ワーケーションとは? 企業事例やメリット・デメリットを紹介

ワーケーションとはどんな意味?企業事例やメリット・デメリットも紹介

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ワーケーションとは、ワーク(Work:仕事)とバケーション(Vacation:休暇)を組み合わせた新たな働き方を示す言葉です。

「2020 ユーキャン 新語・流行語大賞」に「テレワーク/ワーケーション」という言葉もノミネートされました。

それだけ流行しているといえます。ワーケーションとはどんな働き方なのでしょうか。ワーケーションとは何か、具体例に加えてメリット・デメリットも紹介します。 

ワーケーションと働き方

新型コロナウイルス感染症の流行をきっかけに、リモートワークや在宅勤務などニューノーマルな働き方を推進する企業が増えています。そんな中、特に地方で推進されている働き方が「ワーケーション」です。

ワーケーションはワークとバケーションを組み合わせた造語で、休暇先の観光地やリゾート地で仕事をする働き方のことを言います。

ワーケーションという言葉が登場したのは2016年頃のことです。2019年には、全国の地方自治体が観光以上移住未満の働き方を推進するために、ワーケーション自治体協議会を結成しました。

 

そして2020年、新型コロナウイルス感染症の流行によって、外出自粛の動きが強まり、とくに地方の観光業は大きな打撃を受けています。そこで、地方に人を集める手段として、ワーケーションに取り組める環境整備をする地方自治体が急増しています。

 

実際に長野県の軽井沢や北海道など、休暇を過ごすリゾート地として知られているエリアは、自治体をあげてワーケーション事業に注力しています。地方経済を回す手段として、さらにワーケーションは促進されていくでしょう。 

テレワークから派生

IT技術が進化し、IT業界を中心にパソコンとインターネット環境さえあれば働ける仕事も増えました。そんな中でテレワークから派生した働き方がワーケーションです。新型コロナウイルス感染症の流行をきっかけに、在宅勤務を推進する企業が増えました。

ただ、現在の住環境だと自宅に家族がいるのでオンライン会議ができなかったり、業務に集中できなかったりする人も少なくありません。

また、ずっと家にいることでストレスを感じる人もいます。ワーケーションなら、リフレッシュを兼ねて旅先で仕事に取り組めます。 

ワーケーションの企業事例

実際にワーケーションを導入した企業の事例を紹介します。

日本航空のワーケーション

まずは日本航空(以下、JAL)。

2017年、JALは従業員の声をもとにワーケーションを導入しました。年間200人以上の従業員が年休をまとめて取得し、ワーケーションを楽しんでいるそうです。社内でワーケーションを普及させるために、従業員向けの体験ツアーも開催しています。

どうしても外せない会議だけは出て、あとは休暇を楽しむことも可能なため、年次有給休暇取得率が向上したそうです。

JALでは2019年には出張先で休暇を取れる「ブリージャー(ビジネス+レジャーの造語)」の導入も開始し、働き方の多様化が進んでいます。

(参考:JAPAN AIRLINES ワークスタイル変革) 

セールスフォース・ドットコムのワーケーション

もう1社紹介するのがセールスフォース・ドットコム(以下、セールスフォース)。顧客管理システムで知られるセールスフォースも、和歌山県南紀白浜にサテライトオフィス「Salesforce Village」を構え、従業員のワーケーションを推奨しています。

もともとセールスフォースは、ワーケーション関連の取り組みを始める前から、クラウドによる情報管理をおこなっていました。そのため、テレワークなど、働き方改革による新しい働き方の導入もスムーズに進んでおり、ワーケーションの成功もこの点が大きいでしょう。

しかも、セールスフォースでは、和歌山の自然に囲まれた環境で働いた従業員の業務効率が11%改善したというデータもあるそうです。また、通勤時間の短縮など、ワークライフバランスの両立も図られているとのこと。

(参考:セールスフォース・ドットコム人口減少社会とテレワーク 和歌山県白浜町の例に見る「地方創生」のヒント

さくらインターネットのワーケーション

最後に弊社の取り組みについても紹介させてください。さくらインターネットにも以前から「さぶりこ(Sakura Business and Life Co-Creation)」という多様性を尊重する働き方があります。その中に「どこでもワーキング」という自宅・カフェ・コワーキングスペースなど、個人の都合にあわせてさまざまな場所での勤務を可能としている制度があります。

 

