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国内最大級サービスからパブリッククラウド開発へ。エンジニア 松野徳大(tokuhirom)の転職理由とは?

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さくらインターネットではエンジニアの採用を積極的におこなっています。今回は、2025年1月に入社したクラウド事業本部の松野 徳大にインタビューを実施しました。インタビュアーは、クラウド事業本部 副本部長の長野 雅広。エンジニアならではの視点で、これまでの経歴や興味のあること、さくらインターネットでやりたいことなどについて切り込んでもらいました。

松野 徳大(まつの とくひろ) プロフィール

さくらインターネット クラウド事業本部 SRE室
高等専門学校卒業後、株式会社モバイルファクトリーのソフトウェアエンジニアとしてキャリアをスタート。株式会社ライブドア(現:LINEヤフー株式会社)に13年間在籍し、各種サービス開発のほか、2022年4月からは開発部門のフェローとしてエンジニアの底上げをおこない、シニアマネージャーとしてマネジメントにも従事。2025年1月にさくらインターネットへ入社。@tokuhirom

前職ではエンジニアコミュニティへの参加やナレッジのアウトプットに注力

長野

最初に松野さんのこれまでの経歴を教えてください。

松野

20歳のときに高専(高等専門学校)を卒業したのちに、株式会社モバイルファクトリーという会社に入りました。そこでは携帯電話の着信メロディや、広告事業をやっていました。その後、えとらぼ株式会社という衛藤バタラさん(SNSのmixiの元開発者)の会社で2年ほどサービスの開発を担当したあと、株式会社ライブドア(現:LINEヤフー株式会社)に入りました。13年ほど在籍していましたが、その間は基本的にはサーバーサイドエンジニアをやり、最後の5年ぐらいはマネージャーをやっていましたね。

長野

松野さんと知り合ったのは、17~18年ぐらい前でしたかね。

松野

そうですね、Perlのコミュニティが初めての接点でした。当時はPerlを使ってサービスの開発をしていましたし、Perlのコミュニティで活動することに重点をおいていました。

長野

その後、ライブドアが会社合併を経てLINEに社名が変わったころから、松野さんの活動もJava中心に変わってきていますよね。

松野

合併先の会社が結構Java中心に扱っていたので、開発言語が徐々にJavaになりました。自分でもJavaを書いているし、社内でもJavaを使うチームが増えていって、Perlはなかなか使わなくなっていきましたね。

長野

そのころ、Javaのコミュニティ活動をかなりされているなと見ていました。

松野

そうですね。当時はJavaを使っていても外向きの発信などはあまりしていなくて。「Javaを使っている会社」というイメージも持たれていませんでしたね。すると採用にも苦戦するんですよ。
そこで、Javaを使っている会社というイメージをつけたいと思って、1年間ぐらいは世の中の「Java」って名前がついているイベント全部に参加しました。イベントでは「いまLINEはJavaにかなり力を入れています」ということを伝える発表や発信をたくさんやったんです。その効果もあってか、コミュニティの方からイベント登壇の打診をいただけるようになりました。大きなBtoCの会社で外向きの発表をしていたところはあまりないということもあって、注目いただいたようです。
あと、Twitter(現:X)でイベントの実況をしている参加者がいますが、そういう方を全部フォローしてコミュニティに深く関わっていくこともしていました。

こうした取り組みの結果、多くの方々のご協力もあり、日本では「JavaといったらLINE」というイメージを作ることができたんじゃないかと思っています。

長野

LINEは日本で非常に知名度の高いサービスですが、それだけではなく、エンジニアのコミュニティへ参加し、よい意味で影響力が大きくなっていくのはすごいなと思ってました。

話は変わりますが、さくらインターネット入社後のSRE室での自己紹介で、「社内の技術力向上の取り組みをしていた」と言っていましたよね。その話をくわしく聞いてもいいですか?

松野

会社が大きいと、部署によってはほかの部署の人と話す機会が少なくなってきます。そこで「サーバーサイドエンジニア現状共有会」というのを社内で立ち上げて、いろいろな部署の人を集めてきて、横のつながりを作ろうという活動をやっていました。
会社が大きければ大きいほど、お堅い会になってしまいがちですが、できるだけカジュアルさを守って、好きに喋ってOKという雰囲気にしていました。

あとは「はじめてシリーズ」という社内向けの記事を書いていました。社内のWikiに「はじめての〇〇〇」っていうWikiを書くんですよ。
昔アスキーが出版していた『〇〇〇を256倍使うための本』っていうシリーズがあったじゃないですか。ああいう文体で、気軽に自分の持っているナレッジをアウトプットする活動をしていました。最初は僕だけやっていたんですけど、しばらくするとほかの人も続いてくれて、そのうち「はじめてシリーズ」のWikiのスペースができるまでに育っていました。

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入社1日目から社内向けに便利なデスクトップアプリを制作

長野

さくらインターネット入社1日目に、社内で使っているグループウェアのデスクトップアプリを作られていたのには驚きました。

松野

前職にも社内のカレンダーサービス用のアプリケーションがあったんですよ。それと同じようなものをささっとElectronで作ってみたんです。Macだとシステムトレイに常駐し、次の予定を確認できたり会議の1分前に通知をしてくれるようにしています。予定の通知が来ないと忘れてしまうので作ってみました。

長野

元となるアイデアがあったんですね。でも1日目にそれをやってしまうのはすごい。

松野

仕組みを見ていたらできそうだったので、作りました。

長野

そのあとも、社内のドキュメントの使いやすさを改善するChrome拡張機能を作っていましたよね。

松野

前職ではマネージャーという立場だったので、手を動かす時間が少なかったこともあり……。Chrome拡張機能などを作ることで、コードを書きたい欲求を発散させていました(笑)。

