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秘書・特務業務はもちろん、未来戦略やイノベーション創出まで、多岐にわたるさくらインターネット社長室の仕事とは?

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「田中邦裕の代わりになる」。これは、さくらインターネット社長室が目指すところです。社長室では、秘書・特務業務はもちろん、未来戦略、イノベーションの創出まで多岐にわたる業務を担い、サステナブルに成長する企業の実現を目指しています。30名を超えるメンバーを取りまとめるのは室長の竹林正豊。芸術大学建築学科出身、ファッション誌編集者、PR会社など異色の経歴を持つ竹林に、今までの経歴、社長室の存在意義とやりがい、今後の展望まで聞きました。

竹林 正豊(たけばやし まさとよ) プロフィール

さくらインターネット株式会社 社長室 室長。ファッション誌の編集者、PR会社にてプランナー/クリエイティブディレクターを経て、2017年にさくらインターネット入社。第一期うめきた本社移転プロジェクトや、経済産業省の委託事業である衛星データプラットフォーム「Tellus」のPR責任者などを歴任し、現職。大阪芸術大学 芸術学部建築学科卒業。入社後、会社派遣にて慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科を修了。

芸術大学建築学科出身、ファッション誌編集者、クリエイティブディレクターという異色の経歴

まず、これまでの経歴を教えてください。

芸術大学建築学科出身で、ファッション誌の編集者からキャリアをスタートしました。その後、PR会社に転職したのち、2017年にさくらインターネットに入社しました。

建築学科出身でファッション誌編集者、PR会社と異色の経歴をお持ちですが、キャリアの最初に何故出版社に?

総合芸術大学に通いながら、建築をアートと捉えすぎることに違和感を持っていました。「建築は、彫刻や絵画と同じなのか?」「雑誌の表紙を飾るためにつくられたような建築物って誰のためにあるんだろう?」とか考えてしまって(笑)。多くの設計実習では、クライアント不在の課題に対して自己表現が先行する傾向があり、そこに“実際に利用する人”の気配が感じられなかった。なので、勝手にクライアント役を立てて、設計に取り組んだこともありました。

建築って、唯一“制約があるアート”だと思っていて、そこがすごく面白い。さらに、ちょうどインターネットが一般化して、社会の構造やルールそのものが変わっていく感覚もありました。そうしたなかで、「そもそも建築ってなんだろう」と考えるようになりました。やがて、“自分の身体から外の部分、つまり人との関係性はすべて建築じゃないか”という視点に行き着いて——卒業制作では建築物ではなく、ZINE(自主制作誌)をつくりました。雑誌の表紙を飾るような建築物ではなく、人との関係をつくる雑誌が建築だ、と(笑)。その勢いで、雑誌の世界に足を踏み入れたんです。

なるほど(笑)。その後はPR会社に入社されたのですね。

制作していたファッション誌の休刊をきっかけに、雑誌以外のモノづくりに挑戦したくてPR会社に転職しました。そこでは、映像やWebサイト制作、展示会のプランニングやクリエイティブディレクション等を担当しました。また、フォントベンダーの社長室へ出向し、本社建て替えプロジェクトに参画したり、広報宣伝に関わるさまざまなプロジェクトで、企画・ディレクションはもちろん、社内外の調整・推進を経験しました。そうしたなか、クライアントの1社にさくらインターネットがいたんです。当時は石狩データセンターを作るタイミングだったため、その宣伝も兼ねて展示会に出展していたのですが、そのディレクションを私が担いました。今では一般的になりましたが、当時では画期的な取り組みとして、田中がブース内で登壇したセミナーをリアルタイムで全国配信したんですよ。

その後、独立しようと考えていた矢先、さくらインターネットから「さくらは副業OKだからうちで働きながら独立したら?」と声をかけてもらったんです。田中が大切にしている「縛られる働き方よりも、ほかで認められているような人が自由に働ける環境をつくる」という考えに共感し、入社を決めました。

