ラーメン屋の店名に使われがちな漢字は? 約26,000店を徹底調査した

ラーメン屋の店名に使われがちな漢字は? 約26,000店を徹底調査した
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みなさまこんにちは。さくマガへようこそ。

 

さて、いまこの記事をご覧になっているみなさまはここさくマガをどういったサイトだと感じますでしょうか。さあ、一度、トップページを冷静な気持ちで眺めてください。

そう、ビジネス系のメディアなのです。寝ても覚めてもビジネス、ビジネス、それがさくマガというメディアなのです。そんな中にあって、異彩を放つ2つの記事があります。

そうですね。ラーメンの記事です。いずれも僕が書いた記事なのですが、ビジネス系の記事が居並ぶメディアにあって僕だけラーメン。これじゃあ完全に僕だけバカの子みたいじゃないですか。

そうなるとやはり僕もビジネス系の記事をバシーンと書いてですね。「これがビジネスの秘訣だ!」って文章を締めて、読む人をホヘーとさせたいじゃないですか。それがビジネスサイトに寄稿する者のあるべき姿だと思います。

 

編集部:「ラーメンの記事でお願いします」

 

けれども、ビジネス系の記事を書きたいのに編集部はラーメンの記事ばかりを要求してくるのです。どうなってんださくマガ編集部。頭の中が多加水麺みたいになってんのか。

ただ、編集部といえども組織に属する者ですからね。なんだかけっこう偉い人に怒られたみたいなんです。当たり前ですよね、ビジネス系のメディアにラーメンの記事ですから。記事のサムネイル、ラーメンばかりじゃないですか。本当に怒られたんでしょうね。

 

編集部:「今回は、インターネットに関して書いてください」

 

おやおや、ずいぶんとトーンダウンしましたなあ。ラーメンはもういいのかなあ? けっこうマジなトーンで偉い人に怒られたんでしょうね。でもまあ、これでやっとラーメンの呪縛から解き放たれ、インターネットについて書けるぞ! と思ったのですが、そこでふと思ったのです。

 

「もっと怒られてほしいな」

 

つまり、ここで僕が「インターネットのことを書く」という要求を守りつつ「ラーメン」のことを書いたら、編集部は偉い人にさらに怒られるわけです。ということで、インターネットという要求を守りつつ、またラーメンの記事を書くことにしました。

 

さて、インターネットでラーメンです。どういったものにしようかと思案に暮れたのですが、そこで思い出したのです。ラーメン屋ってラーメンを食べるという大前提があるお店じゃないですか。そうなるとその店名には何か法則性があるんじゃないか。そう思ったのです。

この日本ではラーメンとは特に愛されている食べものですから、店舗が多い。もちろんチェーン店も多いですが、個人店も多い。地域ごとに展開するローカルチェーンも多い。ということで、インターネットを駆使して店名について調べてみようと思ったわけのです。

 

「ラーメン屋の店名に使われがちな漢字はなにか」

 

調査時期によって、店舗数が3万店とも5万店ともいわれるラーメン屋ですが、インターネットを駆使したところ、約2万6千店の店舗を補足することができました。もちろん、全てを補足できているとは思えないので、実際の状況とは若干は異なると思われます。この店名に使われている漢字を調べていきます。

 

ルールを以下のように設定しました。

 

  • ひらがな、カタカナ、アルファベットは対象としない。あくまでも漢字のみ。数字は漢数字の場合はカウントする。
  • よく使われる漢字を知りたいだけなので、ほぼ自動的に決まってしまう支店名はカウントしない(所沢店、の場合は「所」と「沢」と「店」はカウントしない)
  • 同じ理由で、地域名もカウントしない。(北海道にある北海道ラーメンは「北」も「海」も「道」もカウントしない。ただし北海道以外に店がある場合はカウントする)
  • 店名に複数文字ある場合は、そのぶんをカウントする(「一期一会」という店名だった場合は「一」は2票)

 

ということで、ラーメン屋の店名に使われがちな漢字ランキング、いってみましょう!はたしてどんな漢字がランクインしてくるか!