部署で自由に Chrome拡張機能を登録できるレポジトリを作って、そこのJavaScriptのコードをおくと自動的にChrome拡張機能がビルドされる、という仕組みも作っていましたね。

長野

それもおもしろいな……。ちょっとしたことを解決するものってすごく大事だと思っていて、「あれ?」って思ったときに手がうごいて、形にできる人は本当にすごいと思っています。

松野

みんな忙しそうなので……。
でも、ElectronのアプリやChrome拡張機能の場合、一度コードを書いて作ると、次からはネタがあれば簡単に作れます。

長野

たしかに、自分も数日前にとあるサイトのHTMLの属性を変更するChrome拡張機能を作りました。やってみて「あれ、こんなに簡単だったんだ」と。まずやってみるかどうかが大事ですね。

ガバメントクラウドの技術要件達成に向けて「さくらのクラウド」機能開発に参加

長野

さくらインターネットでの配属や担当業務についても教えてください。

松野

クラウド事業本部のSRE室(2025年2月からテクノロジー室に名称変更)の所属です。
業務としてはさくらのクラウドのメッセージキューサービスの開発から入っています。僕自身、いままで業務でAWSなどのパブリッククラウドはそんなに使っておらず、前職でもプライベートクラウドでした。メッセージキューもApache Kafkaをかなりハードに使っている環境で、たぶん日本でも最大規模のApache Kafka クラスターを自由に使える環境でしたね。そんなこともあって考え方が違うので、キャッチアップは大変ですけど、がんばっています。

長野

メッセージキューのサービスはガバメントクラウド1の技術要件にもなっていますね。これからの課題として「おおむね無制限にスケールすること」という技術要件の文言があります。これをどう考え実現するかは、エンジニアとしては興味深い課題になるかと思っています。

松野

そうですね。いまは最低限の機能を期日までにリリースする必要があって、今後何の機能を追加していくかについては検討事項になっている認識です。そのあたりを含めて他社のドキュメントを読んだりしています。

あと、実際、いま開発しているメッセージキューサービスのアーキテクチャではTiDBバックエンドになっていますけど、TiDBバックエンドではやっぱりパフォーマンスにも限界があると思うんですよね。
TiDBも触ったことがないのでドキュメントを読んだり、OSSなどほかのキューのソリューションのアーキテクチャや実装を見たりしています。データの持ち方なども含めて結構おもしろいですね。

「エンジニアがさくらへ集まってきている」期待感も転職を後押し

長野

さくらインターネットへ転職した理由はどのようなものだったのでしょうか。

松野

田籠さん(クラウド事業本部 所属)から声をかけてもらったのが最初のきっかけですね。声をかけてもらうまではそもそも転職自体も考えていませんでした。声をかけてもらってから、ほかの会社もみたのですが、自分が前職で扱っていたのが国内最大級のサービスということもあり、なかなかそれ以上におもしろいと感じる会社を見つけられなかったんですよね。
そんななか、「クラウドの開発は覚えることも考えることもいままでと違うのでおもしろいのでは?」と感じたことが、さくらインターネットへ転職した一番大きな理由です。

あとは、最近「さくらインターネットへ転職しました」というエンジニアの記事をよく見かけていて。これから新しい人がどんどん入ってくるんだろうなという期待感もありましたね。あと、SDKの開発者ポジションなどいろいろな職種を募集していて、しかもそれが普通のWeb企業と違う切り口になっているのも興味深かったです。

入社して、ソフトウェア開発の業務が多くあり、ソフトウェアを書くチームが多くあるのは一つ意外なことでしたね。データセンターの会社というイメージがあったので。
僕は結構「to Developer」のプロダクトが好きなのでそれもやりたいんです。面接の前にもさくらのクラウドを触ってみたりしていましたが、「伸ばす余地」がいろいろあると思っています。まだ現状把握の段階ですが、さくらのクラウドのマニュアルも改善していきたいですね。

長野

いまは2025年度末までのガバメントクラウドの本認定に向けた機能開発がメインとなっていますが、その先にはやっぱり多くの開発者に使ってもらうための開発が待っています。

松野

「本気でクラウドをやっていくんだ」という雰囲気は随所からかなり感じています。ガバメントクラウドの開発のあとにパブリッククラウドに対してより力入れてやるのであれば、絶対におもしろいだろうなと考えています。

長野

そうですね。さくらのクラウドの開発はガバメントクラウドの機能開発で終わることはないです。やりたいことに対してまだまだエンジニアが足りていませんし、全方向で機能の開発、改善を進めていきたいです。ぜひ力を貸してください。

松野

はい、よろしくお願いします!

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(撮影:ナカムラヨシノーブ)

  1. さくらインターネットが提供するIaaS型クラウドの「さくらのクラウド」は、2023年度にデジタル庁が募集した「ガバメントクラウド整備のためのクラウドサービス」(ガバメントクラウド)に認定されました。本認定は、2025年度末までに技術要件をすべて満たすことを前提とした条件付きの認定です。 ↩︎

執筆

長野 雅広

さくらインターネット クラウド事業本部 副本部長、SRE室 室長
2021年1月にさくらインターネットへ入社。大学在学中から京都でスタートアップ企業に参加。2006年に株式会社ミクシィに入社し、2010年に株式会社ライブドアに転職。Web サービスのチューニングコンテスト「ISUCON」の創設に関わる。2015年に株式会社メルカリに入社し、SRE組織の立ち上げに携わる。2024年4月より、クラウド事業本部 副本部長に就任。

※『さくマガ』に掲載の記事内容・情報は執筆時点のものです。

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