「若者がチャレンジできる場を」高専との連携を担当する社員へインタビュー

プロフィール

鎌田 真依(かまだ まい)

さくらインターネット株式会社 社長室所属。高等専門学校との連携事業や技術ITコミュニティ・CROSSの運営などに携わる。

さくらインターネットの中の人を知ってもらうため、さくマガではさまざまな社員にインタビューをしています。今回は、社長室の鎌田真依に、現在の業務のやりがいや今後やりたいことについて聞きました。

学生へのさまざまな支援

ーー鎌田さんは現在どのような仕事をしているのでしょうか。

 

所属は社長室で、私は企業広報を中心に担当しています。業務は大きくわけて3つあります。

  1. 高専との連携
  2. CROSS(ITコミュニティイベント)の運営
  3. デジタルハリウッド大学と共同でおこなっている「オープンクリエイションプロジェクト

まず、高専との連携についてお話します。

 

高専とのかかわり

 

高専(高等専門学校)についての記事はこちら。

高専とは?採用で注目される高等専門学校の特色や高校・大学との違い

 

さくらインターネットは「高専プロコン」という、全国の高専生たちが集まるプログラミングコンテストに毎年協賛してきました。そこで会社の宣伝をしたり、学生が普段どんな研究をしているのか、どんなことに興味があって、何を必要としているのかなど、直接コミュニケーションをとって、学生が抱える課題が「さくらのVPS」や「さくらのクラウド」など、さくらのサービスで解決できそうな場合はインフラ支援の相談にのることもありました。

過去の高専との取り組みとしては、高専生や教員向けのハンズオンを実施したり、講習・講演会や、「さくらのクラウド」「sakura.io」などのサービス提供もおこないました。学校の先生方と協力して、IoTの授業で使うための教材制作もしました。

※IoTについては「IoTの意味とは?社会が変わる技術の仕組みをわかりやすく解説」でくわしく紹介しています。

 

 

共同教育・共同研究について

 

また、昨年は新型コロナの感染拡大という影響もあり、これまでに実施されていなかったオンラインでの授業ができる環境づくりもサポートもしましたね。

今後の関わりについては、これまでの取り組みを続けつつ、さくらインターネットがもつプラットフォームをもっと活用してもらいたいです。さくらとつながりのある企業を紹介して、高専生がなにかやりたいと思ったときに、企業間でスムーズに支援ができるよう体制をつくりたいと考えています。

今年度から「Society 5.0型未来技術人財」育成事業の中の、COMPASS5.0(次世代基盤技術教育のカリキュラム化)でAI、IoTとそれぞれの分野にも協力させていただいているので、新たな時代の人材育成に向け、各分野へのさらなる理解を深めていける講義や、教材制作など、これまで以上に協力体制を整えていけたらと思っています。

 

2つ目のCROSSについてお話します。

CROSSとは

 

CROSSはITエンジニアの交流を目的として設立されたITコミュニティです。

現代は、複数の技術や知識を駆使しないとサービスを作ったり運営したりすることはできません。そしてエンジニアは技術をひとつ身につけるだけでも大変ですが、関連技術の情報を収集し、理解し、取捨選択をし続けなければいけません。そのため、CROSSでは参加者が自身の専門以外の異なる分野の知識や人々と交流する(=CROSSする)場を通じて成長の機会を創出することを目的としたイベントを、年に1度開催しています。

毎年、さまざまな技術セッションを用意していて、半日ぐらいかけて複数の多種多様なセッションを聞くことができます。

 

昨年のCROSS Partyのイベントレポートはこちら

【イベントレポート】CROSS ~IT業界テレワーク五十三次~

【CROSS 2020】ITリモートワーク五十三次  秘書・広報編

【CROSS 2020】 ITマンガ家に学ぶ技術の伝え方 〜これであなたもマンガ家になれるかも?〜

【CROSS 2020】しがないラジオ Meetup ONLINE

 

例年、約800~900人の方にご参加いただいていました。2020年はコロナ禍ということもあり、なかなか来場者数が読めない状況ではあったのですが、初めてオンラインで開催し、2000人を超える方にご参加いただけました。

CROSSParty

2020年の「CROSS Party」

 

毎年、横浜の大さん橋ホールで開催していたのですが、やはり現地に足を運ぶのが大変な方も多かったと思います。オンラインだと気になるセッションだけを視聴することもできますし、気軽に参加しやすくなったことで、例年よりも多くの方にご参加いただけたのではないかと思います。