 

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ラーメン屋の店名に使われがちな漢字第20位「店」

 

第20位には「店」が堂々のランクイン。ここが店であることを示すスタンダードな漢字だ。そもそも店名に「店」を含む店舗は26,000店中に12,000ほど存在する。しかしながら、その大半が「新宿店」などの支店名を示すのに用いられている。

これらはルール上、カウントされないので支店名以外の「店」がカウントされ、508票で20位となった。ちなみに支店名以外で使われるパターンとしては「ラーメン屋」「ラーメンのお店」「飯店」などである。

 

12,000票の「店」が存在するがそのほとんどがカウントされない支店名と考えると、この国内のラーメン屋のうち約46%が何らかのチェーン展開をしているお店、ということになる。これはその他の外食産業と比べると決して高い数字ではない。

例えば、牛丼屋などは全国に展開するチェーン店のほうが個人店より圧倒的に多い。ラーメン屋においては個人店舗が比較的に善戦しているといえるが、それ以上に、地域内で展開する小規模なチェーンが多く、この数字を押し上げている。このあたりの情勢もラーメン屋が持つ特徴の一つだ。

 

ラーメン屋の店名に使われがちな漢字第19位「苑」

19位には「苑」がランクイン。おそろしいことに、そのほとんどが「幸楽苑」チェーンであった。幸楽苑だけでランクインしており、それ以外の店で「苑」を用いている店は数店舗だった。

幸楽苑公式サイトによると2021年1月時点での店舗数は453店舗ということで、513票からは少しずれている。

おそらく閉店情報がネットには届ききっていないため多めにカウントされているのだと思う。幸楽苑グループは2020年のはじめくらいにいくつかの支店をごそっと整理しており、その数と一致する。

 

幸楽苑は福島県郡山市に本部を置くグループで、東日本を中心にチェーン展開をしている。ほぼ東日本のみの出店のため、西日本ではあまりなじみがないが、東側だけでこの店舗数なのでかなりの密度であることがわかる。

餃子の王将を中華料理チェーン、リンガーハットをちゃんぽんチェーンと考えるとラーメンチェーンとしては日本最大の店舗数となる(今回の集計では餃子の王将チェーンは対象外、リンガーハットチェーンはそもそも店名に漢字がない)。

 

ラーメン屋の店名に使われがちな漢字第18位「番」

中部地方を中心に展開する8番ラーメンなどがある程度の票数を稼いだが、それ以上に個人店で使われることが多かった。

「一番」という使われ方が全国まんべんなく多く、我が店こそが一番のおいしさである、という店主の想いが反映されているようだ。二番という使われ方をしている例は圧倒的に少なく数店舗なことを考えると、やはり一番が一番偉いという思想があるのだろう。

 

さらに深く調べると、三番になるとさらに減り、四番になると一店舗も存在しなくなる。5番、六番と存在しないが、八番になると急に数が増える(8番ラーメンチェーンの8は数字なのでカウントされない)。これは「十八番(おはこ)」という使い方をされ、チェーンも存在するからだが、そもそも八が末広がりで縁起がいいという思想からもきているのかもしれない。

 

ラーメン屋の店名に使われがちな漢字第17位「山」

 

東日本を中心に展開する「山岡家」チェーンと、九州を中心に展開する「九州筑豊ラーメン山小屋」チェーンの二大勢力の力が大きく、「山」が堂々の17位ランクインだ。おそらく偶然だとは思うけど、この「山」のつく二大チェーンがきっちり日本の東と西で住み分けされているような感じで調べていて面白かった。

 

店名とはあまり関係ないかもしれないが、「山」は日本の土地に根差した漢字だといえる。山が入る県名は6つ、川が入った県名は2つ、これが市区町村レベルになると山が74、川が110と逆転する。大きな範囲で見たときのランドマークとしての意味合いは「山」のほうが強い、そんなところだろうか。

