川崎 あや(かわさき あや)さん プロフィール
株式会社01familia(ゼロイチファミリア)所属のグラビアアイドル。2014年ランボルギーニのレースクイーンとして活動。2015年東京スポーツ「プロが選ぶアイドルDVD賞2015」のウエスト賞を受賞。2016年に「ミスFLASH2016」グランプリを受賞。くびれを武器に「くびれスト」として活躍。名探偵コナンがすごく好き。2020年3月14日に芸能界を引退することを発表。1月23日に引退写真集「ジャパニーズ グラビア」を発売。
各業界の著名人にインタビューをしていく、この企画。今回は数多くの雑誌で表紙を飾っているグラビアアイドルの川崎あやさんにお話をうかがいました。川崎さんにSNS運用の話や引退を発表した今、これからやりたいことについて語っていただきました。
「なんとなく」で始めたグラビアの仕事
――2020年3月に芸能界を引退されますが、そもそもグラビアを始めたきっかけを教えてください。
きっかけは「なんとなく」です。たまたまお話をいただいたので、やってみた感じですね。最初はサロンモデルのようなことをやっていて、いまの事務所の方に「新しく事務所を作るから、そこに入らないか」ってお話をいただいたのがはじまりです。
――所属している事務所のゼロイチファミリアは設立してまだ4年ですよね。設立してそんなに時間が経っていないのに所属している方がどんどん売れています。川崎さんが所属歴は一番長いですが、後輩にアドバイスなどするのでしょうか?
雑誌の表紙やCMが決まっている子もいるし、ドラマや映画に出ている子もいます。後輩から「いま、こういうことで悩んでるんですけど、どうしたらいいですか?」ってアドバイスを求められたら話してますね。あまり自分からは言わないかな。
アドバイスというより、褒めたりはしますよ! 「あのグラビア良かったよ、ドラマでの演技すごく自然で良かったよ」とか。頑張っていることに対して感想は言います。
――それこそ一回りぐらい歳が違う後輩もいると思いますが、年の離れた後輩とのコミュニケーションはどう取っていますか?
この前18歳の後輩の子をご飯に誘ったときに、相手の子が緊張しちゃうかなと思って事務所の仲良い子を誘っていいよって言ったんです。そうしたら、「逆に人がいると話せなくなっちゃうから2人がいいです」って言われて2人で行きましたね。
その子は家族が大好きな子なので、家族の話をして仕事の話は全然しなかったです。厳しいことは全然言わなくて、褒めて伸ばすって感じですね(笑)。
あ、でもこの間、事務所の忘年会があったんですけど、そこで1人ひとりじゃなくて全体的にちょっと厳しいことは言いました。それぞれに受け止めて考えてもらいたいなって思って。
事務所を辞めてSNSも閉じる
――Twitterやインスタを見ると後輩のプロモーション、宣伝を良くしている印象です。
後輩を宣伝、アピールしてゼロイチファミリアの名前が広がれば自分にも良いめぐりがやってくるというか、環境づくりができるじゃないですか。 絶対、自分にも返ってくるのが分かっているので、なるべくするようにしています。
――芸能界を引退してもそういったプロモーション関連のことを事務所に残ってやっていくんですか?
いやー、全然考えてないです。事務所も辞めるつもりでいます。だって、裏方さんって大変ですよ……。でも、後輩はずっと応援していきます。後輩の出演するドラマとか見たいですし、商品も広告をやっていたら買いたいなって思いますし。
――InstagramやTwitterといったSNSを活用されていますが、そういったものは芸能界を引退したらどうされるんですか?
インスタもTwitterも閉じようと思っています。アカウント自体を消しちゃおうと思ってて。もともとSNSとか、うとくて苦手なんですよね。
いまは仕事だからできてるんですけど、日々普通に生活していて映える毎日を送っていないんです。もし残したとしても、更新頻度は格段に下がるでしょうね。
5年間の積み重ね
――SNSのフォロワー数が増えていったきっかけは覚えてますか? また、運用するうえで気をつけていることを教えてください。
マメに更新をしてたからかなあ。テレビにあまり出ていないので、劇的に注目度が上がって増えたとかじゃなくて。本当にこの5年間の積み重ねだったかなって思います。
フォロワーの方が何を求めているのか、リツイートされる時間帯やみんなが見てくれている時間帯はいつなんだろうとか、そういう研究はしました。
グラビアアイドルなので、水着の写真や動画を載せたりしてるんですけど、SNSって無料で見られるじゃないですか。最初は「無料で自分の仕事である水着姿を見せるってプロのグラドルとしてどうなの?」って想いはあったんですけど、テレビに出ていないので知ってもらえる場が無いんですよね。
SNSの場しか無いのに、出し惜しみしてても意味がないなって思って。SNSで知ってもらって、例えばイベントに来てもらったり、応援してもらって雑誌を買ってもらうようにしたほうが流れはいいだろうなと思ってます。めげずに動画や水着の写真をアップし続けました。
SNSで反応の良い投稿
――どういう投稿が反応良いんですか?
