さくらインターネットが提供する、安心の国内完結型AI基盤サービス「さくらのAI」
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さくらインターネットは、AIを活用したソリューションを複数展開しています。新しいAIソリューションとして、会議の音声から議事録を自動で作成する「さくらのAI議事録」の提供を、2026年3月より開始しました。
同サービスの最大の特徴は「国内完結」。音声データもテキストデータも、すべてが国内のサーバー上で扱われるため、オープンなインターネット空間に流出しません。これまで秘匿性の高さから議事録作成サービスを使えなかった業種でも導入を検討できます。
本記事では、本サービスの企画を担当するAI事業推進室の高木良平にインタビュー。サービスに込めたこだわりや想いを語ってもらいました。
高木 良平(たかき りょうへい ) プロフィール
さくらインターネット クラウド事業戦略本部 AI事業推進室 AIサービス企画 所属。非技術者でも使いやすいAIソリューションの企画を担当し、PoC(概念実証)から本番導入までの顧客サポートにも携わる。2024年5月に入社。前職は製造業で約10年にわたり組み込みエンジニアを務めたのち、社内スタートアップでAIエンジニアとして従事。音声や振動を扱うAI、医療系のバイタルセンシングAIなどの開発を経験。「さくらのAI議事録」にはプロジェクトの途中から参画し、顧客や市場の声をプロダクトへ反映する役割と、期日までにリリースへ導くプロジェクト推進の役割を担った。
なぜいま「国産」のAI議事録なのか
まず、「さくらのAI議事録」が生まれた背景を教えてください。
さくらインターネットは、IaaSやPaaSベンダーとしてはよく知られています。一方で、2024年あたりから、「業務担当者がそのまま使える、もっとユーザー寄りのアプリケーションが欲しい」「AIをSaaSのように使いたい」といったお客さまのご要望が増えていました。
その声にお応えして、まずエンジニア向けAPIサービス「さくらのAI Engine」を提供しました。エンジニアの方には喜んでいただけたのですが、「業務で直接、すぐに使える状態のサービスが欲しい」というご要望に対しては、まだ少し遠かったのです。そこで、エンジニアではない方が業務でそのまま使えるツールとして「議事録作成AI」の開発に着手しました。
完全なプライベート環境で利用できる国内完結の自動議事録作成パッケージ 「さくらのAI議事録」
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他社の議事録作成サービス(SaaS)と比較して、さくらのAI議事録は何が違うのでしょうか?
まさに、議事録を作成するツールにはすでに先行サービスがあります。しかし、それらのサービスを「使いたくても使えない」お客さまがいらっしゃることもわかっていました。
秘匿性の高い情報を扱う業種……具体的には、医療系、金融系、弁護士や行政書士などの士業といった業種のお客さまです。
もっとも大きな理由は「海外のSaaSに音声データを渡す」点にあります。音声データには、個人名を含む機密性の高い情報が含まれています。海外のサービスへ情報を出すときは、個人情報保護法の第二十八条によれば、本人の同意を得る必要があります。あるいは、 個人情報を削除しなければなりません。
現在は、AIを活用することで音声やテキストに含まれる個人情報を除去すること自体は可能になってきています。一方で、その処理を海外のサーバー上でおこなう場合には、データの取り扱いに対する懸念が残ることも事実です。だからこそ、音声データの取り扱いは単に「加工できるかどうか」だけではなく、「どこで処理するのか」まで含めて考える必要があります。
「音声処理は国内で実施させたい」。当社が自社で管理するインフラとAI基盤を使えば、それが実現できます。これは他社の議事録作成サービスにはない強みになっています。
「さくらのAI議事録」で何ができるのか?
具体的には、どのような仕組みで動いているのでしょうか?