そんな事情から地名以外でも店名として使われがちなのかもしれない。ちなみに「川」は地名以外でラーメン屋に使われることは少なく、111票で圏外である。



ラーメン屋の店名に使われがちな漢字第16位「堂」

 

26,000店舗調べて、17位の「山」とは1票差だった。数え間違いをしていたら大変と数えてなおしてしまったほどだ。「堂」については全国に展開する「一風堂」チェーンが有名だが、それ以外にも「○○堂」という使われ方が多く、さらには「食堂」という使われ方も多いため堂々のランクインとなった。まさに文字通りだ。

 

「堂」とは礼式などに用いるほか、神仏をまつる建物という意味合いがある。それ以外にも「多くの人が集まる建物」という意味があるため、まさに千客万来を願って付けられる例が多いのではないだろうか。

 

ラーメン屋の店名に使われがちな漢字第15位「幸」

 

これは前述した「幸楽苑」の影響が大きい。ほぼ幸楽苑でしか使っていなかった19位「苑」に比べて「幸」は汎用性が高いため、その上積みでランクインとなった。つまり、さらに上積みが予想される「楽」はもっと上位に入ると予想される。

 

「幸」とはもちろん「幸せ」的なポジティブな意味合いであり、そこから店名に使われることが多い。それ以外でも「海の幸、山の幸」といった風に、「自然から得た美味しいもの」という意味合いで使われることもある。そういったイメージから飲食店に使うのにもってこいな漢字といえるだろう。

 

ラーメン屋の店名に使われがちな漢字第14位「天」

 

200店舗以上を展開する「天下一品」グループが大きく貢献しているのは間違いないが、それ以外でもかなりの頻度で使われていた。特に、小規模チェーンや、個人店舗で使われることも多かった。その使われ方は多種多様で、代表例が出せないほどのバラエティに富んでいる。

 

全然関係ないが、学生時代に近所にめちゃめちゃ美味しいラーメン屋があり、そこも店名に「天」が入っていた。そこはラーメン通が集まる店で、店主が常連客に「俺はラーメンの天を目指してこの名前を付けた」と語っていた。

その名前にふさわしく、店は連日連夜、行列ができるほどの大繁盛で、かなりお金が儲かったらしく、店主が外車を乗り回し始めたり、アメリカのプロモーターみたいなファッションにったり、彼が派手になるのに反比例して味が落ちていった。

あと、突然の店休日が増えた。最終的には巨乳の愛人みたいな女が登場してきて、別の愛人まで出てきて店の中で喧嘩するようになり、潰れた。いまでも彼の目指すラーメンの天とはなんだったのだろうと思うことがある。

 

ラーメン屋の店名に使われがちな漢字第13位「龍」


ラーメン屋はめちゃくちゃ「龍」が好きである。店名に使われる生物(龍が生物かどうかは別として)としては2位を大きく引き離して圧倒的1位だった。白龍や黒龍など、さまざまな色の龍、臥龍や昇龍などいろいろな状態の龍がとにかく登場してくる。龍が大渋滞しているレベルだ。

大規模なチェーン店に使われていないのにここまで票を集めるのはやはりラーメン屋は龍が好きなのである。どうしてだろうか、あの龍のフォルムがラーメンの麺に近いからだろうか。

 

以下に、ラーメン屋の店名に使われがちな漢字の生物(龍が生物かどうかは別として)のランキングを記載する。

使われがちな漢字の生物

 

やはり「龍」が圧倒的である。2位に400票以上の差をつけている。そのほかは、ラーメンの構成要素である「魚介」「鶏ガラ」「豚骨」からくる生物がランクインしており、「鶴」と「亀」は縁起の良さからランクインしていると思われる。

 

そう考えると明確に縁起が良いわけではなく、ラーメンの構成要素でもない「龍」「虎」「熊」あたりが人気といえるだろう。強そうな生物ということだろうか。ちなみに「虎」は「トラボルタ」や「トライバル」といった店名で当て字として登場することが多い。「龍」と「虎」の二大巨頭、ラーメン屋の店名はまさに龍虎の拳である。

