称で呼ばれており、人気は日本国内に留まりません。世界累計で3864万本の売上を記録しています。*2

『あつまれ どうぶつの森』では、無人島を舞台に自分の理想の島づくりを楽しめます。オンラインプレイでは最大8人でお互いの島を行き来したり、季節のイベントに参加したりできます。

Fortnite(フォートナイト)

『Fortnite(フォートナイト)』は、アメリカのEpic Gamesが販売しているオンラインゲームです。2017年にサービスが開始され、全世界に3億5千万人を超えるユーザーがいます。1つの島を舞台に、最大100人が集まって対戦できます。Fortnite(フォートナイト)の魅力はゲームだけではありません。バーチャル音楽イベントも魅力の1つです。

これまでにグラミー賞を受賞したアリアナ・グランデさんや、日本からは米津玄師さんや星野源さんといった人気アーティストもバーチャルライブをしています。

アニメ

アニメの中でもメタバースが描かれています。『ソードアート・オンライン(SAO)』や『サマーウォーズ』は、まさにメタバースを舞台に物語が進みます。

サマーウォーズ

▲出典:サマーウォーズ

▲出典:サマーウォーズ

 

『サマーウォーズ』は、2009年に公開されたアニメ映画です。世界中の人々が集まる仮想都市「OZ」を舞台に物語は進みます。

OZでは、プレイヤーの分身となるキャラ「アバター」を設定して、現実世界と変わらない生活を過ごせます。OZでは世界中の言語が瞬時に翻訳されるので、世界中の人々とコミュニケーションすることが可能です。2019年7月、「OZ on VRoid」がリリースされ、OZが現実のサービスとして楽しめるようになりました。

ソードアート・オンライン(SAO)

『ソードアート・オンライン(SAO)』は、川原礫さん原作のアニメです。アニメの放送開始は2012年に始まり、今年で10周年となります。「ナーヴギア」と呼ばれるVRマシンを装着しプレイできる、次世代型VRゲーム「ソードアート・オンライン」が舞台です(その後、いろいろなゲームが登場します)。

このアニメの中に登場するゲームは、五感のすべてを投影できるフルダイブ型。現実の世界でこの技術を実現するには、まだまだ時間はかかりそうですが、想像するだけでワクワクします。

映画

映画の中にもメタバースが登場しています。『マトリックス』や『アバター』といった作品が代表例ではないでしょうか。

マトリックス

『マトリックス』はアメリカのSF映画です。1999年~2003年に三部作として制作され、2021年には続編となる『マトリックス レザレクションズ』が公開されています。現実だと思っていた世界が、じつはマシンによって作られた仮想空間ということを知り、現実世界の人類を救うための救世主となる話です。

この映画のように、現実世界と仮想空間が融合してどちらがどちらか分からないような世界が訪れるのかもしれません。

アバター

『アバター』は2009年に公開された、アメリカのSF映画です。この映画の中での「アバター」は、人造生命体に人の神経をつないで操作できるようになっています。主人公は海兵隊時代に負傷して、下半身麻痺となっていますが、アバターの身体では自由に動き回れます。

2022年12月には13年ぶりの続編『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』が公開予定です。

医療

(Holoeyesを使った学習 )

(Holoeyesを使った学習 )

 

以前、さくマガでも取材をしたHoloeyes株式会社は、医療メタバースに挑戦しています。Holoeyesは、臨床医療や医療教育のためのソフトウェアを提供している会社です。人体本来の3次元情報をVRで再現し、シミュレーションが可能です。

ARゴーグルをかぶって、録画したデータを見ると、メタバース上で手術の動きと音声・メモが時系列で再生されます。手術をした医師の手の動きに、自分の手の動きを合わせてシャドウイングして、手術の動きを追体験できます。

メタバースのメリット

メタバースにはさまざまなメリットがあります。どのようなメリットがあるのかを見ていきましょう。

場所の制限がない

メタバースはインターネット上の仮想空間なので、世界のどこからでも参加できます。移動しなくても、世界中の人とコミュニケーションが可能です。普段会えないような方とも話せるチャンスがあります。

また、メタバース上のバーチャルオフィスで仕事をすれば、出勤不要です。通勤時間が削減され、そのぶん仕事に充てられる時間が増えるので生産性向上につながります。

非日常的な体験ができる

メタバース上ではアバターを介してさまざまな体験ができます。自宅からでも世界中を旅したり、アーティストの音楽イベントに参加できます。仮想世界でゲームの主人公となり、冒険を楽しむことも可能です。現実社会では体験できないことができるというのが、メタバースが人気となっている背景のひとつではないでしょうか。

メタバースのデメリット

メタバースには、まだまだ課題もあります。テクノロジーの進化や法改正によって、今後はこうした問題も解決するかもしれません。

物理的な接触はできない

現在の技術では、先ほど紹介した『ソードアート・オンライン』のように、五感のすべてを投影できるフルダイブ型は実現できていません。介護や看護といった物理的に相手に触れたりすることはメタバースでは、まだできないです。もしかしたら、今後テクノロジーが進化して可能になるかもしれませんが…。

法律の整備が追いついていない

メタバースは国を越えた空間のため、世界中の人々が集まります。各国で法規制が異なるので、何か問題が起きたときに、どの国の法律が適用されるかなど、確認が必要です。このほかにも、現行法では多くの課題を抱えています。

たとえば、経済産業省が発表した「仮想空間の今後の可能性と諸課題に関する調査分析事業の報告書」に次のような記載があります。

仮想オブジェクトの所有権や仮想空間内におけるキャラクターの経済的価値に関しては、現行法に課題がある。今後、仮想空間の活用が拡大した際には、対応が求められる可能性がある

今後は、国際基準を見据えたルールメイクが必要となるでしょう。

メタバースをビジネスで活用している企業事例

メタバースをビジネスに活用している海外企業と日本企業の事例を紹介します。さまざまな分野で新たな取り組みをおこなっているので、参考にしてください。

NIKE(ナイキ)

▲出典:NIKE NEWS ロブロックスにNIKELANDが誕生

▲出典:NIKE NEWS ロブロックスにNIKELANDが誕生

 

