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美容院で髪を切りながら経営者トーク。LONESS 本田 治彦さん × さくらインターネット 田中邦裕

美容院で髪を切りながら経営者トーク。LONESS × さくらインターネット

≫ 「やりたいことをできるに変える」職場で働きませんか?

本田 治彦(ほんだ はるひこ)さん

表参道と銀座に店舗を構えるヘアサロン LONESS(ローネス)代表。大学に通いながら美容師免許を取得。確かな技術でタレント やモデルなどのファンも多い。

田中邦裕(たなか くにひろ)

さくらインターネット創業社長 1978年大阪府生まれ。96年、舞鶴工業高等専門学校在学中に18歳でさくらインターネットを起業。

美容院はリラックスできる場所で、担当美容師さんにはいろいろなことを話してしまう方も多いのではないでしょうか。

今回はさくらインターネット代表の田中が、いつも髪を切ってもらっているLONESS代表の本田治彦さんに髪を切ってもらいながら対談をしました。

リラックスした空間だからこそ聞ける話も飛び出しました。

髪を切りながらの経営者トーク

髪を切りながらの経営者トーク

ーー早速ですが、田中さんは紹介され、本田さんに髪を切ってもらうようになったそうですが、お二人の第一印象を教えてください。

田中:優しそうな人だなあと思いました。イケてる美容師さんだと聞いていたので、ギラギラした感じだと思ったんですけど(笑)。柔らかい感じでしたね。

本田:会社の社長ということでお会いするまではどんな怖い人が来るんだろうと思ってました。第一印象は思ったより背が高いと思いましたね。事前にホームページとかで写真は見ていたんですけど、大きい! って思いました(笑)。

田中:そうそう。よく言われるんですけど、大きいんですよ。188cmあるんです。

本田:第一印象で素敵な人だなと思いました。接客業やっているとなおさらわかるんですけど、第一印象ってすごく大事なんですよ。「こんにちは」って言う時の表情が笑っているか、いないかで与える印象が全然違いますから。田中さんは笑顔だったので、素敵だと思いましたね。

本田治彦さんがLONESSを開業したきっかけ

ーー本田さんは2016年3月にLONESSを開業しましたが、開業したきっかけを教えてください。

本田:親が自営業だったので、仕事するなら自営でやるものだと勝手に思ってたんですよ。そういう風に育てられましたね。経営について学ぶために、大学は経済学部の経営学科に行きました。自営でやっていくためにどうするかを学生時代からずっと考えていましたね。

美容師として開業したのは美容師の仕事が好きだったからです。「好きなことを仕事にするとダメになる」と言われたこともあるのですが、好きなことだったら辛いことがあっても乗り越えられると思っています。人生楽しく過ごしたいので、楽しく生きるためには好きなことをやるしかないと思っているんです。

田中:それって重要ですね。「好きなことを仕事にしたら好きだったことが嫌になる」と言う人もいるんですけど、でもそれって本当に好きなことだったの? って思うんですよ。 本当に好きだったら大変なことがあっても続けられると思うんですよ。

仕事は苦しくて楽しくないものという考えの方が一定数いるんですけど、大前提として仕事は楽しくていいと思うんですよね。楽しいと思えば楽しい面がたくさん見えますし、楽しくないと思うと、楽しくない面が見えてきちゃいます。

本田:長年やっていくには自分で楽しさを見つけるというのは大事ですよね。

田中:そうですね。苦しいことは当然あるんですけど、苦しい中にも楽しいことはありますから。

髪を切りながらの対談

会社が成長するタイミングとは?

ーー本田さんから田中さんに経営者として経営のことで聞きたいことはありますか?

本田:会社が一気に成長するタイミングってどんな時なんですか?

