働き方改革とは? 実現するために「3つの柱」が重要

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働き方改革とは、簡単に言えば「労働環境の改善」です。働く人がそれぞれの事情に応じた多様な働き方を自分自身で選択できるようにするための改革となります。

今回は働き方改革を実現するために、労働者と企業のメリットについて考えました。企業の事例も紹介します。

 

働き方改革とは、そもそも何か?

政府が国を挙げて取り組んでいる「働き方改革」。よく日本人は真面目な国民性だと言われていますが、そのことが高度経済成長期を支えたともいえます。 

そんな真面目な国民性が現在の日本を作ったと言っても過言ではないでしょう。ただ、その反面では長時間労働を強いられ体調を崩したり、正規雇用・非正規雇用の待遇格差が問題となっています。

「ブラック企業」という言葉も生まれ、当たり前のように使われており、多くの人が働き方に関心があると思います。

日本は少子高齢社会であり、今後も生産年齢人口の減少は避けることができない状況です。今まで以上に労働力不足が進むため、政府は一億総活躍社会を目指しています。

働き手の多様化によって働き方改革は必須に

▲出典:内閣府 令和元年版高齢社会白書(全体版)

▲出典:内閣府 令和元年版高齢社会白書(全体版)

 

育児や介護との両立が必要な家庭が増え、働き手のニーズが多様化しています。そのため、一人ひとりが活躍できるように就業機会の拡大や能力を発揮できる環境を整えることが必要です。これが実現できれば、より良い将来の展望を持つことができ、生活上の幸福や充実にもつながります。

最近は政府も働き方改革実現に力を入れ、働き方改革関連法を施行しています。2019年4月から大企業向けに時間外労働の上限規制をおこない、2020年4月には中小企業でも時間外労働の上限規制が開始されました。

働き方改革が必要な理由

2017年に働き方改革実現会議で「働き方改革実行計画」が定められました。この会議で働き方改革こそが労働生産性向上のために最善の手段と断言されています。

人手不足にもかかわらず、業務量は増加する一方です。そのため、当然のごとく長時間労働、休日出勤を余儀なくされてしまいます。これではプライベートの時間が奪われ、働く意欲を失い、好きなことのひとつもできないという事態になりかねません。

そんな状況を変えて人材不足を解消するためには、働き方改革の実現が急務といえます。あなたの会社では働き方改革を強化しているでしょうか。

 

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働き方改革3つの柱

言葉が先行しがちな働き方改革ですが、政府が掲げている具体的な3つの柱があります。

  • 長時間労働の是正
  • 正規・非正規の不合理な処遇差の解消
  • 多様な働き方の実現

これらを改善すれば、働き方改革が実現されたと言えるでしょう。

現在は新型コロナウイルスの影響で多くの会社がテレワーク(リモートワーク)を実践しています。IT業界など一部の業種の場合はパソコンさえあればどこにいても仕事ができます。ツールを活用してテレワークをしているIT企業も多いです。これはデジタルトランスフォーメーション(DX)の第一歩で、働き方改革にも効果的です。

いつでもどこでも仕事ができることが逆に長時間労働に繋がる可能性もありますが、そうならないための管理体制を整えておけば、「3つの柱」を実現することは十分可能と言えるでしょう。テクノロジーの力をうまく活用して、働き方改革を実現していく必要があります。

働き方改革1.長時間労働の是正

1つめの長時間労働についてですが、年功序列の賃金体系や終身雇用といった雇用慣行では、正規雇用の社員が長時間労働を強いられるケースは多くあります。労働時間が長くなる理由は人材不足のうえに業務量が多く、守るべき納期もあるため、やむなく残業しなければならないという課題があるでしょう。

「長時間労働の是正」をおこなう第一歩は、現状を把握することです。毎日ただ漠然と業務に向き合っていないか。業務の棚卸しをおこない「仕事の見える化」と「上司と部下の対話」をして、部下の気づきを引き出すことで、長時間労働を抑制することができるかもしれません。

働き方改革により長時間労働を改善すれば、健康的な生活を送れるようになります。それだけではなく、仕事と家庭生活との両立を実現できるようになります。まさにワーク・ライフ・バランスの改善です。

そうすれば、女性のキャリア形成や男性の家庭参加も進むのではないでしょうか。

働き方改革関連法

36協定でも超えることができない、罰則付きの時間外労働の限度を具体的に定める法改正が不可欠とされ、働き方改革関連法が誕生しました。

働き方改革関連法では、残業時間の上限は原則として月45時間、年360時間としており、臨時的な特別事情がなければこれを超えることができないと法律で定められました。これを破ると「半年以下の懲役か30万円以下の罰則」の対象となります。罰則があることで、国が働き方改革に本気で取り組んでいることがわかります。

特例として、臨時的な特別の事情がある場合に労使協定を結ぶ場合でも、時間外労働時間を年720時間とされています。
この場合は年720時間以内で一時的に事務量が増加する場合、3つの上限規制があるので注意が必要です。

