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会社経営を裏側から支える。若手マネージャーに聞くさくら経理部の仕事

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「経理」というとどんなイメージをお持ちですか? テレビドラマなどの影響で、社員から渡された請求書に「これは経費で落ちません!」と指摘しているようなイメージを持つ人も少なくないのではないでしょうか。しかし、さくらインターネットの経理部の実態は違うようです。今回は経理の業務内容ややりがいについて、コーポレート本部 経理部 マネージャーの曽我部友工にインタビューしました。

曽我部 友工(そがべ ゆうく) プロフィール

さくらインターネット コーポレート本部 経理部 マネージャー
営業職として入社した証券会社で財務経理業務を経験。その後、スポーツインストラクターを経て、2022年12月にさくらインターネットに経理職として入社。2024年4月よりマネージャーに就任。

証券会社からスポーツインストラクターという異色の経歴

さくらインターネットに入社するまでの経歴を教えてください。

大学は経済学部だったんですけど、アルバイトとサークルばかりやっていてあまりまじめな学生ではありませんでした(笑)。卒業後は証券会社に入社し、2年半くらい営業をやったあと、部署異動で財務経理を担当することになりました。

もともと数字には強かったんですか?

数学は得意ですが、簿記の資格も持っていないし、最初は「仕訳」という言葉すら知らない状態でした。最初のころはいわれたことをただやるだけで、作業の意味をよく理解していませんでしたね。でも、営業部で精神的に鍛えられたこともあり、経理の仕事がつらいとは思いませんでした。

6年半ほど証券会社に勤務されたあと、スポーツジムのインストラクターに転職したそうですね。

はい、30歳を目前に「前からやってみたかったことに挑戦しよう」と思って転職しました。スタジオで大勢の前に立ってレッスンをしたり、なかなかおもしろい経験ができたと思います。じつは、最近はあまりできていませんが、さくらインターネットに転職してからも副業でパーソナルトレーナーをやっているんですよ。

スポーツインストラクターからさくらインターネットに転職した理由を教えてください。

スポーツインストラクターは個人事業主としてやっていたので収入が安定しなくて、固定の仕事をもう1つしたいと思っていました。そんなとき、前職の証券会社をやめたときに登録していた転職サイトから、たまたまさくらインターネットの求人情報がメールで送られてきたんです。「経理職でリモートワークがメインなのはめずらしいな」と魅力に思って受けてみたら、最終面接まですべてリモートで驚きました。

さくらインターネットはIT系の会社ですが、もともとパソコンにはくわしかったのでしょうか?

いや、普通にインターネットを使うくらいでしたね。学生時代は水泳、陸上、テニス、バレーボールとずっとスポーツに夢中だったので、あまりパソコンをいじってきたわけではありません。入社時に「うちの会社ではめずらしいタイプだ」と言われたことを覚えています。

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リモートワークでも同じオフィスで働いているのと変わらない距離感

さくらインターネットに入社して、前職までとのギャップは感じましたか?

スピード感がありますね。1社目に就職した会社は古くて大きな会社だったので、社内の承認を得るにも、いろいろな方面に根回しをして事前説明をする必要がありました。一方さくらインターネットでは、役員に対する説明もSlackでOKなんです。事前説明が1回で済むし、情報の伝達速度がかなり速くて助かっています。

経理部のメンバーは何人でしょうか?

部長や派遣社員の方も含めて9人です。上場企業の経理としては少なめですね。私は2022年12月入社で、社歴でいうと真ん中より少し下くらい。年齢でいうと、真ん中より少し上ぐらい。ちょうど30歳になる方が多く、新卒2年目の方がぐっと平均年齢を引き下げています。

リモートメインの働き方はいかがですか?

私は経理部のなかでも出張が多いので、基本的には出張しつつリモートワークしつつといった感じ。リモートならではの不便さはあまり感じないですね。私はけっこう出社しているほうなんですよ。とくにいまは郵便物の対応を担当しているので、週に1、2回は出社しています。私はせっかちだから話したいことがあればすぐにオンラインミーティングをつなぐし、同じオフィスで働いているのとなんら変わりありません。雑談もよくしますよ。

さくらインターネットには「さぶりこ」など、働き方に関する制度がいろいろありますが、利用している制度はありますか?

いまはマネージャーということでフレックス制度の対象から外れているんですが、対象だったときはよく活用していました。午前中に用事があれば昼から出勤できるし、逆に夜に用事があるときは早めに仕事を始めて夕方に退勤できるのが便利でしたね。あと「ショート30」という、仕事を終えれば定時の30分前に退勤できる制度もよく使っていましたね。経理の仕事だと「もう今日は絶対に必要な資料は届かないな」みたいな日があるので、そういった日に使っていました。

>>さぶりこ(Sakura Business and Life Co-Creation)とは?