スポーツメーカー大手のNIKEは、ROBLOX(ロブロックス)上に「NIKELAND」を作りました。来訪者は670万人を超えています。プレイヤーは自分のアバターにNIKEのギアを着用させたり、ファン同士で交流も可能です。プロモーションやブランディング向上だけではなく、アバターが着用するギアの売上も見込めます。

ANA(全日本空輸)

航空事業を中心に展開するANAホールディングス株式会社は、2021年5月にANA NEO株式会社を設立しました。ANA NEOは、バーチャルトラベルプラットフォーム「SKY WHALE」の開発・運営を担います。

バーチャル空間における旅行やショッピングなどの消費体験を通じて、リアルを超える体験消費ニーズに応える目的があります。

スマホやタブレットなどの各種端末からアクセス可能な旅のプラットフォームとして、2022年のサービスローンチを予定しているそうです。

三越伊勢丹

▲出典:三越伊勢丹ホールディングス REV WORLDS

▲出典:三越伊勢丹ホールディングス REV WORLDS

 

株式会社三越伊勢丹ホールディングスが展開する仮想都市プラットフォーム「REV WORLDS(レヴ ワールズ)」。仮想新宿を舞台に仮想伊勢丹新宿店が営業しています。ユーザーはアバターの姿で、CG化した仮想新宿の街を楽しめます。仮想伊勢丹新宿店で買い物を楽しみ、実際の商品をオンラインストア経由で購入することも可能です。

「REV WORLDS」では、バーチャルイベントやバーチャル催事も実施しており、「東京ガールズコレクション」や「刃牙」などと、さまざまなコラボもおこなっています。

メタバースとブロックチェーンの関係

メタバースと併せて、ブロックチェーンやNFT(非代替性トークン)というキーワードが話題に上がることがあります。総務省によるとブロックチェーンとは、情報通信ネットワーク上にある端末同士を直接接続して、取引記録に暗号技術を使って分散的に処理・記録するデータベースの一種です。分散型台帳という仕組みで管理されており、一部のシステムが停止しても全体に与える影響を抑えられます。仮想通貨(暗号通貨)に使われている基盤技術です。*3

このブロックチェーン技術を活用してメタバースを作れば、安全性や利便性が向上すると期待されています。

NFTとメタバースの関係

NFTとは「Non Fungible Token」の略で、日本語に訳すと「代替不可能なもの」という意味。メタバース内の土地やアイテムといったものをNFTとして売買できれば、コピーできない代替不可能なものとして残ります。

ただし、ブロックチェーンもNFTもメタバースとは別物です。「親和性があって応用できるかもしれない」という関係性といえます。

メタバースのやり方・始め方

メタバースのやり方・始め方を知りたいという方も多いと思います。とはいえ、メタバースだと幅広いので、この記事ではコミュニケーションを目的としたメタバースのやり方・始め方をお伝えします。

Horizon Workrooms(ベータ版)

▲出典:Meta Quest Workroom

▲出典:Meta Quest Workroom

 

Horizon Workrooms(ホライゾン ワークルーム)はMeta(旧Facebook)社が提供しているビジネス会議向けのツールです。Meta Quest2(旧Oculus Quest 2)を使用して使えます。ツールの使用料金は無料です。テーブルを囲むメンバーの声はVR内の場所に合わせて自動で音量が調整されるため、まるでそこにいるかのような感覚でコミュニケーションに集中できます。

Workroomsアカウントを登録すれば始められます。

Meta Quest Workroomsを始める

cluster

「cluster」は、クラスター株式会社が提供しているメタバースプラットフォームです。Meta Quest2だけではなく、スマホやパソコンからでも使用できます。スマホで始められるので、気軽にメタバース体験が可能です。渋谷区公認の「バーチャル渋谷」もcluster上にあり、さまざまなイベントが開催されています。基本利用料は無料です。

準備は簡単で、アプリをダウンロードしてClusterのアカウントを作成すれば始められます。

clusterを始める

Mozilla Hubs

Mozilla Hubs

▲出典:Mozilla Hubs

 

「Mozilla Hubs」は、Mozilla社のMozilla Mixed Realityチームが製作したVRプラットフォームです。オープンソースでメタバースの機能一式を提供しているため、活用すれば独自のメタバース空間が作れます。

Mozilla Hubsは、ブラウザだけでアクセス可能のため、アプリのダウンロードやアカウント作成が不要です。URLを共有するだけのやり取りで、手軽にメタバースへ招待できます。

Mozilla Hubsを始める

メタバースに関する政府の動き

総務省は2022年8月1日に「Web3時代に向けたメタバース等の利活用に関する研究会(第1回)」を開催しました。会議を約7回開催し、2023年の夏頃に報告書を取りまとめる予定です。メタバースの利活用やWeb3の市場が拡大しつつあります。この研究会の目的は次の通りです。

  • メタバースなど仮想空間の利活用
  • 利用者利便の向上
  • 適正かつ円滑な提供
  • イノベーションの創出 など

ユーザの理解やデジタルインフラ環境などの観点から、さまざまなユースケースを念頭に置きつつ、情報通信行政に係る課題整理を目的としています。

まとめ

以上、メタバースについて解説をしてきました。

さくらインターネットでも、株式会社インフィニットループと合同で「メタバースチャレンジ2022」というインターンを開催しました。今後も成長を続けるメタバース分野に注目していきましょう。

 

※掲載されている会社名や商品・サービス名は、各社の商標・登録商標です。



参考:

経済産業省 仮想空間の今後の可能性と諸課題に関する調査分析事業の報告書

KDDI株式会社、東急株式会社、みずほリサーチ&テクノロジーズ株式会社、一般社団法人渋谷未来デザイン バーチャルシティガイドライン ver.1

総務省 Web3時代に向けたメタバース等の利活用に関する研究会

武井 勇樹,2022『60分でわかる! メタバース 超入門』技術評論社

加藤直人,2022『メタバース さよならアトムの時代』集英社

異動してきた方が抱く「違和感」が業務やサービス改善につながる

実際に異動を経験した方や異動を受け入れた方、キャリアコンサルタントの方などにお話をうかがいます。

今回は、前回登場した社員の社内異動を受け入れた側のお話。社内異動についてどう感じたか、異動を受け入れたことで良かった点や工夫した点を聞きました。

 

亀井 優子(かめい ゆうこ) プロフィール

亀井 優子(かめい ゆうこ) プロフィール

さくらインターネット株式会社 カスタマーリライアビリティ部 サービスサポート所属。2007年からカスタマーサポート業務を担当する。バックオフィス業務を担当した1年を除き、カスタマーサポート部門に所属している。

異動の受け入れについて

――前回インタビューをした桃田さんをチームに受け入れましたが、異動の受け入れについてはどう感じていましたか?