1.2カ月-6カ月の平均でいずれも休日出勤を含んで80時間以内
2.単月では休日労働を含んで100時間未満
3.原則を上回る特例の適用は年に6回を上限

働き方改革2.正規・非正規の不合理な処遇差の解消

2つめですが、現状では正規雇用の社員と非正規雇用の社員には賃金や待遇の格差が生じています。この改善策として2020年4月1日から「同一労働同一賃金制度(パートタイム・有期雇用労働法)」が施行されます(中小企業は2021年4月1日から施行)。この制度は、雇用形態による待遇の格差をなくす目的で作られました。

これまで正規雇用は非正規雇用よりも良い待遇で働けることが当然とされてきました。これは賃金面だけでなく、有給休暇や福利厚生といった面でも同様であり、まさに差別と言っても過言ではないほどでした。

働き改革に取り組んでいるかを判断する指標に

働き方改革として、この制度導入以降は正規雇用・非正規雇用の待遇格差をなくすことが企業に求められます。ただし、あくまで制度であって法律ではありません。この制度を破ったからといって企業側に罰則があるわけではないので、どこまで実現できるかは企業側の努力によるものが大きいと言えるでしょう。

求職者からすれば企業がどれだけ本気で「働き方改革」に取り組もうとしているのかを判断する指標になるかもしれません。

同一労働同一賃金ガイドラインの概要によると、基本給・昇給・ボーナス(賞与)、各種手当といった賃金にとどまらず、社内研修などの教育、福利厚生などについても記載する必要があります。

正社員と非正規雇用労働者との間で職務の内容等を分離した場合であっても、正社員との間の不合理な待遇差の解消が求められています。

働き方改革3.多様な働き方の実現

3つめは多様な働き方の実現です。ダイバーシティともいえます。会社に来て仕事をするという業務形態が、唯一の働き方ではありません。一部の業務は場所を選ばずにおこなうこともできます。通勤ラッシュを避けるためにテレワークや在宅勤務を希望することも珍しいことではありません。

また正規雇用として会社に雇われるのではなく、フリーランスとして複数の会社と契約をするほうが、やりたいことができ、給与面でも良いかもしれません。

会社側も案件があるたびに必要な人材を集め、終わったらチームを解散させるほうが生産性向上が見込める場合もあるでしょう。これらのような多様な働き方に柔軟に対応することで、選ばれる企業になれるかもしれません。

働き方改革と人生100年時代

多様な働き方の実現に関してですが、医療の進歩により、日本は世界でもトップクラスの長寿大国となっています。「人生100年時代」という言葉に代表されるように、長く生活することは、長く働くことでもあるのです。

定年の延長や定年後の再雇用などを取り入れる企業も増えましたが、ITの技術を持っていれば生涯現役で働くことができる可能性が高まります。収入があれば年齢に関係なくやりたいことができるかもしれません。

 

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働き方改革による企業側のメリット

ここまで、働き方改革によって従業員の労働環境の改善の話をしてきました。ただ、働き方改革を進めることは雇う側の企業にもメリットがあります。企業にとって大きな2つのメリットを挙げていきます。

働き方改革による企業のメリット1.生産性の向上

長時間労働を是正すると、当然就業時間が限られます。そのため、就業時間内で業務が終わるように無駄な業務を削減したり有用なツールを導入するなど、「仕組みづくり」が推進されます。

そうすると、従業員に就業後の自由な時間が生まれます。この時間に趣味や家族との時間を過ごすことにより、幸福度が高まり仕事へのモチベーションも上がるでしょう。もしかしたら、いままでよりも会社への愛着が湧くかもしれません。

結果、社員が高いモチベーションを持って仕事に取り組むことにより、生産性も向上すると考えられます。

働き方改革による企業のメリット2.優秀な人材の採用

人材不足の解消 働き方改革に取り組んでいる企業と取り組んでいない企業では、求職者の印象は大きく異なります。働きやすければ入社希望者が増え、優秀な人材が集まります。また、多様な働き方が認められるようになれば、育児や介護をする必要がある方も会社を辞めずにすむので離職率も低くなります。労働人口が減っても、人材不足にならないでしょう。

私自身も転職活動をしていた際に、どのような働き方ができるのかを重視して会社を選びました。給与面だけではなく、トータルバランスで会社を選ぶ人が多くなっているのではないでしょうか。

さくらインターネットの働き方改革を紹介

さくらインターネットでは「さぶりこ」という働き方を実践しています。会社が「働きやすい」環境を提供し、その中で社員個人が「働きがい」を追求できることを理想としており、働き方の多様性を尊重するさまざまな取り組みをおこなっています。 

 具体的な施策として「フレックスタイム制」や「副業OK」な制度も導入しています。

働き方改革まとめ 新しい働き方を取り入れるために

今回は働き方改革を実現するための「働き方改革3つの柱」と「働き方改革による企業のメリット」を説明しました。人材不足が叫ばれていますが、働く人の将来をより良いものとするために、働き方改革を実施することは事業主としても非常に大切なことです。

国による改革や法律を理解したうえで、一人ひとりが受け身とならず、変化をチャンスととらえて主体性を持って現状を変えていく意識が、働き方改革を促進するうえで何よりも重要なことではないでしょうか。

 

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