さくマガ公式SNS
お問い合わせ

高専とは?採用で注目される高等専門学校の特色や高校・大学との違い

(イラスト:ジョンソンともゆき)

(イラスト:ジョンソンともゆき)

 

高専生大歓迎!採用サイト

 

高専とは「高等専門学校」の略語で、中学校卒業者を対象とした教育機関です。

 

話題の漫画『呪術廻戦』をご存じでしょうか。アニメ化もされて大人気の作品です。主人公の虎杖悠仁をはじめ、呪術師として成長を目指す生徒が「東京都立呪術高等専門学校」に通っています。

今回は『呪術廻戦』の舞台にもなっている高専(高等専門学校)についての記事をお届けします(呪術については触れませんが)。

 

高専とは?高専の特徴

 高専最大の特徴は「5年一貫教育」というシステムであり、一般教養よりも実践的で専門性に長けたカリキュラムが敷かれています。 

高専は、高等教育機関にふさわしい実験・研究設備を備えています。学んだことを応用する能力を身につけるために、理論だけではなく実験と実習に重点が置かれています。さらに、インターンシップや工場見学により、企業等での就業体験も行われます。

 

卒業研究を通して、学生は、独立の精神を養い、創造性に富んだ技術者として開発設計を含めて研究する能力を育成しています。

(引用:独立行政法人国立高等専門学校機構 ホームページ

 

新卒採用する際、さまざまな経歴を持った人材が混在しています。その中でも実践的な教育をする「高専」を卒業した人材が注目を集めています。弊社代表の田中邦裕も高専出身です。

>>さくらインターネットの採用情報を見る

高専の目的

 理系分野におけるITエンジニアやプログラマといった現代社会で需要が高まる事が予想される技術者の人材育成が主な目的です。

高専は国立51校・公立3校・私立3校の計57校が設置されています。大学は795校、専門学校は2779校、短期大学は323校(いずれも2020年時点)なので、数としては少ないといえます。

(参考:文部科学省学校基本調査-令和2年度 結果の概要-

 

 数は少ないですが、高専では座学に加えて多数の実験や演習をおこなうため、学生は早い段階から専門的な知識を身につける事が可能です。

また、専門的かつ実践的なカリキュラムが組まれている事から高専には多くの企業から求人情報が送られています。その結果、学生は自分の希望条件にマッチした求人情報を得やすくなるのです。一般的に就職活動と言えば大学の新卒人材が有利に思われているかもしれません。しかし、こうした背景から高専生は就職活動においても大きな強みを持っており、就職希望者の就職率はほぼ100%となっています。

(参考:独立行政法人国立高等専門学校機構 就職・進学データ資料

高専卒業後は就職しないといけない?

 高専卒業後は絶対に就職しなければならないのかというと、そういう訳ではありません。高専という教育機関が誕生した当初はほとんどの学生が就職という進路を選んでいたものの、時代が進むに連れて高専生の進路も多様化を見せるようになりました。

 

(▲出典:文部科学省 ホームページ)

(▲出典:文部科学省 ホームページ

 

 一般的な高校のように3年間を高専で過ごした後に大学へ進学する事も、5年間のカリキュラムを修了した後に大学へ編入する事も可能です。

高専は5年間のカリキュラムを本科としてその上に2年間の専攻科が設けられている学校も存在します。さらに専門分野の知識を深めたい学生はこうした専攻科に進学するのもひとつの選択肢です。就職に対して強みを持ちながらも、こうした柔軟な進路にも対応出来る点は高専の魅力と言えます。 

高専生が注目される理由

 高専生が人材市場で注目を集めているのには、いくつかの理由があります。ひとつには上記のような「早期からの専門教育」によって専門性の高い知識を身につけているという点が挙げられます。

新卒でITエンジニアやプログラマーの人材を探すには大学の工学系学部の出身者も有力候補になりますが、高専生は5年のカリキュラム終了時であれば20歳という若さで就職活動をおこなうのが一般的です。若くして専門性の高い人材は現場での伸びしろや企業風土への馴染みやすさから、人材市場において需要が高まっています。

高専生へ企業から大きな期待

 さらに高専生はその「即戦力」としての側面も企業から大きな期待を寄せられています。これは高専の教育カリキュラムに組み込まれている「社会実装教育」によるところが大きいと言えるでしょう。 

社会実装教育は東京高専を中心に連携している21の高専が推進しているカリキュラムで、現場でイノベーションを実現し得る人材の育成するための取り組みです。具体的には「ニーズの把握」「サービスの開発と改善」「社会導入」「評価の獲得」という4つのステップで実践教育がおこなわれています。

