ジョブ型雇用とは?意味や企業事例、メリット・デメリットなどを紹介

ジョブ型雇用とは何?意味や企業事例、メリット・デメリットなどを紹介!

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こんにちは。さくマガ編集部です。先日リクルートキャリアが、全国の人事担当者に対して「ジョブ型雇用」に関するアンケートを実施しました。

その結果、ジョブ型雇用の認知率は54.2%。従業員規模が大きいほど認知率は高い結果が出ています。

 

(▲出典:株式会社リクルートキャリア「ジョブ型雇用」に関する人事担当者対象調査2020)

(▲出典:株式会社リクルートキャリア「ジョブ型雇用」に関する人事担当者対象調査2020)

 

時代の流れに応じて職種が細分化されたり、女性の社会進出によって時短勤務など生活スタイルに合わせた働き方の選択肢を用意する必要がでてきています。日本政府も「働き方改革」と称した、これまでの働き方の仕組みを変える動きを見せています。

 

そのうちのひとつで、新たな雇用方法として注目を浴びているのがジョブ型雇用です。本記事では、ジョブ型雇用について解説します。

ジョブ型雇用とは

ジョブ型雇用とは、人材採用において事前に職務記述書(ジョブディスクリプション)を作成し、職務の内容や範囲を明確に決めたうえで採用をおこなう考え方。この記事ではそのように定義します。

これまでの日本では総合職採用・年功序列型が主流であり、実力よりもひとつの会社に長く勤めることが評価される風潮がありました。

しかし、この制度だと専門的なスキルを持った人材が育たないのが難点でした。そこで国際競争力を高め、専門職を育てる目的で、’欧米で主流とされているジョブ型雇用を日本でも導入する動きが強くなっています。

 

ジョブ型雇用の特徴は、大きく2つあります。専門職採用と実力主義です。

まず、ジョブ型雇用では、採用の時点で任せる業務が決まっています。例えばエンジニアとして採用されたら、マネジメントや営業など、エンジニア以外の仕事には取り組むことがありません。

 

そのためひとつの仕事に専念できる環境が整っており、スキルアップが期待できます。また、ジョブ型雇用では完全実力主義です。よって、結果を出しさえすれば、年齢に関係なく上を目指せます。仕事の達成度や結果が評価されやすくなるので、テレワークなどの働き方に適しています。

ジョブ型雇用とメンバーシップ型雇用

メンバーシップ型雇用とは

ジョブ型雇用と比較されるメンバーシップ型雇用について説明します。メンバーシップ型雇用とは、従来の日本企業で取り入れられていた総合職採用・年功序列制度・終身雇用の雇用システムです。また、メンバーシップ型雇用は新卒一括採用という特徴もあります。

これまでの日本企業は、総合職として新卒者を一括で採用し、そこから定年退職までひとつの会社で働くのが一般的でした。転勤や異動も伴い、ジョブローテーションを繰り返すことでゼネラリストとして長期的に会社に貢献できる人材を育成します。

メンバーシップ型雇用の強みには、定年まで雇用が保証されていること、一通りの業務を経験してから、適性を判断して自分に合った職に就ける点などが挙げられます。 

メンバーシップ型雇用の課題

メンバーシップ型雇用は、戦後からバブルまでの高度経済成長期にできあがった制度であり、現代では終身雇用を保証できる余力のある企業は限られています。

トヨタ自動車の豊田章男社長でさえも「雇用を続ける企業などへのインセンティブがもう少し出てこないと、なかなか終身雇用を守っていくのは難しい局面に入ってきた」と発言しています。

 

最近は大学や専門学校への進学率が上がり、就職前に専門的なスキルを学び、学んだ内容に合わせて就職活動をおこなう学生が増えています。そこでこれまでの総合職採用だと、自分がやりたいことができない、大学で学んだ内容を活かせないなど不満を抱える学生が増えました。

しかも、いくら結果を出しても自分より仕事ができない上司より評価してもらえないなどと考え、実力を評価してもらえる海外企業へ転職してしまう若手も増えています。

 

日本は少子高齢化が進み、今後は今まで以上に労働力の確保が企業にとっての大きな課題となるでしょう。そこで新卒の一括採用にこだわっていると、そもそも若い人材が確保できないという問題にも直面します。