動画ですね。本当は声が入っているほうがいいと思うんですけど、SNSを見る時って朝だと通勤途中の電車内だったりするので、動画をピッて押して音が流れるのって結構「あっ!?」てなるじゃないですか(笑)。なので、私はなるべく無音にしてます。
――これまで話を聞いていると、しっかりと戦略を考えているんですね。セルフプロデュースを考えていると思うんですけど、「くびれスト」のキャッチフレーズをつけたのっていつ頃でどんなきっかけだったんですか?
考えてます(笑)。キャッチフレーズは2015年頃ですかね。きっかけは、自分の売りというか武器がないとダメだなって思って。倉持由香ちゃんっていうすごく憧れてるグラビアアイドルがいるんですけど、その子がお尻をアピールするのに「尻職人」っていうキャッチフレーズをつけて、SNSのハッシュタグにもして。それを真似してみようって思いました。でも、お尻じゃ勝てないから(笑)。
くびれはその当時から細いねっていう声があったので、じゃあここを磨いていこうってなりました。自分で武器を作っていった感じです。
最初は全然浸透しなくて、くびれって言われてもあまりピンと来ないじゃないですか。なんかそんなインパクトないし、グラビアは胸とかお尻なのでくびれって言われても……。みたいな感じだったんですけど、めげずに言い続けました。
仕事道具は完全特注
――川崎さんの場合、水着が仕事道具だと思いますがこだわりはあるんですか?
水着はスタイリストさんに作ってもらってます。既製品を加工してもらうこともありますし、一枚の布を使って作ってもらうこともあります。スタイリストさんが私に合う型を持っていて、それに合わせて縫ってもらって、完全特注で作ってもらいます。
いつもお願いしてるスタイリストさんがいて、その方にお願いすれば間違いなくドンピシャです。既製品だとサイズが合わなくて……。ウエストがガバガバで、おしりがパツパツになっちゃうんです。
あと身長が高いのでハイレグを着ると引っ張られるんですけど、ちょっと丈が合わなかったり、腰のラインも出なかったりして難しくて。
――体型維持もそうだと思いますが、結構プライベートを抑えているんじゃないですか?
そうですね、プライベートで普通にデートしたいです。やっぱり凄く狭いコミュニティでやっているので、たとえば街で男性と歩いててファンの方に見つかったとして、そこで知れ渡ると本当に一気に仕事がなくなるから。影響が出るのでそれも嫌だし、それを見つけてしまったファンの方にも申し訳無いし。
そういう事を考えているので、ほんと5年間プライベートはないですね。抑えていたというか、そういう考えにならなかったというか。
休みの日もTwitterをして、1時間に1回くらいツイートしていますし、その1時間の間にもファンの方のツイートを見たり、いいねしてたり。それで1日が終わりますね。SNSは全部自分で見て管理しています。
自分でイベントの企画書を作成
――Twitterを見ると自分でイベント企画をしたり、サインをたくさん書いたりしていますね。
そうですね。イベントは自分で企画してます。密にファンとコミュニケーションをとっているのは私ですし。
もちろん、スタッフさんも分かっているとは思うんですけど、ファンの方がどうしたら喜んでくれるのか、自分に何を求めているのかは自分が一番よく分かっているので、なるべく自分で企画しています。
イベントの企画書も送ります。会場はここにして、キャパ何人で会場代いくらだから参加費はいくらにする。みたいな企画書を送りますね。
――えっ、そんな事まで川崎さんご自身でやるんですか!?
