
さくらインターネットでは、さまざまな業界のお客さまに当社のサービスをご利用いただいています。
本記事では、2026年6月および2026年7月に当社ホームページに掲載した導入事例4件をご紹介します。
お客さまが抱えていた課題と、その解決に向けた導入プロセス、導入後の成果をご覧いただけます。
機密データを外に出さない ─ Grizzlarityが「高火力 VRT」で実現した「国内完結」のマルチエージェントAI

■導入企業:株式会社Grizzlarity さま
■業種:WEBサービス&アプリ提供者
■導入サービス:高火力 VRT
株式会社Grizzlarityさまは、AIインテグレーション事業と業界特化型マルチエージェントAIプラットフォーム「KumaKumaAI」を展開されています。KumaKumaAIは、社内ドキュメントや業務システムのデータ、Web上の公開情報などを横断的に検索・分析し、企業の業務効率化を支援するサービスです。複数のAIエージェントが役割分担しながら情報収集や分析をおこなうマルチエージェント構成を採用し、高い回答精度の実現を目指しています。
生成AIの活用が広がる一方で、エンタープライズ企業では、機密データを外部環境へ持ち出さずに活用したいというニーズが高まっています。とくに製造業や金融、公共、士業などの分野では、データの保管場所や処理環境に対する要求が厳しく、AIの精度や機能だけでなく、どこでデータを管理・処理するかも重要な検討項目となっていました。
こうした背景から、株式会社Grizzlarityさまでは、顧客環境上にAI基盤を構築し、機密データを外部へ持ち出さずに活用できるKumaKumaAIの提供を推進。その実現に向けて、国内データセンターで完結しながら、高い推論性能と安定性を確保できるGPU基盤を求めていました。さらに、生成AIサービスを継続的に運用していくためには、GPU利用コストやインフラ構成の見通しを立てやすいことも重要な要件となっていました。
検討の結果、株式会社GrizzlarityさまはGPUクラウドサービス「高火力 VRT」を採用されました。国内データセンターでの運用に加え、国産インフラ事業者としての実績や信頼性が評価されました。また、LLMによる回答生成だけでなく、ナレッジ検索や音声文字起こしなど、多くの計算リソースを必要とする処理を支える基盤として、高い推論性能を確保できる点も採用の決め手となっています。
導入後は、AI推論までを国内基盤上で完結できる構成を実現し、十分な速度と精度を備えた推論環境を構築しました。また、インフラをコードで管理する運用手法とあわせて、コストや運用負荷の見通しも向上。企業の機密データを安全に活用できるマルチエージェントAI基盤として、「高火力 VRT」がKumaKumaAIのサービス提供を支えています。
国内基盤の信頼性と柔軟なリソース増強が決め手 ─ 光ビジネスフォームが「さくらのクラウド」で支える自治体DX

■導入企業:光ビジネスフォーム株式会社 さま
■業種:WEBサービス&アプリ提供者/マスコミ・広告・デザイン
■導入サービス:さくらのクラウド
光ビジネスフォーム株式会社さまは、ビジネスフォーム印刷を起点に、DPP(データプリントサービス)、BPO業務、WEBシステム開発など幅広く手がけています。近年は「印刷」「DPP」「WEB」「BPO」の4分野を柱に、顧客の業務課題に応じたソリューションを提供しており、自治体向けのデジタルサービス基盤として「さくらのクラウド」を活用されています。
同社では、プレミアム商品券関連の特設サイトや電子チケットシステムをはじめ、コロナワクチン接種予約システム、給付金関連の電子申請システムなど、自治体向けのWEBサービスを数多く開発してきました。こうした案件では個人情報を扱うことが多く、データの保管場所やクラウド基盤の信頼性が重要な検討事項となっていました。また、短期間でシステムを構築する必要があることに加え、予約開始時などの急激なアクセス集中へ柔軟に対応できるインフラも求められていました。
こうした背景のもと、光ビジネスフォーム株式会社さまは、国内データセンターで運用されるクラウドサービスとしての信頼性を評価し、「さくらのクラウド」を採用されました。以前から外部ストレージとして利用していた実績があり、使い勝手を理解していたことも選定の後押しになったといいます。自治体へ提案する際にも、国内で運用されているクラウド基盤であることを説明できる点が安心材料となりました。
特に同社の新型コロナワクチン接種予約システムの構築では、2021年当時、16自治体の予約システム関連案件を手がけ、限られた期間でサービスを立ち上げる必要がありました。「さくらのクラウド」は管理画面から迅速にサーバーを作成でき、アクセス状況に応じてリソースを増強できるため、短期間での構築と安定運用を両立することができました。
導入後は、急激なアクセス集中にも柔軟に対応できる運用体制を実現。自治体向けサービスの提案時には国内基盤としての信頼性が強みとなり、システム構築から運用までを支える基盤として活用されています。住民向けサービスの安定提供を支えるインフラとして、「さくらのクラウド」が光ビジネスフォーム株式会社さまの自治体DXを支えています。
SANEIのブランド発信を支えるコーポレートサイト基盤を刷新 ─ ネットアシストの伴走と「さくらのクラウド」で安定運用を実現

