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高速SAのラーメンはなぜ美味いのか、鹿児島から青森まで全てのSAでラーメンを食べてきた。④

前回までのあらすじ

なぜか鹿児島から青森まで高速道路をひた走り、全てのSAでラーメンを食べることになったこの旅。課せられたルールは3つ、①全てのSAでラーメンを食べる②残しそうならパスできる③交通ルールを守る。ついに関西に突入し、午前中の時点で5杯食べるという偉業を達成。いろいろなことが限界を迎えつつある。果たしてどうなってしまうのか。

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長かった山陽道が終わり、ここからややルート選択が複雑になりそうだった。僕の感覚ではここから中国道へと合流し、名神高速を経由して関西を渡り歩いていく感じだったが、どうやら中国道に合流することなく、新名神という新たにできたルートで一気にいけてしまうらしい。迷うことなくそちらを進む。

11:45 宝塚北SA(兵庫県) 走行距離 838.7 km

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新名神に入ってすぐに宝塚北SAがやってきた。上り線と下り線共用のSAでかなり規模が大きい。おまけに、比較的新しいルートのSAなので、かなり新しく綺麗。かなり人がいて活気のある感じだった。

正直、完全に胃袋が限界で、ラーメンがあってもパスしようと考えていた。できればラーメンがないのが理想だけど、これだけでかいんだ、ないはずがない。

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ちょっとしたショッピングモールみたいな趣がある。トイレもめちゃくちゃ綺麗で豪華で広かった。

ちなみに画面奥の方にペッパー君がいるのだけど、そのペッパー君をおばちゃんがめちゃくちゃどついていた。関西って怖いね。

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ラーメン屋あるかなあ、と探していたらリボンの騎士が出迎えたりしてくれた。調べてみたら宝塚市の観光大使らしい。

けっこう探したがラーメン屋が見当たらなかった。これだけデカいのにもしかしてないの? とちょっと期待する自分がいた。いい加減、あまりに旅の目的を見失いすぎだ。それでも注意深く探す。

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あった。

赤い看板のところにしっかりと「NOODLES」って書いてありやがる。どう考えてもラーメンだ。

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それも神座じゃないですか。近畿地方を中心に展開するチェーンで、東京にもいくつか店舗があるお店だ。こうやって名店や有名チェーンが高速SAに入るケースがかなり増えているようだ。

本当なら胃袋が限界なのでパスを考えたが、高速SAでの神座を食べてみたいし、メニューに「おいしいラーメン」を謳っているのでどんなものか知りたくなり、食べてみることにした。

ラーメン014 おいしいラーメン 700円

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思ってた以上に量が多い。これで700円というのだからかなりコスパが良い感じがする。スープはやや濃厚だけど、麺の太さと柔らかさは完全に好み。ただ一番の特徴は「白菜」。この白菜がスープを覆うほど大量に投入されていて、シャキシャキした歯ごたえが良い。よく味の染みた鍋料理の白菜を延々と食べられる感じだ。さらに、白菜から染み出た甘みがスープに溶けだしていて完全にマッチしている。ただ、本当に量が多いので、完全に胃袋の臨界値を超えた。もうこれ以上は何も食べられない。本当にやばい。

完全に限界なのだけど、ここからは大きな期待を持てる地帯だ。ここから新名神を抜けていったん名神に合流し、さらに京滋バイパスへと入るルートを取る予定なのだけど、地図を見る限りほとんどSAがない。かなり期待が持てる。

現に、それらのルートには全くSAがなかった。ただ淡々と京都の街などを遠くに眺めながら高速道路を運転していくだけだった。

途中、滋賀県の草津という場所にかなり大きな施設があり、「SAか?」と焦ったけどよくよく見たら「PA(パーキングエリア)」だった。ビックリした。ルールではSAでのみラーメンなので、PAではラーメンを食べない。残念だけど食べない。