メンバーシップ型雇用はあくまで昭和〜平成初期までの社会構造に合わせてできあがった雇用制度であり、時代の変化に合わせて、人材採用の仕組みを変えていく必要があるでしょう。

 

そこで注目を浴びたのが、欧米で主流となっている、ジョブ型雇用です。ジョブ型雇用は、メンバーシップ型雇用とは真逆です。実力主義、かつ年齢に関係なくスキルを基準とした採用をおこないます。そのため、メンバーシップ型雇用で生まれていた若手の不満を解消し、優秀な若い人材の確保に繋がるでしょう。

また、メンバーシップ型雇用だと、ある程度経験を積んだら現場から離れて管理職へ異動するのが一般的でした。そのため、専門スキルを持っていて経験も豊富な人材が育たないという問題も抱えていました。

 

そこでジョブ型雇用をおこない、管理職だけでなく、ひとつの仕事のエキスパートというポストも用意することで、企業が専門的なスキルを持った人材の育成にも注力でき、日本社会全体の専門スキルの向上も期待されています。

ただし、ジョブ型雇用にもメンバーシップ型雇用にもそれぞれメリット・デメリットがあります。企業文化に合った雇用制度を考えることが重要です。

 

ジョブ型雇用とメンバーシップ型雇用の違いを図解で説明

ジョブ型雇用の企業事例

日本でもジョブ型雇用を取り入れる企業は増えてきています。2社の事例を紹介します。1社目の事例で紹介するのが、日立製作所です。

家電などさまざまな機械メーカーとして知られる日立製作所は、2020年7月にジョブ型雇用をすべての職種に導入することを発表しました。国内の従業員16万人を含め、全世界にいる従業員30万人をジョブ型雇用にシフトしていくそうです。2021年3月までに、全社員の職務記述書の作成を終えることを目標としています。

また、職務記述書に記載されている条件に満たない社員を中心に、2024年度までにスキルアップの機会を設けることも宣言。日立製作所は新型コロナウイルスの流行をきっかけにテレワークの導入に力を入れており、今後もさらに大掛かりな労働に関する規約の改革が期待されています。

日立製作所の中西会長は日本経済団体連合会(経団連)の会長でもあります。その経団連が『経営労働政策特別委員会報告』にて、メンバーシップ型を中心にすえつつジョブ型を活用する複線型制度を盛り込みました。こうした背景からも日本企業でジョブ型雇用が進むのではないかと考えられます。

 

2社目の事例として紹介するのが、富士通です。富士通では2020年4月から課長職以上の1万5千人を対象に「ジョブ型人事制度」という名称のジョブ型雇用を導入しました。富士通では独自の評価基準を設けており、ジョブ型雇用でもこちらの評価基準が採用されるとのことです。

「ジョブ」(職責)は、売上などの定量的な規模の観点に加えて、レポートライン、難易度、影響力、専門性、多様性などの観点から、職責の大きさ/重要性の観点から格付けされます。これをFUJITSU Levelと呼んでいます。報酬についてはこのFUJITSU Levelに基づいた金額で支給する仕組みで統一されます。

(引用:富士通ホームページ

  

また、2021年にはジョブ型雇用で管理職の募集もおこなうと発表。こちらもテレワークなどの導入に力を入れており、今後も新たな働き方を積極的に導入することが期待されています。

ジョブ型雇用のメリット

ジョブ型雇用のメリットは、自分がやりたい仕事を突き詰められる環境が整っていることです。エンジニアなどの専門職として働く人の中には「マネジメントではなく、ずっとプログラミングをしたいけれども、キャリアのためには管理職になるしかない」と諦めている人も多くいます。

このように自分が希望するキャリアプランを実現できないと、ミスマッチが起きて社員のモチベーション低下に繋がるでしょう。また、中には仕事のスキルはあるけれども、人とのコミュニケーションが苦手という人もいます。

このような人は高いスキルを持っているのに、マネジメント能力のせいで実力が評価されません。そのため、海外企業へ行ってしまう人も多いのです。

 

優秀な人材の海外流出は、日本の技術力の低下にも繋がるでしょう。そこでジョブ型雇用なら、職務範囲を規定したうえで採用をおこなうので、1つの仕事に専念でき、実力も評価されることから社員の満足度向上が期待されます。