また、2020年4月には新型コロナウイルス感染症の流行をきっかけに、リモート前提の働き方に移行することを発表しました。

【プレスリリース】 新型コロナウイルス感染症対策に伴う対応と新しい働き方に向けて

〜テレワークを前提とした新しい働き方に向けて制度やツールを拡充〜

 

さくらインターネットでは社長自らが沖縄に移住しました。これにより、実践するハードルが下がり、全国各地を移動しながらワーケーションを楽しんでいる社員もいます。

 

ワーケーションのメリット

ワーケーションのメリット

ワーケーションの企業側のメリットは、従業員が社外で仕事をすることによってリフレッシュし、ワークライフバランスの向上が期待できる点でしょう。それによって仕事へのモチベーションも高まり、業務効率アップなども狙えます。

先ほど紹介したセールスフォースの事例にもあるように、生産性の向上も見込めます。加えて、JALのように有給取得率アップも期待できます。

 

有給休暇の取得率がなかなか上がらない企業も日本には多いですが、これまで会社を休む・会社で働くの2択だったのが、ワーケーションという選択肢が増えることで多様な働き方が可能になるのです。

また、ワーケーションを受け入れる観光地からすると、普段忙しくて旅行に出かける時間が確保できない層を獲得できることから、利益アップが期待できるでしょう。

とくに、コロナ禍で自粛ムードが落ち着き、外に出たいという意識が強い人も増えています。ワーケーション希望者にホテルに長期滞在してもらうことで、地元の魅力を知ってもらい、地域の活性化にも繋がるでしょう。

 

加えてワーケーションに取り組む従業員からしても、観光地で仕事に取り組み、合間にはアクティビティも楽しむことでリフレッシュに繋がります。それに、人によっては会社以外の場所で仕事に取り組むことでリラックスでき、業務効率が上がったという人もいます。

 

みなさんも経験があるかもしれませんが、社会人になるとまとまった休暇を取得するのが難しいです。特に小さいお子さんがいる家庭だと、夏休みなどの長期休暇に旅行に連れて行ってあげられないことを気にしている人もいるでしょう。

ワーケーションを利用すれば旅行先で昼間は仕事、夜は家族との時間という感じで、家族との時間を満喫しつつ、並行して仕事もできるため、仕事に穴を空ける心配もありません。 

ワーケーションのデメリット

ワーケーションのデメリットは、まず地方だとインターネット環境が整っていない地域が多い点でしょう。そのため、地方のインターネット環境の整備はワーケーションにおいて急務となっています。

 

また、ワーケーションを推奨する企業からすると、セキュリティ面での心配は残るでしょう。ワーケーションやテレワークをするために、持ち出しOKのノートパソコンなどのハードウェア、業務で使用するソフトウェアに加え、セキュリティソフトをはじめとするソフトウェアの購入コストも必要となります。

加えて、出先で業務をおこなうにあたってのルールも決める必要があり、入念な準備をしないと情報流出など重大な問題が発生するリスクも伴います。

そしてワーケーションに取り組む従業員の中には、仕事と休みのメリハリがつきにくくなってしまうという人も出てきています。これはワーケーションに限らずテレワーク全体における課題であり、勤怠管理システムを導入するなど企業での対策が必要です。

 

また、出社して実際に働いている様子が見えないことから、人事評価が難しくなるというデメリットもあります。一般的に業務の評価基準には結果とプロセスの2つがあり、日本の場合はプロセスを重視する傾向がありますが、テレワークではプロセスが見えにくくなるため、結果重視にならざるを得ません。 

そのため、上司とよく話し合い、期待値の設定を今まで以上に具体的にする必要があるでしょう。 

 

ワーケーションに向いている職種

ワーケーションに向いている職種

ワーケーションに向いている職種の例としては、エンジニア、ウェブデザイナー、ライターなどが挙げられます。パソコンとインターネット環境さえあれば仕事ができる人は向いているでしょう。

業界で言うと、IT業界は他の業界と比べて働き方改革が進んでおり、テレワークに対する理解がある企業も多いです。

ワーケーションに取り組める環境を整えよう

ワーケーションは観光地で仕事に取り組むことによって、仕事をしつつもリフレッシュもできるのが強みと言えます。

 

しかし、まだ取り組みが始まってから間もない働き方なので課題を多く抱えているのも事実です。2020年に入り、国内でテレワークが広まったことから、今後はワーケーションも新たな働き方としてさらに注目度が上がるでしょう。

ぜひバカンスを楽しみつつ働くという過ごし方をしてみてはいかがでしょうか。

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