さくらインターネットでは、会社が「働きやすい」環境を提供し、そのなかで社員個人が「働きがい」を追求できることを理想として、働き方の多様性を実現するさまざまな取り組みをおこなっています。
今回は、キャリアコンサルタントの有資格者で「キャリア相談窓口」の相談員を担当する、弓場淳代にインタビューを実施。「キャリア相談窓口」の取り組み内容や、さくらインターネットのキャリアの考え方について質問しました。
弓場 淳代(ゆば あつよ) プロフィール
ES本部所属。新卒採用、キャリア支援担当。営業事務やパソコン教室のインストラクターなどの仕事を経て、2004年さくらインターネット入社。カスタマーサポートを経て、人事部門へ異動。
社員のキャリア設計をサポートする「キャリア相談窓口」
――キャリア相談窓口はどういった目的で設置されたのでしょうか?
社会情勢の変化や技術革新などによって、自分を取り巻く環境が目まぐるしく変化するVUCAの時代のなかで、自分のキャリアを主体的に考えることは非常に重要です。
社員のキャリア設計をあと押しし、社員と会社がともに成長していくために、キャリア相談窓口は設置されました。「どんなスキルや経験を得たいのか」などといった仕事に直接的にかかわる部分だけではなくて、家庭や日常生活、その変化も考慮した「ライフキャリア」の視点でキャリア設計をサポートしています。
――誰にどういった相談ができるのでしょうか?
相談員は、キャリアコンサルタント、コーチングなどの教育カリキュラムを修了したさくらインターネット社員が担当しています。
おもに仕事のことや今後のキャリア、ご家庭の状況を含めた漠然とした不安なども相談いただいてますね。はっきりと「これに悩んでいる」という相談でなくても、キャリアや家族のことでモヤモヤを抱えているといった、漠然とした悩みやご相談でも構いません。
――キャリアに関する専門知識を持った社員に相談できるというのは安心ですね。キャリア相談窓口を利用するメリットはなんでしょうか?
相談内容に対する答えの多くは相談者のなかにあります。「自分はなにに悩んでいるのか」「どうしていったらいいのか」など、相談員と一緒に話しながら考えを整理することで、モヤモヤ感を解消していくことができます。
以前実施した利用者アンケートでは、「気持ちが整理できた」「利用してよかった」などの声をいただきました。定期的に相談に来ているというケースもありますね。
また、業務上かかわりの少ない他部署の社員が相手だからこそ、忌憚なく相談できる話題もあるのではないかと思います。ただ、関心はあるがなにを相談していいかわからないという声もあることから、情報発信の場を設けるなど活用いただきやすい環境づくりという課題を感じています。
さくらインターネットが推進する働き方の多様性を実現するための取り組みとは?
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キャリア設計によって突発的な変化に備えられる
――弓場さんは、キャリア設計の重要性をどのように考えていますか?
キャリア設計をしなくても仕事はできますし、業務遂行上とくに支障はないかもしれません。でも、納得して働けているか、ポジティブにモチベーション高く働けているのかは、自己実現のために非常に重要だと考えます。
また、「キャリア相談」というと、キャリアアップやスキルアップといった直接的に仕事に関する相談というイメージがあるかもしれません。しかし仕事という側面だけではなくて、家庭や日常生活という側面からもキャリアを考えていく必要があります。
実際わたし自身も、過去に子育てや親の介護に直面したとき、仕事をどうすればよいか悩んでしまったことがあったんです。突発的な事象が起こる前提で、あらかじめキャリアについて考えておくことの大切さを身に染みて感じました。
――2021年のさくマガのインタビューでも当時のことをお話しいただきましたね。
はい。仕事に追われていると、なかなかキャリアについて考えられなくなってしまうかもしれません。いま具体的に悩みがあるわけではなくても構いませんから、キャリア相談での相談員との対話をとおして、ぜひキャリアについて立ち止まって考える機会を持ってほしいと思います。
――弓場さんはキャリアコンサルタントの資格を取得していますよね。資格で学んだことを相談にも活用しているのでしょうか?
たとえば「突発的な事象が起こる前提でキャリアを考える」というのは、まさにキャリアコンサルタントの勉強をとおして得た視点です。
また、傾聴によるカウンセリングの手法も活用しています。あくまで私たちはアドバイザーではなくコンサルタント。悩みに対してアドバイスをするのではなく、相談者の方のお話に耳を傾けて、隠れた本当の課題を見つけて答えを引き出していくことを意識しています。
さまざまなキャリア支援の取り組み
――ほかにもキャリア支援の取り組みはおこなっているのでしょうか?
就職活動中の学生に向けた、自己理解を促すワークショップは好評ですね。「自分にとって譲れないものはなにか?」を「冒険性」「自立性」「多様性」「安全性」などといったキーワードが書かれた16枚のカードから選んでもらい、そのカードを選んだ理由を発表してもらうという内容です。就職活動の軸が定まっていないまま面接に挑むと、なかなかうまくいきませんし、内定にいたっても入社後にミスマッチが生じる可能性があります。学生たちが自己理解を深め、自分にあったキャリアを選択する一助になればという思いで実施しています。
社内では、新卒入社社員向けにキャリアデザイン研修をおこなっています。今後は世代別の研修なども展開していきたいですね。
あとは「子育て中のパパさんママさん」など、近い境遇の社員同士が集まって交流するリアルイベントもやってみたいという思いがあります。いろいろな方法で、自分のキャリアについて考えるきっかけになるような場を増やしていきたいです。
――相談員の立場から、さくらインターネットの社員に伝えたいことはありますか?
正直なところ、「キャリア相談窓口を利用するのは、ちょっとハードルが高い」と思われてしまっている気がしているんですよね。もっと気軽に利用してもらえたらなと思っています。
「うまく悩んでいることを伝えられるか不安」「いま具体的な悩みがあるわけではない」という人も大歓迎です。頭の整理ができてスッキリしますし、キャリアについて考えるきっかけになるはずです。ぜひ活用してみてください。