さくらインターネットの働く環境や制度づくりとは?
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さくらインターネットは2020年4月より「リモート前提の働き方」となりました。そのため、それ以降に入社した社員同士は、一緒に仕事をしていても実際には会ったことがない場合があります。
2022年に入社した横野 龍賢は、そんな社員たちが「オフラインで交流する場をつくりたい」と一念発起。2024年11月に、リアルで交流するイベント「さくらすぷらうと」を開催しました。
そんな横野と、その上司である社長室の奥畑 大介に、さくらすぷらうと開催までの道のりや、当日の様子について聞きました。

横野 龍賢(よこの りゅうけん) プロフィール
さくらインターネット株式会社 社長室 イノベーション共創グループ
2017年に新潟県の高校を卒業後、製造業、商社、Sierでの業務を経験。2022年、さくらインターネットに入社。協業を軸とした新規サービスの開発や販路拡大に携わる。2024年に社長室(現職)に異動、同年9月よりBlooming Campのコミュニティマネージャーとして社内、社外問わずイベント運営や企画にて活動中。
奥畑 大介(おくばた だいすけ) プロフィール
さくらインターネット株式会社 社長室 イノベーション共創グループ マネージャー
和歌山県和歌山市生まれ。2007年、さくらインターネット入社。データセンターの運用業務から人事での労務や採用経験を経て、現在はマネージャーとして組織マネジメントに携わる。Blooming Camp施設全体の責任者を務め、みんながやりたいことを実現できるような場づくりに奮闘中。
たこやきパーティーでの発言が現実に
――横野さんは2022年、さくらインターネットが「リモート前提の働き方」になってから入社されていますね。

いまは大阪に住んでいるのですが、入社当時は新潟に住んでいて、どこの拠点にも通うことが難しかったので完全にリモートで働いていました。中途採用だったこともあり、対面での研修もなく、コミュニケーションはすべてSlackとZoom。業務上のやりとりに関してはとくに問題なかったのですが、どうしても会話が定型文のようになりがちなので寂しさを感じていました。
もちろんオンラインのランチ会があったり、ミーティングに雑談タイムが設けてあったりと、各部署でコミュニケーション不足に陥らないような工夫をしています。でも、僕の場合はたまたまタイミングが合わなくて機会を逃してしまうことも多くて……。
――そうなんですね……。その後、2024年1月に上京されたそうですね。

あるプロジェクトをローンチしたタイミングで上京しました。業務はリモートで完結するのですが、とにかく人と直接話したかったので、毎日のように東京支社に出社していましたね。そこでたくさんの人と顔を合わせるようになって。業務の都合上、ときどき出社している社員も何人かいるんです。そういった人たちから「横野さんっていつも支社にいるよね」って言われて(笑)、自然と声をかけてもらえるようになりました。
――東京支社によく行くようになって、リモートとのギャップは感じましたか?

いい意味で「Slackでのやりとりと印象が違うな」と感じました。業務においては淡々と事務的なやりとりをしていましたけれど、実際にお会いして話してみると、みなさん本当に気さくなんです。オンラインでは見えなかった一面に気づいて、「僕はこの人たちのほんの一部しか知らなかったんだな」と実感しました。
東京支社で実際に顔を合わせている人とは、自然とオンラインでのコミュニケーションもしやすくなりました。それまで形式的なメッセージを送ることが多かったのですが、よりフランクな感じであいさつしたり、オンラインミーティングのときも開始前に少し雑談したり。そういうきっかけをくれたのがオフラインでの交流だったので、もっとリアルで顔を合わせる環境をつくりたいという想いが芽生えました。
――対面での交流が、オンラインコミュニケーションにもいい影響を与えたんですね。

そうなんです。ちょうどその頃(2024年1月)、さくらインターネット名物のたこやきパーティーがあったんですね。そこでライトニングトークの機会をいただいたので、「社員同士がオフラインでつながれる機会をつくりたい」と話したら、代表の田中が「いいじゃん、やりなよ!」と言ってくれて。
それからとんとん拍子に話が進んで、2024年3月に第1回の交流会を開催しました。入社3年目未満の東京支社所属の人だけが有志で集まる、小規模なものです。それが、さくらすぷらうとの前身となりました。
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「さくらすぷらうと」という名前に込めた想い
――スプラウトは「新芽」という意味ですが、「さくらすぷらうと」という名前はどのように決まったのですか?