田中:成長すると決めた時ですね。

本田:それは、どういうことですか(笑)。

田中:この資料を見てほしいんですけど、うちの成長のカーブって極端なんです。伸ばさないと決めたら伸びなくなるし、伸ばすと決めたら伸びるんですけど。

さくらインターネットの売上と社員数の推移
さくらインターネットの売上と社員数の推移

田中:2004年に伸びているのがわかると思うんですけど、この時期は上場するぞ! ということで社員数を増やして売上も伸びたんですね。ただ、2007年に債務超過になったんです。ここで抑制しようとなり、社員も辞める方が増えました。伸びない会社にいても面白くないですから。

社員数が減って売上も減ったんです。その後、2015年に「チャレンジ300」という目標を設定しました。当時の売上は100億円にも満たなかったんですけど、売上を300億円にするぞと目標を掲げたんです。

ただ、売上を300億円にするには社員数が倍は必要だとわかったんですね。それで積極的に採用活動を進めました。その結果、売上も伸びたんです。

保守的にすると社員は少なくなって売上は減るし、積極的になると社員数は増えて売上は伸びます。要するに「決め」の問題ですね。

本田:確かに。頑張って社員を増やさないと伸びないなと思っています。人件費って固定費になるので、経営者としては怖いんですけどね。

田中:固定費率が高くなれば当然リスクも高くなりますからね。バランスをどうするかが大変ですよね。

情報はオープンにする

情報はオープンにする

本田:美容師って個人の売上を上げないと給料が増えない仕組みになっているんですけど、会社に対してどれくらい貢献したかで給料が決まるようにしたほうが良いと思っているんです。そこは変えていきたいなと思っています。

美容師の中にも「エース」と「リーダー」がいるんです。エースは個人で売上をどんどん上げていくタイプで、リーダーはお店のスタッフをまとめていくタイプ。エースとリーダー両方必要だと思っています。売上だけで言えばエースのほうが貢献しているんだけど、会社への貢献としてはリーダーのほうが貢献しているかもしれないですよね。そういうことも評価として考えたいと思っています。

あと、以前勤めていた会社での経験談なんですが、経営層で決めたことがスタッフまで伝わらないことが多いんですよね。なぜか経営層は隠したがるんです。それって良くないなと思っているので、LONESSではオープンにするようにしています。

田中:なんで経営層の方って情報を隠したがるんですかね?

本田:なんでですかね。そうやって情報を隠されるとスタッフに不満が溜まるんですよね。そうなると、不満が溜まって不満を言わないで辞めてしまう人が多いんです。不満を言ってくれれば、会社としてどうにかするよって話ができるじゃないですか。だから、なるべくオープンにしています。

田中:「最近の若い人は上司の自分に何も話してくれない」って話をよく聞くんですけど、若い人たちは”あなた”には何も話さないだけで、他の人には話してるんですよね。”あなた”の態度がそうさせてるだけなんです。

それと同じで「最近の若い人は飲み会に来ない」って話もよく聞きますが、最近の若い人は上司とは飲みに行かないだけなんですよね。

本田:確かにそうですね(笑)。僕の場合はできるだけお店のスタッフを誘うようにしてます。今月は誰と誰って決めて、コミュニケーションを取るようにしています。

美容業界に「経営」と「チームワーク」を取り入れる

本田治彦さん 美容業界に「経営」と「チームワーク」を取り入れる

本田:最近思っているのが、美容師じゃない人を雇っていきたいということです。すでにプレス担当の人間が2人いるんですけど、その他に通販部門を立ち上げて通販の担当者を雇ってECで売上を上げるといった感じですね。違う分野の人から見た意見っていうのも大事だと思うんです。

田中:お話を聞いて一貫しているなと思ったのは、美容業界に「経営」と「チームワーク」を導入しようと考えているということですよね。チームって単に仲が良いということじゃなくて、違う属性の人がいないといけないと思うんです。僕の場合は組織づくりが苦手なので、組織づくりが得意な人に役員になってもらっています。

