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「ろじっくぱらだいす(ろじぱら)」ワタナベさんに対する一方的な愛情

 こんにちは、トイアンナです。 私は日本一港区に住みたがるミーハーが多いとされる大学を卒業し、外資系企業で約4年勤務。現在は恋愛ライターです。

 

 こんな経歴だと何を言っても「なんやこいつ …… ただのウエメセ女やん……」と思われがち。 ですが、実は青春時代を”なりきりチャットの疑似BLセッ〇ス” “2chのROM(閲覧)専門” “自作テキストサイト制作”に明け暮れてきた妖怪ネト沼BBAでもありました。

 

 今回から、そんな化けの皮を自ら剥ぎつつ、20代にもわかりやすいインターネット名作傑作の歴史を紐解いてまいりましょう……。

この連載をご覧いただければ、10代・20代も年上オタと話が合うこと請け合いです……。

そうなりたいかどうかなんて、こっちは知ったこっちゃありませんけどね……。

 

 

 クリスマスは死んだ。あっ、こんな言い方をしたら過激派キリスト教徒に▮▮▮▮されちゃう。厳密には「クリスマスはデートする日」という習慣が死んだだけです。神はいます! オーユアゴッドちょっと待って!

昨年のクリスマス、何らかの予定があった人は33.5%。3人に2人はデートどころか、家族や友人とクリスマスを祝うイベントすらなかった。これぞクリスマスの終わりと称して何が悪い。

 

 今や、クリスマスに予定がないからといって「だから何」って話だ。だが、それが「恥ずかしい」とされた時代はなんと、1930年代から続あった。なんと第二次世界大戦前ぞ!? 戦前ぞ!?

クリスマスが呪いだった1999年の革命

 もはや日本の伝統「クリスマスデート」は、そんなわけで1990年代も健在だった。むしろトレンディ・ドラマ『クリスマス・イヴ』『ホームワーク』でイメージは強固になる一方。 でもさ。たっかいお金を払って、混雑したレストランへ行って。

無難なプレゼントを必死で選んで。

 

 何より、恋人を無理やり作るクリスマスなんて、なくなればいいのに。

 

“雪が、春の日溜まりの中で溶けてなくなるように…。

面影が、人の成長と共に影を潜めるように…。

思い出が、永遠の時間の中で霞んで消えるように…。” 

 

 そう私が念じた、1999年のクリスマス。 当時のインターネットには「クリスマス撲滅運動」が勃発していた。

 

ろじっくぱらだいす

ろじっくぱらだいす

これが後世に語られるべき「ろじっくぱらだいすの変」である。

「ろじっくぱらだいす(ろじぱら)」という現役の伝説

 「ろじっくぱらだいす」とは、1999年にワタナベさんが個人で開設したテキストサイト(今でいうnoteのようなもの)である。毎日記事を更新するマメさと、爆笑コンテンツで大ヒット。累計1億アクセスを突破したメガサイトだ。

編集部記:「ろじっくぱらだいす」はさくらインターネットのサーバーを使ってくれています。

 そして2020年現在もほぼ毎日更新が続いている。この長さで続いている日刊サイト、「ほぼ日刊イトイ新聞」と「ろじぱら」しか知らないよ!

 

 「ろじぱら」はテキストサイトの中でも当初、エロゲ(成人男性向けゲーム)の批評が多かった。エロゲといっても、キモオタがブヒブヒ言いながら二次元でエロいことを妄想するゲームばかりじゃない。

たとえば、今をときめくFateだってもともとはエロゲだ。(って、この前21歳の大学生に伝えたら信じてもらえなかった)

でも、嘘じゃない。当時のトップクリエイターは、エロゲに集まっていた。

 

 そして、当時有名だった「吐くほど泣ける」エロゲ―とされていたのが『Kanon』『AIR』だった。のちに『Angel Beats!』『Rewrite』『Charlotte』を生んだシナリオライター、麻枝准が参加していた作品群だ。このうちKanonとAIRはあまりの感動から全年齢向けゲームとしてもリリースされ、当時12歳の私にも届くこととなる。

 

プレイした感想は

(T_T) ダー

 

うわああああああん!! 泣きすぎてパソコンの画面叩き割る!! もう割るう! 割ってこの思い出を永遠にするう! この思いを誰かにも知っていてほしい。共感したい!!