第1回は交流会の名前を決めるという発想がなく、「若手交流会」という呼び方で開催したんです。ただ、今後は若手に限らず、社歴の浅い人を対象に開催できたらと思い、アンケートを取って名前を募集しました。そこで「スプラウト会」や「新芽会」「つぼみ会」などのアイデアが出たんです。社名がさくらインターネットなので「桜の新芽」……新芽がこの交流会を通じて育っていってほしいという意味を込めて「さくらすぷらうと」と命名しました。
――「さくらすぷらうと」が本格的に始動したのは2024年11月の第2回からなんですね。開催するにあたり、運営メンバーを集めたのでしょうか?

東京支社で親しくなった広報担当の社員がいて、彼が「第1回の交流会に参加できなかったから第2回を開催してほしい。僕が運営メンバーを集めるから」と言ってくれたんです。実際に、彼が運営メンバーとして適任だと思った人たちに声をかけて4人も集めてきてくれて。そのおかげでいろいろな部門の方と一緒に運営することができました。
――社長室としても、横野さんをバックアップされたそうですね。

はい。私たちが所属する社長室では、変化と成長を目指してチャレンジする人が一番心地よい組織づくりをするというキーワードがあります。横野さんからさくらすぷらうとの企画をきいたとき、社長室、ひいては会社全体としてもよい取り組みだと思いました。
また、第2回目は、2024年9月6日に開所したばかりの新本社「Blooming Camp」で開催したのですが、Blooming Campには、これまでの働き方を一新するという想いが込められています。多くの社員に足を運んでもらって、場の価値観に触れていただくことにも意義があるんです。
横野さん本人にとっては大きなチャレンジですし、参加するであろう社員にとっても、変化や成長のきっかけになればと思い、バックアップさせてもらいました。
――企画・運営をするにあたって大変だったことは何でしょうか?

社内の人に納得していただけるような企画書を作ることです。イベントの企画書を作るのは初めてだったので、最初は耳障りのいい言葉でまとめてしまったんですね。それを先輩たちに見ていただいたら、「なぜさくらすぷらうとを開催したいのか、もっと本音の部分を自分の言葉で伝えたほうがいい」とアドバイスされて。
それで、そもそもの僕の想いや、目的・コンセプトを明確にし、企画書に落とし込みました。その結果、熱意が伝わるような企画書をつくることができたと思います。
――さくらすぷらうとの運営を通じて学んだことがあれば教えてください。

僕は人に頼るのが苦手で、なんでも自分でやってしまうタイプなんです。でも、さくらすぷらうとの運営を通じて、自分ひとりで抱え込むのではなく、仲間を頼ることも重要だなと感じました。実際に、「司会業務は〇〇さんに任せた!」みたいな感じでお願いしちゃったんです。
ずっと「人に任せたら相手に負担をかけちゃう」と思っていたんですが、相手からは「任せてもらえるのは信頼の証拠だから、頼ってくれてうれしかったよ」と言われました。頼るからこそ生まれる信頼感があることに気づくことができたのは、僕にとって大きな強みになったと思います。今後もこの学びを活かしてチャレンジを続けたいです。
イベント当日は92名が参加
――当日は何人くらい集まったんですか?

