マルケトチャンピオン石井(さくらインターネット所属)による「THE MODEL」の考え方

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みなさん、こんにちは! さくらインターネットの石井です。

今回でさくマガでの連載第3回目になります。この3回目が連載として投稿する最終回になります。

最終回は、Marketoの活用事例とは少し離れるのですが、MAツールなどに合わせてよく語られ、最近ビジネスのシーンで話題に上がる「THE MODEL」について私の考えるその正体についてお話しできればと思います。

 

ちなみに、初回は、MAツールを利用するメリットをお話ししました。 

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2回目は、さくらインターネットでのMarketoの活用事例について詳しくお話ししました。

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THE MODELとは?

今回お話しするTHE MODELというのは、セールスフォース・ドットコム(以下SFDC)で取り入れられていた組織の体制/フレームワークであり、特にSFDCにTHE MODELという名前で存在していたわけではないそうです。

この体制/フレームワークを元Adobe/Marketo、元SFDCの福田康隆さんが本にまとめて出版されています。

 

さて、ここから話すことは私の個人的な考えになります。そのため、THE MODELを書籍として出版された福田康隆さんの意見ではないということをあらかじめご了承ください。

 

あくまでも創業24年、社員数が1,000名以下のIaas商材を取り扱う会社のインサイド・デマンドジェン担当がTHE MODELという本を読んで考えたTHE MODELの正体についてです。

よくTHE MODELでは以下のような図で表現されることがあると思います。

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上記の図は、SFDCのKPIの管理と組織体制を説明している図です。

ということで、そもそもこれは、SFDCで利用されていた体制になるので、それをそのまま当てはめても他の会社で有効に働くかというとそうとは限りません。

 

あるモデルやメソッドを組織に導入しようとしても、その組織の状況や取り扱う商材によって異なる部分が多く、そのまま導入できないことが多いと思います。

これは、自社に新たなツールを導入する際にカスタマイズするイメージに近いと思います。

 

個人的にはTHE MODEL自体は、組織のミッションなどを明確にし、数値管理できる体制を整えてボトルネックを把握することだと考えています。では、なぜこのTHE MODELがよく組織体制などで取り上げられるのでしょうか。

私は2つの要素があると思っています。

THE MODELが取り上げられる理由とは?

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1.インサイドセールスとカスタマーサクセスという職種/価値観を明示したこと

最近、職種としてインサイドセールスが知られるようになりました。インサイドセールス自体は、営業の効率化という観点で以前より存在していたのかなと思います。

インサイドセールスという言葉には、クオリファイと非対面営業という意味がありますが、THE MODELでは、テクノロジーの要素を加え、クオリファイの概念部分を具体例で記載されていたのがイメージしやすく受け入れられやすかったのかなと思っています。

 

少し話がそれますが、営業というとやることが属人化してしまうことも多い職種かと思います。そこにインサイドセールスをいれることで、分業して工数を下げる、初期の営業教育の知識定着の役割を担わせることは、日本にとっては画期的なことだと思いました。

 

また、日本では、マーケティングとセールスの連携がうまくいっていないといわれるなか、一連のプロセスの間にインサイドセールスがあるのも具体的で有効であると考えられたのではないかと思っています。

 

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ちなみに、私は営業のスキルが属人化することは否定しません。以前、野村克也監督がスキルの定着について「基礎、基本、応用」というキーワードをお話されていたのですが、どちらかというと応用の部分は属人化するものと思っています。

 

そして、カスタマーサクセスについても、サブスクリプションモデルが定着していく世の中でフィールドでの受注後の対応を、サポートという観点でなく、カスタマーサクセス(継続)の観点で語られているところも、具体的であったと思います。

2. 組織の中(特にセールス)でのDX(デジタルトランスフォーメーション)推進で具体的な組織例を提示したこと

繰り返しになりますがTHE MODELは、結局のところデジタル化して数値管理して、ボトルネックを把握して対策を打っていける体制を作ることだと理解しています。

このようなことは以前から謳われていましたが、一部分だけ例示されたり、どの組織にでも伝わるように抽象的であったりして、具体性を持って意識できなかったのではないかと思っています。

 

