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国立高専×さくらインターネット――産学連携で考える、AI・クラウド時代の人材育成 

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ITやデジタル技術が社会のあらゆる場面にひろがるなかで、IT人材の育成は、教育機関だけでなく企業にとっても重要なテーマとなっています。とくにクラウドやAIといった分野は進化のスピードが速く、従来の教育の枠組みだけでは対応が難しくなりつつあります。 

2026年5月18日、さくらインターネットはウェビナー「さくらのIT教育カンファレンス2026春」を開催しました。セッション「国立高専×さくらインターネット 産学連携がもたらす価値とは」には、高知工業高等専門学校・特命教授の岸本 誠一 先生と、さくらインターネット ソリューション本部 ラーニングサポート部 部長の武中 洋親が登壇。高専教育の現状と、産学連携が果たす役割について語りました。本記事では、その内容を一部抜粋してお届けします。 

岸本 誠一(きしもと せいいち)先生 プロフィール

高知工業高等専門学校 ソーシャルデザイン工学科 特命教授 
長岡技術科学大学大学院を修了後に、高知工業高等専門学校(高知高専)の教員に着任。高知工科大学総合研究所を経て、2022年より、国立高等専門学校機構 学務本部事務局 参事・教授として2年間従事し、高知高専にて現職。これまでに高知高専の学科改組や国立高専のサイバーセキュリティ人材育成事業を主導。また学外では、大学間連携事業enPiTアドバイザー委員、高知工科大学客員教授、地域での産学官連携に関するプロジェクトの委員、内閣官房サイバーセキュリティセンターサイバー人材育成に関する施策間連携ワーキングなどを兼務。 

武中 洋親(たけなか ひろみ) プロフィール

さくらインターネット株式会社 ソリューション本部 ラーニングサポート部 部長 
大学卒業後、新卒で独立系ソフトウェア企業へ入社、システムエンジニアとして経験を積む。2004年、さくらインターネット入社。さまざまな部を歴任後、現職にて資格検定制度や教育支援業務を統括している。 

高専とさくらインターネットが連携することになった背景

武中

さくらインターネットとして、国立高等専門学校機構(以下、高専機構)や各高専と連携を始めた背景には、情報教育やIT教育は、学校だけで完結させるものではなく、企業も一緒に担っていくべき分野だという考えがあります。 
いまでは、小学校から高校まで情報教育がおこなわれていますが、技術の進化は非常に速く、学校現場だけで最新技術を追い続けるのは簡単ではありません。
一方で、当社はインターネット黎明期からインターネットとともに歩んできた企業であり、クラウドやインターネットといった技術を日々実務で使いながらサービスを提供しています。その現場の知見を、教育の場に還元できるのではないかと考えました。 

岸本先生

高専は、中学校を卒業した学生を、5年間で実践的な技術を身につけたエンジニアとして社会に送り出すという使命を持った教育機関です。電気、機械、土木、情報など、工学分野を中心に、手を動かしながら学ぶ「実践性」を大切にしてきました。 
ただ最近は、クラウドやAIのように技術の進化が速い分野について、「重要だとわかっているけれど、授業に落とし込むのが難しい」という課題を感じる場面も増えています。 

武中

そういったなかで、さくらインターネットは、2023年より高専機構と連携し、産学連携の取り組みをスタートしました。この連携には、当社代表の田中が高専出身で、高専在学中にインターネットと出会い起業している、という背景もあります。高専という環境で「やりたいことに没頭できた」経験が、いまのさくらインターネットにつながっている。その原体験もあり、高専教育への支援には、会社として強い想いがあります。  

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高専連携の取り組みと、そこに込めた考え方

武中

現在、社員による出前授業やクラウドやVPSサービスなどの計算資源の提供、データセンター見学会など、いくつかの取り組みをおこなっています。私たちが大事にしているのは、「何をやっているか」以上に、その取り組みを通じて、学生のみなさんに「どのような力を身につけてもらいたいか」という点です。

岸本先生

クラウドやAIについて、「知っている」「使える」という段階にとどまらず、その技術を使って、地域や産業、社会をどう変えていけるか。そこまで考えられる学生を育てたい、という想いがあります。 
技術はあくまで手段です。その先に何を生み出せるのか。「ものづくり」に留まらず、「ことづくり」ができる人材を、高専から社会に送り出していくことが目標です。 

武中

この連携も、今年で4年目に入りました。取り組みの規模自体は少しずつ大きくなってきていますが、いまは「数を増やすこと」も大事ですが、「一つひとつの中身や質」をどう高めていくかを強く意識しています。 
出前授業におうかがいし、実際に学生のみなさまとお話をすることも多くありますが、高専には「ものをつくることに本気で向き合いたい人」「何かを成し遂げたいという目的を持った人」が本当に多いということをいつも強く感じています。

岸本先生

学生たちの学ぶ意欲は非常に高いですよね。一方で、教員側は、技術の進化が速い分野ほど「何をどこまで教えるべきか」で悩むことも多い。だからこそ、企業が現場の視点を持ち込み、 教育と実務をつなぐ役割を果たすことには、大きな意味があると感じています。

「ものづくり」から「ことづくり」へ――産学連携の目指す先 

岸本先生

高専はこれまで、「ものづくり」に強い人材を育ててきました。そこに、クラウドやAIといった新しい技術、そして企業の現場感が加わることで、学生は「つくる」だけでなく、「どう社会に役立てるか」まで考えるようになります。それが、私たちが目指している「ことづくりができる人材」です。

武中

私自身は高専出身ではありませんが、高専と関わるなかで、ここが本当にものづくりのエキスパートが集まる場所なのだと実感しています。企業としては、そうした学生が、ものづくりの先にある「価値を生み出す段階」まで成長していけるよう、クラウドやAIといった技術を通じて支えていきたいと考えています。 

岸本先生

そうした人材が増えていけば、「もの」と「こと」の両方を社会に提供できるエンジニアが育ち、 それがやがて世の中を変えていく力になるでしょう。

武中

さくらインターネットの企業理念は「『やりたいこと』を『できる』に変える」。これはサービスを使っていただくお客さまだけでなく、高専で学ぶ学生や教育現場にもいえることだと思っています。 
学びのプロである高専と、技術やサービスを持つ私たち企業が、それぞれの強みを持ち寄る。その組み合わせによって、この産学連携をさらに強いものにしていきたい。これからも伴走する形で、一緒に取り組んでいきたいです。 

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編集

さくマガ編集部

さくらインターネット株式会社が運営するオウンドメディア「さくマガ」の編集部。

※『さくマガ』に掲載の記事内容・情報は執筆時点のものです。

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