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noteで書いたキングオブコント記事の売上公開! これが企画を成功させる秘訣だ!!

こんにちは、かもめんたるの岩崎う大です。僕は、お笑い芸人であると同時に、役者、脚本家、演出家、漫画家という様々な肩書を持つ、いわゆるパラレルワーカーということでこちらでコラムを書かせていただいております。

前回は、僕の仕事の大半なものに付きまとう「締め切り」との上手な付き合い方について書かせていただきました。しかし、これが思っていたほど反響がありませんでした。

前回の記事:「締め切り君」「締め切りちゃん」と良いお友達になろう!

ということは、読者の皆様が読みたいものではなかったということなのでしょう。ハズしてしまったわけですね。偉そうにパラレルワーカーとか言ってコラム書いてるのに情けない限りです。

簡単に言うと、僕は表現者というやつで、自分の表現したいこととお客さんの求めてるものが重なった部分を狙って作品作りをしているわけです。特に本業であるコントなんか残酷なほど分かり易くて、ボケがお客さんの求めてるものでなければスベってしまいます。

悲しいことにどんなに面白いボケでも、受け手の好みでなければスベったことになってしまうんですよね。つまり失敗です。

「締め切り」に関するコラムは残念ながら失敗だったようです。もちろん内容は素晴らしいと思ってはいるんですが。

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企画力が必要

この、ニーズを見極めて作品を作るのに必要な能力が、企画力というやつです。僕は、「締め切り」というテーマはクリエイター以外の人にも関わり合いの深いテーマだと思ったんですが、多くの人にはニーズがなかったようで、企画倒れに終わってしまいました。

今日はこの「企画力」について考えていきたいと思います。自分で言うのもなんですが、僕は割とアーティスト気質なところがあり、自分的に恥ずかしいと思う表現をすることが大の苦手です。なので自分の許せる表現の中でなるべくヒットする、つまりニーズのある方法を探っていくわけですね。

僕の活動の中で分かり易い例を出すと、オモコロというサイトで漫画を描いているんですが、そこで僕は「リツイート数至上主義」と極めてシンプルな方向性で、作品を描いております。つまり当てにいってるわけです。バズりたくて必死なんです。求められるのは企画力。

でも、先ほども言った通り自分でも好きな表現じゃないと創作できないので、ルールをいくつか決めています。「ツイッターにいる読者層を意識する」「共感されること」「下ネタは入れない」「長くし過ぎない」などです。

実は僕は過去に「マイデリケートゾーン」という漫画の単行本を一冊出しているんですが、この作品は一部では高い評価を得たんですが、ヒットには至りませんでした。これは僕の中では本当にショックな結果でした。絶対にヒットすると思ってたんです。傷ついた心で知り合いに原因をリサーチしたところ10人中10人が「下ネタ過ぎる」と答えてくれました。皆言葉を濁すことなく「下ネタ過ぎる」と言っていました。

特に言ってませんでしたが、僕は下ネタが大好きなのです。

その後、オモコロのほうで新たに漫画を描くにあたって編集者の方とも相談し「バズるためには『下ネタ』はなしにしましょう」となりました。さらに「共感」したものを人はリツイートし易い、「良い話」はリツイートしまくる、「気持ちいいどんでん返し」は死んでもリツイートしちゃうなどの情報を得て、それらをなるべく取り入れてきました。

「目指せ!マンリツ!」。これは僕がオモコロの編集長と掲げた目標です。ちなみに「マンリツ」とは1万回以上リツイートされるという意味で下ネタではありませんので安心してください。

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バズり確定コンテンツ!

そうした経緯を経て、最近オモコロで僕が描いてる漫画は『自意識の高い僧侶(プリースト)』という漫画で、ベースとしているのはドラクエなどのRPGの世界の話で、勇者のパーティーの僧侶がやたら自意識が高く、戦士の男や魔法使いの女と馴染めずに苦悩するお話しです。

ゲームはやはり間口の広いテーマですし、自意識を扱うところで読者の共感を狙いつつ、下ネタも排除しています。そして僕は幸運にもドラクエの生みの親である堀井雄二さんとはお知り合いなので、ぜひ読んでくださいとお願いしたところ、なんとリツイートまでしてくれたんです。バズり確定じゃん!

