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適応障害になったら、家族やパートナーにどう理解してもらえばいいのか?

適応障害になったら、家族やパートナーにどう理解してもらえばいいのか?

 

適応障害を発症する大きな原因は、仕事のストレスや人間関係。僕自身は今から2年前に適応障害を発症しましたが、やはり仕事が主な原因でした。

しかし、適応障害を発症した後には、もう一つ大きな壁が待っています。それが「家族やパートナーにどのように理解してもらえばいいのか?」です。

 

幸いなことに僕自身はパートナーが同じく適応障害の経験者だったため、闘病中は近くで支えてもらうことができました。

その一方、適応障害の経験をYouTubeやブログで発信していると、「家族やパートナーに理解してもらえないのが辛い」といった悩みを抱えている方が多いことを実感します。

 

身近な存在である家族やパートナーに病気のことを理解してもらえないと、誰に頼っていいかわからず、辛い思いをすることになります。

今回は適応障害になった当事者の立場から、家族や恋人、パートナーなど、身近な存在の人にどのように理解してもらうべきか、僕個人の経験を踏まえてお伝えします。

一緒に病院に行ってもらう

家族やパートナーと共同生活をしている方は、できることなら一度は、一緒に病院に行ってもらうようにしましょう。

前提として「適応障害かもしれない」と感じたら、できる限り早くに精神科や心療内科に足を運ぶことをおすすめします。

 

僕はこの連載で適応障害の経験を発信していますが、専門医ではありません。「こういった状態は適応障害でしょうか?」と質問をもらうことがありますが、その判断を僕がすることは難しいです。

また、適応障害は放置しておくと、うつ病に発展するリスクもある病気です。そのため「適応障害なのではないか」と少しでも感じている人には、できる限り早く病院で受診することを勧めています。

 

精神科や心療内科に対して「ハードルが高い」「何だか怖そう」と印象を持っている人もいるかもしれませんが、決してそんなことはありません。僕も初めて心療内科に行った時は緊張しましたが、いざ足を運んでみると、普通の病院でした。

仕事の上司や同僚とは違って、話を聞いてくれる医者と患者の間には利害関係がありません。何も気を使うことなく、今感じていることや自分の状態をありのまま話すことができます。

 

僕の場合は話を聞いてもらうだけでだいぶ気が楽になりましたし、専門医から「病気だから休んでいいんです」と言われ、納得感を持って休むことができました。

適応障害などの心の病気になると、生活面において家族やパートナーからの支えを必要とする場面がどうしても多くなります。

 

そのため病院に行く際にも、その場に家族やパートナーがいると、現在の自分の状況やこれからやるべきこと、医者からのアドバイスを共有しやすくなります。

 

病気で苦しい時は自分の状態を医者にうまく伝えられないこともありますから、医者に正しく情報共有をして、正しく診察してもらうという意味でも、一度は家族に同伴してもらうのがいいと思います。

適応障害の専門医が書いた記事を読んでもらう

適応障害になってすぐの頃、その旨を実家の両親に報告したのですが、当初は適応障害という病気について二人とも理解があったわけではありませんでした。

うつ病とは違い、適応障害を理解している人、知っている人はかなり少ないと思います。そのため、家族やパートナーが何気なく「甘えているだけじゃない?」「もう少し頑張れない?」と言葉をかけてしまう場合があります。

 

適応障害になる原因の多くは仕事ですが、仕事でも辛い思いをして、自宅でも家族に理解してもらえていないと感じてしまえば、さらに辛くなってしまいますよね。

 

でも、適応障害はれっきとした病気です。甘えなんかではありませんし、気合でどうにかできるようなものでもありません。

病気になった後、ご自分でも適応障害の情報をネットで調べると思いますが、専門医が病気のメカニズムや対処法などを解説した記事があれば、それを家族やパートナーにも共有するようにしましょう。

 

幸い僕の両親も、適応障害に関してよく調べてくれたため、その後は休むことの大切さや環境を変えることの大切さを理解してくれました。

病気で苦しんでいる本人とそれを支える家族の間で、適応障害の理解度や情報量の差が生まれてしまうと、その後のコミュニケーションでも齟齬(そご)が生まれてしまいます。

 

すべての人に理解してもらう必要はありませんが、特に近しい存在の人にはその後のコミュニケーションやサポートしてもらうことも考慮して、正しい知識を持ってもらうように努めましょう。最初は大変かもしれませんが、長期的に考えるとそのほうが良いです。

経験者の話を聞いてもらう

適応障害の経験者の話を家族やパートナーに聞いてもらいましょう。

今ではこうして適応障害の経験について発信している僕ですが、病気で休んでいる当時は冷静に物事を考えられなかったり、家族からの言葉に感情的に反応してしまったりすることもありました。

 

また「~~をしてほしい」「~~はしてほしくない」といったことも、上手く言語化することができず、自分の口ではなかなか伝えにくかったです。適応障害で現在苦しんでいる方の中には、同じような境遇の方もいるのではないでしょうか?

 

そんな時は、自分の代弁者をしてくれる人を探し、家族やパートナーにその人の話を聞いてもらうようにしてください。

 

例えば僕は、この連載で適応障害になった経験を発信していますし、YouTubeでも適応障害の経験談を話した動画をいくつかアップしています。

僕以外にも、うつ病や適応障害など心の病気を克服した方で、YouTubeやブログでその経験を発信している方はいます。

 

自分では言語化することができず、上手く伝えられないという方は、自分の代わりに想いを伝えてくれる代弁者を見つけ、その人の経験談を家族やパートナーに聞いてもらうようにしましょう。

 

病気を一緒に乗り越えれば、家族との絆が深まる

病気を一緒に乗り越えれば、家族との絆が深まる

適応障害になった当事者の立場から、家族やパートナーにどのように病気について理解してもらうべきか説明しました。

適応障害になった後、家族やパートナーと上手くコミュニケーションできなければ、病気がきっかけで関係が冷え込んでしまう可能性もあります。

 

その一方「一緒に適応障害を乗り越える」という意識を共有することができれば、病気をきっかけに家族との絆を深めることもできます。

 

僕自身はパートナーが適応障害の経験者だったため、僕の状態をよく理解してくれ、そして支えてくれました。辛い時期を一緒に乗り越えたからこそ、絆が深まったと感じています。

現在適応障害に苦しまれている方、家族やパートナーとのコミュニケーションに悩まれている方は参考にしてください。

こちらの記事もあわせてご覧ください➡人生の悩みの99%は人間関係!課題の分離ができれば生きるのは100倍楽になる

 

 

執筆

原貫太

1994年生まれ。フリーランス国際協力師。早稲田大学卒。 フィリピンで物乞いをする少女と出会ったことをきっかけに、学生時代から国際協力活動をはじめる。これまでにウガンダの元子ども兵や南スーダンの難民を支援。出版や講演、ブログを通じた啓発活動にも取り組み、2018年3月小野梓記念賞を受賞。

編集

川崎 博則

1986年生まれ。2019年4月に中途でさくらインターネット株式会社に入社。さくマガ立ち上げメンバー。さくマガ編集長を務める。WEBマーケティングの仕事に10年以上たずさわっている。

※『さくマガ』に掲載の記事内容・情報は執筆時点のものです。

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