やります(笑)。そのほうがスムーズに進むじゃないですか。例えばクリスマス会をやりたいって言うだけだと、そこからじゃあどういうことやろうか、会場はどこにしようか、日時はいつにしようかってなるので、時間が取られちゃうじゃないですか。
なんかそれがじれったくて。多分、すごくせっかちなんですよ。なので、全部決めて考えました、どうですか?っていう提案の仕方をしています。
――普通に会社に入って働くのも向いてそうですね。
いやいや、絶対無理ですよ(笑)! 今よりよっぽど難しいと思います。今は結構自分の好きにやれるけど、会社に入ったらきっとそうじゃないから無理な気がします。パソコンもできないですし。だから全部手書きなんですよ。企画書も手書きで書いてます。
雑誌の表紙を飾るまでの戦略
――体型維持など実は影で努力してたそうですが、後輩にその姿を見せたくない理由ってなんですか?
なんででしょうね? 私も良く分からないんですよ(笑)。なんか見せたくなかったんですよね。事務所で後輩みんな同じジムに通わせてもらってて、私もジム行きたいなあって思ってたんですけど、絶対みんなと同じとこには行きたくなくて。会ったら嫌だなって。
「あやちゃんも通ってるんだ」って思われるのが嫌で、違うジムに通ってました。頑張ってトレーニングしている姿を見せたくなかったのかも。変な意地をはってました(笑)。
――メディアのコンセプトが「やりたいことをできるに変える」なのですが、川崎さんにとってはそれがグラビアだと思います。最初は全然表に出られない時期を乗り越えて、雑誌の表紙を飾れるまでになりましたが、それまでに努力したことを教えてください。
最近は『週刊プレイボーイ』とか雑誌の表紙を結構やらせてもらってるんですけど、それもここ一年ちょっとの話で、それまで全く出たことがなかったんです。雑誌に載るには雑誌を発行している会社の方にお会いして、まずは顔を知ってもらおうと思ったんです。
プロフィールを持ってご挨拶にうかがったんですけど、その時まだフォロワーも6,000人くらいで見向きもされなかったんですよ。じゃあ、フォロワーを増やせばいいんだ! と思ってそこからSNSを頑張りました。
フォロワーも10万人までいかないけど、数万人くらいになった時にまた挨拶に行ったんですけど、それでも決まらなくて。でも、なぜかフォロワー数3,000人くらいの子の初表紙・初水着っていうのが続いてて、「あれ? フォロワーじゃないの?」って思ったんです。
どうしたらいいんだろう?って思うことはあったんですけど、ちゃんと見てくれる人やファンの応援があって、それがちゃんと雑誌の売上につながるっていうことを分かってもらえれば、きっとチャンスは来ると思ってました。
めげずに撮影会、ファンの方とコミュニケーションを取れるイベント、SNSの毎日更新をしていました。
SNSのアイコンや名前も覚えてる
――グラビアの仕事といっても色々あると思うんですが、一番やっていて楽しい仕事は何ですか?
撮影会とファンの方とのイベントですね。普段、Twitterだけでやりとりしている方も「あっ、あのアイコンの人だ」って思えるので、そういうのが楽しいです。ちゃんと存在してたっていう感動があります。
ネットは顔が見えないから、この人どういう感じで応援してくれてるんだろうって、熱量が分からなくて。でも、会いに来てくれると「あの人だ、やっと会えた」みたいな。フォローしてくれてて、良くコメントをくださる方はアイコンや名前も覚えてます。
――1月23日に発売する引退写真集のタイトルが「ジャパニーズ グラビア」ですが、タイトルに込められた意味を教えてください。
グラビアって日本にしかないんですよね。海外でグラビアと言っても分からなくて。日本にしかない小さな文化だけど、これが日本のグラビアだよっていうのを発信したいなってことで「ジャパニーズ グラビア」というタイトルにしました。
今回の写真集は週刊ヤングジャンプの集英社さんから出すんですけど、いつも同じ撮影メンバーでやってきて、毎回変わったグラビアに挑戦してきたんです。
ヤングジャンプでこれだけグラビアアイドルが表紙になることは滅多になくて、だからこそ「グラビアとは?」っていうのを世間に投げかけたい想いがあるんです。
いままで応援してくれた方はもちろんですけど、グラビア同業者にも見てほしいなって思いますね。
コナン君を見ながらポテチを食べたい
――グラビアって体型維持が大変だと思いますが、引退したらこれをお腹いっぱい食べたいというものはありますか?
めちゃくちゃジャンクな物を食べたいです! ピザとかを夜中に食べたいですね。今は夜ご飯を5時とか6時ぐらいに食べて、夜中は早く寝るようにしてるので、夜中に食べたいです。夜中にコナン君のDVDを見ながらラーメンやポテチを食べたいですね(笑)。
デザインができたらいいな
――芸能界を辞めて、事務所も辞めたら後輩の方との関わりってどうなるんですか?