 

桃田さんは、大阪で一緒に働いていた頃にお世話になっていた先輩です。先輩に教えるのって、なかなか気を使いますよね。でも桃田さんは、高いモチベーションを持ち、積極的でありながら謙虚に業務を覚えようとしてくれたので、とてもやりやすかったです。

桃田さんはもともと労務のお仕事をされていて、社員に対するホスピタリティの高さは存じていました。なので、お客さまに対しても同様に背景を読み取ったり、最善の提案をすることは得意だろうなと思っていました。

異動受け入れの背景として、当時はカスタマーサポート業務の強化を推進しており、多くの部門から異動者を受け入れることになっていたんです。過去にカスタマーサポートの経験がない方がほとんどだったので、正直一筋縄ではいかないだろうな、と覚悟を持っていました。

 

――さまざまな部門からの異動となると、なかなか難しいですよね。

 

同時期に8人の異動者がいらっしゃったので、気を使いましたね。異動されてくるみなさんが不安に感じているかもしれないので、それを念頭に置いて研修などをおこないました。

カスタマーサポートのお仕事をしていてうれしいことは、お客さまから「ありがとう」と言っていただけることです。それを知ってほしかったので、できるだけ早いタイミングで実際のお客さまからのお問い合わせに接して、サポートの喜びを感じてもらうようにしました。

 

――同時期に8人は多いですね。それだけ多くの人を同時に研修する場合、どのようなことに気をつけましたか?

 

異動元の部門やその方の在籍年数などによって、知識や経験に差があります。ただ、初期研修では「あの人は分かっているだろう」と決めつけず、新しく入ってきた方に伝えるようなやり方をするように気をつけていたつもりです。

OJTの段階では、それぞれの方のスキルや視点にあわせた伝え方、進め方を採用しました。あとは、他部門から異動したからこそ抱く「違和感」を、今後のサービス改善に活かせるように遠慮せず情報発信をしてほしい、と伝え続けていました。

オンライン研修ならではの気をつけたこと

――さくらインターネットはリモート前提の働き方ということもあり、研修はすべてオンラインでおこなわれました。オンライン研修ならではの気をつけたことを教えてください。

 

オンライン研修は難しいですよね。近くにいれば空気感で様子を読み取れるのですが、オンラインだとそうもいきません。オンラインの場合、一方的にこちらが話しているだけだと、理解してもらえているのか読み取りにくいです。

気をつけたことといえば、何度も質問タイムを設けたり、しつこいくらいに「いつ連絡してくれてもいいですよ」と伝えていました。それでも不十分なので、理解度を測る仕組みを考えたほうがいいんだろうなと思います。

 

――どの会社でもそうだと思いますが、オンラインだけだとコミュニケーションの課題はありそうですね。コミュニケーション面で工夫していることはありますか?

 

配属1年未満の方専用のSlackチャンネルで気軽に質問できるようにしたり、オンライン飲み会でコミュニケーションを取るようにしています。

 

配属1年未満の方専用Slackチャンネルの様子

配属1年未満の方専用Slackチャンネルの様子

 

Zoom飲み会の様子

Zoom飲み会の様子

オンライン飲み会は、1~2か月に1回ペースで定期的に開催していますね。都合のいい人だけで集まっているのですが、毎回15人くらい参加しています。業務中とは違う姿が見られるので面白いですよ(笑)。

メンバーから「オンライン飲み会やりましょう」と企画してくれるので、助かっています。

異動者を受け入れて良かった点

――異動者の方を受け入れて良かった点を教えてください。

 

長期で同じ業務に携わっていると抱けない「違和感」があります。異動者の方から、そうした違和感に対して改善提案を出してもらえたので、お客さま視点での改善が進みました。積極的に意見を出してくれることで、チーム内にも積極性が広がりプラスになりましたね。

あと、研修を進めていると、教える側の理解度も上がります。受け入れられて本当によかったです。

 

――逆に課題に感じたことはありますか?

 

カスタマーサポートの仕事の経験が初めての方がほとんどだったので、いきなり仕事を振りすぎないように配慮した面はあります。

準備期間もそれほどなく、異動の受け入れ時期が繁忙期でしたので、手厚い研修ができたとはいえません。異動者のみなさんに、私たちが助けられました。

今後の「やりたいこと」

亀井さんが今後の「やりたいこと」

 

――今後、カスタマーサポート担当としてどのようなことにチャレンジしたいと考えていますか?

 

サービス作りや各種仕様変更の際、カスタマーサポートのメンバーが企画段階から参画できるようにしたいです。お客さまの視点やサポートする側の視点を取り入れることで、お客さまに長く、かつ満足して利用いただけるサービスにしていきたいですね。

他部門からカスタマーサポートへ異動する方を受け入れることも大事です。それと同時に、カスタマーサポート経験がある方が異動して、お客さま視点を持ち続けながら活躍することも大事だと思います。期間限定でカスタマーサポート業務を経験して、元の部署に戻った際にも、その経験を活かせるような取り組みもいいかもしれません。

 

――今後の異動や異動受け入れについて思っていることを教えてください。

 

桃田さんたちを受け入れたときは、異動者の受け入れをはじめて間もなかったです。講師をしていたのは長い間業務に携わっていたメンバーだったので、異動者の気持ちが分からない部分が少しあったと思います。

今後は異動経験のある方が講師になって、気持ちを理解しながら研修ができればと考えています。アウトプットすることで理解も深まるので、研修を受ける側・する側にとってプラスになるはずです。異動者の方に「カスタマーサポートに来られて良かったな」と思ってもらえればうれしいです。

私たちの部署に来たからといって「私たちのルールが絶対」というわけではありません。新しく異動してきた方が抱く違和感も正しいです。それをきっかけに変えていければ、部門自体が成長できると思います。




勝手にレポート!さくらの社員はどんな環境で仕事をしているのか?