まず、さくらのAI議事録は、インフラ基盤を当社のパブリッククラウド 基盤を用いて提供しています。インフラのリージョンは日本国内のみに設置されており、完全に国内で完結する構成です。
また、1契約に対してGPUサーバーを1台、専有でお貸しする構成にしている点も大きな特徴となります。ほかのお客さまと環境が混ざることがありません。
処理の流れとしては、まずWebベースで音声を録音し、その音声を音声認識モデルで文字起こしします。このような処理を海外にデータを送ることなく国内の環境だけでおこなっているため、個人情報の削除やマスキングといったプロセスが不要になります。次に、文字起こしされたテキストから発言や要点を抽出し、論点や課題、TODOなどを整理して議事録としてまとめていくという流れです。
重要なのは、こうした一連の処理がすべて契約ごとのGPUサーバー内で完結する点です。外部のサービスやAPIに依存せず、 音声もテキストもインターネット上を経由しない構成にすることで、データの送信リスクそのものを抑えています。

業種によってはネットワーク環境が閉鎖的になっていることもあります。それらへの対応は可能なのでしょうか?
はい、可能です。 VPNや閉域専用回線、LGWAN(自治体専用ネットワーク)などでの接続にも対応しています。こうした構成をしているからこそ、おもにセキュリティ上でインターネット接続に制限のあるお客さまでも、そのまま活用していただけるのが特徴です。
外部インターネットへの接続を前提とするAIでは適用が難しい環境でも利用できるよう、国産インフラであることと、閉域で接続できること。この2点はとくに重視しました。
※ LGWAN接続については、LGWAN-ASPへの申し込みなど所定の手続きが必要です。
大規模言語モデルには、どのようなものを使っているのでしょうか?
まず、AIモデルは、オープンウェイトモデルの中から選定しました。これは先ほどお伝えしたGPUサーバー上でローカルLLMとして動作させ、外部通信不要なAI処理を実現するためです。 そのうえで、 AIモデルは固定せず、開発チームが適切な言語モデルを選定しています。この業界はとても進化が速いので、新しいモデルが出るたびに検証し、有効なものであれば差し替えています。
また、お客さまのご要望に合わせたモデルの差し替えにも対応できます。インターフェース側のカスタマイズにも対応しており、アプリケーション経由やスマートフォンでの録音などに適した機能追加も可能です。
既存の議事録作成サービスとの違いと価格の考え方
価格体系についてお聞かせください。
既存の議事録作成サービスの多くは、アカウント数や議事録作成数、あるいは処理する音声データの時間に応じた従量課金になっています。しかしこの課金モデルでは、どうしても過剰な費用がかかりやすくなります。そこで「さくらのAI議事録」は、毎月固定額の円建てプランにしました。また、アカウント数や議事録作成数に上限を設けていません。 予算管理しやすい課金モデルで、安心して使っていただきたいと考えています。
モデルのバージョンアップにかかる費用は月額利用料に含めており、追加の請求はありません。カスタマイズの初期費用は、追加開発の内容に応じて都度のご相談になります。まずはお問い合わせいただければと思います。
サービスを世に出すうえで、苦労した点はありますか?
技術そのものよりも、サービス設計のほうで苦労しました。いくらで売るか、プロモーションをどうするか……。IaaSやPaaSといった、これまでのさくらインターネットで提供してきたサービスとは異なる考え方が必要でしたね。
また、さくらインターネットは「レンタルサーバーの会社」、最近では「ガバメントクラウドに採択されたクラウドの会社」という印象が強く、AIのサービスを提供していることをあまり知っていただけていません。国産インフラを活用した安心できるSaaS、という点を地道にお伝えしていきたいと思っています。
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社内トライアルと、これからの展望
現状のご利用状況をお聞かせください。
一番ご紹介しやすいヘビーユーザーは……おそらく社員ですね(笑)。現在、営業職やカスタマーサポートといった個人情報を扱う部門を中心に、100名弱が利用しています。フィードバックや機能向上の要望をもらいながら、改善を進めています。
最後に、「安全な環境でAIを使いたい」と考えている方へのメッセージをお願いします。
「さくらのAI議事録」は、1か月の無料トライアルを提供しています。議事録の作成精度や導入費用に対する効果を、実際に確かめていただくためです。1か月で何回議事録を取り、どのくらいの工数を削減できるか。外注した場合と比べてどうか。そうした観点で、コストと精度のバランスを見ていただければと思います。
秘匿性の高い議題や、個人情報が多く飛び交う会議でこそ、国内インフラで完結する安心感を活かしていただけます。まずはお気軽にお問い合わせください!
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