2022年2月16日に、さくらインターネットが主催するイベント「【鹿児島編】さくらの全国行脚オンラインイベント」が開催されました。本記事では、その様子をレポートします。
さくらインターネットは、以前より全国各地で開催されるイベントにおいて多くのお客様と交流してきましたが、このコロナ禍において、そのような機会は激減してしまいました。
一方、オンラインイベントを支援するサービスの普及により、オンラインで交流できる環境が次第に整いつつあります。
このような状況の中、新たに始めた取り組みが、この「さくらの全国行脚オンラインイベント」です。
全国の都道府県を取り上げ、その地域に住んでいる方、出身の方、何らかの縁のある方、愛着のある方にお集まりいただき、その地域とITの課題についてざっくばらんに話し合う、そんなイベントを企画しました。
これまでに岐阜編、新潟編、広島編、長崎編が開催され、今回の鹿児島編が5県目の開催となります。
本イベントでは、オンラインイベントのツールとしてZoomを使用しました。
プログラム前半
プログラム前半では、以下の3つの発表がおこなわれました。
- 「鹿児島でJANOG Meetingが開催されました」 中野龍(シナプス)
- 「VPS と BackupPC で Linux のバックアップを取得してみた」山野嘉久(さくらインターネット)
- 「出来上がりました〜ボタン作ってみました」西村州平(デジタルキューブ)
発表1.「鹿児島でJANOG Meetingが開催されました」
まずは、シナプスの中野さんより、先日鹿児島で開催されたJANOG Meetingについてご発表いただきました。
JANOG(JApan Network Operators’ Group)とは、インターネットにおける技術的事項、および、それにまつわるオペレーションに関する事項を議論、検討、紹介することにより日本のインターネット技術者、および、利用者への貢献を目的としたグループとのこと。
もう少し簡単に言うと、特定の企業に寄らない、ネットワーク技術者、ネットワーク運用者のコミュニティなのだそうです。
そしてそのコミュニティのイベントである「JANOG Meeting」は、1997年に第1回が開催され、その後年に2回開催されているとのこと。今回の「JANOG49 Meeting」が、初めての鹿児島だったそうで、3年以上前から準備を進められていたそうです。
「インターネット上に公開されているISPが必要とするようなネットワーク運用のノウハウは非常に少なく、またそのほとんどが過去のJANOG Meetingで公開された資料となっている。私達がビジネスをする上で必要となる知識・技術は、これまでのJANOGから得られたものに支えられている。鹿児島で開催することで、JANOGコミュニティに恩返しがしたかった」
中野さんの発表からは、JANOGと鹿児島に対する熱い思いが滲み出しているように感じました。
発表2.「VPS と BackupPC で Linux のバックアップを取得してみた」
次に、当社エンジニアで鹿児島県出身の山野より「VPSとBackupPCでLinuxのバックアップを取得してみた」と題し発表しました。
趣味は自宅ラックという山野。ここでいうラックは、サーバーラックのこと。通常はデータセンターなどに設置するもので、一般の家庭には通常設置しないもの。これは、かなり濃い発表が期待できそうです。
今回、山野が紹介したのは、BackupPCというオープンソースソフトウェア。日本語にも対応したWebUIで快適にリモートバックアップ環境を構築可能。また、ユーザー管理機能があるので、複数人で管理することも可能とのこと。
他にもさまざまな設定や機能があるそうですが、今回は発表時間の関係で、駆け足での説明となりました。
「実際のバックアップはrsyncなどの一般的なコマンドでおこなわれるため、クライアントはエージェントレスです」
山野も参加しているという、鹿児島のLinuxユーザーコミュニティ「鹿児島らぐ」では、定期的にこのような発表が聞ける勉強会が開催されているそうです。
発表3.「出来上がりました〜ボタン作ってみました」
最後に、デジタルキューブの西村さんよりご発表いただきました。
自己紹介では、現在勤めているデジタルキューブ社の働きかたや、提供している「Shifter」というサービスについて簡単にご紹介いただきました。
そして本題の「出来上がりました〜」ボタン。これは、iOSのショートカット機能で作成したショートカットボタンのことでした。
iOSのカメラアプリで撮影した写真を特定のアルバムに写真を入れてからこのショートカットを実行すると、その写真をWordPressにアイキャッチとして投稿し、さらにインスタグラムにも投稿してくれるというもの。
西村さんは、このショートカットを洋菓子店を営まれている奥様のために作成されたそうです。とても心温まるお話です。
今回のショートカットが活用されている洋菓子店「La Piccola」のインスタグラムアカウント
プログラム後半
その後、5分程度の休憩タイムをはさみ、後半がスタートしました。まずは、自己紹介タイム。参加各位より、参加場所や、コミュニティとの関わり、鹿児島とのつながりについてお話しいただきました。
参加場所については、鹿児島以外に東京、宮崎、北海道など、さまざまな地域から参加されている方がいらっしゃいました。
その後、Miroというオンラインホワイトボードサービスを皆で見ながら「鹿児島に関する好きなもの」などのお題について歓談や意見交換をおこないました。
鹿児島に関する好きなものとしては、「かすたどん」「鶏飯(けいはん)」「しろくま」「暖かさ」「桜島」「内之浦宇宙空間観測所」「指宿温泉」や、前述の「鹿児島らぐ」などの話題が出ました。
Miroは、見るだけでなく参加者が付箋や画像をリアルタイムに貼り付けることもできるので、オンライン座談会が盛り上がります。
続いて、「あなたが感じている課題や悩み、やりたいこと」というお題で話をしました。
鹿児島らぐを運営されているmatokenさんからは、現在のコミュニティ運営について「以前からオンラインでもイベントを開催していたのでコロナ禍に伴うオンラインへの移行はスムーズだった。参加者が増えたのは嬉しい反面、鹿児島在住の参加者が1人だったりして、鹿児島らぐとして開催する意味が微妙になってしまっているような気もする」とのお話がありました。
そして最後に記念撮影をして、イベントは無事終了となりました。
あなたの県でも開催しませんか?開催地募集中!
「さくらの全国行脚」では、開催地を探しています。もし「うちの県でもやりたい!」という方いらっしゃいましたら、ぜひ以下のツイッターアカウントへメンションをお待ちしております!
ツイッターアカウント「さくらのコミュニティ(@sakura_users)」

執筆
はやし(ま)
2005年さくらインターネット入社。約10年前から個人的にITコミュニティのイベント・勉強会に参加していたところ、コミュニティ世話役(モデレータ)として、さくらの公認コミュニティ「さくらクラブ」の立ち上げに関わることに。 最近はマインクラフトにハマっています。 早く世界中のITコミュニティ参加者が仮想世界に集まって盛り上がれるようになるといいですねぇ
※『さくマガ』に掲載の記事内容・情報は執筆時点のものです。
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