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こちらの記事は、2016年12月にさくらのナレッジで公開された記事を再編集したものとなります。記事の内容や情報は執筆当時のものであり、現状とは異なる部分がありますが、当時の記録としてそのまま掲載しています。文●川畑裕行

※この投稿は さくらインターネット Advent Calendar 2016 21日目の記事です。

 

こんにちは、さくらインターネット IoT Platformチームの川畑です!

弊社エバンジェリストの横田が 同Advent Calendar 2016 2日目の記事 で福利厚生についての話を書いていましたが、今回はエンジニア向けとして働く環境(物理)にフォーカスを当てていきます。

まえおき

ところで、みなさまは入出力機器にこだわりをお持ちですか? 自分の使いやすいキーボードやマウス、目の疲れにくいディスプレイなどなど… 弊社は入出力機器の持ち込みは自由になっていますので、

社員はどんなキーボードやマウスを使っているのか!!!

そんな弊社社員の机事情を写真とともにお届けしたいと思います(都合上、今回は東京支社だけで…)。
最後に番外編もありますので、お楽しみに!

その0.東京支社の構成

さくらインターネットは住友不動産西新宿ビルに入居していまして、東京支社は3フロア構成になっています。 33Fは人事や経理・法務・情シスの主にバックオフィス系が。32Fはセールス・マーケティング・広報系、28Fはがっつりエンジニアフロアです。

その1.33Fレポート!

では、さっそく33Fから!

いきなりすみません、私の席です。

川畑さんのデスク画像

デスクトップPC+23inchのDELLのディスプレイが2枚。最近はIPSの液晶も安くなったもので、感心しています。キーボードはRealforce 87USW、マウスはLogicoolのG403 Wirelessを使用。もうやめられません!

2人目

人事部女性のデスク画像

楽天パンダが大好きな人事部(女性)の方のお席です。スタンダードな15inchノートPCに、Microsoftのマウス。人事部なので、ディスプレイにプライバシーフィルターが貼られていますね。

3人目

人事部女性(2人目)のデスク画像

2人目の斜め向かいに座っている同じく人事のお姉さんのお席です。デスクトップPC+22inchのディスプレイ1枚の構成。キーボードとマウスはPC付属のものを使っているようです。姿勢矯正クッション持ち込みとはたまげましたね。

4人目

エンジニア男性のデスク画像

キムワイプ、タフパッド、Realforce、33Fの数少ないエンジニア(男性)の机です。PCは標準15inchノートPC+23inchディスプレイ。彼は社内で唯一無二のテプラ芸人と呼ばれています。

5人目

IoT Platformチームの共用机の画像

私が所属するIoT Platformチームの共用机です。チームには本当に組み込み基板の設計・開発からファームウェアまで担当するエンジニアが在籍しているので、信号解析用のオシロスコープ、安定化電源、半田ごて等の基本的な電子工作アイテムが揃っています。お客様から さくらのIoT 通信モジュール の電気的な技術質問を受けた際にも、可能な限りその場で検証します。

その2.32F/28Fまとめてレポート!

32Fが1枚しか撮れなかったので、泣く泣く纏めることにしました。実は32F/28Fは33Fと違って机が広く、標準でディスプレイアームが付属しています。

1人目

マーケ部女性のデスク画像

32F、マーケティング部署に在籍の方(女性)の机です。標準15inchノートPC+Dock(DELL E-Port)+23inchディスプレイの構成。色々ツッコみたくなりますが、我慢…

2人目

販管システム開発エンジニア(男性)のデスク画像

ここから28Fレポート。販管システムの開発をされているエンジニア(男性)の机です。「PCは使えれば何でも良いです」と特にこだわりも無い様子でした。IchigoJamが好きらしいです!デスクトップPC+23inch2枚ですね。

3人目

UI/UXチームデザイナー(女性)のデスク画像

ついにMacがキタ!UI/UXチームに居るデザイナー(女性)の机です。27inchのiMacとミーティングや携帯用のMBP13inchですね。数年前から社内でもMacがOKになり、エンジニアをはじめとしてMacを使う社員が増えています。正確な数は把握していませんが、体感ではWindows 7 : Mac 3くらいでしょうか。

4人目

UI/UXチームデザイナー男性のデスク画像

同じくUI/UXチームに居るデザイナー(男性)の机です。社内で唯一本格的な動画編集や3DCGを扱う技術を持っており、彼にAfterEffectsを与えると大変なことになります。映像制作をすることもあり、PCはXeon+SSD+メモリ16GBのマシンを使っているようですが、最近全く性能が追いついていないという話を聞きます。自称ゲーム廃人で、キーボードはRealforce101、マウスはRivalを利用しているとのこと。

5人目

UI/UXデザイナー(女性)のデスク画像

またまたUI/UXデザイナー(女性)の机です。Web(HTML/CSS/js)の技術を軸に、公式サイト等のデザインを担当されています。

6人目

サーバーサイド・フロントエンジニア(男性)のデスク画像

こちらはサーバーサイド・フロントエンドエンジニア(男性)の机です。MBP13inchに23inchディスプレイが2枚。キーボードはこだわりを持ってRealforce。本人からは「MacだからHHKBが好きとは限らない」とのコメントをいただきました。

7人目

6人目の隣のエンジニア(男性)のデスク画像

6人目の隣のエンジニア(男性)のお席です。サーバーサイド担当。MBP13inch+23inchディスプレイ。キーボードはHHKB Pro2、マウスは驚きのこだわり(チョイスが渋い) Logicool MX518

8人目

VPSバックエンド担当エンジニア(男性)のデスク画像

VPSのバックエンドを担当しているエンジニア(男性)の机。2016年度入社で、SUSEが大好きな新卒くんです。なんか急にMacが増えてきた気がしますが、MBP13inch + 23inchディスプレイ2枚。HHKB Pro2にマウスはLogicool MX620です。

