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生成AIが急速に普及し、日常でも「ググる」から「AIに聞く」に移行しつつあります。しかし、仕事での活用はできているでしょうか。
さくらインターネットは2026年、「AIを業務で使いこなす力」を向上させる検定として「さくらのAI検定」を立ち上げました。検定の第1回は、2026年9月18日と19日。受検の申し込み期間は同年8月17日~9月11日です。
今回は、本検定の企画・教材・作問を担ったラーニングサポート部の3名に、検定のねらいや教材づくりのこだわり、検定の難易度や獲得できるスキルについて聞きました。

関口 悠(せきぐち ゆう) プロフィール
ラーニングサポート部所属。さくらのAI検定の全体監修・教材・作問を担当。約20年間、数学と情報の教員を務め、さくらインターネットに入社。

有田 聖美(ありた きよみ) プロフィール
ラーニングサポート部所属。さくらのAI検定の教材・作問などを担当。とくにターム1「AI基礎」の教材作成を主導。SE、海外ボランティアでのIT教員を経験したのち、専門学校でAI講師を務め、さくらインターネットに入社。

柴田 洋子(しばた ようこ) プロフィール
ラーニングサポート部所属。さくらのAI検定の教材・作問などを担当。とくにターム3「AI実践」の教材作成を主導。モバイルインフラ向けSEを経験したのち、企業のDX支援やITリスキリング教材の開発を経て、さくらインターネットに入社。
さくらのAI検定とは
さくらのAI検定は、AIの仕組みを理解し、使いこなす人材の育成を目的とした検定制度です。
大きな特徴は「実践能力の重視」。教育コンテンツは3つのタームにわかれており、知識の獲得と、獲得した知識を実際の業務に役立てるためのハンズオンを支援しています。受講者は教材に沿った学習と実践で、AIを仕事で使いこなすために必要な能力を獲得できます。
合格に必要な学習時間の目安は、トータルで15〜20時間程度。教育コンテンツは無償で公開されており、検定を受けずに必要な範囲だけ学ぶこともできます。
「知っているつもり」を脱却し、実務でAIを使いこなす
さくらのAI検定を立ち上げた背景を教えてください。

さくらのAI検定は「使えているつもりだが、じつはあまり自信がない」と感じている方が、実務に必要な知識を獲得できるようにと考え立ち上げました。「AIを業務利用している」と言いつつ、チャットAIとの会話だけ……という組織は珍しくありません。そういった方へ向け、もっと実践的で有効な業務利用を支援するものです。
そのためには、まずは「AIがどうやって動いているのか」という基礎的な仕組みを知る必要があります。それを知ったうえで、実際にさくらのAIサービスに触れ、仕事に適用する流れを体験していただきたいと思っています。
「チャットAIではできないこと」とは、どのようなものでしょうか。

たとえば「社内の業務に最適化したい」「自社のデータを学習させたい」と考えたとき、ブラウザ上で動くチャットAIでは対応しきれません。本検定は「AIで仕事を便利にしたい」と考えている非エンジニア人材が、「こうすればいいのか」という手ごたえを感じられる内容を目指しています。
知識と技能の“中間地点”をねらう
AI関連の資格試験は、すでに複数あります。それらとのちがいは何でしょうか。

既存のAI関連資格は、大きく2種類にわけられます。1つはAIについての知識を深く問うもの。もう1つは、特定のAIサービスを使える技能を見るものです。
知識を問う資格で高度な数学や専門知識を学んでも、特定のサービスの使い方を学んでも、自分の仕事と結び付けられなければ業務利用にはつながりません。さくらのAI検定は、その2つの「いいところ」を取った中間地点にあります。3つにわけたタームのうち、最後の「ターム3」をすべて実践にあて、AIを自分の手で動かして結果を得るところまでをひとつの検定に収めているのが大きな特徴です。
3つのタームで「使いこなす力」を養う
3つの教育コンテンツの構成を、あらためて教えてください。