CROSSは複数のIT企業のスタッフが運営しており、昨年は5~6社が参加していました。多い時だと、10社以上参加しています。運営メンバーの年齢層もバラバラですが、若者も活躍しており、昨年のイベントで配信をリードしていたのも20代前半の方でした。年齢を問わずに積極的に活躍できるのもコミュニティならではの特徴かもしれません。

 

2021年のイベント開催日程はまだ検討中なのですが、今のところオンラインで複数回、開催する予定です。運営メンバーは毎週定例ミーティングもしていて、とても熱心に参加される方が多いですね。CROSSはもともと、どこの会社が、誰かが主体、というわけではなく、あくまでITコミュニティとして成り立っています。もちろん、毎年リーダーは設定しますが、全員が主体となって取り組んでいます。

じつはいま、今年のCROSS運営のスタッフも募集しているので、ぜひ興味のある方は参加していただけるとうれしいです(くわしくはこちら)。

 

最後にデジタルハリウッド大学と共同でおこなっている学生への支援プロジェクトについてお話します。

デジタルハリウッド大学は、デザイナーやクリエイターを目指す学生を育成する学校です。もともとは、デザイン系の学生たちが就職活動をする際に、ポートフォリオを何冊も抱えて面接に向かうという状況でした。それはすごく効率が悪いですし、それなら、学生のうちから自身のホームページを作成して、その上に作品をアップしてポートフォリオとして使えたら良いのではないかという話になりました。そこにさくらのサーバーを役立ててほしいという思いがあって、「さくらのレンタルサーバ」とドメインを学生に提供しはじめました。また現在は、デジタルハリウッド大学が提供しているエンジニア・起業家養成スクール「G's ACADEMY」への支援もおこなっておりますが、これからはモノの提供だけにとどまらず、時代を切り拓く学生たちにより良い機会(環境)を提供できるよう準備しています。

 

3つの活動をお話しましたが、わりと学生向けの支援をする活動が仕事の軸になっていますね。

 

コミュニケーションや働き方について

ーー上司とはどのようにコミュニケーションを取っていますか。

 

週に1回、チームでおこなう定例のミーティング、あと月に1回は上司と1on1ミーティングをする機会があります。もちろん、全てリモートでおこないます。

 

1on1ミーティングについての記事はこちら

1on1ミーティングとは? 人事マネージャーが伝える心得 実践編

 

ただ、基本的にはSlack(チャットツール)でのやりとりがほとんどですね。私の上司は自身の「最近のできごと」や「最近思っていること」などを積極的にSlackで発信してくれているので、気軽なやりとりもSlack上でしやすい環境です。

じつは、5年前に私を採用してくださったのがいまの上司なんですね。その頃からの付き合いなので、信頼関係は築けていますし、上司は福岡拠点にいるため、新型コロナ流行前からオンラインでの打ち合せが当たり前だったので、リモートでのコミュニケーションも、とくに不便だと感じることはありません。大きな目標を立てるときや業務の方向性などが決まってからは、月に一度の1on1、週に1度のミーティングだけでもコミュニケーションは十分とれています。それでも迷うことがあれば、「気軽に相談できる環境」がつねにそこにあるので、それもあって、自由に仕事ができています。

ほかのメンバーは、自分の時間があいたときに「雑談タイムやります!」と部内用のSlackに発信していたりして、私も時間があればその雑談に参加してコミュニケーションをとっています。

これまで雑談ベースで仕事が発生するケースがとても多かったのですが、リモートワーク前提となってから雑談は本当に減りましたね。いまは空いた時間を使って積極的に雑談しにいくようになりました。

 

ーー当社は「リモートワーク前提」となりましたが、リモートワークのメリット・デメリットを教えてください。

 

メリットは通勤時間をカットできたことです。私は千葉に住んでいるのですが、通勤に2時間以上かかっていたんです(笑)。往復だと4時間になってしまうので、通勤の時間に本を読んだり、勉強したりできることはありましたけど、通勤時間をそのまま仕事や自分の時間にあてられたほうが、オン・オフの切り換えもしやすくて非常にありがたいですね。

デメリットは、先ほども少しお話しましたが、雑談がしにくくなっているので、以前よりも自分で積極的に話をしにいく必要があることですね。雑談って自分が思っている以上に重要だったんだなと実感しています。とくに他部署の方と話す機会がなかなかないんです。以前はどなたかの立ち話に気軽に入っていったりできましたし、声をかけていただいたりもして、そこから仕事の話に広がることもありましたが、今はそれがまったくありませんから。

でもそのぶん、Slackを使って情報発信されている方がいるので、こまめに見るようにして、自分から情報をとりにいっています。

 

ーー会社の福利厚生(さぶりこ※)でよく使っている制度はありますか?

