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ワークライフインテグレーションとは? 具体的事例をもとに解説

ワークライフインテグレーションとは?

ワークライフインテグレーション」とは、仕事を効率的におこなうことで過剰労働を減らし、プライベートを充実させていく考え方です。

仕事とプライベートをどのように調整するかは、現代人にとって大きな課題といえるでしょう。この記事では、ワークライフバランスとの違いや、ワークライフインテグレーションのメリットデメリットについて解説します。

ワークライフインテグレーションとは

働き方改革の影響もあり、日本社会では「ワークライフバランス」という概念が注目されるようになりました。 

ワークライフバランスを発展させたのが、ワークライフインテグレーションだといえます。ワークライフインテグレーションは、慶応義塾大学の高橋俊介教授や経済同友会の提言をきっかけに日本でも広まりました。インテグレーションは「統合」と訳せます。「仕事も生活も、大きな目でみれば人生の一部である」という前提に立った価値観です。

ワークライフバランスとワークライフインテグレーションの違い

ワークライフバランスの概念は、「仕事と生活がそれぞれの時間を侵食してはいけない」というものです。しかし、ワークライフインテグレーションでは双方に相乗効果があるとしています。

仕事が充実すれば、プライベートも楽しくなるというのがワークライフインテグレーションの発想です。逆にプライベートがうまくいっていれば仕事のモチベーションも上がるといえます。

仕事とプライベートに統合的な向き合い方をすることで、人生の質は高まるという考え方が、ワークライフインテグレーションです。

ワークライフインテグレーションの目的

アメリカ、シリコンバレーのテック企業などで、ワークライフインテグレーションは導入されるようになってきました。その目的は「生活の質と生産性の向上」です。

仕事時間を削って生活を充実させるのではなく、両方の質を高めあうための考え方としてワークライフインテグレーションは浸透しつつあります。

日本は少子高齢社会なので、労働人口は減っていくことが予測されています。生産性の向上のためにもワークライフインテグレーションの考え方と実践は必要になるでしょう。ワークライフインテグレーションの定義が正しく理解されれば、プライベートでしか安らげないような人生が変化し、仕事中も同じように幸福感を抱けるようになるでしょう。 

ワークライフインテグレーション 3つのメリット

ワークライフインテグレーションの主なメリットには「選択肢の広さ」「スキルアップにつながる」「罪悪感から逃れられる」が挙げられます。それぞれについて見ていきましょう。

ワークライフインテグレーションのメリット1.選択肢の広さ

ワークライフインテグレーションの主なメリット1つ目は「選択肢の広さ」です。正規雇用や非正規雇用といったくくりに深い意味がなくなるため、ライフスタイルにぴったりの仕事を選びやすくなります。誰にも気兼ねせず、やりたいことができるのは魅力です。

ワークライフインテグレーションのメリット2.スキルアップにつながる

メリット2つ目は「スキルアップにつながる」ことです。自由に自己啓発や学習の時間を確保しながら働けるので、幅広い知識を得られるようになるでしょう。結果的に、生産性向上など、企業側にとってのメリットも生まれます。

ワークライフインテグレーションのメリット3.罪悪感から逃れられる

メリット3つ目は「罪悪感から逃れられる」ことです。ワークライフバランスだけでは、仕事とプライベートのいずれかを犠牲にしていると感じる人もいました。ワークライフインテグレーションだと2つは等しく人生の一部なので、どちらに熱中しているときも後ろめたさがなくなるのです。

ワークライフインテグレーションのデメリット

ワークライフインテグレーションには、デメリットもあります。それは、仕事とプライベートの境目がないので、働きすぎてしまったり遊びすぎてしまったりすることです。バランスをしっかり取るには個人の自己管理能力(セルフマネジメント能力)を高めることが必要です。また、社員の雇用主である企業も制度や仕組み作りをして注意をする必要があります。

ワークライフインテグレーション実践における具体例

まずはワークライフインテグレーションの思考法に合った企業を見つけることで、実践へと近づけます。具体的には、「仕事とプライベートの垣根がない」職場を探しましょう。某スポーツメーカーなどは、職場にスポーツジムを設置して社員に自由な利用を呼びかけています。仕事の合間に体を動かせば、リフレッシュして生産性向上にもつながるからです。

