さくマガ公式SNS
お問い合わせ

Mr.CHEESECAKE(ミスターチーズケーキ) 田村浩二さんは、人生の可能性を広げるためにチーズケーキの道を選んだ

Mr.チーズケーキの田村さんにお話をうかがいました。

田村 浩二(たむら こうじ)さん

料理人として13年レストラン業界で働く。シェフとして働いた2年間で、World’s 50 Best Restaurants の「Discovery series アジア部門」選出、「ゴーエミヨジャポン2018 期待の若手シェフ賞」を受賞。香りをテーマに様々なプロダクトを開発。現在は Mr. CHEESECAKE(ミスターチーズケーキ)の他、複数の事業を手掛ける事業家、経営者としても多方面に活躍。 X(@Tam30929) note(田村浩二(タム3)Food Expander) Instagram(tam30929

各業界の著名人にインタビューをしていく、この企画。今回は”人生最高のチーズケーキ”として、SNSを中心に話題の、Mr. CHEESECAKE(ミスターチーズケーキ)を手掛ける田村浩二さんにお話をうかがいました。感動を生む絶妙なチーズケーキが生まれたきっかけや、田村さんの今後の働き方について語っていただきました!

家族と過ごす時間のためにチーズケーキの道へ

フレンチシェフとして働いていた頃のことです。ある時、自分の好物であるチーズケーキを作って、Instagramのストーリーに投稿したところ、大きな反響がありました。それがきっかけで、オンラインでチーズケーキの販売をすることになったんです。

当時のぼくは、レストランでシェフをして働くこと自体が、自分の求めるライフスタイルに合わないのではないかと考えるようになっていました。

売上や集客数を見ながら、レストランで食事をする人が減ってきていることを実感していましたし、そもそもレストランでの仕事は基本的に長時間労働の日々。

ぼくは家族と過ごす時間を大事にしたいと思っていたので、60代・70代になった時に、お店で働き続けていることが今の時代にあっているのか、本当に自分がやりたいことなのかと……。

チーズケーキの販売だけでも充分な売上がたつようになった頃、このままレストランで働き続けるよりも、自分の時間が取れて、新しい働き方ができる道を選んだほうが人生の可能性が広がると思ったんです。 そこでチーズケーキを作り続ける道を選択しました。

田村さんの趣味はサウナに通うことだそう。

まずは始めてみる、そしてとことん数字を見る

物事を始める前に、あれこれ考えることはあまりないです。始めてみると何かしらの結果がでてくるので、その結果を見てから考えます。結果というのは、そのやり方が自分にあっているのかということも含めて、売上や、SNSのリアクション数などを総合的に判断します。

その中でも特に数字は注力して見ていますね。どんなに自分がいいと思っていても、事業をするからには数字がついてこないと意味がない。やってみてダメなら他のやり方を考えればいい。良ければそのやり方をどう続けていくかということを考えるタイプなので、物事を始める時に不安を感じるということはなかったです。

想像だけではわからないこともたくさんあるので、実際に行動することが一番だと思います。 苦労したことは、事業を伸ばすということです。一般的にレストランは席数や稼働日数が決まっているものなので、おのずと毎月の売上のトップが決まっています。なので、それを減らさないために、どのような手を打つかということを考えます。

一方、チーズケーキは売れるほどに売上が伸びていく。いわば上限がないモデルなんです。これは経験がないから大変でした。今は事業を伸ばすことを得意としたメンバーと協業するようになって、だいぶ助けられています。

大きく見せる必要はない、そのままの自分を届けること

SNSの知識はどこかで得たというよりも、やりながら改善していきました。

もともと文章を書くことが好きだったので、ブログを書いていたんです。その後、Facebookにブログに近いような投稿をしていたこともあったんですが、ニュースフィードの中でどんどん流れていって、検索ができなくなってしまう。

そのため、2017年の年末頃にTwitterとnoteをはじめました。noteはブログの延長線のイメージですね。 ぼくの場合はnoteとTwitterとの相性がすごく良くて、Twitterのフォロワーが増えるとTwitter上でnoteの投稿も拡散されて、結果としてnoteのフォロワーも増えてきました。

その後、レストランを離れてフリーで活動することになったので、自身の仕事の内容や現状の話をnoteにまとめて有料マガジンにしてみたらスムーズに動いてきたんです。Mr.CHEESECAKEのホームページにはデザイナーさんのアドバイスで「メディアキット」を載せています。

良し悪しだとは思うのですが、あったほうが拡散してもらうにも便利ですし、メディア側も使いやすいんじゃないかな。自分を大きく見せる必要はないけれど、そのままの自分をわかりやすく伝えたり、届けたりすることは、常に意識しています。