 

※会社に縛られず広いキャリアを形成しながら、プライベートも充実させ、その両方で得た知識や経験をもって共創へつなげることを目指し、2016年12月に策定したさくらインターネットの社内制度。

 

さぶりこフレックスとショート30、どこでもワーキングは、コロナ前から活用しています。

私は朝型なので、定時(9時30分)よりも早く出勤することが多いです。いままで通勤にかかっていた時間をそのまま勤務時間にあてて、夜早く終わった分は自分の時間にあてています。

たとえば役所や病院に行かなければならないなど、平日しかできない用事があるとき、さぶりこフレックスを使うと時間休をとらなくてもいいので、本当にたすかります。

 

今後やりたいこと

 

今後やりたいこと 

ーーさくマガのコンセプトが「やりたいことをできるに変える」なのですが、今後やりたいことと、そのためにおこなっている努力があれば教えてください。

 

いまは高専へのサービス提供やハンズオンの開催がメインですが、あらゆる新しいテクノロジーが学べる場や、失敗できる環境、いろいろなことを試せる環境づくりをもっと積極的に支援したいですね。

そのために、つねに情報集めはしていて、高専の先生方とは密にコミュニケーションをとったり、現場のご意見を聞くためにこちらから声をかけたりしています。

あとは、さくらの取り組みの中でなにか高専の若者たちに役に立つものがないか、細かく見るようにしています。社内にもフォーカスしながら、なにか高専のためになることはないかという軸でつねにアンテナをはっていますね。今では、高専関連の情報は、自然と集まってくるようになりました。たまに驚くような素晴らしい情報をいただけることもあるので、そういうときはテンションが上がってしまいますね。

 

ーーどういった理由で若者の支援をしたいという想いをもったのでしょうか。

 

きっかけになった原体験が2つあります。ひとつはさくらに入社したばかりのときに、「さくらのクラウド」のハンズオンをおこなうために、専門学校を全国行脚する仕事をさせてもらったんですよ。そのときに、学生さんがはじめてクラウドに触れて目を輝かせていたり、とても楽しそうに体験している姿を目の当たりにしました。「学生さんたちに新しい技術や体験を提供するのって、めちゃくちゃいいじゃん! これはやり続けなければいけない!」と感じた経験でした。そういう機会をもっと作っていきたいと思ったんです。

ふたつめはさくらに入社してからの働き方がきっかけです。前職では社内に貢献する機会が多かったのですが、さくらでは社外に対してアプローチする職種にガラッと変わったんですね。初めてのことばかりで不安もありましたが、そのときの上司に、自分で考えて自由にやらせてもらえる、チャレンジさせてもらえる環境を整えてもらいました。「心配しても大抵のことはなんとかなるし、なんとかならなくてもそれはそれでなんとかなる」と良い意味で深刻に考えすぎず、肩の力を抜いて、遊び心を大事にやっていこうと思えました。たくさん失敗もしましたけど、そのたびに上司や同僚にサポートしてもらい、すごくいい経験ができましたし、いまも新しいことへポジティブにチャレンジし続けることができると実感しています。なので、学生のうちから「自由な発想で行動し、失敗しながらチャレンジできる」経験ができたらきっと素晴らしいですし、そういう経験をできるだけ多くしてほしいなと思っているんです。

この2つの経験が、学べたり、試せたり、チャレンジできる環境づくりをしていきたいという想いに繋がっています。

 

ーー2021年度、具体的にやりたいことがあれば教えてください。

 

これまでの取り組みはもちろん継続しつつ、高専で取り組まれている研究などを、さくらを通してもっと発信していきたいですね。

高専プロコンやロボコンなど、高専生の研究成果をお披露目する機会が少ないのはとてももったいないと感じます。完成されたものだけではなくて、作っている過程そのものをもっと発信して、より多くの人に高専生の魅力を知ってもらいたいです。それから、さくらには自社サービスを支える優秀なエンジニアはもちろん、起業家を支援しているスタートアップチームや新しい事業を開発するチームもいます。さくらと接点のある企業も含め、さくらというプラットフォームを通して多くの大人たちと繋がってほしいですし、世の中に色々な職業があることを実感しながら、見聞を広げ、チャレンジしてほしいです。そんな彼らの未来の選択肢を増やす手助けをこれからも続けていきたいですね。

 

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