9人目

VPSインフラ基盤担当しているエンジニア(男性)のデスク画像

ひとまずWindowsに戻ります。VPSのインフラ基盤を担当しているエンジニア(男性)です。ここで初めてのトラックボールが出てきましたね。ちなみにキーボードは最近買って、こっちに持ってきたようです。(ようこそこちらの世界へ) デスクトップPC + 23inchディスプレイ2枚構成

10人目

VPSチームのプロデューサー(男性)のデスク画像

VPSチームのプロデューサー(男性)のお席。MBP13inch + 23inchディスプレイ1枚、サブにMacBook。最近MacBookの上に小さいキーボード(HHKB等)を載せて使っているエンジニアをちらほら見かけるようになりました(余談ですが…彼は私と同じ年に入社した2年目エンジニアで、とある問題 を解決するために、変態サーバを作った張本人です)。

11人目

“Arukas” の開発者(男性)のデスク画像

Dockerコンテナホスティングサービス “Arukas” の開発者(男性)の席です。新卒入社3年目の彼は、日夜Realforceが良いかHHKBが良いか迷走しているようです。東京支社で2人しか居ない4Kディスプレイの使い手でした。こだわりがすごい!

12人目

さくらの専用サーバのインフラ基盤担当エンジニア(男性)のデスク画像

さくらの専用サーバのインフラ基盤を担当されているエンジニア(男性)の机です。PCは標準的なデスクトップ + 23inchディスプレイ1枚ですが、その使い込まれたRealforceに愛を感じます。マウスはLogicoolのMXでしょうか。

13人目

「江草スタイル」の画像

自席を離れて仕事をしているフロントエンドエンジニア(男性)を捕まえました。自席ではこのスタイル + 23inchディスプレイ1枚で仕事をしているようです。ちなみに、このスタイルは弊社執行役員の江草がよくやっていたことから、勝手に江草スタイルと呼んでいます。

14人目

研究所・クラウドチーム鷲北のデスク画像

弊社研究所・クラウドチーム鷲北の机です。いい感じに日焼けした無刻印HHKB、今は珍しい4:3の19inchディスプレイ、まさに”こだわり”の塊ですね。机の上にはコーヒーメーカーもあります。

その3.番外編 RealforceとHHKBどっちが多いか調べてみた

以前から個人的に気になっていた社内の派閥を調べました。これは東京支社全席を周り、Realforceシリーズ・HHKBシリーズ(Pro/Pro2/Lite)の台数をカウントし、まとめたものです。

Realforceシリーズ・HHKBシリーズ(Pro/Pro2/Lite)の台数まとめ

雑な表になってしまいましたが、東京支社ではRealforceが優勢でした!やはりエンジニアフロアである28Fに多く、フルサイズではなくテンキーレスモデルが人気のようです。特にクラウドチームのRealforce率が異常で、そこで一気に集計数が増えました。中には初代HHKB(メンブレンタイプ)のものを使っているエンジニアもおり、ギークになればなるほど物へのこだわりも強いのかな、と感じた次第です。

その4.おわりに

写真レポート、いかがでしたか? いろいろ机を見回っていると「何してるの?」と不審がられて大変でした。それにしても、キーボードのすり減り方を見るとその人の打鍵癖がよく分かって非常に面白かったのが、個人的には一番の収穫でした。性格も出そうな気がします(爆)

ちなみに他の拠点(本社やDC、ブランチオフィス)ですが、東京DCのネットワークチームはこだわりを持った方が多く見受けられます。特にシフト勤務で、日夜パケットと戦い続けているスタッフは半数以上がRealforce持ちです。 大阪本社では、Realforce利用者を2~3名見かけました。 ブランチオフィスは…1年以上前に訪れただけですので、正直覚えていません…。きっとまた誰かが多拠点編をやってくれると思います。

以上、お付き合い頂きありがとうございました!

 

第34回さくらの夕べ「さくらの聖夜」レポート

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こちらの記事は、2016年12月にさくらのナレッジで公開された記事を再編集したものとなります。文●大喜多利哉

2016年12月22日に開催された 第34回さくらの夕べ(さくらの聖夜)のイベントレポートです。

本日の司会は、”闘う男”ことコミュニティーマネージャーの法林・・・ではなく、さくらの誇る名エバンジェリスト横田・・・でもなく、なんとこれが初の司会だという、執行役員技術本部副本部長の江草がいつも通りのコケティッシュな装いで努めました。

執行役員技術本部副本部長の江草の写真

エンジニアの幸せな働き方(仮)

舞鶴高専在学中の1996年にさくらインターネットを創業し、「ロボットのエンジニアだったがサーバー貸しているうちにこんなになった」「これからはインターネットだ!と思った」「自分のやりたいことがネットにあった」と語る、弊社代表取締役社長 田中 邦裕より「働きやすさ」と「働きがい」についてのプレゼンテーションがありました。

社長田中の写真

しかし田中、自己紹介中に異変に気づきます。「あれ?・・・このスライド、古いファイルや(汗」

自己紹介のスライド

大急ぎで最新のファイルをiPadから探してPCに転送しようとする田中。そして必死に間をつなぐ横田(汗汗汗

必死に間をつなぐ横田の写真

※注釈:元々田中はiPadでプレゼンテーションをする予定でしたがiPadとプロジェクタを接続するアダプターがなく、PCにファイルを転送してプレゼンテーションを始めました。ところが転送したファイルが最新版のファイルでなく古い方を転送してしまいこのような事態になりました。。

無事最新版のファイルを転送してセッション再開。

最新版の自己紹介スライド

田中は横田の場つなぎっぷりにいたく関心したらしく「橫田さんうまいですね、これで社内のポジションを得たんじゃないですかねー(笑」と言っていましたが、これを当の横田本人はどう思っていたことでしょうか。今となっては知るすべもありません。

田中は、CROSS2015とJAWS DAYS2015で自身が登壇したパネルディスカッションの話を挙げ、「今の会社にい続けたほうがどう考えてもいいはずなのになぜ新しい場所に身を置こうとするのか」という疑問を抱いたとのこと。そこで「働きやすさ」と「働きがい」の違いについて解説しました。