違う属性の人が一緒になることでチームになると思うんです。短期的には同じ考えを持った人で集まったほうが、考えも一緒だから効果が出やすいと思いますけど、違う人が集まることでまったく違うことができると思いますから。

本田:そうですね。客観的に言語化してもらえると、わかりやすいですね。

ーー「by your side , be yourself(あなたに寄り添い、あなたらしく)」というLONESSのコンセプトに対する想いを教えてください。

本田:お客さまに対してもそうですが、スタッフ同士でも「by your side , be yourself(あなたに寄り添い、あなたらしく)」を意識して仕事をしてもらうようにしています。美容院のコンセプトってお客さまに対してのものが多いと思うんですけど、LONESSではスタッフに対してもコンセプトを元に行動するように伝えています。2年半くらいかけてコンセプトは考えましたね。

田中:それって重要ですよね。LONESSってどういう会社なのって聞かれたときにスタッフ全員が答えられるようになると素晴らしいですよね。会社っていう意識を持つと分裂しにくいと思います。ちなみにそういうコンセプトや想いっていうのはどういう機会にスタッフの皆さんにお話しするんですか?

本田:今は2-3カ月に1回、全員が集まる機会があるので、その時に話しています。コンセプトと一緒に「100年続くお店を作ろう」ということもみんなによく話しています。100年続けるには3世代くらい続ける必要があるので、そのためにどうしようかと考えてコンセプトを作ったという話をしますね。

田中:100年! それはすごいですね。

本田:コンセプトを話す機会を作っておくと、スタッフが仕事をしているときに「その行動はLONESSのコンセプトに合ってる?」って言えるんですよ。

田中:そういう美容院って珍しいですよね。

本田:美容院って店舗が増えて飽和状態になっているんです。その中でどういう美容院が選ばれるんだろうと考えたときに、「本物」が選ばれるんだろうなと思っているんですね。やっぱりお客さまは本物を求めてるんです。だから常に本物とは何かを考えるようにしています。

髪の毛の仕上げ

ーーメディアのコンセプトが「やりたいことをできるに変える」なのですが、本田さんは今後なにをやりたいと思っていますか?

本田:美容業界の給料体制を変えたいですね。どこの美容院も売上に対しての給料になっているんですけど、そこを変えればスタッフの安心感もでるでしょうし。

個人の売上だけを考えなくなるので、チームとして仕事ができると思うんですよ。例えば、お店全体の売上を設定して、それを達成したらみんなにボーナスを支給するということをやれば、変わると思います。

あとは、LONESSグループとして子会社をいっぱい作っていき、大きくしていきたいですね。美容師って個人事業主のような感じなので、売れてきたら独立を考える人が多いんですよ。そういう人をLONESSグループ子会社の代表としてサロンを共同で開設したいと思っています。そうすれば美容師の社会的地位も向上していくと思うんです。

髪を切る前
髪を切る前
髪を切った後
髪を切った後

とてもすっきりして、カッコよくなりました!

本田さんに髪を切ってもらうようになってから髪型を褒めてもらうことが増えたそうです。

本田治彦さんが代表をつとめるLONESS(ローネス)の紹介

ふれあう全ての人が“なりたい自分”になれる場所

https://loness.jp/

表参道店

〒107-0062 東京都港区南青山3-15-6 ripple square D2階

https://loness.jp/salon/

銀座店 〒104-0061 東京都中央区銀座7-3-8 銀座七丁目プレイス2F

https://loness.jp/salon/ginza/

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執筆

川崎 博則

1986年生まれ。2019年4月に中途でさくらインターネット株式会社に入社。さくマガ立ち上げメンバー。さくマガ編集長を務める。WEBマーケティングの仕事に10年以上たずさわっている。

編集

武田 伸子

2014年に中途でさくらインターネットに入社。「さくらのユーザ通信」(メルマガ)やさくマガの編集を担当している。1児の母。おいしいごはんとお酒が好き。

※『さくマガ』に掲載の記事内容・情報は執筆時点のものです。

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