ターム1「AI基礎」は、私が担当しました。AIの仕組みをかみ砕いて説明し、イメージで理解できる表現に落とし込んだものです。数式を使わず、数学的な言葉も極力省きました。「Transformer」といった非常に有名なアーキテクチャーの名前は紹介しますが、紹介は名前のみにとどめ、詳細な実装についての説明はしていません。ターム1の学習時間の目安は6〜7時間程度です。

ターム2「さくらのAIサービス」は、さくらインターネットのAIサービスを紹介する「読みもの」です。2〜3時間ほどで読了できます。ターム1と2の資料はPDFをダウンロードできるので、通勤や通学といったスキマ時間の学習でもご利用いただけます。

ターム3「AI実践」は、有田さんと私が担当しました。さくらのAIサービスを使って、実際に手を動かしながら生成AIの活用方法を学ぶハンズオン講座です。RAG(検索拡張生成)やMCP(Model Context Protocol)によるツール連携に加え、画像生成や音声合成など、さまざまな生成AIの実践的な活用を体験できます。学習時間の目安は6〜7時間程度です。
ハンズオンの最大の壁は、実践のための環境構築です。そこでつまずくケースが考えられるため、環境を整える手順はていねいに落とし込みました。ほぼすべての手順をコピー&ペーストで進められるようにし、エンジニアでなくてもコマンドを試して結果を得られるような構成にしています。
数式を使わず、汎用的かつ正確な表現で「実務に使える知識」を説明
教材づくりで苦労された点はありますか。

ターム1で難しかったのは、数式やアルゴリズムを使わない表現です。わかりやすく書いても、嘘になってしまっては意味がありません。「潜在空間」「ベクトル」といった概念の説明には苦労しました。

教材にはLinuxのコマンドやプログラミングの話も出てきますが、出題範囲にはしていません。専門的な言葉は極力除いたものの、どうしても一部は残ってしまいます。そのあたりの加減は、有田さんも柴田さんもかなり苦労されていましたね。技術的な概念の具体化と抽象化のバランスは、本当に難しいところでした。

ターム3で苦労したのは「コスト設計」のセクションです。
AI導入の見積もりは、本当に難しい。どれくらいのリクエストが発生し、どれくらいの量が返ってくるのか。さらに、RAGの対象にする資料はどれほどの量になるのか……こうした要素がコストにどう影響するのかを理解し、根拠を持って見積もる必要があります。その「カンどころ」をつかめる人材は組織にとって重要になると考え、教材ではコスト設計をしっかり扱っています。

さくらインターネットのサービスだけに特化しない表現も意識しています。ハンズオンのツールはもちろんさくらインターネットのサービス群になりますが、知識はなるべく汎用的な説明で、ほかの環境でも応用できる形で解説しています。
安心して業務に使いたい、すべてのビジネスパーソンへ
さくらのAI検定は、どのような方におすすめでしょうか。

業務でAIを使うことに、いろいろな意味で不安を持っている方にこそ受検していただきたいです。さくらのAIサービスは日本の法律に準拠した環境で運用しており、入力データを学習に使うこともありません。安心して学び、理解を深めることで、納得感をもって活用できるようになっていただければと思っています。

仕事のなかで漠然と「こういうことを、AIで効率化したい」と考えている方に、ぜひ受検していただきたいです。AIをうまく使えたときの楽しさや、自分の能力が拡張されるような手ごたえを、あらゆるビジネスパーソンに感じてほしいと思っています。
最後に、受検を検討している方へのメッセージをお願いします。

まずは教材を読んでみてください。難しいと感じられる部分があったら、チャットAIなどに聞いてみてください。便利な道具を活用しながら、ぜひ自分の糧にしていただければと思います。

エンジニアではない人でも、教材を読むだけで一通りの知識やスキルが一気に手に入ります。「AIを使いこなす人」への第一歩として、ぜひ受検をご検討ください!
(撮影:ナカムラヨシノーブ)
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