ホームページに載っているメディアキット

「メディアキット」にある田村さんの写真

Mr.CHEESECAKE(ミスターチーズケーキ)初めてのクラウドファンディング

クラウドファンディングは初めての試みでした。これもあまり深く考えず、やってみたらいいんじゃないかと思って始めてみました。クラウドファンディングを選択したのは単純に敷居が低いこと。あとは資金を集めること、PRの効果も見込めると思ったからです。

結果として、開始してから24時間で目標金額200万円の5倍となる1,000万円を達成することができました。SNSでの拡散効果もあったと思います。

設備投資のために資金を得ることが目的だったので、確実に利益を出さなくてはいけませんでした。 ただし、クラウドファンディングの運営元に手数料を支払う必要もあるので、通常の商品を通常の価格で販売してしまうと利益がでなくなってしまう。

そのため、通常よりも価格を上げた商品をリターンとして用意し、支援をしていただく必要があるんです。でも、普通にオンラインショップで買ったほうが安いので、なかなかハードルが高い。そのぶん、クラウドファンディングでしか手に入らない限定フレーバーのチーズケーキを作ったり、特別にブレンドしたオリジナル「黒豆ごぼう茶」をつけたりしてバランスを取りました。

商品以外では、ぼくが料理を作ったり、料理を教えたりするリターンもありました。ぼくが今レストラン立っていないので、一定の価値が出せるのではないかと思って。

普段、Mr.CHEESECAKEのお客様は女性が多いのが特徴ですが、クラウドファンディングでは男性が多かった。クラウドファンディングの市場は、より男性に注目されているとわかったのが面白い発見でしたね。

Mr.CHEESECAKEのTシャツはオリジナル

Mr.CHEESECAKE(ミスターチーズケーキ)のこれから

一般的に飲食店では、労働時間が長く、休みが取りづらい環境といわれていますが、そういったことはなくしたいと考えています。

Mr.CHEESECAKEでは、すでに一日の労働時間を8時間にし、土日祝日は休める体制を整えています。まずはしっかりとこれを継続していきたい。そのうえで、今後は、産休や育休の制度を整えていきたいです。うちの製造スタッフは今のところ女性しかいないので。

ゆくゆく、今よりも大きいキッチンにした時には、休憩できるスペースやミーティングルームを設けたいとも考えています。 一般的に飲食店はお客様が食事をするスペースをいかによくするかという考え方の人が多くて、従業員のスペースがほとんどないんです。 Mr.CHEESECAKEの場合は店舗ではなく製造場所なので、いかにスタッフが働きやすい環境を作るかということが大事だと考えています。

ぼく自身としては、まずはMr. CHEESECAKEの事業をまっすぐ進めていきたいです。 そして、今まで料理人としてつちかってきた、”モノを作る”という能力を必要としてくれている人に届けたい。この能力を活かすことで、周りの人たちにもハッピーになってもらえたらいいなと考えています。

うちはスタッフの副業も可能なんですよ。できれば色んな仕事をしながらのほうが得られるものが多いと思うので。

さくらインターネットのロゴ前で写真撮影

新しいことに挑戦しようとしている人に向けて

若者に限らず、失敗することが恥ずかしいと思っている人って多いですよね。でも、失敗はあくまで経験でしかないので、やってみないと学べないことって多いと思うんですよ。

やりたいのであれば、できるかどうかは別にして、まずやってみるということを大事にしてほしい。そのうえで得た経験を活かして、さらにそれを進めていくほうがいいと思います。

あとは「やりたい」と思ったことを「やりたい」と言葉に出すことも大事ですね。

Mr.チーズケーキのチーズケーキ

編集部でもMr.CHEESECAKEを食べました! 数量限定発売で入手困難なため、販売開始時間の10時前からパソコンの前に張り付いて公式オンラインショップをチェック。購入直後に完売となっていました。ギリギリセーフ……。

商品は自宅へ冷凍状態で届き、半解凍の状態と完全解凍の状態で食べ比べました。ちょっと酸味があり爽やかな味わい。なのに、濃厚! 解凍状況によって、食感の変化があり美味しかったです。どちらもおすすめですが、個人的な感想としては完全解凍状態のほうがレアチーズケーキのようで好きでした。

できることなら毎週食べたいスイーツです……。知人への贈り物にも最適だと思います。日本一のチーズケーキとよばれるのも、納得の美味しさです!

執筆

福島 あゆ美

2019年4月にさくらインターネットに中途入社。社長室所属。普段は執行役員の秘書を務める。

編集

川崎 博則

1986年生まれ。2019年4月に中途でさくらインターネット株式会社に入社。さくマガ立ち上げメンバー。さくマガ編集長を務める。WEBマーケティングの仕事に10年以上たずさわっている。

※『さくマガ』に掲載の記事内容・情報は執筆時点のものです。

すべての記事を見る

関連記事

この記事を読んだ人におすすめ

おすすめのタグ

特集