どうなるんだろう。プレイヤーじゃないというか、現場に出る人間ではなくなるので、その間に現場の雰囲気も変わってくるだろうし、アドバイスも出来なくなるんじゃないかなと思ってて。
でも、なんか愚痴とかだったら聞けるから、そういうのを聞いてくださいと言われたら聞こうかなって。精神面のケアみたいな(笑)。
――いまはまだ辞めた後のことをまったく考えていないそうですが、今後何か勉強したいこととか、資格を取ってみたいというのはありますか?
なんだろう……。なんかデザインとかをパソコンでできるようになりたいですね。便利じゃないですか。絵描いたりとかそういうの好きなので。ちゃんとデザインができたら幅も広がるのかなって思います。できたら良いなあくらいに思っているので、多分やらないと思いますけど(笑)。
資格はまったく考えてないんですけど、ペン習字は興味があります。字が上手くなりたいなって。手書きで手紙を書くことが多いので、字が綺麗だといいなって思います。
仕事を辞めることは不安じゃない
――なにも決まっていない状況で仕事を辞めるのって不安じゃないですか?
普通そうですよね。でも、私はまったく不安じゃないです。まあ生きていけるかなっていう自信はあります。変な自信(笑)。探せばなにかしら仕事はあるし、なにか自分で考えてそれを仕事にすることだって多分できるし。特に不安はないですね。
――3月14日で引退っていうのは日にちに意味はあるんですか?
特に意味はないんです(笑)。本当は2019年内に引退だったんですよ。でも、年内だと色々なお仕事が間に合わないから、3月までってなったんです。年内引退だと思ってたからちょっと伸びちゃったなって思って。なんだろう、そこまで息できんのかな? やっていけるのかな? っていう不安があって、せめて3月上旬か中旬ぐらいに引退かなって。
大きなイベントがあるとそこに向かってガーッとやるんですけど、終わった後の虚無感というか、ぽっかり穴が開いた感が毎回あって……。その度に気分が落ちるんですよね。その繰り返しだから疲れちゃったんですよね。だから、虚無感のまま終わらせたくないので早め早めにって感じです。
身体にも精神的にも結構きてた
――休業期間があったのも、休まないときついなという感じですか?
そうですね。その休業も1年越しくらいだったんです。休みたいですって伝えてはいたんですが、お仕事が重なっちゃって。身体にも精神的にも結構きていたというか、過酷でしたね。
仕事行く時に目の前がぐわんぐわん回っちゃって。気持ち悪くて立てないとか、ベッドに横になっているのに世界が回ってるみたいな状態が結構あって。それで色々お仕事セーブしたりとか、お休みしたいですってなりましたね。
――プロ意識の高さを感じますが、現在仕事している社会人に向けてどうすれば自分の仕事にそこまでこう情熱を注ぐことができるかっていうアドバイスをいただきたいです。
えー、どうすればですか? うーん、この会社で自分がどうなりたい、どういうことをしたい、何を目指しているといった明確な目標があれば、それに向かって頑張れるんじゃないかなって思います。
川崎あやさんが最後に伝えたいこと
――川崎さんはグラビアアイドルになる夢を叶えたと思うんですけど、夢を叶えたいと思ってる人に対してどうすれば夢を叶えることができると思いますか?
口に出して言うことが大事かなって思います。自分の中に秘めているだけの時は協力してくれる人や応援してくれる人もいなくて。自分の目標とかやりたいことを口に出すと自然と周りが応援してくれるのかなって。
――最後にファンの方に伝えておきたいことはありますか?
3月14日に引退するのは決まっていて、その間にイベントが何回かあります。それも日程と場所が決まっているので、応援してきてくれた方一人ひとりに会いたいです。東京がメインなので、そうすると地方の方が来られないのが嫌だなって思ったので、写真集のイベントは全国を回ります。
東京、名古屋、大阪、福岡あと仙台もいま考えてますね。ちょっと遠いかもしれないんですけど、近いところがあったら来て欲しいです。
- 川崎あや 引退 写真集 『 ジャパニーズ グラビア 』
作者:川崎 あや,Takeo.Dec
出版社/メーカー: 集英社
発売日: 2020/01/23
メディア: 大型本