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さくらのAIが拓く、国産AI共創戦略ロードマップ(SAKURA AI Conferenceレポート) 

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2025年12月11日に開催された、国産AIの共創をテーマにしたさくらインターネット初のカンファレンス「SAKURA AI Conference」内にて、さくらインターネット株式会社 AI事業推進室 室長 角 俊和が登壇。「さくらのAIが拓く、国産AI共創戦略ロードマップ」と題し、さくらインターネットが描くAI事業の拡大戦略、そしてパートナーと築く“日本発AIエコシステム”の全貌などについて講演しました。本記事ではその内容をレポートします。 

角 俊和(すみ としかず) プロフィール

さくらインターネット AI事業推進室 室長 
大手通信キャリア、メディア企業での開発・企画・技術統括・事業統括を経て、2019年3月にさくらインターネットに入社。現在はおもに「高火力シリーズ」をはじめとする機械学習・生成AI向けサービスなどの新規事業を統括。2025年8月よりAI事業推進室 室長に就任。 

AI時代の転換点における日本の立ち位置 

まず当社の戦略の前に、現状の認識からお話ししたいと思います。 

ご存じのとおり、生成AIの爆発的な波が到来しています。AIの開発という局面から生成AIの利用という局面へと、世の中は大きく変化してきていると認識しています。 

いまや生成AIを業務や生活のなかで使わない日はないという方も、非常に増えているのではないでしょうか。 

しかし、AIの利用状況を見ると、世界的にはアメリカと中国という2か国に大きく偏っているのが現状です。日本を含めたそのほかの地域は、米中のAIの消費者側に回っている構図が生まれているのではないかと考えています。 

世界と比べて、日本の生成AI導入率は最低水準だという調査結果もあります。過去20年から30年の間、「デジタル敗戦」という言葉もあるように、海外ITの利用者に回ってきた結果、莫大な貿易赤字を抱える状況が生まれています。 

生成AIの普及が利用者としての立場を加速させ、さらに貿易赤字が拡大して、日本から富が流出していくリスクもある。私たちはいま、大きな岐路に立っていると認識しています。 

こうしたなかで、私はAIとITの時代には大きな違いがあると考えています。それは、依存リスクの質が異なるという点です。 

海外AIサービスの多くはオプトアウトが原則となっており、インプットに使われたデータは、とくに明言しなければ学習に使われていきます。また、海外のサービスによっては、必ずしも日本の法律で運用されているとは限らず、渡した情報がどのように扱われているかが把握しづらいというリスクもかなり増えてきています。 

これから私たちは、さまざまな業務や社会生活のなかで生成AIに依存していくことになるでしょう。そのなかで海外のAIへの依存を深めていくことは、価値判断を委ねるリスクにつながるのではないでしょうか。 

日本語のデータ、国内のデータではない部分で生まれてきたAIに価値判断を委ねるという文化的なリスクも生まれています。経済面から文化面まで、非常に大きなリスクのある状態です。 

また、海外で提供されているサービスに依存しきったあとに、提供条件が変わるということも、過去のIT業界では何度も起きてきました。AI時代においても起きないとは限りません。産業自体が振り回されてしまうリスクもある、かなり大きな転換点にいると認識しています。 

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さくらインターネットが目指す方向性 

こうした状況で当社が考えている戦略・方向性は、「AIを使う国から、創る国へ」ということです。AIを消費して富が失われていく国から、国産AI基盤を使って発展していく国へ。そのためにインフラ事業者の立場から貢献できるのではないかと考えています。 

日本語や日本社会に最適化されたAIモデルを、国内で実行・提供できる環境をしっかりと整備すること、日本のなかで富が循環する仕組みづくりに貢献していくことを、1つの大きな方向性として考えています。 

フルスタックで備えたAIインフラ 

具体的な取り組みとして、当社は創業以来、インターネットインフラ事業者、データセンターインフラ事業者としてインフラを整備し運営してまいりました。  

現時点ではHPCからGPUクラウド、またネットワークの閉域網などを備え、かつ、「ガバメントクラウド整備のためのクラウドサービス」にさくらのクラウドが条件付きで認定されているということで、フルスタックで備えたAIインフラ事業者といえるのではないかと思っています。データを守り、AIを活用するための計算資源とプラットフォームサービスを取りそろえてご提供していることが、当社サービスの基盤となっています。 

