レンタルサーバーとは、ホームページやブログ、ECサイト(ネットショップ)の開設に必要なサーバーをレンタルで提供するサービスのことです。Webサイトの開設にあたり、どのサービスを利用するべきか迷う人も多いでしょう。
この記事では、レンタルサーバーを利用したい人や企業の担当者に向け、レンタルサーバーの概要や仕組み、どのようなことができるのかなどを解説しています。レンタルサーバーならではのメリットや業者の選び方のポイントも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
- レンタルサーバーとは
- レンタルサーバーの仕組み
- レンタルサーバーの種類・それぞれの特徴は?
- レンタルサーバーでできることは?
- レンタルサーバーを利用するメリット
- レンタルサーバーを選ぶときのポイントは?
- レンタルサーバーについて まとめ
レンタルサーバーとは
レンタルサーバーとは、サーバーをレンタルで提供するサービスのことです。「ホスティングサービス」や「サーバホスティング」などと言われることもあります。ホームページやブログ、ECサイトなどにインターネット経由でアクセスしてもらうためには、サーバーが欠かせません。サーバーを自宅や自社に設置する必要もなく、レンタルで利用できるサービスです。
そもそも「サーバー」とは?
サーバーとは「クライアントからの要求に応じてデータを返すコンピューター」のことです。クライアントとは、ホームページの閲覧者、サーバーを利用する社員などのパソコンやスマホなどのことを指します。
もし、あるパソコンから特定のECサイトのURLにブラウザでアクセスしたとしましょう。サーバーはそのパソコンからの要求に応じ、保管されたデータの中から商品紹介のテキストや画像、動画などの情報を送信する役割を担っています。
レンタルサーバーの仕組み
レンタルサーバーの契約者となるのは、主にホームページやECサイトの制作者です。インターネット上にあるレンタルサーバー業者のサーバーにホームページなどのデータをアップロードします。そうすることで世界中のユーザーがアクセスできるようになり、ドメインを介してブラウザやアプリなどからコンテンツを閲覧・利用できるようになります。
サーバー自体は業者が管理する場所にあるため、設置スペースは不要です。また、保守管理も業者におこなってもらえます。
ドメインとは?
ドメインとは、インターネット空間の住所のようなものです。たとえば、「https://www.sakura.ne.jp/」なら、ドメインは「sakura.ne.jp」です。ドメインさえわかれば特定のサーバーに辿り着けます。
レンタルサーバーを利用する場合、通常ドメインは業者から取得します。業者によっては自分好みのドメイン名にすることも可能です。上記の例では、先に使用している人がいなければ、「sakura」の部分をサイト名や企業名などの独自ドメインにすることができます。 また、選ぶドメインの種類によって「.ne.jp」部分を「.info」や「.co.jp」などにできます。
レンタルサーバーの種類・それぞれの特徴は?
レンタルサーバーの種類は、主に5種類です。「共用サーバー」「マネージド専用サーバー」「専用サーバー」「仮想専用サーバー」「クラウドサーバー」があります。それぞれの特徴を詳しく解説します。
共用サーバー(レンタルサーバー)
1台のサーバーを複数のユーザーで利用するサービスで、最も利用者数が多いタイプです。レンタルサーバーという場合は、この共用サーバーをさす場合が多いです。
メリットは利用料が安価でサーバーのOSやアプリケーションが設定済みなので、IT機器に詳しくなくても簡単で使いやすいことが挙げられます。初心者の方におすすめです。
一方、管理者権限がないのでサーバーでできることに制限があるというデメリットがあります。また、複数人で利用するので、共用ユーザーのなかにヘビーユーザーまたは人気サイトの運営者などがいると、データの読み書きや通信速度が遅くなる可能性があります。最近ではCDN(Content Delivery Network)を併用することで共用サーバーでも大規模サイトの運用ができるようになってきました。
マネージド専用サーバー
動作仕様は専用サーバーと同じですが、サーバーの保守・管理を業者に任せるタイプです。たとえば、サーバーに関して専門的な知識はないけれど、多くの顧客を対象にしたECサイトを立ち上げたい場合や、セキュリティ的な理由で共用サーバーを使えない場合に利用できます。
一方で、管理を任せる分、専用サーバーより費用が高額です。また、共用サーバーと同様に管理者権限がないので利用方法に一定の制限があるため、専用サーバーほど自由に設定を変えられません。
専用サーバー
1台のサーバーを1ユーザーが専有する種類です。サーバーの能力を専有できるので、CPUやメモリ、ディスク等のリソースを自分のためだけに利用できます。また、サーバーの基本設定も必要に応じて独自にカスタマイズできます。
ただし、利用料が高いことと、OS更新やアプリケーション設定などサーバーの設定・管理を自分でしなければならないことがデメリットです。
VPS(=仮想専用サーバー)
1つのサーバーを複数ユーザーで利用する点は共用サーバーと同じですが、仮想的に1つのサーバーを占有しているかのように運用できるタイプです。専用サーバーのメリットを仮想的に実現しつつ、料金が安いサービスといえます。
ただし、ハードウェアは共有なので他者の影響を受ける場合があります。また、専用サーバーと同じく、自分でOSや動作設定をしなければならないので、専門的な知識も必要です。
クラウドサーバー
VPSと同じく、1つのサーバーを複数ユーザーで利用しつつ、仮想的に独立したサーバーのように扱えるタイプです。VPSと違うのは、利用する機能やデータ容量などを柔軟に追加・削除できることです。したがって、料金は利用する機能やスペックに応じて変わります。VPSより高機能なサービスで、事業形態や規模を柔軟に変えたい場合に向いています。
VPSとクラウドの違いについては「さくらのVPSとさくらのクラウドの違いは? 各種サービスとの違いも紹介」をご覧ください。
レンタルサーバーでできることは?
