本場で食べると、いつもより美味しいということがある。
いつだったか、佐賀の呼子に行ってイカの刺身を食べた。呼子はイカで有名な街だ。もともとイカの刺身は好きだったけれど、呼子で食べるイカの刺身は、いつもの倍の倍の倍の美味しさだった。
思わず、「倍の倍の倍」と東京節の「パイノパイノパイ」のリズムで言ってしまった。佐賀で東京節のリズムというのがおかしいけれど、粋なかまえの帝劇の映像が浮かんだ。
また苦労したら美味しいということもある。
山奥の村にジャガイモを堀りに行ったことがある。行くまでも道が細くウネウネしていて、車の運転が下手な私には大変な道のりだった。そして、畑でジャガイモを掘るのも大変。鍬で掘って、地表に出てきたジャガイモを手動で拾い集めに行く。
腰が痛いこと、痛いこと。またジャガイモは7月頃に収穫だから暑いこと、暑いこと。痛くて暑い。「近くて遠い」みたいな甘い恋愛ドラマみたいなことはなく、痛くて暑いはリアルにキツかった。
ただそのような苦労をして掘ったジャガイモはとても美味しかった。蒸して味噌をつけて食べたのだけれど、とても美味しかった。今まで食べたジャガイモの中で一番美味しかったと言ってもいいかもしれない。苦労は味に反映されるのだ。
至高のグルメは苦労して現地で食べる
上記のように現地で食べると美味しい、苦労すると美味しい、は新たなる視点のグルメだ。みんな知っていることだけど、意外とやらないことだ。近場で美味しいものを食べようとしがちだ。美味しいお店を紹介するサイトが人気なのもその影響だろう。
本当の美味しいものを食べようと思えば、「苦労して現地で食べる」が正解な気がする。最高の調味料となるのだ。そこで私はヨーグルトに注目した。その理由として、私が毎日ヨーグルトを食べているからだ。
ヨーグルトに味がついているものが好きだ。ブルーベリーが入っていたり(ブルーベリー&3種のベリー)、イチゴが入っていたり(さわやか苺)、モモが入っていたり(とろける白桃)など、そういうヨーグルトが好きなのだ。少し割高だから、いいことをした日とかのご褒美的に買って食べている。
これをもっと美味しく食べたい。
至高のヨーグルトならブルガリアでしょ
そうなるとまずはブルガリアに行くことになるだろう。ヨーグルトにブルーベリーやイチゴが入っていたとしても、メインはヨーグルト。メインにこだわる必要がある。ヨーグルトの本場、ブルガリアなのではないだろうか。
日本で最初に発売されたプレーンヨーグルトは「ブルガリアヨーグルト」だった。日本人にとってヨーグルトの本場はブルガリアということになる。ちなみに1970年に開催された大阪万博のブルガリア館で明治のスタッフが本場のヨーグルトに出会い、開発されたそうだ。
明治のブルガリアヨーグルトは十分に美味しいけれど、本場ならもっと美味しいだろう、ということで、私はブルガリアに旅立った。すべてはグルメのため。ブルガリアは直行便もないし、言葉もブルガリア語だし、苦労することになる。これで「苦労して現地で食べる」がすべて整ったことになる。
至高のグルメ 材料を揃える
ブルガリアは長らくソ連の衛星国だった。その時代のブルガリアは農業に力を入れていた。輸出できる高い品質のものが農産物しかなかったほど。ただ現在のブルガリアの農業は遅れていると言える。機械化も進んでおらず、お隣のルーマニアと比べるとかなりの差がある。
農地の8割は100ha以上の大規模農家が占めているので、機械化が進めば、かなりの効率化が望めるので、今後に期待したい。
ただスーパーに行けば、たくさんのヨーグルトが並んでいる。やっぱりヨーグルトの国なのだ。ここまで来た甲斐があった。
ブルガリア語は文字もキリル文字っぽいもので、見ても全然わからない。かなり困る。英語が一緒に書いてないこともあるので、もう本当にこれはなに? 状態。でも、いいのだ。この苦労がどんどんヨーグルトを美味しくしているから。苦労をこんなに喜ばしいと思うことは今までなかった。
雰囲気を察してもらう
ヨーグルトは買えたので、次はその中に入っているものを買う。「ブルーベリー&3種のベリー」と「さわやか苺」と「とろける白桃」を買わなければならない。市場を見つけたので、そこで探す。フルーツはもちろん、野菜なども売っていおり、なかなかの賑わいだ。
グラムで量り売りされているので、必要なものを見つけては、指で「これ欲しい」的な雰囲気を出しつつ、ヨーグルトの容器を見せて、「これくらい欲しい」的な雰囲気を出す。言葉がわからないから、雰囲気を察してもらうしかないのだ。