結果として、本当にこの漫画がバズっていれば、このコラムにも説得力が出るのですが、なかなか上手くいかないんですねえ。プチバスり、いやプチプチバズりでした…。

noteで売り上げ15万円

そうかと思えば、僕がnoteというコンテンツを販売できるサービスで販売した「キングオブコント」について寸評する記事はヒットしました。300円で販売したこの記事は500部近く売れまして、15万円の売り上げを叩き出したのです。

正直、僕はこのキングオブコントの記事を書いて良いものか迷いがありました。どうしても「他人のふんどしで相撲を取ってる感じ」がしたからです。アーティストがやることじゃないというプライドもありました。でも元キングオブコントの王者がコントを解説するところには必ず一定のニーズがあると思って勇気を持ってやってみました。

結果、この企画は大成功したと言えます。そうして調子に乗って「コント師がみたM-1グランプリ」という記事もnoteで販売したところ10万円の売り上げを叩き出したのです。この二つの記事ですが、大体1時間ちょっとで書いたものなので、本当にやって良かったと思っております。迷っていたアーティスト気取りの自分には「いいから黙ってやれ!」と言いたいです。もちろん「R-1ぐらんぷり」の記事も書いてやるつもりです。

実はnoteに関しては苦い記憶もありまして、僕がキングオブコントの記事以前に半日掛けて書いた力作の短編小説は1部100円でも全く売れず、人間不信になるほどでした。完全なる企画倒れで、膝から崩れ落ちました。

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自分の手持ちのカードを正しく使って最大限の価値を生み出す

作り手の努力や熱量が結果に必ずしも結びつかないのはどこの世界でも同じことだと思います。残酷なことに、この努力や熱量が企画の本質をブレさせて邪魔をしている根源であるということすらもよくある話です。

企画を成功させる秘訣は、自分の手持ちのカードを正しく使って最大限の価値を生み出すことだと思います。

キングオブコントの記事が企画として成功したのは、元々僕にはお笑いファンのフォロワーが大勢いたのでニーズを持った層に届き易かったし、キングオブコント放送の1時間後には記事をアップするなどタイミング的にもニーズを満たしたもので、キングオブコント優勝経験者の寸評というものへのニーズが大きかったからなど色々あると思いますが、やはり一番の理由はキングオブコントという大会自体のパワーがあったからだと思います。  それが最強のカードだったわけです。

まとめ

ありがとうキングオブコント。

だとしたらキングオブコントの漫画を描いたらバズるかもしれません。でも、それはしません。それでバズってもうれしくないし楽しくないからです。だからこれからもバズるかどうかもわからない漫画を自分で許せる範囲の中でみなさんのニーズに合うように描いていく所存でございます。

でも、いつか我慢できなくなり、また下ネタだらけの漫画を描いてるかもしれません。もしくは逆にキングオブコントの漫画を描いているかもしれません。その時は笑ってやってください。

執筆

岩崎う大

早稲田大学政治経済学部卒業。「かもめんたる」として2013年にキングオブコントで優勝する。お笑いだけではなくナイロン100℃に出演するなど舞台・役者・脚本・作家などジャンル問わず、多方面に活動の幅を広げる。自身が立ち上げた劇団かもめんたるでは作・演出・出演をこなし、八嶋智人氏などの数多くの役者から出演オファーが殺到するほど人気劇団に急成長している。

編集

川崎 博則

1986年生まれ。2019年4月に中途でさくらインターネット株式会社に入社。さくマガ立ち上げメンバー。さくマガ編集長を務める。WEBマーケティングの仕事に10年以上たずさわっている。

※『さくマガ』に掲載の記事内容・情報は執筆時点のものです。

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