 

(▲出典:KOSEN発 “イノベーティブ・ジャパン”プロジェクトホームページ)

(▲出典:KOSEN発 “イノベーティブ・ジャパン”プロジェクトホームページ

 

 いくら専門性の高い知識を持っている人材でも、実際の現場での思考力や対応力に乏しいようでは活躍する事が難しいでしょう。高専では社会実装教育により専門知識・思考力・対応力を兼ね備えた、現場で即戦力となる人材を育成しているのです。 

>>さくらインターネットの採用情報を見る

高専の歴史

 ここで高専の歴史について解説します。専門的な知識を重視した人材を育成する事の重要性は戦後間もなくから唱えられていました。高度経済成長期にともなう国内産業の急速な工業化によって、実務を担う若者の必要性が高まっていたのです。

こうした背景から1962年に学校教育法が改正されたことを受けて、函館・群馬・沼津・明石・佐世保などの12校で国内初めての高等専門学校制度が開始されました。

さらに1967年には富山・鳥羽・広島・大島・弓削の5校が商船高専として、1971年には仙台・詫間・熊本の3校が電波工業高専として開校する運びとなります。

その後も着々と校数を増やし、5年間の本科教育課程の上に2年間の専攻科の設置が認可されたのが1991年です。2002年には沖縄に高専の設置が認可され、2004年には国立高専の運営を統括する独立行政法人として国立高等専門学校機構が立ち上げられました。

高専ロボコンについて

 一般的にはあまり認知されていなかった高専ですが、その知名度を一躍引き上げたのが「高専ロボコン」です。

高専ロボコンとは「アイデア対決・全国高等専門学校ロボットコンテスト」の略称であり、1988年に第一回大会が開催されてます。

自分の手でロボットを創り上げる面白さを体感してもらうというコンセプトの下に創設されたコンテストで、全国の高専学生が発想力と独創力を競い合います。大会ごとにテーマや課題競技が異なるという点も特徴となっており、学生の柔軟性を鍛えるのに一役買っています。

 

 高専ロボコンは設立当初NHKの番組として制作されていたため、地上波放送によって全国にその模様が放映されています。2000年におこなわれた第13回大会からは高等専門学校の公式大会として開催されるようになり、名実ともに全国区のコンテストとして知られるようになりました。

高専ロボコンは高専生が学業の粋を集めたハイレベルな大会として当初から注目を集めており、高専の志望者の動機付けとしても大きな役割を担っています。

さらに1991年には大学生を主な対象とした「NHK大学ロボコン」、2002年にはアジア圏の学生との交流を兼ねた「ABUアジア・太平洋ロボットコンテスト」などの派生系大会も創設されました。2019年には小学生を対象とした「小学生ロボコン」もスタートしています。 

高専ロボコンがオンライン開催

 コロナの影響もあり、史上初のオンライン開催となった「第33回 アイデア対決・全国高等専門学校ロボットコンテスト2020」では沼津工業高等専門学校の「チャリモ(ロボット名)」がロボコン大賞を受賞。競技における最優秀賞(例年の優勝にあたる賞)には小山工業高等専門学校の「シンクロシスターズ♪(ロボット名)」が輝いています。

(参考:高専ロボコンホームページ

 

 なお、2005年の第18回高専ロボコンからは文部科学省が、2018年の第31回大会からは内閣府が後援団体として名を連ねています。ここからも高専生への社会的な注目度がうかがえるといえるでしょう。

高専プロコンについて

 高専ロボコンと並んで、高専生の晴れ舞台となっているのが「高専プロコン」です。高専プロコンの正式名称は「全国高等専門学校プログラミングコンテスト」であり、高等専門学校連合会が主催団体となっています。

高専生のプログラミング学習意欲向上を大会の主な目的としており、文部科学省が掲げる「全国生涯学習フォーラム(まなびピア)」のひとつです。

第1回大会は1990年に京都で開催され、自由部門・課題部門という2部門体制でプログラミングの技術や発想の柔軟性が競われました。1994年の第5回富山大会からは競技部門が設けられ、3部門体制による実施が定着化します。

 

 2020年の苫小牧大会は、新型コロナウイルスの影響により競技部門は中止となり、課題部門と自由部門のみオンラインで実施されました。

この大会では、東京工業高等専門学校の作品『ぷらんとこれくしょん ー体験型植物観察学習システムー』が文部科学大臣賞・最優秀賞・情報処理学会若手奨励賞を受賞しました。