働きやすさと働きがいの違いスライド

オレンジが働きやすさ・緑が働きがい

オレンジが働きやすさ・緑が働きがい

「仕事に対する満足と不満は独立していて、満足したからといって不満が消えるわけではない。両方を解決していく必要がある。満足に影響するのが働きがい、不満に影響するのは働きやすさであり、まずは働きやすさを改善していき、働きがいを増やしていこうとしている」と、近年さくらインターネットで取り組んでいる働き方改革について説明。

田中のスライド

働きやすさと幸せについて説明する田中

さぶりこについて説明する田中

なお、「働きやすさを改善していった結果、会社全体の生産性は下がっている。ここに働きがいをプラスすることで、生産性が上がっていく」と説明。生産性というと「効率を高める」という話になりがちですが、田中は「効率を高めるという考え方から離れるべき。効率を高めても新しいビジネスは生まれない。自由にやりながら成長を目指していく。シリコンバレーではこういう考え方が重要視されている」と説明。働きやすさと働きがいの双方の充実により、働き方を「効率→自由→成長」に変えていき、さくらインターネットをよりよい会社にしていくとして、本セッションを締めくくりました。

20周年ケーキ入刀

田中のセッション終了後、別部屋にて立食パーティーが催され、弊社社員と参加者様との交流の場が設けられました。そんな頃会場の片隅でセッションの内容を原稿に起こすためにまとめていた私のところに法林がやってきて「これからケーキ入刀やるから」

ケーキを箱から取り出す法林

ということで、さくらインターネットは2016年12月23日で20周年を迎えます(法人化前のサービス開始時点から数えて20周年です)。20周年を記念してケーキが作られました。ケーキに入刀するのはもちろん創業者である田中。

20周年ケーキ

田中とケーキ

自分の顔のプリントされたケーキをバッサリまっ二つ。

まっ二つになったケーキ

前佛&横田のバズワード大戦2017

さくらインターネット エバンジェリストチームの 前佛 雅人&横田 真俊による「バズワード」をテーマにしたセッション。

前佛&横田

まずは20年前、10年前、今年を振り返ります。

1996年を振り返るスライド

2006年を振り返る

2016年を振り返る

今年を象徴する5つのキーワード。グラフからワードを想像します。

今年を象徴する5つのキーワード

このグラフは・・・

グラフ

IoTでした。

IoT

このグラフは・・・

グラフ

人工知能でした。

人工知能

そして正解が発表されるたびにチラチラ挿入されるコマーシャル。

コマーシャル

さくらインターネットロゴ

さくらのIoT Platform βのご紹介。

さくらのIoT Platform β

さくらのIoT Platform β

高火力コンピューティングのご紹介。

高火力コンピューティング

高火力コンピューティング

そしてこれらのキーワードから想像される2017年について。

〇〇×ITで社会が加速する

2人の予測。

2人の予測

前佛は「退屈な時間を贅沢に過ごそう」ということで、高効率化された仕事によってプライベートでは「生活の無駄に価値ができるのではないか」と予想。

横田は、昨今のキュレーションサイトの不祥事に触れ「ぱっとググって出てくる内容に信頼性がないのではないか?という考えが広がり、情報の格付けが進むのではないか」と予想していました。

そして注目の技術トレンドについて。

注目の技術トレンド

俺たちの戦いはまだ始まったばかりだ!!

俺たちの戦いはまだ始まったばかりだ!!

というわけで、2017年もさくらインターネットをよろしくお願いいたします。 

乞うご期待!!

 

「福岡オフィス」開設。3社との合同記者会見。福岡が目指すスタートアップと取り組む街づくりとは?

タイトル画像

こちらの記事は、2017年3月にさくらのナレッジで公開された記事を再編集したものとなります。文●山下竜大

高島市長も駆けつけてバレンタインデーに福岡オフィスをお披露目

世の中がバレンタインデーに沸く2017年2月14日、さくらインターネットが福岡市に「福岡オフィス」を開所しました。場所は地下鉄空港線「赤坂」駅を出てすぐのビルの7階で、執務エリアとシェアスペースで構成されています。

シェアスペース

シェアスペース

バーカウンターもあるシェアスペースでは、九州のスタートアップや九州大学および崇城大学と協力しながら、次世代のIT人材の育成を目的とした企画やイベントなどが開催される予定です。また大濠公園が一望できるので、夏には花火大会も楽しめるそうです。

今回、まったくの偶然ですが、メルカリ、ピクシブ、アカツキの3社も同時期に福岡にオフィスを開所しています。そこで4社は、さくらインターネットの福岡オフィスで共同記者会見を開催。4社は、それぞれに福岡に込めた熱い思いを語りました。

記者会見

共同記者会見には数多くのメディアが詰めかけました。

共同記者会見には、福岡市の市長である高島(髙島)宗一郎氏も駆けつけたことから、福岡のテレビ、ラジオ、地方紙、地元誌のほか、全国紙や東京のウェブ媒体も取材に訪れ、夕方のテレビニュースでは、協同記者会見のもようも放映されました。

共同記者会見の内容は夕方のテレビニュースでも放映されました。

福岡市のスタートアップ開業率は3年連続で政令指定都市トップ

共同記者会見の冒頭、高島市長は「いまをときめく、誰もが憧れるベンチャー企業4社にラブコールを送ってきましたが、バレンタインデーにこの発表ができることをうれしく思います」と挨拶しています。

高島市長

「4社が同時期に福岡にオフィスを開設するインパクトは、スタートアップ支援や施策に対する福岡市の熱量を日本全国に発信できる良い機会」と話す高島市長。

「すばらしい4社が同時期に福岡にオフィスを開設するというインパクトは、福岡市が進めているスタートアップ支援や施策に対する福岡市の熱量を日本全国に発信できる良い機会であり、たいへん感謝しています」(高島市長)

今回、さくらインターネットなど4社が、同時期にオフィスを開所した福岡市とはどのような街なのでしょうか。現在、福岡市はスタートアップ特区の制定や規制緩和、政策での後押しなど、スタートアップの誘致に積極的に取り組んでいます。

