さくらインターネットのスタートアップ支援とは?
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2025年12月11日に開催された、国産AIの共創をテーマにしたさくらインターネット初のカンファレンス「SAKURA AI Conference」。さくらインターネットとともにAI領域の最前線を走る共創パートナーやスタートアップが集い、生成AIの現在地と未来の可能性を語り合うオフラインイベントです。
300人以上が来場した大規模なカンファレンスを支えたのは、Z世代・スタートアップ領域に強みを持つ3社とさくらインターネットによる共創チームです。
今回は、プロジェクトに携わった4人に、成功にたどり着くまでの背景や、スタートアップ共創の意義について語り合っていただきました。

濱田 健太郎(はまだ けんたろう)さん プロフィール
株式会社Neeew Local 代表取締役社長
4期目の企画・街づくりスタートアップ企業。様々なイベントや広告の企画から事務局を担う。Z世代最大級のリーダーカンファレンスZ ERA FESの主催も行い、集大成として地元品川区大井町の街づくり事業も2026年5月から大規模に実施。サウナーの多い街づくりプロジェクト事務局長も兼任。

筑井 悠真(つくい ゆうま)さん プロフィール
株式会社LEPO COO
人材系企業での勤務を経て独立。エンタメ、学生、Z世代、地方創生などを中心にイベントやプロジェクトの企画立ち上げから実施までを手がける。領域を横断したプロジェクトに携わり、企画設計、関係者調整、体験設計、運営構築、現場推進までを担う。

穴田 奈都美(あなだ なつみ)さん プロフィール
株式会社epiny 共同代表
化粧品会社で販売員を経験後、広告代理店にてインフルエンサーマーケティングに従事。
2022年9月、代理店時代の取引先だった女性とともに株式会社epinyを設立。
現在は会社経営をはじめ、SNS運用やクリエイティブ制作のディレクションを担当している。

新発田 大地(しばた だいち) プロフィール
さくらインターネット株式会社 社長室 スタートアップチーム
2016年、さくらインターネットに入社。石狩データセンターにて収容サービスの構築・保守業務に携わった後、入退管理責任者や、業務移管プロジェクトのPMなどを務める。現在は技術的なバックグラウンドを活かし、スタートアップとの共創をミッションに活動中。2024年4月からSTARTUP HOKKAIDOに参画し、オープンイノベーション領域マネージャーを務める。
SAKURA AI Conferenceが生まれた背景と、それぞれの立ち位置
まずは、今回のプロジェクトにおけるみなさんの役割や立ち位置を教えてください。

私はさくらインターネット側の担当として、ほぼすべてのセッションの企画やキャスティングを担当しました。「このイベントで何を実現したいのか」「どこをゴールにするのか」を描きながら、ハブのような立ち位置でかかわっていましたね。
ブース出展についても、自身のネットワークをもとに多くの企業にお声がけをしています。
また、予算調整やNeeew Localとともに集客施策なども担当し、とくに動き出しの段階ではほぼ1人で全体を推進していました。

株式会社Neeew Localは、大規模なZ世代リーダーカンファレンスの主催や業界特化のオフライン企画をおもな事業としており、上流コンセプト設計から当日オペレーションまで一気通貫でおこなっています。
今回は、共催という立ち位置で深くかかわらせていただきました。企画の立ち上げから、登壇者のキャスティング、会場設計、当日の運営まで、イベント全体をどう成立させるかを考える役割ですね。当日は30人以上のスタッフをまとめたり、円滑にオペレーションが進んでいるか確認したりと、いわゆる現場の運営統括も担当しました。

株式会社LEPOとして、現場視点でのプロデュースやサポート周りを担当しました。舞台監督やスタッフ向けのマニュアル作成、会場との調整などですね。
「参加者からどう見えるか」「会場の空気感が硬くなりすぎないか」といったところを、横から見ながら調整する役割だったかなと思います。

株式会社epinyは、BtoB向けのイベント集客に特化した広告運用やSNS運用、クリエイティブ制作を事業としており、おもに集客周りを担当しました。Meta広告を中心に、デザインや見せ方を細かく調整しながら、数字を見て改善していく、という立ち位置でした。
そもそも、このプロジェクトはどのような経緯で始まったのでしょうか。