黒い小さな粒はなんなのかわからない問題もあった。ブルーベリーが欲しいのだけれど、文字だとわからないし、名前も違うらしい。ブルーベリーではないのだ。後で知るのだけれど、無理やりカタカナにするとブルガリア語ではブルーベリーは「ボールベイター」らしい。
もっとも物を見て、これがなんだか同定できればいいのだけれど、黒い丸いやつという知識しかないので、それっぽいのを見つけては買った。苦労に震える。だって、どんどんヨーグルトが美味しくなっていくから。
どれかがブルーベリーであるとすれば、作りたいのは「ブルーベリー&3種のベリー」なので、問題ない。ブルーベリーと3種類のベリーをヨーグルトに入れればいいのだから。なので、4つのベリーをとりあえずヨーグルトに入れた。
フレキシブルが大事よ
次は「とろける白桃」を作る。これは簡単だ。モモを入れればいいから。本当は白桃らしいけれど、白桃もそうでないやつも、全部白桃や、ということにした。フレキシブルな対応を大切にしている。海外に行く時のポイントはフレキシブル。
だって、事前に立てた予定なんて現地に来ると全然上手くいかないのだから。それが海外だから。フレキシブルなのだ。
ちなみに日本からパッケージを持って来ている。おそらくなのだけれど、ヨーグルトを持ち込むことはダメっぽいので、パッケージだけ持って来て、現地で買ったヨーグルトを入れ、果物を入れて、至高のヨーグルトを完成させている。
せっかく市場に行ったので「ラズベリー」も買った。日本ではラズベリーがスーパーに並んでいることは少ない(冷凍はあるけど)。腐りやすかったり、そもそも国内ではそんなに活発に作っていなかったりで少ないのだ。
ただ海外に行くとよく見かける。ヨーロッパとかだと時期にもよるけれど、イチゴより見かける。私は好きなので必ず買うようにしている。
食べるぜ、至高のヨーグルトを!
これで4つのヨーグルトが完成した。長い道のりだった。そもそも日本からブルガリアまでが物理的に長い道のり。ブルガリアについてからも、言葉がわからなかったりで、果物を買うのも苦労した。
でも、美味しいを感じる条件はすべて揃った。これが至高のグルメなのだ。
今まで食べた「ブルーベリー&3種のベリー」で一番美味しかった。だって、苦労が違うから。そして、現地だから。この中に本当にブルーベリーがあるのかも謎だけれど、色的にブルーベリーっぽいので、これを正解ということにしたい。本当に美味しくて、おかわりをしたくなるほど。やっぱり至高のグルメなのだ。
とても爽やか。今までの「さわやか苺」の中で一番爽やかだったと思う。イチゴの分量がこっち次第なので、イチゴ味がすごい。もちろん日本でだってできることだけれど、現地だから。だって、苦労が違うから。美味しいに決まっているのだ。日本の「さわやか苺」は現地で苦労した「さわやか苺」にはかなわないのだ。高校生の恋、くらいさわやかだった。
モモの色を見る限り、たぶん白桃ではない。ただとろけている。だったらそれはもう「とろける白桃」なのではないのか、ということなのだ。フレキシブルに行こうではないか。とても美味しいし。だって、苦労が違うから。そして、現地だから。私もとろけそうだった。
やっぱり苦労して現地で食べるのが至高のグルメ
全部入りは洋服が急に変わるほどの美味しさだった。もうヨーグルトの味なんてしないもんね。ほぼ果物の味。でも、いいじゃない、美味しんだから。そして、これがなぜこんなにも美味しいのか、皆さんはわかるだろうか。答えは簡単だ。
だって、苦労が違うから。そして、現地だから。
そういうことなのだ。味は環境に左右されるのだ。海外旅行は、このような美味しいに出会いやすい。だって、苦労が違うから。そして、現地だから。
そして、これ!
もちろん例外もあって、現地に行かなくても、苦労しなくても最高のものもある。それが「さくらインターネット」。使うサービスによるけれど、基本的には自宅で使えるし、丁寧に説明が書いてあるし、使いやすい。サーバのグルメの答えとしてはさくらインターネットだと思う。本当に。もう10年以上使ってるから!
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それと同じように、家で食べるヨーグルトも十分に美味しんだけどね。 自宅でも美味しいよ!