スタートアップ特区ではスタートアップ法人減税も実現しています。条件に合えば、市税も減税する条例も施行しています。高島市長は「両方合わせると22%の減税になり、海外に比べても競争力のある法人税となります」と話します。

また起業や独立を志す人たちを支援する「スタートアップカフェ」の運営や外国人の創業を促進するための「スタートアップビザ」の提供なども施策の1つ。海外からのスタートアップの受け入れ体制も充実しています。

こうした施策が功を奏し、現在、福岡市のスタートアップ開業率は7.04%で、3年連続で政令指定都市トップとなっています。また25歳~34歳の若い人たちによるスタートアップ開業率も、福岡市が圧倒的にトップなのです。

ただ、スタートアップ支援だけが福岡オフィスの開所に至った理由ではありません。それ以上に重要だったのが、福岡市そのものの魅力です。高島市長は「福岡市は人口が毎年1万5000人ずつ増えており、人口増加率では東京を抜いて日本一です」と話します。

また福岡市民へのアンケートでは、95.8%が「住みやすい街である」と答えているほか、英国の雑誌が調査している世界の住みやすい街ランキングにおいて、第7位に福岡市が選ばれているのです。

「福岡市は“人と環境と都市活力の調和がとれたアジアのリーダー都市”を目指しています。単に経済規模が大きいだけでなく、もっとも暮らしやすく、仕事があり、リフレッシュできる、グローバルにチャレンジできる街です」(高島市長)

福岡市の成長戦略としては、短期、中期、長期の大きく3つ。まず短期的には、交流人口の増加です。コンベンションの開催日数は東京都を除く全国1位で、2016年は363回開催されています。またクルーズ船の寄港も328回で、横浜を抜いて全国1位です。

中期的には、知識創造型産業の振興です。福岡市が誘致した企業の55%は、さくらインターネットのような知識創造型産業です。長期的には、支店経済からの脱却です。ただし、本社機能を誘致するには、医療、教育、美術などの多くの分野に影響を及ぼします。

そこで、本社機能を誘致しつつ、並行してスタートアップの育成を推進しているのです。高島市長は「スタートアップ支援は次の福岡市を創る“FUKUOKA NEXT”と呼ばれるチャレンジにも生かせます」と話します。

その一環となる「FUKUOKA Smart EAST」プロジェクトでは、九州大学跡地にIoTやモビリティ、セキュリティなどのイノベーションによる最先端のシェアリングエコノミーを実現する計画です。この計画ではスタートアップの技術力に期待が集まっています。

高島市長は「旧大名小学校跡地にインキュベーターを大集合させ、スタートアップカフェも移設して、官民協働型スタートアップ支援施設を実現します。これにより福岡市のスタートアップシーンが、さらに熱々となることは間違いありません」と話しています。

写真左より、株式会社メルカリ 取締役 小泉文明氏、株式会社アカツキ 共同創業者 取締役COO 香田哲朗氏、福岡市 市長 高島宗一郎氏、さくらインターネット株式会社 代表取締役社長 田中邦裕氏、ピクシブ株式会社 代表取締役社長 伊藤浩樹氏

写真左より、株式会社メルカリ 取締役 小泉文明氏、株式会社アカツキ 共同創業者 取締役COO 香田哲朗氏、福岡市 市長 高島宗一郎氏、さくらインターネット株式会社 代表取締役社長 田中邦裕氏、ピクシブ株式会社 代表取締役社長 伊藤浩樹氏

福岡市とともに世界に羽ばたく会社を目指す

共同記者会見で、さくらインターネット 代表取締役社長の田中邦裕氏は「さくらインターネット、メルカリ、ピクシブ、アカツキの4社が、同時期に福岡にオフィスを開所しました。われわれが福岡オフィスを開所した目的の1つは、スタートアップが盛んな福岡で、さくらインターネットも成長することです」と話します。

田中社長

「2017年、ようやく福岡1年生ですが、福岡市とともに世界に羽ばたく会社になりたいと思っています」と話す田中社長。

「さくらインターネットは2016年12月で創業20周年を迎えました。18歳のときに大阪で起業しましたが、ちょうどネットバブルのときで、かなりの数の会社が起業しています。その後、ネットバブルがはじけ、苦しい時期もありましたが、この2~3年はスタートアップブームが再燃しています。しかし現在の起業ブームは、20年前のように日本全国で起きているわけではなく、熱量の多い都市で再燃しています」(田中氏)

米国の都市経済学者であるリチャード・フロリダは、著書「クリエイティブ・クラスの世紀」の中で、「都市の成長と企業の成長は関連している」と述べています。また「多様性や寛容性などの新たな価値観が芽生える都市にこそ企業が集まってくる」と述べています。田中氏は「以前は企業が進出し、都市の人口が増えるという成長モデルでした。いまは成長する都市に人が集まり、成長する企業が生まれると信じています」と話します。

こうした背景のもと、「さくらインターネットが福岡市にオフィスを開設するに至ったのは、必然であると考えています。気候がいい、食べ物がおいしいなど、定量的に表すことができる条件はたくさんありますが、ひと言でいえば“移り住みたい都市こそ企業の成長につながる”ということです」と田中氏は言います。しかし、今回の福岡への進出はトップダウンによる決定ではありませんでした。

田中氏は「どうしても福岡にオフィスを出したいという2人の社員がスタートさせたものです。2人の社員は福岡のスタートアップの皆さんと話をする中で、福岡に進出したいという気持ちになったようです。しかし福岡にオフィスを出すよりは、出張の方がコスト的には安く済みます。そこで“福岡がいいという熱量を見せてみろ”と話しました。すると2人は、勝手に福岡市に移住してしまいました(笑い)」と当時を振り返ります。

「経営者としては、あまりたくさんの拠点を作りたくないのが本音です。さくらインターネットは、大阪に本社が、東京にオフィスが、北海道の石狩市にデータセンターがあります。コストや効率性を考えると、1つの都市で事業を展開するのが一番良いことです。地方で起業した多くの企業が、東京に本社を移すのもこうした考えからです。しかし創業20周年を迎え、効率化から創造性の発揮への転換が必要と考えました」(田中氏)