少し話がそれますが、最近子どもと行った図書館でハンス・ホラインの「すべては建築である(Alles ist Architektur)」という言葉に出会いました。大学時代の自分と似たようなことを、1960年代に考えていた人がいたんだと驚きました。彼がメディアの台頭する時代に、私はインターネットという環境のなかで、似た問いを抱えていたんだなと気づき、改めて、わたし自身がインターネットのテクノロジーやカルチャーに影響を受けてきたことを実感し、入社の必然性を感じました。

イノベーションの創出や未来戦略の策定まで、多岐にわたる業務

入社後はどのような業務をしていましたか。

入社後は、マーケティング部で北海道や福岡等の地域プロモーションや第1期うめきた本社移転プロジェクト、経済産業省の委託事業である衛星データプラットフォーム「Tellus」のPR責任者などを経験しました。その後、統合報告書や全社会議(All Hands)プロジェクトなどへの参画をきっかけに、2023年に社長室へ異動になり室長を務めています。

社長室とはどのような業務を担っている部署になりますか。

本当に多岐にわたります(笑)。おそらく一般的にイメージされる社長室の業務とは、かなりかけ離れているかと思います。組織図は、まず社長である田中、執行役員2名がいて、その下に室長である私とメンバーが30人ほど。特務グループとイノベーション共創グループ、さらに部付きのメンバーもいます。

特務グループでは、秘書業務とPMO・政策渉外業務などをおこなっています。具体的には、田中のイベント登壇に関する対応管理や資料作成、協賛・個別案件の管理、各種団体対応、社長随行・代行など。

今年は、田中が初めてAI法案に関する国会審議において、参考人として招集されるなど、業界のオピニオンリーダーとして政策提言なども積極的におこなっています。特務グループでは、田中のこうした活動をサポートし、各省庁への情報提供や、業界団体との連携・調整などもおこなっています。

一方、イノベーション共創グループでは、本社兼オープンイノベーションのための施設「Blooming Camp」や「SAKURA innobase Okinawa」の企画運営、福岡市のスタートアップ支援施設「Fukuoka Growth Next」」の運営受託、スタートアップとの協業、インパクト投資、産学連携、地域戦略などを推進しています。社会的なニーズに応え、会社を持続的に成長・発展させることで、社格の向上を目指します。

その他の部付きメンバーは、海外戦略や投資やM&Aといった専門性の高いテーマを扱っており、社として今後本格的に推進していく領域において、準備室的な役割も担っています。

また、役員とともに中長期戦略や未来戦略も策定しています。

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未来戦略とはなんでしょう。

中長期戦略でみるとまだ実現性は低いが、将来的に利益になりそうな事業を考えるのが未来戦略です。未来の種まきと考え、投資やM&A、海外展開、新規領域の進出など、将来の選択肢を増やすことが目的となります。

また、会社の各部門を横断的に結びつけ、さくらインターネットがもつ知見とリソースを流動させるハブ機能としての役割も担っています。具体的には、部門横断プロジェクトの推進はもちろん、ビジョンの共有やカルチャー醸成を目的にした全社会議やたこやきパーティー、さらには幹部候補生の育成のための”田中塾”の企画・運営など。田中が大事にする働く環境や働き方の向上を実現していきます。

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チャレンジし続ける! 「悪果」を恐れずつねに課題と向き合う

社長室で働く上で意識していることはありますか。

社長室のビジョンは「田中さんとみんなの『やりたいこと』を『できる』に変える」です。そのためには、田中の要望をきちんと要求分析して提案する力が大事だと考えています。たとえていうなら、田中が「カレーを食べたい」というと、さまざまな国のカレーはもちろん、おかんが作ったカレーを持っていく人もいる(笑)。でもそれは田中が本当に求めているものではなかったりするんです。

