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不自由な働き方を変えるため、髪型を変えた。アンドロイドお姉さんの新しい挑戦

こんにちは、アンドロイドのお姉さんです。いきなり近況報告になってしまい申し訳ないのですが、最近髪を切って髪色を明るくしました。そんなこと記事に書くような事でもないだろうと言われてしまいそうですが、私の中では大きな決断でした。

 

変化を恐れて「新しさ」から遠のいていた

 

変化を恐れて「新しさ」から遠のいていた

私が現在こうしてアンドロイドモデルとして活動できているのは、アンドロイドを演じた動画がネットでバズったのがきっかけです。その動画が撮影されてからちょうど3年が経ちます。

あの時の姿形のままでいられたら、あの1,300万回再生された動画の見た目のままでいられたらもっと仕事が来るかもしれない、有名な監督さんから声がかかるかもしれないという思いをずっと捨てきれず、あの時から外見を何一つも変えられないでいました。

 

フリーランスになってからも仕事依頼が来たり、有名な監督さんから連絡をいただいたこともあったので、現状維持をし続けた事もあながち間違いではなかったのですが……。

 

たまにインタビューなどで「新しい価値観の職業」「AI時代の新しい働き方」という紹介をされることがあります。仕事としては珍しい、ロールモデルのいないジャンルを突きすすんでいるのでそのように言われるのは納得できます。

しかし、私自身イメージ通りに振る舞わなければと自分で縛ったルールのせいで髪色一つ変えれない不自由な働き方になってしまっていて、そんな中で「新しい価値観の働き方」を語るのは少し違和感がありました。

作品に反映されているアンドロイドのイメージ

なかなか髪型を変えられなかった理由として「アンドロイドを演じる時は黒髪のショートボブが、一番観客に説得力を持たせられる髪型だ」という認識がありました。

 

アンドロイドでやっていこう、と決めた時に参考となるSF映画やドラマを沢山見たのですが、2010年に放送されたドラマ『Q10』でロボットを演じた前田敦子さん、映画『僕の彼女はサイボーグ』でサイボーグ役を演じた綾瀬はるかさん、お二方とも肩につかない長さで切りそろえられた黒髪のワンレンショートボブスタイルでした。

有名SFアニメでいうと『攻殻機動隊』主人公の女性型サイボーグ草薙素子も前下がりのボブです(画像を確認してみるとめちゃめちゃ後ろ髪短いですし、髪色も紫寄りなのでひとくくりりにするのはどうかなと思いますが、真正面からのビジュアルは黒髪ショートボブに見えます)

あと最近だと、令和の01号ライダーとして人気を博した『仮面ライダーゼロワン』に登場する秘書のAIロボット「イズ」も例に漏れず黒髪ショートボブです。これに至ってはキャラデザの時に、私の画像なんかも参考にされてたりしたのではないかと推測してしまいます(妄想)。

なぜなら「アンドロイド 人間」という検索で私のアンドロイド画像が一番上に出てきてしまうので、資料として使われやすかったりするらしく……(別案件ですが事後報告をDMでもらう事が多々ある)。

しかし、出演オファーがなかったのは「解せぬ」と思っています。なかやまきんに君さんはヒューマノイドロボット役として出てるのに「なぜッ」と首を捻らざるをえません。

 

……と最後はすこし愚痴っぽくなってしまいましたが、アンドロイドやAIが活躍する未来を舞台にした作品(主に日本の)を並べて見ても黒髪ショートボブのイメージが強く、キャラデザにも反映されていることが分かります。

未来の生活から予想するアンドロイドのイメージ

SF映画の世界のようにアンドロイドが商業施設や街中に設置されたり、家庭用として流通する未来がくるとすれば、外見で優しいイメージがもたれやすい女性型が幅広い用途で使用されるのは想像に容易い事です。

社会性の側面から見ても女性型のアンドロイドのほうがコミュニケーションを取りやすいようで、現在日本科学博物館にいらっしゃるアンドロイドも女性型ですし、世界初のアンドロイドアナウンサー「アオイエリカ」さんも女性型です。

また性産業の部分でも、女性型アンドロイドの開発は早いスピードで発展していくと思います。

アンドロイドにやわらかい女性らしい印象を簡単持たせるには長い髪の毛を巻いてフワフワにするのもいいと思います。ですが、製作コストやメンテナンスなど面倒な過程が増えるので合理的に考えればお手入れの面倒がなく、かつ女性らしい印象を与えられるショートボブはアンドロイドを造る時の選択肢として最高の髪型ではないでしょうか。

見た目を変えることで表現をひろげる挑戦

こんなことを考えながら、3年間を黒髪のショートボブで過ごしてきました。でも正直に言うと飽きてしまいました。

 

見た目を変えることで表現をひろげる挑戦

 

アイドルをやっている子だって、覚えてもらいやすいように髪型をツインテールならツインテールに固定して、メディアやライブに出るたびに「あのツインテールの子」と認識されるよう戦略を練っていると思います。

でも、いつかのタイミングで縛っていたものを解いて、新しい自分を見せて変化したパフォーマンスをすることで、アイドルとしても表現者としても、もう一段上のステージに行けるのだと思って見ていました(私、昔からアイドル好きです)。

 

私はアイドルではありませんが、そろそろ変わる時が来たのかもと思いました。急に思い立ってインドに行ってしまったあの時のように、今回も変わりたいと思い立ったのです。

 

3年間もやってきたのだからパフォーマンスに関しては一流だと思っていますし、プライドも持っています。だからこそ自分の課した外見のルールに縛られることなく自分のありたい姿で表現したい。そんな縛りが無くても見る人に説得力を持たせることができるか試したい、と思い決断した新しい挑戦です。

 

髪を切るというのは過去のしがらみを切り落してあげる事」みたいな言葉がTwitterに流れてきて大げさだなぁと思ったのですが、いざ切ってみると確かにしがらみから解放されて、また新しい自分で歩きだせそうな気になりました。

ブリーチを1回して襟足を短くした新しい髪型は、鏡で見ると男の子みたいにみえて、いまだに照れ臭くなってしまいますが、気に入っています。

 

髪を切って新しい挑戦

きっと2045年の未来は(シンギュラリティに到達されるという年。私もたまに年代設定で使います)肌の色や人種、髪型や服装なんかで区別される時代ではないはずです。(ないと思いたいし、そんな未来にならないように今、沢山のムーブメントが起こっています)

だからアンドロイドを演じている私も、もっとフレキシブルにいろんな見た目に挑戦してもいい。どれも正解だと自分で答えを出せばいいと思えるようになりました。

 

sakumaga.sakura.ad.jp

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執筆

アンドロイドのお姉さん SAORI

モデルとして活動していたがアンドロイドパフォーマンスで注目を浴び、以来アンドロイドタレントとして活動中。 フリーランスになり、ラジオ、YouTube、勉強会での登壇などマルチに活動している。
Instagram :https://www.instagram.com/saotvos/

編集

川崎 博則

1986年生まれ。2019年4月に中途でさくらインターネット株式会社に入社。さくマガ立ち上げメンバー。さくマガ編集長を務める。WEBマーケティングの仕事に10年以上たずさわっている。

※『さくマガ』に掲載の記事内容・情報は執筆時点のものです。

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