当社のGPUサービスは「高火力シリーズ」というブランド名で、ベアメタル、VM(バーチャルマシン)、コンテナといったさまざまな形態で提供しています。 

さらに今年からは「さくらのAI」という名称で、国産の推論AIプラットフォームの提供を開始しました。こちらは推論モデルをOpenAI互換のAPIで提供しているものです。 

AIモデルやAIアプリケーションを扱うマーケットプレイスを備え、マネタイズや商用化の支援までをおこなう総合的なプラットフォームとして展開しています。 

また、このプラットフォームでの提供を見据えて、国立研究開発法人 情報通信研究機構および株式会社Preferred Networksなどと共同で、AIの信頼性を担保する取り組みも進め始めています。 

>> Preferred Networks、さくらインターネット、情報通信研究機構、 安心安全で日本社会と調和する国産生成AIのエコシステム構築に向け、 基本合意を締結 

安心して日本のデータをフル活用できる、信頼できるAIの確立を目指しているのが、「さくらのAI」ブランドです。 

具体的には「さくらのAI Engine」と「さくらのAI ソリューション」という2つのカテゴリーで提供しています。開発者向けのAPIサービスと、クラウド・モデル・AIアプリケーションをパッケージングして提供するインテグレーションサービスです。 

こちらはサービス化して間もない段階ではありますが、非常に多くのお問い合わせやご利用をいただいています。プライベートなデータを安全に扱いながら生成AIを活用したいというニーズの高さを実感しています。当初想定していた以上に反響が多い、と感じているしだいです。 

さくらのAI Engineの全体図(以下画像)で示しましたが、APIを通じて基盤モデルを提供しており、プライベートにもご利用いただけるサービスとして展開しています。 

パートナーシップによる国内AIエコシステムの創出 

当社はさまざまなパートナーシップを組んで、AIを「学ぶ」「使う」「創る」「稼ぐ」といった循環モデルを目指しています。産業を創ること自体を目指しているのが、単なるサービス提供だけではない当社の取り組みです。近年、このような協業を加速させています。 

毎週のように、多くの事業者や大学、各種団体のみなさまと新たなパートナーシップの輪が広がっています。ご関心がありましたら、ぜひAI産業の創生に向けて、ご一緒できれば幸いです。 

国内唯一のユニークな市場ポジション 

インフラ事業者でありながら、AI推論プラットフォームサービス提供者であり、かつ「ガバメントクラウド整備のためのクラウドサービス」にさくらのクラウドが条件付きで認定されているという立場にある当社は、AI産業の推進に必要なものを一気通貫でおこなっている、国内では唯一の事業者といえるのではないでしょうか。その意味で、非常にユニークな立場にあると認識しています。当社の特性・特長を活かして、サービスの提供およびAI産業の推進に貢献していければと考えています。 

当社の今後のビジョンとしては、短期的にはGPUのベアメタル、クラウドでしっかり成長を遂げ、その後、AIのプラットフォーム化・基盤化を進め、エコシステムによって産業を創出していきます。 

同時に、規模やシェアの拡大を見据えています。さらに、AI産業を創るノウハウを他国のソブリンAI支援や発展拡大に活かし、グローバル展開も視野に入れた構想を描いています。 

さくらインターネットは、AIで日本の未来を創る、国産AI基盤で日本の未来を創ることにチャレンジしていきます。 

生成AIという時代の転換点を機会と捉え、AIを活用して豊かな国になるような貢献をしていくことが、当社の成長戦略にもなると考えています。ぜひみなさまとともにこのような方向で歩んでいければと思います。ありがとうございました。 

さくらインターネットが提供する、安心の国内基盤AIサービス「さくらのAI」 
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編集

さくマガ編集部

さくらインターネット株式会社が運営するオウンドメディア「さくマガ」の編集部。

※『さくマガ』に掲載の記事内容・情報は執筆時点のものです。

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