また、「テレワーク」は比較的導入しやすいシステムでしょう。チャットツールのSlackやオンライン会議ツールのZoomなどを使って、オフィス以外の場所で仕事をする方法です。プライベートと同じ場所で働けるので、作業のストレスを感じにくくなります。また、育児や介護などの家庭の事情と仕事を調整しやすいのも魅力です。

さくらインターネットのワークライフインテグレーション事例

さくらインターネットではワークライフインテグレーションを推進しています。「さぶりこ(Sakura Business and Life Co-Creation)」という制度があり、その中の「どこでもワーキング」制度を利用することで自宅・カフェ・コワーキングスペース・自社の他拠点など、その時の都合にあった場所での勤務が可能です。

そのほか、「流動的にスケジュールを調整できる」のもワークライフインテグレーションを実現するための条件です。出社時間や退社時間が決まっている限り、生活が仕事中心になる事態は避けられません。フレックスタイム制により、状況に応じて終業時間をコントロールできれば、生活を仕事の犠牲にしなくてすむようになります。

さくらインターネットの定時は「9:30〜18:30」ですが、コアタイム「12:00〜16:00」を中心に10分単位で前後にスライドする事が可能です。 (最も早い時間が7:00〜16:00、最も遅い時間が12:00〜21:00)育児や介護、通院等の理由だけでなく、私用でも気軽に利用できます。

ワークライフインテグレーションを心がけるうえでの注意点

日本企業ではワークライフインテグレーションはおろか、ワークライフバランスについての理解が遅れているところも少なくありません。そのため、企業側と話し合いながら、仕事と生活の統合を進めていきましょう。そうしなければ、単に「仕事中にプライベートのことばかりしている社員」との不名誉なレッテルを貼られかねません。

思考が偏らないようにする

また、「仕事と生活の統合」という言葉を誤って解釈しないことです。ワークライフインテグレーションは「1日中仕事のことばかり考えるべき」という考え方ではありません。もちろん、逆に「仕事中でもプライベートのように振舞っていい」わけでもないのです。あくまで、自分が働きやすいように仕事と生活の境界線を取り払っていくのが基本です。

いずれかに思考が偏ってしまい、もう片方がおろそかになるなら本来の目的からかけ離れてしまいます。実践する人なりのペースで、仕事と生活が無理なく統合されている状態を長期的に探りましょう。

人生が豊かになる働き方を

仕事とプライベートのいずれかをおろそかにして、片方を充実させても人生は豊かになりにくいでしょう。ワークライフインテグレーションは、双方を統合させた幸福な人生を送ることを目指します。日本ではまだ浸透しきっていないものの、注目するべき価値観として評価され始めました。人生や働き方を考え直すときの参考にしてみましょう。

さくらインターネットでは、会社が「働きやすい」環境を提供し、その中で社員個人が「働きがい」を追求できることを理想として、働き方の多様性を尊重するさまざまな取り組みをおこなっています。詳しくは「働く環境」をご覧ください。 

まとめ

  • ワークライフインテグレーションは、仕事とプライベートをいずれも「人生の一部」としてとらえる考え方
  • ワークライフインテグレーションはワークライフバランスを発展させた考え方
  • ワークライフインテグレーションの目的は「生活の質と生産性の向上」
  • ワークライフインテグレーションのメリットは1.選択肢の広さ、2.スキルアップにつながる、3.罪悪感から逃れられる
  • ワークライフインテグレーションのデメリットは仕事とプライベートの境目がないので、働きすぎてしまったり遊びすぎてしまったりすること
  • ワークライフインテグレーションを心がけるうえで気をつけることは自己管理能力(セルフマネジメント力)を高めること

執筆・編集

さくマガ編集部

さくらインターネット株式会社が運営するオウンドメディア「さくマガ」の編集部。

※『さくマガ』に掲載の記事内容・情報は執筆時点のものです。

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