■導入企業:SANEI株式会社 さま
■業種:メーカー/製造業
■導入サービス:さくらのクラウド
SANEI株式会社さまは、水栓金具を中心に住空間にまつわる製品を展開されています。近年は「VERSE」「sʌnei」「SANEI」の3ブランドを軸に、デザイン性や質感にこだわった製品開発を進めています。同社のコーポレートサイトは企業情報や製品情報だけでなく、ブランドの世界観やものづくりへの想いを発信する重要な役割を担っています。
一方で、既存のWebサイト基盤には管理・運用面での課題がありました。上場企業として、コーポレートサイトにおいても高い堅牢性や安全性が求められるなか、より安心して運用できるインフラ基盤への刷新が必要となっていました。また、サーバーやセキュリティーに関する専門知識を補いながら、短期間で移行を進めることも重要な要件となっていました。
こうした背景から、SANEI株式会社さまは、以前からWebサイト改修などで取引のあった株式会社ネットアシストさまへ相談。ネットアシストさまは顧客要件に応じて最適なインフラを提案するマルチベンダーとして検討を進めた結果、柔軟な料金体系や円建てによる予算管理のしやすさ、国内企業が提供する安心感を評価し、「さくらのクラウド」を提案されました。SANEI株式会社さまにとっても、国内データセンターによるセキュリティー面の安心感や、継続利用を見据えたコストの妥当性が採用の決め手となりました。
移行にあたっては、既存環境を継続利用するのではなく、「さくらのクラウド」上に新たな基盤を構築。WAFや脆弱性診断などのセキュリティー対策も組み合わせながら移行を進め、サーバー構築は約1か月、サイト全体のローンチまでは約3か月で完了しました。
導入後は、株式会社ネットアシストさまによる24時間365日の有人監視・保守体制のもと、コーポレートサイトを安定的に運用できる環境を実現。専門的なインフラやセキュリティー対応をパートナーへ任せることで、サーバー運用に関する不安が軽減され、本来の業務に集中できるようになられたそうです。SANEI株式会社さまのブランド価値を支えるWeb基盤として、「さくらのクラウド」が活用されています。
DNA言語モデルで加速するバイオDX ─ プラチナバイオの研究開発を支えるGPU基盤

■導入企業:プラチナバイオ株式会社 さま
■業種:医療
■導入サービス:高火力 VRT
プラチナバイオ株式会社さまは、広島大学発のバイオテクノロジー企業として、「ゲノム編集」と「バイオDX」を二本柱に事業を展開されています。DNAやタンパク質などの膨大な生物学的データを解析するバイオインフォマティクスを活用し、研究成果の社会実装に取り組まれています。その計算基盤として、GPUクラウドサービス「高火力 VRT」を活用されています。
同社では、ゲノム編集における安全性向上を目的に、意図しない作用である「オフターゲット」の予測精度向上に取り組んでいます。しかし、オフターゲットは発生頻度が低く、学習に利用できるデータ量が限られることから、従来手法では精度向上に課題がありました。そこで着目したのが、大量のDNA配列を事前学習した「DNA言語モデル」です。少ないデータでも学習できる特徴を活かし、予測精度の向上や新たな配列候補の探索を進めています。
一方で、DNA言語モデルや「AlphaFold」「ProteinMPNN」などのAIツールを活用するには、高性能なGPU環境が不可欠でした。GPUを必要とするアプリケーションの増加により、社内環境では深層学習に数日を要したり、VRAMの容量不足によって処理が停止したりするケースが発生していました。また、アカデミア向けスーパーコンピューターもリソース競合や利用制限があり、研究開発のスピードを維持するうえで課題となっていました。
こうした背景のもと、プラチナバイオ株式会社さまは「高火力 VRT」を採用しました。VRAM容量の大きいH100 GPUを1基単位で利用できる点が評価され、大規模並列処理向けの過剰な構成でもなく、小規模なGPU環境でもない、研究用途に適した計算基盤を実現しています。また、データ転送量に対する従量課金がなく、大容量のゲノムデータを扱いやすい点も選定理由となりました。
導入後は、従来数日を要していた深層学習モデルのファインチューニングが約1日まで短縮され、研究開発サイクルが大幅に高速化しました。さらに、VRAM不足による処理停止の不安も解消され、約6TBの一時領域を活用しながら大規模データを安定して扱える環境を構築しています。DNA言語モデルを活用したバイオDXを推進する基盤として、「高火力 VRT」がプラチナバイオ株式会社さまの研究開発を支えています。
執筆
社長室 広報グループ
「『やりたいこと』を『できる』に変える」という企業理念のもと、さくらインターネットの取り組みや技術、サービスの価値を社内外へ発信しているチーム。国産のデジタルインフラを提供する企業としての責任や挑戦について、各種チャネルを通じて日々情報発信を行っている。
>>さくらのデジタルインフラ学校(YouTube)
※『さくマガ』に掲載の記事内容・情報は執筆時点のものです。
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