Slackを活用したコミュニケーション術 Slack CTO兼共同創業者 × さくらインターネット創業社長

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カル・ヘンダーソン(Cal Henderson)さん
Slack CTO兼共同創業者  2019 年には Fortune 誌の「40 Under 40」に選出され、世界経済フォーラムのヤング/グローバル・リーダーにも任命。

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田中邦裕
さくらインターネット創業社長 1978年大阪府生まれ。96年、舞鶴工業高等専門学校在学中に18歳でさくらインターネットを起業。

2020年1月30日におこなわれた「BEYOND MILLENNIALS 2020(主催者:Business Insider Japan)」でSlack CTO兼共同創業者 カル・ヘンダーソンさんとさくらインターネット創業社長 田中邦裕の対談が実現。その様子をイベントレポートとしてお伝えします。

自己紹介

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カル・ヘンダーソンさん(以下、ヘンダーソン):カル・ヘンダーソンです。SlackでCTO兼共同創業者として働いています。弊社は11年前に創業したのですが、もともとはテレビゲームを制作するための会社でした。

情熱はあったのですが、結果的にはゲームを作ることに向いていなかったということになります。ゲームを4年ほど開発している中で、社内でコミュニケーションをしやすいツールを開発したのです。次に何をしようかと会話をしている中で、このツールを商品にしようと決まりました。

当初は人数の少ない組織でSlackを使ってもらえたらいいなと思っていました。ただ、現在では大きな組織でもSlackの利便性を感じてもらえています。

弊社はこの7年で大きく成長し、世界に17拠点、従業員数は1,900人以上となりました。日本には東京と大阪にオフィスがあります。毎日、世界で1,200万人以上のアクティブユーザーがおり、日本では約100万人のアクティブユーザーがいます。

弊社が成長できた背景には働き方そのものが変化しているからです。技術の進化によって様々なものが自動化されているなかで、人間でしかできないことが重要になってきているのではないでしょうか。

これから最も成長するであろう組織というのは、コミュニケーションが迅速に取れ、アジャイルで物事を進めていくことができる組織だと考えています。

 

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田中邦裕(以下、田中):田中と申します。元々は高専でロボット工学を専攻していました。1996年にさくらインターネットを創業して、今年で24年目になります。

弊社でも4年前にSlackを導入しているのですが、社内のエンジニアはその前からフリープランでSlackを使っていました。メールからチャットに置き換えるプロジェクトを5年前に立ち上げたのですが、その当時はメーリングリストが400くらいあったんです。当時、社員が200人ほどだったので、明らかに多いですよね。

メールって「情報共有ツール」ではなくて「情報伝達ツール」なんです。メールは送れば送るほど情報が分断していきます。なので、全社的にSlackを導入するように進めていったんですけど、社内からすごい勢いで反対をされまして。エンジニアチームはすでに使っているからいいんですけど、営業や管理部門の社員は猛反対でした。

そもそも、Slackは改行すると送信されてしまうからダメだと。間違えて送ってしまうということですね。最近はオプションで改行しても送信されなくなりましたが。

ヘンダーソン:日本でSlackをリリースしたときに、最も多く改善要求がきたのはまさにその部分です(笑)。

 

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オンラインで情報共有

ーー北海道地震の際にSlackを非常に活用したとお聞きしたのですが。

田中:平時よりは2割くらいメッセージは増えました。ただ、もともと1万から2万メッセージくらい社内では毎日やりとりをしていたので、数千程度メッセージが増えても誤差ではあるんですね。

ここで大事なのは、毎日業務でSlackを使っているので、大きな地震が起こった時にオンラインで情報共有ができたということだと思います。

ヘンダーソン:災害時に使われるというのは、Slackを提供する側としては非常に緊張感を持ちます。止まっては困りますからね。

 

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田中:東日本大震災のときにTwitterが活用されていましたよね。個人の間ではTwitterやLINEでコミュニケーションされるのに、会社だけメールなんです。これっておかしいだろと思います。「デジタル化」という言葉がよくありますけれど、これには3フェーズあるんです。

・デジタイゼーション

・デジタライゼーション

・デジタルトランスフォーメーション

メールからSlackに変わるのはデジタイゼーションからデジタライゼーションに変わるということですね。

 

ーーさくらインターネットではSlackのどんなBOTを使っていますか?