もともとのきっかけは、社内向け生成AIセミナーの最終回として企画していたオフラインイベントでした。この企画自体は実現にいたらなかったのですが、当時、会社を象徴するようなカンファレンスの必要性は強く感じていました。
そうしたなかで、AI事業の開発チームと議論するうちにその方向性に共感が生まれ、本格的に企画が動き出しました。
個人的にも、さくらインターネットとしてもっと若い世代と接点を持てる機会をつくりたい、という想いがありました。多くのスタートアップ企業がAIを使っていると思いますが、これまでの当社のユーザー層は40代〜50代が中心で、Z世代の方々に直接リーチする機会は多くなかったんです。
社内でもAIに関する取り組みに注力していく流れがあり、どのように打ち出していくか考えるなかで、「単に情報を発信するだけでなく、社外の人たちと一緒に何かできないか」と構想したのが今回のプロジェクトの出発点です。

最初の接点は、Z ERA FES 2025(Z世代の起業家、クリエイター、政治家が集まるアントレプレナーカンファレンス)ですよね。
さくらインターネットにゴールドスポンサーとしてかかわっていただいたことにはとても感謝していましたし、「何かリターンを返せることがあれば」という想いが自然とありました。なので、「できることがあったら何でもやらせてください」というスタンスが、前提としてあったと思います。
やり取りを重ねるなかで、若い世代やスタートアップに対して本気で向き合おうとしている姿勢が伝わってきたのも印象的でした。

そうですね。Neeew Localさんと一緒にやらせてもらいたいという想いは、早い段階からありました。 Z世代向けのビジネスカンファレンス Z ERA FESへの協賛についてお話をいただいたのが初対面でしたが、その場での雰囲気や、Z世代向けというコンセプトに触れるなかで、「この人に手伝ってもらうと良いのでは」と直感し、その打ち合わせ後にすぐに「生成AIをテーマにしたイベントを考えているのですが、協力してもらえませんか?」と相談しました(笑)。本当にすばらしいご縁とタイミングに恵まれたと思います。
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打診を受けたときに感じた、不安と可能性
当社から共催の相談を受けた際、最初の印象はどのようなものでしたか?

正直に言うと、最初にお話をいただいたときは、不安のほうが大きかったですね。
集客する人数が多いことに加えて、イベントの成功の定義も決まっていない側面があったので、どのような状況が成功と言えるのかを一緒に考えるところから始まりました。

普段扱っているジャンルやポジションとは異なる立ち位置での参加で、Z ERA FESとはまた違った規模・雰囲気ということもあり、不安はとても大きかったです。

上場企業のAIカンファレンスに携われること自体は、非常に光栄でした。でも同時に、「この期間で、どこまで貢献できるんだろう」という不安は、正直ありましたね。

そうですね。日本を代表する企業の力の入ったサービスの発表があるようなイベントだったので、責任の重大さみたいなところで、言葉にならないような不安はありました。
それでも、AIというテーマを通じて次世代の担い手と接点をつくる機会として、日本にとって必要な企画だと信じていました。また、当初から新発田さんの熱量や誠実さをずっと感じており、一緒に難易度の高い状況を整理し、構築していくこと自体に価値があると考えました。

AI×Z世代というテーマには可能性を感じましたね。
大きな企業との取り組みは会社の成長にもつながります。また、短い納期だからこそ、これまで培ってきたノウハウを発揮し、広告運用やクリエイティブで成果を出せる余地があると考えました。

上場企業のイベントに携われることはとてもワクワクしましたし、「やると決まったなら、やりきるしかない」という空気感は、最初からずっとありましたね。
限られた時間のなかで、一丸となって前に進む
今回のプロジェクトは、当社都合により一度見直され、結果的に準備期間がかなり限られたなかで進めることになりました。その状況で完遂できた要因はどのようなものだったのでしょうか。

最大の要因は、プロジェクトに関わる全員の意思決定と実行のスピードが揃ったことだと思います。やると決まってから5週間しかなかったので、その期間に空いている時間はすべてこのプロジェクトにあてる、という判断を全員が自然と共有していました。
また、単にスピードがあるだけでなく、各々が「このプロジェクトを成功させたい」という共通意識を持っていたことも大きかったです。
非常に活発にコミュニケーションを取っていたので、こちらからの提案もしやすく、主催・共催という立場を越えて率直に話し合うことができました。

それぞれの会社での役割と責任の所在を明確にしたことが大きかったと思います。時間も人も足りないなかで、「できる人がやる」というシンプルな動き方ができた。短期集中だったからこそ、全員が走りきることができたと思います。

走りながら決めていくような状況でしたが、予算や責任を背負っているなかで「やるしかない」と全員が同じ方向を向いて団結できていましたね。

それぞれが強みを発揮し、新たな層へのリーチが実現
今回、みなさんの強みがどのように噛み合ったと感じていますか?