レンタルサーバーでどのようなことができるのでしょうか。具体的に紹介します。
ホームページ・ブログ
レンタルサーバー上にホームページやブログを公開できます。無料のブログサービスとの違いは、自由にドメインを決めたり、好きなアプリケーションを使って自由度の高いサイトが作れることが挙げられます。企業のコーポレートサイトにもおすすめです。
アフィリエイトサイト
無料のブログサイトなどの多くは商用利用が制限されています。しかし、レンタルサーバーは、通常、商用利用が可能です。サイト内の広告から収入を得るアフィリエイトをビジネスとして取り組むなら、レンタルサーバーは必須といえます。
ECサイト
レンタルサーバーを利用してECサイトを作成すれば、モールサービスのように売上に対しての販売手数料などを支払う必要はありません。また、ビジネス向けのプランであれば複数スタッフでのサーバー運用に適した機能もありますのでサイトコンテンツの共同制作も可能です。
メールアドレスの利用
ビジネスや副業用メールアドレスの場合、Gmailなどのフリーメールサービスでは信用されにくい面があります。顧客情報や財務情報などを扱う上で問題になることもあるでしょう。独自ドメインを取得すれば、信頼性の高い独自のメールアドレスを持てます。一般的に、レンタルサーバーを利用することで複数のメールアドレスを設定できるようになるので、カスタマーサポート用やスタッフ連絡用などと使い分けられます。
レンタルサーバーを利用するメリット
ここでは、レンタルサーバーのメリットを挙げていきます。導入を検討する際の参考にしてください。
専門的な知識が必要なく始められる
自社サーバーを構築する場合、サーバーの選定や設定、ネットワーク構築などの専門知識が必要です。しかし、レンタルサーバーを活用すれば、これらを業者に任せられます。そのため、短期間でホームページやECサイトなどを開設できます。
自社サーバーよりも費用が安く済む
自社サーバーの場合、購入費用がかかるうえ、電気代や保守管理スタッフの人件費などもかかります。運用規模にもよりますが、個人事業者や中小企業の場合、レンタルサーバーのほうが費用を安くできるケースが多いです。
独自ドメインを持てる
有料のレンタルサーバーを活用する場合、独自ドメインを使えることもあります。希望のドメイン名を選べるうえ、信頼性の高いメールアドレスも入手可能です。ただし、自分で手配しなければならない場合や、有料サービスの場合もあります。
管理・メンテナンスの手間がかからない
自社サーバーの場合、24時間保守が必要です。基本的に電源も落とせません。また、故障時のメンテナンスを自社や自分で対応することになるので従業員にも負荷がかかります。一方、レンタルサーバーの場合、業者の専門スタッフが常に保守管理してくれるため手間がかかりません。
レンタルサーバーを選ぶときのポイントは?
どのレンタルサーバーを選べばよいか迷うことも多いのではないでしょうか。ここでは、選ぶときのポイントを紹介します。
利用目的・欲しい機能に応じて選ぶ
「どのようなコンテンツが必要か」などの目的を決めて、機能や容量を選びましょう。先に紹介したサーバーの種類や独自ドメインの取得の可否、HDDが何GBまで使えるかなどが選択項目です。個人でアフィリエイトに取り組む場合などは、WordPress(CMS)が使える環境かどうかも重要なポイントです。WordPressの基礎知識や特長については下記記事をご覧ください。
>>[さくらのホームページ教室]WordPressとは?知らなかったと言えないかも?超基本のまとめ
実績がある・信頼できる業者か確認する
信頼できる業者かどうか判断するのに使えるのが、レンタルサーバー会社の実績です。契約会社やユーザー数などを公表している業者を選びましょう。一概にはいえませんが、大手企業や公共施設などが導入していれば信頼度は高いといえます。
問題が起こった時のサポート体制をチェック
格安の月額使用料で提供されているレンタルサービスもありますが、そのぶんサポート体制が不十分な場合もあります。価格だけで選んでしまうと、顧客との信頼関係が重要なEC事業者や個人事業者にとっては致命的な問題になりかねません。不具合が生じた際に利用するサポート窓口の営業時間や、問い合わせの手段を確認しておきましょう。サポート体制が充実しているかは準備段階で確認すべきです。
料金を具体的に算出して比較する
レンタルサーバー業者の候補が決まったら、サービス内容や料金を比較検討します。初期費用や月額費用、どのような料金プランがあるのか、機能や容量などが検討項目です。最終的にどれぐらいの費用になるのかシミュレーションして、予算内に収まるか、費用対効果は高いかなどを検討しましょう。
レンタルサーバーについて まとめ
レンタルサーバーにはさまざまな種類や機能があるので、利用目的に合わせて適切に選びましょう。費用や管理の負担を減らして効率的な運用ができます。
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