企業は利益を出すことが必要ですが、それには2つの方法があります。1つは効率化により原価を抑えて利益を出す方法であり、もう1つは売り上げを伸ばして利益を出す方法です。田中氏は「われわれは売り上げを伸ばし、企業を成長させることで利益を拡大させていく方向に舵を切りたいと考えています。そこで快適性や創造性を重視し、みんなが住みたいと思う場所に拠点を作ることが成長への近道と考えました」と話します。

「現在、福岡の活動の中で、売り上げが上がったり、エンジニアの方々とつながったりと成果が出始めています。なにより、社員の1人が20kg太ったことからも、福岡で本当に快適に暮らしていると感じています(笑)。効率性を考えて東京に集中することは、短期的には利益を生みますが、長期的な話は別です。現場で働く社員が元気になり、元気な街とともに成長し、企業としても成長できるのが福岡です」(田中氏)

最後に田中氏は「今回、さくらインターネットとして福岡オフィスを開所し、4社で共同記者会見ができたことは、福岡市にとっても象徴的な出来事ではないかと思います。効率性だけを考えて東京に集中する時代は終わりました。企業が持続的に成長していくには、次の20年に向けて生まれ変わることが必要です。2017年、ようやく福岡1年生ですが、福岡市とともに世界に羽ばたく会社になりたいと思っています」と話しています。

お世話になった方々に福岡オフィスをお披露目!

参加者の写真

福岡オフィスのお披露目パーティーには、福岡をはじめとする九州のスタートアップや大学関係者、福岡市の関係者など160名以上が参加して、盛大に開催されました。

共同記者会見の終了から4時間後の19時より、さくらインターネットの福岡オフィスにおいて「福岡オフィスのお披露目パーティー」が開催されました。パーティーには福岡をはじめとする九州のスタートアップや大学関係者、福岡市の関係者など、約120名の事前エントリーをはるかに超える160名以上が参加して、大変盛り上がりました。

awabar

起業家やIT関係者が集まりすぎるバーとして有名(?)な、あの六本木の「awabar」が1日限定で出張オープン!

会場には、起業家やIT関係者が集まりすぎるバーとして有名(?)な、あの六本木の「awabar」が1日限定で出張オープンし、awabar店長がバーテンダーを引き連れて来福しています。またケータリングの料理も会場に並び、ピクシブ 代表取締役社長の伊藤浩樹氏やさくらインターネットの田中社長もカウンターでお酒を振る舞いました。

ケータリング

ケータリングの料理も会場に並び、ピクシブ 代表取締役社長の伊藤浩樹氏やさくらインターネットの田中社長もカウンターでお酒を振る舞いました。

田中社長と小笠原氏

パーティーは田中社長とさくらインターネットのフェローである小笠原治氏がホスト役となって進行しました。

パーティーは田中社長とさくらインターネットのフェローである小笠原治氏がホスト役となり、まずは午後行われた共同記者会見の概要を来場者に紹介し、その後、田中社長が乾杯の音頭をとりました。「福岡の皆さまが、すごい勢いで成長することを祈念して盛大かつ声高らかに乾杯しましょう! それでは、ご唱和ください! かんぱ~い!!」

「かんぱ~い!!」

「かんぱ~い!!」

ちなみに、1日出張来福したawabarのオーナーは小笠原氏だそうです。しばらくの歓談後、「さくらインターネットとやりたいこと」や「さくらインターネットに言いたいこと」など、14名の来賓がスピーチしました。

株式会社グルーヴノーツ 代表取締役会長 佐々木久美子氏

株式会社グルーヴノーツ 代表取締役会長 佐々木久美子氏

株式会社オルタ―ブース 代表取締役 小島淳氏

株式会社オルタ―ブース 代表取締役 小島淳氏

九州大学 産学官連携本部 准教授 熊野正樹氏(写真右)崇城大学 総合教育センター 准教授 中島厚秀氏

九州大学 産学官連携本部 准教授 熊野正樹氏(写真右)崇城大学 総合教育センター 准教授 中島厚秀氏

株式会社ウルフ プロダクト開発本部 テクニカルロックスターズ代表 部谷修平氏

株式会社ウルフ プロダクト開発本部 テクニカルロックスターズ代表 部谷修平氏

株式会社キューブス 取締役 石村俊幸氏

株式会社キューブス 取締役 石村俊幸氏

JAWS-UG 福岡支部コアメンバー 株式会社オルターブース COO 藤崎優氏(写真右)さくらクラブIoT福岡コアメンバー 株式会社コム・アンド・コム 取締役 技術部部長 木村健一郎氏

JAWS-UG 福岡支部コアメンバー 株式会社オルターブース COO 藤崎優氏(写真右)さくらクラブIoT福岡コアメンバー 株式会社コム・アンド・コム 取締役 技術部部長 木村健一郎氏

株式会社ユニマル 代表取締役 今熊真也氏(写真右)ピクオス株式会社 プロダクトマネージャー 野崎弘幸氏

株式会社ユニマル 代表取締役 今熊真也氏(写真右)ピクオス株式会社 プロダクトマネージャー 野崎弘幸氏

株式会社Fusic mockmockプロダクトオーナー 毛利啓太氏

株式会社Fusic mockmockプロダクトオーナー 毛利啓太氏

株式会社サイノウ コミュニティマネージャー 村上純志氏

株式会社サイノウ コミュニティマネージャー 村上純志氏

株式会社Falco 代表取締役 植村福太郎氏

株式会社Falco 代表取締役 植村福太郎氏

グルー株式会社 代表取締役 迫田孝太氏

グルー株式会社 代表取締役 迫田孝太氏

福岡市の執行氏(写真中央)

福岡市の執行氏(写真中央)による、「博多手一本」と呼ばれる福岡独特の手締めでお開きとなりました。

22時過ぎまで盛り上がった福岡オフィス披露パーティーは、福岡市 東京事務所 シティセールス担当主査の執行謙一氏による「博多手一本」と呼ばれる福岡独特の手締めでお開きとなりました。