結局、次にSAが到来したのはまた新名神に入ってしばらくした滋賀県の土山という場所だった。

13:31 土山SA(滋賀県) 走行距離 944.7 km

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前の宝塚北SAからかなりの距離があり、距離にして100kmあまり、1時間40分くらいインターバルがあったのだけど、胃袋の中のラーメンをまったく消化できていなかった。完全にまだまだ満腹だ。

ここ土山SAもなかなか大きいSAだ。

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フードコートもかなり規模が大きい。いやー大きいですなーと眺めていたが。ここであることに気が付いた。上の画像を見て欲しい。各店舗の上部に分かりやすく何のメニューがあるのか表示されているのだけど、よくよく見て欲しい。「定食・丼」「うどん・そば」「ちゃんぽん」とある。

「ラーメンがない?」

とても食べきれる胃袋状態ではないので、ちょっと光明が差した気がした。けれども、券売機を見るとそこには衝撃の事実があった。

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ある……。

それも、「黄金和風ダシをベースにしたシンプルで懐かしい味わい、黄金しょうゆラーメン730円」だ。かなり好きな感じだが、本当に申し訳ない。無理。絶対に残す。ということでここではこの旅において初となる「パス」を使うことにした。本当に申し訳ない。無理なんだ。すまん。

さて、ここでパスをかましてしまったが、連続パスはあまりよろしくない。なんとかラーメンを消化し次のSAでは思いっきり食べたいものだ。

ここからはなかなか難しいルートを通る。このまま新名神を突き抜け、伊勢湾岸自動車道に入り、そこから東名か新東名かに入っていいく。名古屋という大都市を通過するので、おそらくSAはない。ここで一気にラーメンを消化してしまう作戦だ。

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名古屋の街が見えてきて、正面にあれレゴランドじゃないの? という特徴的な建物が見えてきた頃に、少しだけ雨がぱらついてきた。

14:45 刈谷PA(愛知県) 走行距離 1023.5 km

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途中、どでかい休憩施設があったので立ち寄ってみた。ついにスタートからの走行距離が1000 kmを超えた。

高速道路の休憩施設なのに観覧車があるという凄まじさ。とんでもなくすごい場所だった。ただ、ここの名称は「刈谷PA」だ。PAだ。こんなにでかくてすごいのにパーキングエリアというのだから、もうサービスエリアと境界は曖昧なのかもしれない。

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外から見ていて完全にラーメンがある感じだったけど、ここはSAではなくPAだ。ルールでは通過した全てのSAでラーメンを食べる、なのでPAでは食べない。ちょっと小腹空いてたからいけそうだったけどルールだから仕方がない。

さて、問題はここからルート検討だ。ここからは東名高速を通るか、やや新しい新東名を通るかの二つのルート選択がある。別にどちらを通っても到着する場所は変わらないので好きな方を行けばいいのだが、ここで「SAを避ける」という観点が加わると新たなルートが出現してくる。なぜSAを避けるのかって? 避けなきゃラーメン食う羽目になるだろ。食う羽目になるだろ。なにいってんだおめえ。

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手前にある分岐から東名にいくか、その奥の新東名にいくかとなるが、新東名に行くと、分岐してすぐに「岡崎SA」というまごうことなきSAが存在する。

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まあ、宝塚北SAから考えてかなりインターバルがあるので、ここ岡崎SAでラーメンを迎え撃つことは可能だけど、先々のことを考えてここはパスしたい。それなら東名を行くのが正解となりそうだけど、東名に行くとしばらくして「浜名湖SA」という巨大な壁がそびえたっている。

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結局、どちらを通ってもSAはあるわけじゃん。同じだね、と思うかもしれないが、そうではない。

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浜名湖SAの手前に、新東名と東名を行き来するための道路があるのでこれを利用する。そうすると岡崎SAも浜名湖SAもパスできるのだ! なぜパスするかって? いったらラーメン食べなきゃならんだろ。常識で考えろ。

