こんにちは、さくらインターネットの武田と申します。以前、このような記事を書いた者です。
2歳の子どもがいる、お母さん社員が在宅勤務(リモートワーク)をやってみた
この記事が公開された後、私の在宅勤務の状況は変わってしまいました。子どもが通っている保育園から「保護者が在宅勤務の場合は登園を自粛してほしい」という要請がありましたので……
もちろん緊急事態宣言を受けてのことです。
そんなわけで、今回は「在宅勤務しながら保育」を2か月ほど続けてみた私の経験をご紹介します。さくマガ読者に需要があるのか若干の不安はありますが、ぜひ最後まで読んでいただけると嬉しいです!
在宅勤務と育児の両立は不安しかなかった
我が家は夫と息子(2歳になったばかり)、そして私の3人家族です。夫はリモートワークが難しい職種のため、緊急事態宣言後も会社へ出勤しています。そのため、登園を自粛するということになると、私が仕事をしながらひとりで子どもをみるしかありません。
保育園から自粛要請がくるであろうことは、学校が休校になっている時点で予想はできていましたし、子どもの感染リスクを考えると保育園に行かせることについて私自身思うところはありました。
しかし、実際に子どもを預けられない状況となると精神的にかなりキツイ。仕事しながら子どもをみるなんて「無理ですね」と言い切ったばかりです(前回の記事参照)。無理だとわかっていることをやらなければならない、しかも終わりが見えない、となると不安しかありませんでした。
とはいえそうも言っていられませんし、腹をくくるしかない。ひとまず上司や同僚には「今日から試しに子どもをみながら勤務します」とお伝えしました。学校もほとんどが休校になっていましたし、社内には同じような状況の方が結構いるということもあり、「今は仕方ないよね」と言う感じで寛容に受け入れていただきました。
「不要不急」のことはしない
以前の記事で「在宅勤務だと合間にちょっとした家事ができて、しかも気分転換にもなって最高」みたいなことを書きましたが、子どもの昼食の用意をするのが精一杯でした。
2歳の子どもがいる、お母さん社員が在宅勤務(リモートワーク)をやってみた
ひとりで在宅勤務しているときは、好きなものを好きな時間に食べれば良かったのですが、食事のタイミングは子どものお腹が空く時間に合わせないといけませんし、食べるものも大人と全く同じではなく、子どもでも食べやすいものを考えたりします。
まだ2歳なので勝手に食べといて、というわけにもいかず、勤務時間内に昼食をとらせるだけでも結構負担は感じます。
当初、在宅勤務となったことで、家のことをきちんとしよう、などと自分自身で勝手にハードルを高くしていたフシがあるのですが、このような状況になって、「あ、無理やな」と早々に諦めました。私、そこまで器用な人間じゃなかったです。
そんなわけで、「不要不急のことについてはしない、今やらなければいけないことを優先する」ということにしています。結局、夜に子どもが寝た後や、土日にやることが溜まるんですけどね。
ひとりで遊んでいるときでも目を離すことはできない
家事すら自分のペースでできないことが多いため、会社の仕事が想定通りに進むはずがありません。子どもを膝の上にのせて仕事をしていると、「これ、なーに?」祭り(PCの画面を指さしながら)がはじまり、作業を中断せざるを得ないことも多いです。
どうしても集中したいときは子ども向け番組の録画を流すなどしてテレビを見るように仕向けたりもしますが、それもずっと集中して見ているかというとそうでもないです。
奇跡的におとなしくひとりで遊んでいる時でも、完全に目を離す(仕事に集中しすぎてしまう)のは危険でして、常に息子へのアンテナは張っている必要があります。本当に大人が考え付かないことをしますので、思わず笑ってしまうのですが、毎日ヒヤヒヤです。頼むからケガだけはしないで……。
お昼寝中がチャンス。でも想定通りにはいかない
息子は、一度寝ると1~2時間起きないので、スムーズにお昼寝してくれたときなどは、その間に集中して仕事を片付けたりすることもあります。
しかし、だいたいはこれぐらいの時間に寝てくれるという目安はあっても、きちんと時間が決まっているということでもないので、なかなか難しいですね。
何時にお昼寝させて何時に起こす、と思った通りにいったことはほぼないです(ちなみに、うっかり寝かせすぎると夜の寝かしつけで地獄を見ます)。
自分の都合で時間配分ができないため、業務量はそれ相応に考えて調整する必要があります。これについては、上司や同僚の理解あってこそですので、大変感謝しています。
Web会議はどうする?
Web会議はいつも緊張します。絶妙なタイミングで「かまってちゃん」がやってくるので、相手側に子どもの声が入って邪魔にならないか、画面に乱入してこないかとドキドキしてしまいます。
いつぞやの会議では、私が真剣に話をしている途中で「ぱん! ぱーん!」と叫んでくれたため、同僚にニコニコされました。そっとパンをお渡しして静かにしていただきました……。
また、以前は有線のイヤホンマイクを使用していたのですが、子どもが膝の上にのってきた際に絡まったり、PCから引っこ抜かれたりしたので、ワイヤレスのヘッドセットを買いました。
意外なことに、私の膝に座らせていたら、Web会議中の画面をじっと見て静かにしていることもありました。見たことがない人が映っていて珍しかったのかもしれません。
会議中の「不測の事態」については、はっきり言って防ぎようがないのですが、子どもの声が聞こえたり、子どもの姿が見えたりしても見守っていただける環境であることは救いではあります。こっちは恥ずかしいですけど。もう少し大きくなったら言い聞かせて静かにしててもらうこともできるんでしょうかね……。
まとめ。在宅勤務と保育の両立は、やはり無理
在宅勤務と保育を1か月以上続けてきましたが、両立するのはやはり「無理ですね」という感想は変わりません。考え方を少し変えるとほんの少し楽になることはあるかもしれませんが……。
新型コロナウイルスの影響で仕事を失う方も多い中で、私のように子どもの面倒を見ながら(しかも比較的リスクの少ない環境で)仕事ができていることはとてもありがたいと思っています。しかし、今回、「在宅勤務しながら育児やっていけるよ」という成功体験にはなりませんでした。
「やるしかないからやっている」というだけであり、仕事も育児も中途半端になっており、とても「成功している」とは言えないのです。周囲の方が今は仕方ないよね、と思っていただいていることは大変ありがたいのですが、やはり仕事をするからにはきちんとしたいなぁという気持ちはありますし。
とはいえ、息子とずっと一緒に過ごすというのは良い経験でもありました。保育園に通っているときも、お便りなどで日中の様子を教えていただいていましたが、日に日にいろんな言葉を発するようになっていったり、できることが増えていく様子を直に見ることができました。
また、夫は以前から育児にも家事にも積極的なタイプでしたが、夕方になると疲れ果てている私を見て思うところがあるのか、さらにいろいろとがんばってくれるようになりましたし、自粛期間中、悪いことだけでもなかったと思います。
保育園の自粛解除も近いので、そろそろ私の在宅勤務はまた元の快適な環境に戻るのですが、新型コロナウイルス流行の第二波がくることも予想されていますので、今後も気を引き締めておきたいところです。