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こんにちは。フリーランス国際協力師の原貫太です。
さくマガの連載コラムではこれまで、「心の「本音」に耳を傾けよう。適応障害になり、僕は大好きだった仕事を辞めた。」「うつ病は心の風邪ではなく、心の癌だ。僕はこうして付き合い方を見つけた」など、僕が2年前に経験した適応障害について発信してきました。
たくさんの方に読んでいただき、とても嬉しいです。ありがとうございます。
適応障害になった経験を振り返ると、辛いことはたくさんありましたが、中でも思い出されるのが「健康な時だったら何でもないことが出来なくなってしまうこと」だったと思います。
クレジットカードの手続きができず、地面にうずくまってしまう
僕は2018年5月末、まだ大学を卒業して2ヶ月も経っていない時に適応障害を発症し、仕事を休むことになりました。
僕の場合は強い抑うつ症状を併発していたため、発症した当初はうつ病とほとんど変わらない状態でしたね。実際、専門医にも「適応障害とうつ病の区別を付けるのは難しい」と言われていました。
当時の僕は、起業したNPOの代表という立場にあったのですが、休職後2ヶ月くらい経ったある日、僕名義で契約していた団体用のクレジットカードに不備があると、クレジットカード会社から電話をもらったんです。
健康状態が普通の時であれば、何も難しいことはない、ただ書類を郵送すれば完了する簡単な作業です。しかし、「適応障害を治すためには、とにかくストレスを減らさなくてはならない」と考えていた僕は、何かをしなければいけないという状況になることを過度に恐れていました。
今となっては、「ほんの2, 30分だけ頑張れば終えられる作業だった」と冷静に振り返ることができますが、あの頃は「何かをしなくてはいけない」「誰かと連絡を取らなければいけない」そういった状況にすごく恐怖感を抱いており、クレジットカード会社から電話をもらった直後、地面にうずくまってしまったのを覚えています。
ほんの少しの労力で完了できるはずの作業も、あの頃の僕には無理でした。
何でもできる自分から、何もできない自分へ
結局、クレジットカードの手続きは家族に助けてもらいながら、何とか終えることができました。
でも、”そんなこと”ですらできなくなってしまうのが、うつ病なのだと思います。心の病にかかると、生きるだけで精一杯になってしまいます。
病気を発症してすぐの頃は、「今日は食事を作れた」「今日は皿洗いができた」「今日はゴミ捨てに行けた」「今日は本が読めた」と、一つひとつの”作業”を終えるたび、自分で自分に確認をしていました。
病気になる前の自分は、大学に通いながらNPOを起業し、周りからは「国際協力界の若手ホープだね」とすら言われていました。当時はテレビで特集を組まれたり、講演会を開けば数十人が集まったりと、何でもできるような気がしていました。
でも、うつ病になった後の僕は、クレジットカードの手続きすらできない、何もできない自分になってしまったんです。それまでは起業し、バリバリ働いていた人間だからこそ、その落差は凄まじかった。自己肯定感は極限まで落ちました。
そして、自己肯定感が落ちることによって”うつ”の症状が誘発され、色んなことができなくなってしまい、さらに自己肯定感が落ちて、もっとできなくなる…と、負のスパイラルに苦しんだのを覚えています。
大切なのは、できない自分も受け入れてあげること
適応障害を発症し、半年ほど休養を取った結果、僕の症状はほとんどよくなりました。2018年末には団体を離れ、その後フリーランスとして働き始めるなど、仕事の環境を変えたことも影響しています。
しかし、発症から2年以上が経った今でも、時々ですが「うつ」のスイッチが入ってしまう時があります。
そんな時、大事なことは「自己肯定」ではなく、「自己受容」だと僕は考えるようになりました。
僕は心の病気になったことをきっかけに、世界三大心理学の一つと言われるアドラー心理学を勉強しました。大ベストセラーになった『嫌われる勇気』を読んだことがある人は、多いのではないでしょうか。
アドラー心理学では、「自己肯定」と「自己受容」を明確に分けています。自己肯定は、自分にはできもしないことであっても自己暗示をかけ、「自分はできる」と言い聞かせること。その一方の自己受容は、「できない自分」もありのまま受け入れることを意味します。
アドラー心理学では、自己肯定は否定し、自己受容しながら前に進むことを推奨しています。
何かができない状況に置かれた時、人は「こんなダメな自分は嫌だ! こんなのは自分ではない!」と思いがちです。どれだけ悪い状況に直面していても、「前向きに行こう!」とやたらとポジティブに考える人たちもいます。
でもそれは、現実逃避と同じようなものだと思います。
まずはできない自分をありのまま認めてあげる。良くない状況に遭遇すれば、まずはしっかりと現実を直視する。
そうやって、良くない自分さえも受け入れる「勇気」がなければ、人は本当の意味では幸せになれないと思います。偽りの自分を飾ったところで、心の奥底では違和感を拭い去れないはずですから。
病気になってすぐの頃は、うつ病になってしまった自分を嫌いになっている自分がいました。
しかし、今ではこうやって病気の経験をありのまま受け入れ、それを発信することができています。
病気になってしまった自分のことも受け入れられるようになってから、僕は少しだけ幸せな人生を送れている気がします。
僕が適応障害になって学んだことは、以下の記事でも詳しく書いています。ぜひ、あわせて読んでみてくださいね。
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