そこで、さらにヒアリングを重ね分析していくと、「辛くて、ご飯に合って、スパイシーなもの」だというのがわかる。そこで、麻婆豆腐を持っていくと「これこれ!」と言ってもらえる。こうした要求分析の力と柔軟性、周りを巻き込んで麻婆豆腐を作って持っていける推進力が大事かと思います。このあたり、私自身、IT業界と異なるクリエイティブ領域で仕事をしてきた経験が生きているなと感じますね。

このたとえ話は、よく社内外で話していますし、今後もこうした感性をもつメンバーと仕事をしたいです。

面白いですね。田中さんが考えたことを、社長室でより具現化していいモノにしていくということですね。

その通りです。与えられた課題に対し、自分なりに多くの仮説を立て、仲間とともに試行錯誤しながら形にしていく。最終的にアウトプットされ形になったときは非常にやりがいを感じますよ。

私自身、「Blooming Camp」のプロジェクト責任者としてコンセプト設計から携わってきましたが、オープン時には言いようのない感動を覚えました。「Blooming Camp」は、特定の地域に限らず、インターネットというオープンな地域で、人と人がつながり、熱量を感じる、新たなインスピレーションが生まれる、そんな施設になれるようにという想いが込められています。オンラインを中心としたコミュニティ運営などの方針も想いに沿って策定しました。そのため、企画運営を通して、新たなイノベーションの萌芽を感じる時などは、非常に嬉しいですね。

室長としてどのような職場環境にしようと意識していますか。

社長室は、明確に「正解」といえるテーマを扱うことが少ないため、試行錯誤の末に導き出した答えが“悪果”であることも多くあります。この悪果という言葉は、さくらの共同ファウンダーであり、私が勝手に“師”と仰いでいる小笠原さんから教わった造語です。よい結果よりもずっと大事なことだと考えています。なぜなら、悪い結果は課題となり、次の成長につながる種になるから。そのために、社長室ではつねにチャレンジし続けられる、悪果を恐れず果敢に立ち向かえる、そんなチームになることを目指しています。

よくウェルビーイングという言葉を聞きますが、ただ楽しいというわけではなく、苦しいことも経験しながら、それを乗り越えた先に幸せがあると考えています。自分に対してしっかり負荷をかけてチャレンジしていく。その結果、大きな変化や成長が自分自身に現れる。そこにやりがいがあると個人的には考えていますね。

社長室はチームではなくパーティー。田中社長の代わりになれる存在へ

どのような人たちと共に働きたいと考えていますか。

課題感を持って世の中をよくしていきたいと考える人と一緒に働きたいですね。社長室にはチャレンジできる環境が整っており、社長と近い視座で業務ができるので、そういった人にはぴったりだと思います。

また、私自身、社長室はグループやチームを超えたパーティーだと考えています。グループはただ集まった人たち。そこに目的があるとチームになります。さらに、お互いに敬意がある集団をパーティーと定義づけています。イメージ的には、メンバーそれぞれが主役にも脇役にもなり得る。あるプロジェクトでは、「この強みが生きそうだから○○さんがリーダー」というように、場面場面で役割を入れかえることができる、柔軟な組織を想定しています。

メンバー同士のディスカッションも積極的に歓迎しており、相互理解が進んでいるからこそ、率直な意見が交わされています。意見は誰かの攻撃ではなく、「共通の目的を達成するためのアクションだと考えよう」とつねづねメンバーには伝えています。

最後に、今後社長室として目指しているところを教えてください。

「田中の代わりになれる」社長室を目指しています。単にサポートするだけでなく、同じ視座を持って物事を考えられる、チャレンジできるような存在になりたいですね。そのためには、さらにスピード感を持って変化と成長する必要がありますし、社長の意思と構想を迅速に形にできる必要があります。組織をより強化できるように、今後も自分自身が一番楽しみながら、社長室、全社と一緒にチャレンジをし続けたいと思います。

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執筆

太田 祐一

業界紙の新聞記者として2紙経験後、独立。現在は、ITやデジマなどを中心にITmediaビジネスオンライン、MarkeZineなどで執筆しています。特に、toB向けの導入事例記事が得意。映画と日本酒をこよなく愛する。
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