92名です。第2回は大阪にある新本社「Blooming Camp」で開催したこともあり、参加者の半分弱が関西在住で、あとは東京を含むいろいろな地域から来てくれました。部署もさまざまで、ほぼすべての部署の人がいたと思います。今回は「入社〇年未満」という区切りは設けず、誰でも参加できるようにしたんですが、結果的には5年目未満の方が大半を占めました。

――どういうイベントだったのか、当日の流れを教えてください。

開会の挨拶のあと、当社の企業理念でもある「『やりたいこと』を『できる』に変える」をテーマにしたワークショップをおこないました。まずはそれぞれが「やりたいこと」を書いて、その内容が近い人たちでグループをつくります。そして、どうしたら「できる」に変えられるのかをグループで話し合って、出てきた方法をシートに書き出すんです。
――たとえばどんな「やりたいこと」が挙がりましたか?

たとえば「教育にまつわるサービスをつくりたい」という方がいました。お子さんに「お父さんは何の仕事してるの?」と聞かれたときに、「お父さんは、君も使っているこのサービスをつくっているんだよ」と答えたい、と話していましたね。
――そのやりたいことに対しては、どのような実現方法が挙がりましたか?

当社では「KidsVenture(キッズベンチャー)」というプログラミング教室を運営していて、全国各地でワークショップをしています。KidsVentureは小学生向けなんですが、中高生を対象にもっと本格的にプログラミングを学べる教室を開くのはどうかというアイデアが出ました。あと、教室と連動してプログラミングを学べるオンラインサービスをつくるとか……。
――みんなで話し合うことで具体的なアイデアが出てきたんですね。ワークショップのあとはどういうことをしたのでしょう?

休憩がてらBlooming Campを案内して、その後は、若手社員が執行役員の塚田 麻美子、堀本 照にそれぞれインタビューしました。
塚田は自身の経験を話したうえで、「もし自分と同じような壁にぶつかったら、どうか会社を頼ってほしい。そのために、困っている人に手を差し伸べられる環境づくりをしていきたい」と言っていましたね。あとは「サッカー観戦やゲームが好き」という話も出て(笑)。若手にとって遠い存在である役員がグッと身近に感じられるような、そんなトークセッションになりました。
堀本は、「なぜインターネットの分野に進んだんですか?」という質問に対して、「2ちゃんねるを見たとき、顔を知らない人とリアルタイムで会話が繰り広げられるのが面白かったから」と話していました。2ちゃんねるを知らないデジタルネイティブ世代にとっては興味深い話だったと思います。


そのあとは立食パーティーで、参加者同士で自由に会話できる時間を設けました。会場のあちこちで「やっと会えたね!」と喜んでいる人たちがいて。話が弾んでいる様子を見て、いい交流会になったなと思いました。
さくらが抱える課題を楽しく解決したい
――参加者からはどんな感想が届きましたか?

「一緒に働いているけどオフラインで会ったことがない方とやっと会えた」「役員も自分と同じようなことで悩んでいたと知ることができて親近感を持てた」という声が多かったです。
また、「次回は撮影係やりますよ」とか「ワークショップの司会をやりたいです」と言ってくれる方もいて、うれしかったですね。
――奥畑さんは、さくらすぷらうとを終えてどう思われましたか?

「いいイベントになったな」と思っています。社内のいろいろな部門の人を巻き込む企画はパワーもいるし、横野さんにはプレッシャーもあったでしょう。でも、プレッシャーに負けず、多くの人と役割を分担しながら最後まで乗り越えてくれました。参加された方からもポジティブな感想がたくさん集まっているようですし、横野さんにとって大きな成長のきっかけになったと思います。
また、コンテンツの内容がいろいろな方から好評だったということで、さくらインターネット内でおこなわれる大きめのイベントにも応用できないかという相談も来るようになりました。確実に社内にもよい影響を及ぼしています。
――横野さんが今後やりたいことはなんでしょうか?

さくらインターネットが抱える課題を楽しく解決していくことです。どんなにいい会社であっても課題は生まれます。たとえば「リモート前提の働き方」や「さぶりこ」などの制度が充実して働きやすくなった反面、僕のようにコミュニケーション不足を感じる社員もいます。それがさくらすぷらうとの企画につながりました。今後も、誰かの課題や悩みを解決するお手伝いをしていきたいと思っています。
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