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僕はこのルートをノーラーメンルートと名付けた。こんな風に好き勝手なルート使って高速料金とか大丈夫なのかと不安になったが、規定では出発インターと到着インターの最短ルートの倍以上の長さにならなければ基本的にどのルートを通っていもいいらしい。もちろん途中下車はダメ。ということでこのノーラーメンルートは合法なので迷わず行くことにした。

ちなみに新東名は試験運用中らしく、部分的に制限速度が120 km/hに格上げされている場所があった。

ノーラーメンルートといえども、全てを避けられるわけではないのですぐにSAがやってくる。あっという間に浜松SAに到着した。このノーラーメンルート、果たして効果があったのだろうか。

15:48 浜松SA(静岡県) 走行距離 1104.9 km

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浜松SAはとにかく大きいSAだった。東京に近づくにつれてどんどんSAの規模が大きくなっている気がする。このSAにならラーメンがありそうだ。

途中、一度だけパスを使い、さらにノーラーメンルートで合法的にSAを避けたとはいえ、宝塚北SAから実に4時間ぶりのラーメンだ。完全に腹が減っている。全然いける。

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これが浜松SAの案内図。さっそくチェックするのだけど異変が生じていた。そう、一見するとラーメンがない。普通、ラーメンがある店なら写真にでかでかと写しているはずなのに、それがない。ラーメンが、ない。

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ラーメンがなかったらどうしようと考えながらも「もしかしたらありそう」という気持ちだけで「陳建一監修中華の達人」に向かうと、ありました、ラーメンと思しき写真が。 ただ、それもちょっと様子がおかしい。よくよく見てみると何かがおかしい。

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「醤油湯麺」

タンメンと書いてある。そういえば考えたことなかったけど、タンメンってラーメンなのかな? これまでの人生においてはラーメンだろうがタンメンだろうが関係なかった。食べられれば良かった。見た目がラーメンならみんなラーメンだろう、同じ同じ、くらいに考えていた。けれどもこの旅ではその定義が重要となってくる。

「SAでラーメンを食べる」

これは裏を返せば、ラーメンでないなら食べなくてもよい、むしろ食べてはいけない、食べることを禁ずる、ということである。タンメンはラーメンであるか、その定義は重要だ。すぐにWikipedia(ウィキペディア)を調べた。

中華料理店やラーメン店で提供されることが多いが、野菜が入った塩ラーメンとは製法が異なる。単なる野菜ラーメンとも同義ではなく、一般にこれらとは異なる料理に分類される。(Wikipedia:タンメンより)

タンメンはラーメンではない。

ということで、実に4時間ぶりのラーメンと思われたが、ここでもスルーとなった。完全にノーラーメンルートだ。

新東名では片側三車線化工事を随所で実施していた。これが完成すれば6車線になるわけで、とんでもない道路が完成してしまう。すごいなあ、でも腹減ったなあとラーメンへの恋しさを実感しながら車を走らせ、次のSAを目指した。

16:36 静岡SA(静岡県) 走行距離 1162.4 km

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さらに立派なSAが登場してきた。やはり東京に近づくにつれてどんどんとSAの凄みが増していく。次のSAとかとんでもないことになってるんじゃないか。

さて、延々とラーメンを食べ続ける旅なのに、もう5時間もラーメンを食べていない。完全に空腹だ。とにかくここにはラーメンがあって欲しい。祈るような気持ちで突入した。

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あ、一風堂がある。有名な博多ラーメンの店だ。

なぜかここ静岡に来て博多の味が復活してしまった。とにかく、福岡に逆戻りをしたような感覚を覚えつつ、5時間ぶりのラーメンにありついた。

ラーメン015 博多中華そば 860円

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博多とんこつではなく博多しょうゆである。これがめちゃくちゃ美味い。極細の麺に超絶な味加減のスープがよく絡む。また、風味がかなり良いし、ほのかに香る何か。たぶんだけど、これも柚子の風味を足してる気がする。完全においしく、理想の味なのだけど、唯一の欠点を挙げるとすると「豪華すぎる」ということか。これぞSAラーメンというラーメンはここまで彩はいらない。なんなら海苔もいらない。もっと素朴な感じだ。そう考えると860円という値段設定も「素朴なSAラーメン」という観点でみると明らかに過剰だ。