 

ラーメン屋の店名に使われがちな漢字第12位「味」

 

13位とは4票差であった。このあたりはかなり接戦である。「味」に関しては本来の味覚という使い方ももちろん多いが、同じくらい「味噌」という文脈で使われている。特にラーメンの場合は同じラーメンであっても味の分類によって大きく異なるため「塩」「味噌」「豚骨」「醤油」といった分類を店名で謳うことが多い。以下にそのランキングを示す。

ラーメンの味の分類ランキング

 

店名で宣言される味は圧倒的に「味噌」が多い。次いで多いのは「豚骨」だ。反面、塩や醤油は宣言されることが少ない。醤油なんてほとんどないレベルだ。

どうしてこのような現象が起きるのか考えたが、もしかしたら「味噌」や「豚骨」は、苦手だと感じる人が多いからなのかもしれない。もしくは、味わいが独特であるために苦手であった場合に我慢できないのではないだろうか。

 

これは完全に個人的感想にすぎないが、塩ラーメンが食べたいのに醤油ラーメンしかなくてもまあまあ我慢できる。その逆もいける。ただ、味噌や豚骨しかない、となるとちょっと考える。

逆もしかりで、豚骨ラーメン食べに来てるのに醤油しかないのはちょっと別物に感じるのかもしれない。そういった代替がきかない味わいをあらかじめ店名で宣言しておく必要がある、それがこのランキングにあらわれているのではないか。

 

全然関係ないが、「味」が入るラーメンチェーンとして「味の時計台」が挙げられるが、この店名に使われている「計」という漢字はラーメン屋の店名に限っていうと「時計」という文脈でしか存在しない。ぜんぜん関係なさ過ぎてちょっと自分でもびっくりした。

 

ラーメン屋の店名に使われがちな漢字第11位「中」

 

11には「中」がランクイン。これはもうほとんど「中華」という使い方だった。747票中、600票あまりが「中華」だった。僕らがラーメンと思っている食物はなんとなく中国から伝わってきたように思いがちだが、それは中国では「日本拉麺」と呼ばれている。

そもそもの発祥は日本人向けの中華料理店に横浜中華街から料理人を招聘して出されメニューらしい。そう言った意味では、中国の料理人によって中華麺を使って日本で開発された料理ということだろうか。そういった流れから「中華」を店名に冠する店は多い。

 

さて、トップ10に入る前に、店名を調べて行く過程で、店名だけでちょっと気になった店を紹介していきたい。



気になった店名「ラーメン 定休日は木曜日」

 

絶対に定休日を忘れない。忘れないだけに木曜日に行ってみて「あちゃー」とやりたいくらいだ。スタンダードな各種ラーメンに加えて、豆乳みそラーメン、ピリ辛担々麺など独自のメニューも人気。

 

 

気になった店名「海月が雲になる日」

 

めちゃくちゃオシャレな店名だなと調べてみたら、武家屋敷風のモロ和風な佇まい、なのにタイヌードルの店、夜は1組限定、と盛りだくさんすぎて訳が分からなくなってしまった。

店名はラーメンどんぶりをひっくりかえした様子を海月(くらげ)に見立てており、空に昇っていくことでラーメンという大衆料理をハイエンドな食べ物にしたいという意図があるらしい。



気になった店名「酒乱」

 

店主なのか、客なのか、誰が酒乱なのか確かめてみたかったが、口コミサイトの情報によると2020年12月で閉店してしまったみたいだ(情報未確認)。

 

さてランキングに戻ろう。いよいよトップ10だ。

 

ラーメン屋の店名に使われがちな漢字第9位「華」

 

まさかの同一得票で9位が2つ。26,000店調べて同一得票って接戦にもほどがある。「華」はもちろん11位の「中」と同じく「中華」でかなり票を得ている。「中」よりも「華」のほうが汎用性が高いためか、若干の上積みがある。これが結果に表れている。