(参考:全国高等専門学校プログラミングコンテスト オフィシャルウェブサイト

高専プロコンで国際交流も

 高専プロコンは積極的な国際化にも取り組んでおり、1997年の第8回大会では最優秀チームをオーストリアのリンツ大学へ学業研修として派遣しました。同様に1999年の第10回大会でも最優秀チームが韓国へ研修派遣されています。

また、2004年の第15回大会ではオープン参加枠としてハノイ工科大学が初めて海外校として迎え入れられ、それ以降にも大連東軟情報学院・モンゴル国立大学などが参加し交流を深めているのです。 

2008年にはNPO法人として「高専プロコン交流育成協会」が認可され、同年の第19回大会から後援団体として名を連ねるに至りました。高専ロボコンのように地上波放送こそないものの、アカデミックな意義や国際交流の観点から注目を集めるコンテストとなっています。

高専と高校との違い

高専と高校との違いを図解で説明

 

 よくいわれる高専と高校の違いは上図で説明していますが、さらに詳しく違いを説明していきます。

 

 一般的な高校と高専の違いには「日本政府による扱いが異なる」という点が挙げられます。高校の教育分類が「後期中等教育」であるのに対して、高専は「高等教育」という分類です。この高等教育という分類には大学・短期大学・専門学校なども含まれています。

つまり、同じ15歳から受ける教育カリキュラムでも、高校と高専ではまったく扱いが異なるものなのです。高校が3年間であるのに対して高専は5年間の修学が基本となるため、高専卒業時には「準学士」という学位が授与されるという事にも留意しておきましょう。

 

 また、高校と高専では指導をおこなう教員にも違いがあります。高校では所定の教員免許を取得した教員が学生の指導にあたりますが、高専では専門分野において博士号を取得した専門家が教鞭をとっているのです。

大学進学前から博士号を持った専門家の指導を受ける事が出来るという点は、高専における大きなメリットのひとつと言えるでしょう。

高専では実践や実務を重んじているため、卒業間近の生徒に対しては積極的にインターンシップをおこなっている点も一般的な高校と異なります。

さくらインターネットと高専の取り組み

 さくらインターネット代表の田中が舞鶴高専出身かつ高専在学当時に創業したこともあり、現在もなお、高専との交流は続いています。具体的には、将来のIT人材創出に向け、高専プロコンへの協賛や講演会の開催をしています。

 

 また共同教育の一環として、弊社サービスの一部を無償提供したり、授業で活用できる演習教材の制作をサポートしています。

その他にも全国の高専でハンズオンを開催するなど、高専とは多岐に渡りさまざまな取り組み・交流をおこなってきました。

最近ではオンライン授業が開始されている高専も多く、リモートワークを推奨する弊社ならではの取り組みとして、オンラインでスムーズに授業が配信できるように配信ツールの紹介や、使い方などをレクチャーすることもありました。

 

 教員のみなさまとは定期的に情報連携をおこなっているのですが、これまでの取り組み全ての背景には、必ず熱心な先生方の協力がありました。

現在もまた、新たな取り組みを模索し、創出するとともに、全国の高専生に公平かつ平等な機会を提供しながら、人材(人財)育成や企業とのつながりを増やしていける環境づくりを目指しています。

高専生へのメンタリング

2021年4月におこなわれた「第2回全国高等専門学校ディープラーニングコンテスト(以下、DCON)2021」。このコンテストは全国の高専生が日頃つちかった「ものづくりの技術」と「ディープラーニング」を活用して、企業評価額を競うコンテストです。

最優秀賞に輝いた福井工業高等専門学校 プログラミング研究会チームのメンターを担当したのがさくらインターネット代表の田中です。オンライン上でメンタリングをおこないました。くわしくはこちらの記事で紹介しています「DCON2021 最優秀賞受賞! メンターの田中邦裕が福井工業高等専門学校へ訪問」。

高専生は即戦力が期待出来る貴重な人材

 高専生は15歳という若さから専門的な教育を受けている工学分野における「原石」です。多くの演習・実験や社会実装教育によって培われた知識とスキルは、卒業時には現場で即戦力として活躍できるレベルが期待できます。

IT化が進む現代社会において、ITエンジニアやプログラマーといった技術者は必要不可欠となる人材です。将来を担う貴重な人材として、高専生の動向を注視して積極的に自社での採用も検討してみましょう。

 

高専生大歓迎!採用サイト

 

 

執筆・編集

さくマガ編集部

さくらインターネット株式会社が運営するオウンドメディア「さくマガ」の編集部。

※『さくマガ』に掲載の記事内容・情報は執筆時点のものです。

すべての記事を見る

関連記事

この記事を読んだ人におすすめ

おすすめのタグ

特集