一番大きかったのは、やはり若年層へのリーチです。広告開始直後は20代の申し込みが一気に伸びました。後半、自社ユーザー向けにメルマガを送ったあとに40代〜50代以上が増えたので、結果的に年齢層のバランスも取れました。これはepinyさんの広告設計がなければ実現しなかったと思います。

Z世代が「直感的に行きたくなる」デザインを意識しました。フォントや配色など、流行っているフォーマットに寄せることで、短期間でも最適解に近づけたと思います。
SNSで影響力のあるAI系インフルエンサーをキャスティングできたことも大きかったですね。バナーをクリックしてもらうためには、いかに自分事化させるかが重要な鍵になります。仕事やプライベートでAIを活用するために気を付けるポイントを実際に話してもらう、といった内容にしたことで、「自分にあてはまるかも」と感じてもらえたと思います。
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実際のイベントの様子はこちら!>> 生成AIの実用的な活用術 ―― 導入のリアルと組織に定着させるポイント(SAKURA AI Conferenceレポート)

若い世代の方と話していると、さくらインターネットの名前は意外と出てこない印象がありました。また、AI・インフラという比較的専門的な領域なので、同じZ世代でもある程度リテラシーの高い層がターゲットだったと思います。だからこそ、「誰が登壇するのか」「参加したら、何が自分に返ってくるのか」が直感的に伝わる設計を、かなり意識しましたね。
Neeew Localは、学生から30代までの若年層やZ世代起業家コミュニティにリーチできるというポジションが強みです。もともと持っていた接点や、界隈でのコミュニケーションを活かして、若年層の集客に寄与できたと思っています。

当日の運営スタッフも全員Z世代を起用しました。会場の空気感やテンポといった面でも、普段から若年層向けイベントをやっている経験が活きたと思います。
同じゴールへ向かうパートナーとして――大企業×スタートアップ共創の意義
最後に、今回の共創を通じて感じた意義を教えてください。

私は「さくらインターネットの持つリソースを、若い企業の挑戦に還元していきたい」というマインドで、スタートアップ支援の仕事に携わっています。当社と挑戦をともにすることで、若い企業と当社がお互いに成長できたらいいな、という想いがありました。

実際、この実績がきっかけで、AI・エンジニア系の新しい仕事にもつながっています。新発田さんの思惑どおり、私たちもちゃんと成長させていただいているというのは、本当に感謝してもしきれないような事実ですね。

大きな企業と協業する機会というのはなかなかないと思うので、進め方や文化の違いなども含めて知ることができたのは、とても良い経験でした。大手企業では出しにくいスピード感・柔軟性をスタートアップ企業が補い、スタートアップ企業ではなかなか持てない社会的な信用やスケールを大手企業がカバーするなど、やり方は違えど、お互いにとって新しい発見もある取り組みだったと思います。

とくに、短期間で意思決定と改善を重ねながら形にしていけたことは、共創ならではの価値だったと思います。役割分担をしながらも、単なる発注者・受託者の関係ではなく、同じゴールに向かうパートナーとして進められたことに大きな意義を感じました。

少数精鋭でスピード感・柔軟性のある体制だからこそ、限られた期間のなかで成功に導くことができたと思います。
また、さくらインターネットを知らなかったスタッフや社員にも、イベントを通じて「この会社がAIをやっているんだ」という事実が自然と共有されました。そういった面でも、これまで接点のなかった人たちに認知が広がったのは、良かったなと思います。

みなさんと密にコミュニケーションを取りながら進めるなかで、こちらが考えていなかった視点や動き方に何度も助けられましたし、結果として、短い期間でも形にすることができたと思っています。
また、Z世代ユーザーが少ない当社にとって、若年層向けのメディアでの露出や広告のターゲティングをすることで若年層にも関心を持ってもらえる、という証明ができたことは非常に大きな成果でした。単にイベントがうまくいっただけではなく、「AI領域で、本気で新しいブランド価値をつくりにいく」という姿勢自体が伝わったのではないかと思います。
社内だけで取り組んでいたら、こうした結果にはつながらなかったと思います。今回の取り組みは、共創の意義を社内外に示すことができる事例になったのではないでしょうか。
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