「曽我部さんがいなかったらできなかった」という言葉

業務内容を教えてください。

基本的には月次~年次決算の取りまとめをしています。自分で作業もするけど、全体を見て間違いがないか確認するのがメインの業務です。あと、多いのが案件対応ですね。現場の方から「こういった案件が始まるんですが経理的にはどうですか?」という相談が来て、それに対して、監査法人や税理士と交渉しながら対応を進めていきます。

テレビドラマなどで見る経理部は、社員の方から経費の領収書を渡されてチェックしているイメージがありますが、実際はいかがでしょうか。

それとはまったくイメージが違うかもしれないです。私自身が領収書などを実際に確認するという作業はほぼしていません。会計論点が発生するような案件の対応が経理として比重の大きな仕事になってきています。たとえば国から助成金をもらうような場合、助成金が入ったタイミングで処理する場合もあれば、調査を受けて確定したタイミングで処理を進める場合もあるんですね。タイミングによって収益が大きく変わってしまうので、あらかじめ収支を予測できるよう会計論点を整理したり、調査の準備や立ち合い対応など、契約前の作業をしたりしています。

さくらインターネットの経理として働くやりがいはどういった点にありますか?

大型の案件が増えていることもあって、経理としてスキルアップできる点です。普通の会社では、大型の案件に対して数字を固めていくとか、事前に監査法人と交渉して詰めていくところは、役職がかなり上の方が対応するイメージです。ところが、さくらインターネットでは管理職ではないメンバーも一緒に対応していく。だから経験が積めるし、やりがいがありますね。

重要な仕事を任されることに対して、プレッシャーはありませんでしたか?

私はプレッシャーに強いタイプなので、新人の頃からわりと平気でした。ただ、責任重大な業務を任されることに負荷を感じる方も多いと思うので、新人の方にそういった業務をしてもらうときは、私が一緒にサポートしています。

経理の仕事をしていてうれしかったことはありますか?

当社は2023年6月、経済安全保障推進法に基づく特定重要物資である「クラウドプログラム」の供給確保計画に関する経済産業省の認定を受けています(※)。これは2023年に始まったばかりの制度で、社内外に会計処理の前例がない状態でした。しかも会計処理次第で単月の収支が大きく変わるので、経理の責任は重大です。

そんななか、資料を確認しながら、数字の予測を立てながら、税理士や監査法人と交渉して……。ようやく一段落ついたとき、上司から「曽我部さんがいなかったらできなかったわ」といわれたことは、すごくうれしかったです。

「さくらインターネット、生成AI向けクラウドサービス開始 〜NVIDIA H100 GPUを搭載した2EFの大規模クラウドインフラを石狩データセンターに整備〜」(さくらインターネット ニュースリリース)

曽我部さんご自身が思う、経理としての自分の強みは?

私はなんの資格も持っていないし、前職を含めてもまだ5年半しか経理の経験がないので、すごく経理に精通しているわけではありません。でも、いろんな人の力を借りて問題を解決していく推進力が強みだと思います。

イレギュラーな案件にも対応できる柔軟性

さくらインターネットの経理部にはどんな方が向いていますか?

一般的な企業の経理と同様に、しっかり資料を集めて経理的な処理を丁寧に進めていける方はもちろん必要です。一方で、さくらインターネットでは、新規の案件や前例のない案件も頻繁に発生します。そのため、イレギュラーな案件に対しても自分から積極的にヒアリングをし、自分で見通しを立てて対応できる方が向いていると思いますね。

タスクをコツコツこなす力だけではなく、イレギュラーな案件への対応力も求められるんですね。

でも、それを両立するのは難しいんですよね。だから、求める条件としては「経理的な処理をコツコツできる方」だけでもいいです。ただ、「案件が横からボンボンと入ってくる環境ですよ」ということはあらかじめお伝えしておきたいかな、と。イレギュラーなことにストレスを感じる方は、さくらインターネットの経理部は向かないかもしれません。

求めるスキルとしてはいかがでしょうか?

スキル要件としては、「決算に関して一通り対応できる方」といったところでしょうか。資格の有無はあまり重視していません。

さくらインターネットのビジョンは“「やりたいこと」を「できる」に変える”ですが、入社してからそのような経験はありますか?

バックオフィスの業務は、社員みんなの「やりたいこと」を「できる」に変えるために存在していると思っています。だから、案件が発生して「こういうことをやりたいんですけど、会計的には大丈夫ですか?」と聞かれたら、実現できるようにできるだけ尽力しています。そういった意味では、みんなの目標達成に間接的に携わっていると思いますね。

今後、さくらでやっていきたいことはありますか?

私が携わっている業務をできる人をもっと増やして、メンバーが欠けても対応できるような体制作りに力を入れたいです。「この人にしかできない業務」を洗い出して、誰もができるようなしくみを整えることが直近の目標ですね。

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曽我部さんのある日のスケジュール

9:30勤務開始
メール・Slackをチェックし、今日1日のタスクやスケジュールを決める
10:00進捗確認
毎日恒例の朝会(ミーティング)で、メンバーと今日の作業や進捗などを確認
10:30面接対応
経理部の求人応募者の採用面接に面接官として参加
12:30昼休み
自宅でサクッと昼食を済ませる
13:30打ち合わせ
社内から相談を受けた内容について打ち合わせ
17:00作業
担当作業の対応や、マネージャーとしての承認作業を進める
18:30退勤
残った作業を済ませて退勤

執筆

吉玉サキ

エッセイも取材記事も書くライター。 北アルプスの山小屋で10年間働いていた。著書に『山小屋ガールの癒されない日々(平凡社)』『方向音痴って、なおるんですか?(交通新聞社)』がある。

※『さくマガ』に掲載の記事内容・情報は執筆時点のものです。

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