やっとこさ腹が満たされ、東京に向かって走り出す。東京に近づくに連れてSAが過剰なまでに立派になっていく。こりゃ次のSAとかとんでもないことになってるんじゃないか、そう考えながら車を走らせると、とんでもないSAに到着してしまった。

17:51 駿河湾SA(静岡県) 走行距離 1221.4 km

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これはやりすぎだろ。完全に城じゃん。宮殿じゃん。とんでもねえSAだ。

めちゃくちゃ多種多様な店が入っており、蔦屋書店とかまであった。あと、名前の通り駿河湾を見下ろす位置にあり、かなり眺めが良い。

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ラブライブの何かも催していた。

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ラーメンがこちら。駿州醤油ラーメンという分類らしい。

ラーメン016 駿州醤油ラーメン 750円

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おそらく煮干し風味のスープだと思う。その魚介系の味があっさりめに仕上がっている。ただ、普通のあっさり風味と違い、やや濃厚に近い味わいがある。麺はとても太く、その濃厚なスープに負けないようにしているのだろう。パッと見た瞬間に“あおさ”が入ってていいですな! と思って食べてみたら海苔だった。ただ、それはそれで美味かった。山盛りになったネギの風味も良いアクセントになっている。美味しかった。

このお城みたいな駿河湾SAで新東名のSAは終わり。御殿場から東名高速に合流し、東京を目指す。おそらく、都市部にSAはないの法則により東京近郊になるとSAがなくなり、一気に進めるようになるはずだ。

18:38 足柄SA(神奈川県) 走行距離 1247.5 km

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東名高速に入ると一気に車の数が増えてきた。軽い渋滞を経ながら足柄SAに到達する頃にはすっかりと日が落ちていた。ここもかなり立派なSAだ。

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なかなか意識高そうなラーメン屋が入っている。

メニューがこちら。

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「醤油らぁ麺」「鹽(しお)らぁ麺」というラインナップだ。ここで果たして「らぁ麺」がラーメンなのかという問題が生じてくる。あくまでもこの旅は「ラーメンを食べる」という旅であり、あくまで「らぁ麺」は違うという、いやそんなことはない。こういうのはもうやめよう。これはラーメンだ。

ラーメン017 鹽(しお)ラーメン 880円

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ここでは難しい漢字を使用している鹽(しお)ラーメンをチョイスさせてもらった。美味しそうだった。そしてこれがべらぼうに美味しかった。あっさり塩ラーメンってこういうもんだよねという王道的な味わい。澄んだスープが心地よい。麺はやや太めだが、決してスープの味わいを打ち消すものではなく程よいバランス。チャーシューがものすごく柔らかったのもポイントが高い。ただ、やはり高速SAラーメンは醤油だなあという感じ。じゃあなぜ鹽(しお)を頼んだのかと思うかもしれないが、美味しそうだったからだ。そして美味しかった。

ということで、ついに東京に近づいてきたが、ここからは圏央道を通って都心をパスしつつ東北道へと入っていく。おそらく僕の見立てではしばらくSAはない。といったところで次回に続く! 次回は最終回、ついに青森到着なるか!?

つづく

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つづき(⑤最終回)はこちら

執筆

pato

テキストサイト管理人。ストロングゼロ(ダブルレモン)と生きるおっさん。

編集

川崎 博則

1986年生まれ。2019年4月に中途でさくらインターネット株式会社に入社。さくマガ立ち上げメンバー。さくマガ編集長を務める。WEBマーケティングの仕事に10年以上たずさわっている。

※『さくマガ』に掲載の記事内容・情報は執筆時点のものです。

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