そこにTHE MODELを利用して、マーケティング領域に比べてデジタル化が追い付いていない営業領域を含めて数値化して、会社の機能を横断して管理することを提示したことが幅広く受け入れられたと思っています。

皆さんも売上見通しの管理や知識の把握のため、デジタル化、DX推進はしないといけないと思いつつ、具体的にどうすればいいのかわからない状態だったものが、KPIなどと共に具体的な事例を提示してくれたことで一気にイメージがしやすくなったのだと感じます。

 

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まとめると、総じてデジタル化、データドリブン、組織改革、営業手法の確立など色々といわれていますが、組織の具体例を要素毎にわかりやすく説明されていたことがTHE MODELという言葉が浸透した理由だと思います。

 

それぞれの組織にとってのTHE MODEL

さて、THE MODELをどのように社内に取り入れて成果を出すかですが、前述のとおりそのまま導入してもうまくいきません。というか、そんなことをするものではないと思います。

福田さんもおっしゃっていますが、自社の/自分たちのTHE MODELを作るべきということです。

 

自身の所属する組織において、どんなことがしたいか、何を目指すのかを決めて、それに対して何を数値化・デジタル化して管理するか?を決めることが大事だと思います。

その結果、ボトルネックを把握でき改善していく体制が作られると思います。 ウェブマーケティングなどの場合、入り口から契約までを数値化できていることが多いと思いますが、その組織版と考えるとよいかもしれません。

 

例えば、オンライン申込に特化した自社ECサイトの運営企業は、実はもうすでにTHE MODELができているとも言えます。

新規顧客の集客、サイトの回遊、比較検討、新規問い合わせやメール対応・申込継続購入数など組織横断で数値管理できていれば、どこにボトルネックがあるのかを把握できるため問題ないからです。

 

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次に、フィールドセールスなど人が介在する場合には、人が介在するところでデジタル化ができていない部分があるかと思うので、そのあたりでボトルネックが見えていない可能性があります。

その場合には、組織で達成したいことを整理したうえで、管理する理想を目指して、自社のTHE MODELを創ることが必要になると思います。

また、THE MODELに関しては、組織を横断して数値をもとに連携することで組織力を高めることも目的だと思います。

 

ちなみに、その中でインサイドセールスが必要であれば、その役割を持つところを作るべきです。もしも、必要ないと思う場合はインサイドセールスは必要ありません。

単価や専門性も高く、実際のターゲットが多くない場合などはインサイドセールスが中間に入る必要はないかもしれません。

 

また、SDR(反響型)とBDR(開拓型)という役割でインサイドセールスを分けることもあるかと思います。

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これもインバウンドで大手の企業が来るようにするのもいいと思います。このあたりも必要であれば分けるし、必要なければ分けなくてよいと思います。

私の考えるTHE MODELの正体

ということで、THE MODELについて私の考えや説明をしてきました。

繰り返しになりますが、結局のところは、キーワードでしかなく、自社のサービスや状況、今後どうしていきたいか、どのような体制にしたいかを考えたうえで、その会社にあった組織体制にすること、そして、それをデジタル化して管理できたり、ノウハウを共有できたりするようにすることがTHE MODELを取り入れることだと思いますし、それこそが効果的だと思います。

 

ただ、一度作った社内体制や仕組みが永久に適切かというとそんなことはありません。 世の流れや状況により適切なものは変わっていきます。なので、常に変えていかなければいけません。また、そのためにもデジタル化しておくことは大切です。

 

ということで、デジタル化するツールとして、MarketoやKintone、SFDCなどが存在していますのでそれをご利用いただければと思います。

CRMツールについてはこちらで紹介⇒CRMとは? 導入事例やメリット・デメリットを紹介

また、実務的には必ずデータをマネージメントする必要が出てくると思いますので、その際の基盤にさくらインターネットのサービスが利用されると私としてはうれしいです(笑)。 今回の連載は全3回で終了です。

 

3回ともご覧いただいた皆さんありがとうございました。少しでも皆さんのお役に立っていれば幸いです。

実は、3月末にアメリカのラスベガスで開催されるAdobeSummitに参加予定なのです! 機会があればこのAdobeSummitの様子などをこのさくマガでレポートできればと思っています。

 

それでは、また、別の機会に!

ありがとうございました!

 

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