 

ラーメン屋の店名に使われがちな漢字第9位「楽」

同率9位には「楽」がランクイン。これは前述した「幸楽苑」チェーンの力が大きいが、「苑」や「幸」よりも使いやすいためにかなり票を上積みしている。中には「楽楽」といった一挙に2票を獲得する店名があり、こりゃあすごいなと思っていたら「楽楽楽」という一挙3票の店名まで存在した。楽が3つも並ぶとずいぶんと楽しそうだ。

 

ラーメン屋の店名に使われがちな漢字第8位「軒」



8位には「軒」がランクイン。確かにラーメン屋は「○○軒」という店名が多い。これまで出てきた漢字は、店名の冒頭や中盤、最後、どこでも使われる傾向にあったが、「軒」はほぼ店名の最後に登場する。つまりほとんどが「○○軒」という使い方だ。

 

もともと、「軒」は屋号に使われるものだったが、ラーメン屋において突出して多い印象がある。これは、前述したラーメンの発祥に起因するのではないかと言われている。浅草で最初にできたラーメンを出す店の名前が「来々軒」であり、これが大人気となったことから多くの店が「○○軒」を名乗ったのではないかという説だ(諸説あります)。

 

ラーメン屋の店名に使われがちな漢字第7位「来」



第7位に「来」がランクイン。885票。そこまでラーメン屋の店名に多い印象がないのにこの圧倒的強さはなんだろうか、先ほどから何度も出ている発祥の店「来々軒」にあやかっているだけではこの強さは説明できない。

 

これは全国的に展開し、かなりの店舗数を誇る「来来亭」チェーンの寄与がかなり大きい。その店舗数もさることながら、1店舗で2票入るため大きく順位をあげた。もちろん、客商売として客が「来る」ことが望ましいため、来来亭以外でも普遍的に店名に用いられることが多い。

 

ラーメン屋の店名に使われがちな漢字第6位「大」


大きいのは良いことだ、と名に使われることが多い。「大」の入るラーメン屋といえば全国各地に分布する「大勝軒」を思い出すが、それ以上にラーメン屋は「大学」との親和性が高い。ちょっと異常だ。

 

おそらく東京大学のことを指しているであろう徳島のチェーン「東大」、をはじめとして「大学」と入る店名が多い。また、ルール上カウントされてないが「○○大学前」という支店名も多い。そういえばラーメン屋はいまだに学割サービスを実施している店も多い。いつだって大学生の傍らにはラーメン屋があるのだ。

 

ラーメン屋の店名に使われがちな漢字第5位「亭」

 

第5位には「亭」がランクイン。ついに得票数が4桁になった。「来」で猛威を振るった「来来亭」からも分かるように、こちらも「軒」と同じく屋号の接尾に用いられる。ただし、この亭は「ほっかほっか亭」などからも分かるように、ラーメンに限らず広く用いられている。落語家などの名前にも使われるくらいだからその絶対数が大きい。ほぼ傾向がなく、あらゆる場面で利用されている。

 

ラーメン屋の店名に使われがちな漢字第4位「一」


4位には漢数字である「一」がランクイン。18位「番」のところでも述べたが、なにごとも一番がいい、という思想から「一」は数多く用いられている印象だ。ただ、それにしてもあまりに強すぎる。なんでだろうと原因を究明したら、「天下一品」「一蘭」「一風堂」と全国的に展開するチェーン店にトリプルで使われていた。これらがかなり票を押し上げている印象だ。ここで店名に使われる漢数字ランキングを以下に示す。

 

漢数字ランキング

 

いかに「一」が圧倒的なのかわかる。その後は「三」「八」と続く。いずれも日本では縁起が良いとされる数字だ。「九」については「九州」があるのでもっとも上位にランクすると思ったがそうではなかった。