田中:エンジニアチームではビルドが終わると通知する、エマージェンシーがくると通知するということはされています。面白い使い方では来客者が受付システムを利用すると通知がSlackに飛んできます。

 

ーーさくらインターネットではSlack上に個人チャンネルを作っているそうですね。

田中:そうですね。「times_〇〇」というチャンネルがあります。私の場合は「times_tanaka」というチャンネルがあります。さっき、カルさんと写真を撮ってtimes_tanakaに投稿したら結構リアクションが付いてました。

ヘンダーソン:社内で個人チャンネルを持つというのは面白いですね。世界中でSlackの使い方を見ていると非常に面白くて、それぞれの国の文化にSlackの使い方を合わせてくれるんです。

 

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それぞれのバリュー

ーー現代的なコミュニケーション設計のポイントについて、お二人の考えをお聞かせください。

田中:さくらインターネットではバリューというものを決めています。そのうちの1つが「肯定ファースト」。最初は肯定をしましょうというものです。ずっと肯定するわけにはいかないんだけども、最初に肯定しないと相手が受け入れてくれないんですよ。

EMS(エッセンシャルマネジメントスクール)という学校に最近通っていたんですけど、そこのクレドが「肯定ファースト」なんです。オンラインをベースに考えた場合は最初に肯定しないと、フラットな意見だとしても否定されたように見えるんです。なので、最初は肯定をしましょうということですね。肯定したうえで、私はこう思いますと意見を言うんです。

ヘンダーソン:Slackには「Empathy (共感)」というバリューがあります。相手がどう思うかを感じ取るということ。なので、チームで仕事をする場合には相手の共感を得ることが必要となります。

 

ーーSlackでは全世界でオフィスが固定席だと聞いたのですが、本当ですか?

ヘンダーソン:はい。本当です。全世界でオフィスに固定席があります。ただ、固定席以外の場所でも仕事ができるような仕組みになっています。他人と人間関係を作ることは直接対面で会うことが重要だと考えているので、それが実現しやすい環境を意識していますね。

田中:人間関係を作ることが重要というのは、まさにその通りだと思います。人との繋がりなど業務ではない部分をオフィスでおこなうべきだと思っています。業務や作業はどこでもできるので。

ヘンダーソン:大賛成です。デジタルで働くことに慣れているミレニアル世代が増えていく中で、オフィスのあり方は変わっていくと思います。お金を稼ぐためだけではなくて、自己実現に取り組む人が増えていくと思うので、そういう人たちの為の場となるオフィスの重要性を感じています。

 

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失敗には再現性があるが、成功には再現性がない

ーーお二人とも創業者ですが、困難な時期の乗り越え方についてお聞きしたいです。

田中:24年間やっているので紆余曲折ありました。ネットバブル崩壊でお客さんが居なくなり、上場してから史上4番目の速さで債務超過になるということがあって、上場廃止になりかけました。 若くして起業してスピーディーに失敗するという経験をしています。結果論ですが、諦めなければなんとかなると思っています。いろいろなハードルがありますが、ちゃんと向き合うのが正しい方法です。諦める人がいるから諦めない人が得をするということですね。3回上場に失敗して、4回目のトライで上場することができました。多くの人は2回目、3回目くらいで諦めるんですけど、4回もしぶとくやってる人ってあんまり居ないんです。

 

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ヘンダーソン:再挑戦をするときに過去の失敗から学ぶことが大切です。振り返りをするときに、今週自分はなにを失敗したのかを考えるより、自分はなにを学べたのかという姿勢で考えたほうが良いと思います。状況によってはまあまあ成功している状況よりも、早く失敗して早く学ぶほうが価値のある場合があります。

成功体験を聞くことが多いと思いますが、どんな会社も成功だけではありません。数々の失敗から学んだことが積みあがっていると思います。失敗というものはそこで終わるものではなくて、そこから始まるものなんです。なので、これからもたくさんの失敗をしていきたいと思っています。

田中:失敗には再現性があるんですけど、成功には再現性がないと思うんです。失敗は学ぶことができるんだけど、成功者の成功話を聞いても自分が成功できないことは痛いほど感じています。ここで、弊社が債務超過になった失敗の原因をお話します。シンプルに言うと「コミュニケーション」です。

みんな、そのビジネスはうまくいかないと思ってたんですね。いろいろな会社でも良くある話です。絶対これうまくいかないだろうと思いつつも、みんな巻き込まれて仕方がないからやるんです。それで結局失敗するんです。そのときの学びとしてはちゃんとコミュニケーションをしないといけないということです。先ほど、肯定ファーストというバリューをお話しましたが、もう一つ「伝わるまで話そう」というバリューもありまして、これは失敗から学んだものです。

ヘンダーソン:失敗というのは孤独に感じてしまうと思うのですが、これを許容する文化があると次の挑戦につながると思います。

主催者:Business Insider Japan

イベント名:BEYOND MILLENNIALS 2020

 

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