※当時はSNSどころかブログもないので、リアルタイムで共感する相手を探すのはとても大変でした。

 

 こちらが「ろじぱら」に掲載されていた感想の一部。

 

「ろじっくぱらだいす」に掲載されていた感想の一部

「ろじっくぱらだいす」に掲載されていた感想の一部

「あああああああああっ!」

 

 私は「ろじぱら」に呼応して号泣した。そして、毎日ワタナベさんの更新を追い始めた。

 

ろじぱらが打倒クリスマスデートに向けて動き出した

 そこで冒頭、「クリスマスの変」が発生する。

「クリスマスにネットをやってる非モテ系はメールして(意訳)」と連絡したワタナベさんに応えるように、27個のウェブサイトが集結。観客2,600名と共に、シングルを楽しむクリスマスイベントが発生したのだ。

 

 まず、ワタナベさんが「X’mas撲滅委員会 ―クリスマス死ね死ね団―」を結成。クリスマス・イブやクリスマス当日、最低1回はウェブサイトを更新する同盟への呼びかけを行った。

 

 事前に、告知用のバナー画像も登場。ここで27個のウェブサイトが勢ぞろい。(全サイトの現状を確認したが、更新中なのは「ろじぱら」のみでした)

 

クリスマス死ね死ね団

ろじっくぱらだいすのバナー

 

 そしてワタナベさんは「何もそこまでしなくても」という気迫で、クリスマス期間は記事を1時間に1度更新し続けたのだ。普通に労働するよりつらくね?

 

 労働の方がなんぼかマシな、ハードコア・クリスマス更新イベント。このムーブメントはインターネットに革命を起こした。

「独身男女がクリスマスデートをしない」ことが、ネットの遊び心と共に許されたのである。

クリスマスデートをしない「抵抗」勢力たち

 そこから、クリスマスデートへ遊びながら抵抗する勢力が拡大する。有名なものでは「クリスマスに感謝の正拳突き」を6時間おこなう狂った試みがある。

 

 漫画『HUNTER×HUNTER』インスパイアの正拳突きイベントは2011年から始まり、昨年も健在だったようす。 

 

 さらに、このサイト「さくマガ」の企画で、なぜか高速サービスエリアのラーメン全制覇の旅をしたpatoさんも、2002年のクリスマスにラジオ「ぬめぱとクリスマスレィディオ」を流していたことがわかっている。

 

 ソースが間違っていたらごめんね、ごめんね。私の知る限り、クリスマスに一人を楽しむ文化をネットで広げたのは、ろじっくぱらだいすのワタナベさんだった。

ろじぱらによる、クリスマスへの抵抗はコツコツと続く

 むろん、1年だけの企画でクリスマスデートは撲滅できない。コツコツ20年以上も記事を更新してきた「ろじぱら」だけに、その試みは止まらなかった。

以下、私が勝手な妄執で追いかけた「ろじぱら」のクリスマス記事のうち、今でもアクセスが確認できるものを紹介する。

 

 

そして2018年。

「ろじっくぱらだいす」のワタナベさんは、ゲームを買って普通にクリスマスを祝ったのである。  

 

 1999年の企画開始から、実に19年。クリスマスが「別にデートしなくてもいい日なんじゃね?」となるには、これだけの期間を要したのだ。その間、ワタナベさんが開催したクリスマスをシングルに楽しんでもらう企画の数、観測できただけでも8回。

 

― 志、一夜にして成らず ―

 こうして、日本のクリスマスデートは、滅びたのである。

私がホームページビルダーでBL小説サイトを作り、mixiでポエムを投稿し、Twitterでヌルオタに退化したこの21年。完全な―無 MU―を過ごしてきた私と裏腹に、日本の習慣をひっくり返した偉人が、ネットで今も活躍している。

 

たとえば、今日は新型コロナウイルスの影響で「ア〇ルにリモコンを入れたら抜けなくなる未来」について書いていらした。

 

 1999年当時から記事のテンションが変わっていないって、すごい。

そんな「ろじっくぱらだいす」は、膨大なコンテンツ群のため、いくつか最初におすすめしたいページをラインナップして、本稿を締めくくりたい。

ゲームレビュー

30~40代向け。特に『Kanon』『加奈~いもうと~』『CROSS†CHANNEL』等をプレイされた方なら誰もが共に泣けるはず。

スクウルミズギ キタ

お召しになられたときのお話です。

40歳のオッサンが全力で勧めるキンプリ応援上映

比較的最近のコンテンツなので、10~20代に読みやすいかも。

 

 なお、サイトで毎日更新記事があるだけでなく、Twitterでもお元気そう。私はずっと投稿を見つめながらフォローしないというキモムーヴをしていましたが、先日一念発起してフォローさせていただきました。この記事が見つかってしまったが最後、ブロックされないか心配です。

 

編集部より再度記:「ろじっくぱらだいす」はさくらインターネットのサーバーを使ってくれています。

 

執筆

トイアンナ

ライター。外資系企業に勤めてのち、独立。恋愛とキャリアを中心に執筆しており、書籍に『モテたいわけではないのだが』『確実内定』『やっぱり結婚しなきゃ!と思ったら読む本』など。

編集

川崎 博則

1986年生まれ。2019年4月に中途でさくらインターネット株式会社に入社。さくマガ立ち上げメンバー。さくマガ編集長を務める。WEBマーケティングの仕事に10年以上たずさわっている。

※『さくマガ』に掲載の記事内容・情報は執筆時点のものです。

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