それに、高い技術力を持った人材を確保することにより、日本のさまざまな産業における争力の向上も目指せるでしょう。

 

また、ジョブ型雇用には育成だけでなく、人材採用の面でもメリットがあります。採用の段階で職務内容を規定することから、会社が求めているスキルを持った若い人材とのマッチングが容易になります。大企業でなくても、報酬など求職者が希望する条件とマッチングできさえすれば、優秀な人材を確保できる可能性が高くなるでしょう。

それに、今までの日本の会社の評価制度は結果よりもプロセス重視の傾向がありました。しかし、新型コロナウイルスの流行によって、テレワークや在宅勤務が広まり、プロセスが見えにくくなることから、結果重視の評価制度を整える必要が出てきています。

 

ジョブ型雇用では、職務記述書によって、社員がやるべき仕事がはっきりしているので、どんな結果を出すことが評価に繋がるのかなど、評価基準もわかりやすく、人事の評価担当者の業務もスムーズになるでしょう。

ジョブ型雇用のデメリット

ジョブ型雇用のデメリットはまず、企業側と社員との入念な確認が必要な点です。職務記述書にて細かく業務を設定するので、万が一記載内容を変更する場合は、社員一人ひとりと確認をおこない、合意したうえで職務記述書の更新しなければいけません。

また、報酬など企業側が提供できるメリットが無いと、優秀な人材を確保しにくくなるというデメリットもあります。ジョブ型雇用で採用されるような人材は、賃金などの労働条件に魅力を感じて求人に応募します。

 

そこで、いま働いている職場よりも良い条件の求人があれば、すぐに離れてしまうリスクを伴うので、会社側は労働環境を見直し、人が離れない職場づくりに注力するなどの対策が必要です。

ジョブ型雇用に向いている人・職種

ジョブ型雇用に向いている人の特徴は、学生時代から社会人になるうえで必要なスキルを身に着けており、新卒でもすでに即戦力として活躍できるレベルであることが挙げられます。

このような人だと、すでに会社に所属している人よりも仕事ができるケースも多く、年功序列のせいで活躍の場が限られていることに不満を感じている人も多いです。

 

そこでジョブ型雇用なら実力を正当に評価してもらえます。また、やりたい仕事・得意なことがはっきりしている人もジョブ型雇用が向いています。

このようなタイプだと、総合職採用でやりたくない仕事が出てきたり、得意不得意の差が大きくて、結果を出しているのに評価してもらえないケースが多々あります。ジョブ型雇用なら業務範囲が最初から決まっているので、自分のスキルを活かすべき場所で活躍できます。

向いている職種の例としては、エンジニアやデザイナーなどのクリエイティブ職が挙げられます。エンジニアやデザイナーなどは、ひとつのことにのめり込む能力が高い人が多いです。

そこで、プログラミングやデザインなど、ひとつの仕事に専念できる環境を整えることによって、より実力が発揮されることが期待できます。 

まとめ

ジョブ型雇用は欧米で取り入れられている、ひとつの仕事に専念し、年齢に関係なく仕事ができる人が評価されるシステムです。日本で従来採用されていた年功序列・終身雇用とは真逆の制度なので、導入には時間がかかるでしょう。

ちなみに、ここまでジョブ型雇用について解説をしてきましたが、さくらインターネットではメンバーシップ型雇用を導入しています。現時点ではメンバーシップ型雇用のほうが企業文化に合うと考えているからです。

ジョブ型雇用、メンバーシップ型雇用、それぞれの特徴を認識して企業文化に合った雇用制度を考えることが重要です。

 

  • ジョブ型雇用の人事担当者への認知率は54.2%。従業員規模が大きいほど認知率は高い
  • ジョブ型雇用とは、人材採用において事前に職務記述書(ジョブディスクリプション)を作成し、職務の内容や範囲を明確に決めたうえで採用をおこなう考え方
  • メンバーシップ型雇用とは、従来の日本企業で取り入れられていた総合職採用・年功序列制度・終身雇用の雇用システム
  • ジョブ型雇用にもメンバーシップ型雇用にもそれぞれメリット・デメリットがあるので、企業文化に合った雇用制度を考えることが重要

 

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