たしかに「九州」を店名に冠するラーメン屋は数多く存在するが、その多くが九州内にあるためルール上、カウントされていない。逆に「北海道」なんかは北海道内に店がある比率は低く外にたくさんある。九州のラーメンは九州内で消費され、北海道のラーメンは外向きに展開されがち、という傾向が見て取れる。

 

そして、いよいよトップ3だ。



ラーメン屋の店名に使われがちな漢字第3位「家」

 

いよいよトップ3の戦いである。3位には「家」が堂々のランクイン。山岡家チェーンと家系ラーメンの寄与が大きい。それが意外にもおそらく店主の個人名と思われる人名との相性も良く、山田家のような名称も目立つ。

これは店舗を「家構え」としてとらえているためだと思われる。また、我こそが本流であり主流であるという強い自己主張なのか「本家」といった形で使われることも多い。

 

ちなみについ最近までずっと「家系(いえけい)ラーメン」を「家系(かけい)ラーメン」だと思っていて「なんだろう血縁で相続とかすんのかな、ラーメンを相続……秘伝のスープとかレシピを相続するのかな」って勘違いしていた。

職場の女性に「あそこのかけいラーメンがさあ」っていってたら「いえけいです!」ってめちゃくちゃ切れられた思い出がある。いまだになにもそこまで怒らなくてもいいだろ、と寝る前に思い出す。

 

ラーメン屋の店名に使われがちな漢字第2位「屋」

 

2位となると圧倒的に票数が伸びる。3位とは約900票の差があり、別次元の強さだ。この「屋」だが、もちろん「ラーメン屋」などの店の種類を示すのに多く用いられている。これは例えば独自の店名である「山田家」などと名乗ったとして、何屋なのか分かってもらえないという問題があるからだ。

そうなると「ラーメン屋 山田家」と名乗る。こういう事例が異常に多い。店名にプラスアルファ、という使い方だ。

 

それ以外の使い方としては「屋台」が主流だったが、めずらしいものをあげると「屋敷」や「またきて屋」というものがあり、印象的だった。

 

そしていよいよ栄えある第1位!

 

ラーメン屋の店名に使われがちな漢字第1位「麺」

 

圧倒的1位は「麺」であった。その得票が2900に届く勢いであり、単純計算で日本のラーメン屋の1割には「麺」が入るといえる。ちなみに2位の「屋」と合わせて「麺屋」とした場合、800店以上存在する。

やはりラーメン屋にくる客は麺を目当てに来ているわけだ。それを店名につけることはマーケティング的に正しい。これが「汁」になると8票で圏外となるので、やはりお客はスープよりも麺を目当てに訪れるといえる。そう、ラーメンの主たる構成要素は麺なのだ。

 

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まとめ

編集部のやつら怒られてほしいなあ、という不純な動機で始めたラーメン屋の店名調査だったが、調べてみるとめちゃくちゃ大変だった。ただ、その労力に見合うだけの収穫があったように思う。以下に分かったことを記す。

 

  • 全国のラーメン屋のうち、実に46%がチェーン展開をしている。
  • ラーメン屋は龍がお好き。
  • 味噌味のラーメンは特に店名で宣言しておく必要がある。
  • 一、三、八と縁起の良い数字が使われがち
  • とにかく麺であることを宣言しなくてはならない。

 

ことラーメンに関しては味の種類、つけ麺などの形態の種類、地域性があり多様性があると思いがちだが、そこに「麺を食べに行く」という共通の思想がある以上、それが顕れた店名が多い。つまり、使われる漢字も偏りがちになる。

それらは結果に如実に表れており、トップ10の漢字だけでそのカバー率は50%を上回る。

 

これらの漢字がよく使われるには理由がある。親しみやすく、お客さんのイメージも良いということだ。

もし、僕がこれからラーメン屋をはじめるのなら、このよく使われるトップ4の漢字、「麺」「屋」「家」「一」を使って「麺屋一家」という店名にする。そうすれば大繁盛間違いなしだ。そう、多く使われている名前を使って親しみを出す。これがビジネスの秘訣だ。

 

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