さくらインターネットは、国産パブリッククラウド「さくらのクラウド」に関わるエンジニアを広く募集しています。今回はクラウド事業本部 プラットフォーム部 基盤グループ 基盤ユニットに所属する設樂 大記(したら だいき)から、チームの雰囲気や業務内容、具体的な仕事内容などについて話を聞きました。

設樂 大記(したら だいき) プロフィール
さくらインターネット クラウド事業本部 プラットフォーム部 基盤グループ 基盤ユニット
国内ISP企業を経て2025年2月にさくらインターネットに入社。現在は、データセンターの物理的な機器からOSまで、さくらのクラウド基盤に関する業務を幅広く手掛ける。
物理的な機器の「すべて」を担う
基盤ユニットのお仕事とは、どのようなものですか?
ひとことで言うと「物理的な機器のすべて」を管理する仕事です。さくらのクラウドを対象に、データセンターに設置する機器の選定や構成の決定、運用中に発生する課題やアラートの解決、OS管理などを担当します。
データセンター部門が整えたラックや電気、空調などの環境を利用し、プラットフォームとしてのクラウドシステムを物理的に設計・構築し、クラウドサービスを利用するお客さまが使いやすい仮想環境を整えるところまでが業務範囲です。
本当に幅広いですね。具体的にはどんな作業をしているのですか?
日常的な業務は、運用中のサーバーやストレージ、ネットワーク機器で発生する課題やアラートの解決、基盤部分に関わる顧客サポートなどです。機器の増強やリプレース対応も、メンテナンスと並行して進めています。
また、機器のライフサイクル管理も私たちの仕事です。メンテナンスと並行してリプレースや増強の計画を進め、既存サービスの品質維持や新規サービスの準備をします。

「不特定多数のユーザーが、思いもよらない使い方をする」パブリッククラウドの難しさと面白さ
前職もISP(インターネットサービスプロバイダ)に勤務されていた、とのことですが、どのようなお仕事をしていたのでしょうか。
前社は新卒入社の企業で、13年間勤めていました。もともとインターネットバックボーンのエンジニアを志望していましたが、入社後はネットワーク運用だけでなく、サーバー・ストレージの運用も担当しました。その後、徐々にサーバー業務の比重が増していき、キャリア後半では基盤の企画・設計・導入から運用までの全工程を手掛けていました。
「基盤の上から下まで面倒を見る仕事」といえば、現在の業務と似ていますね。
近いといえば近いのかもしれません。ただ前職はISPだったので、管理対象は自社のオンプレミス基盤で、ユーザーは社内にいました。たとえば「社内のメールサービスを担当するチームが使いやすい環境を作る」といった、いわばオートクチュールの仕事です。
さくらインターネットは不特定多数の外部顧客に対して、クラウド環境そのものをサービスとして提供します。ここで必要なのは、特定の用途に特化した環境だけではなく「汎用的な既製品」としての環境です。ユーザーのワークロードも使い方も未知で、負荷の増減についての予測も困難です。求められる柔軟性がとても大きいのが、難しさでもあり、面白さでもあると思います。
エンジニアの血肉になるようなチャレンジができそうだった
どのような経緯で、オンプレミスの前社から、クラウドの現職に転職されたのでしょうか。
さくらインターネットのことは、前社に勤務しているころから知っていました。展示会やセミナーなどでの情報交換を通して同業他社の友人ができるなかで、さくらインターネットは「いろいろな意味で、本当に自由そうな会社だなあ」と感じていました。
前社を退職した時点ではさくらインターネットで働くとは思っていませんでした。半年間くらい休暇を満喫して、バイクで九州や東北、中国地方など日本各地を放浪して、やりたいことを一通り消化したなあ、というタイミングで、その友人が声をかけてくれて、それがきっかけでさくらインターネットに入社しました。
実際に入社してみて、当初の想定からのギャップはありましたか?
イメージ通りでしたね! 面談のなかで、オープンな社風だな、エンジニアの血肉になるような創意工夫ができそうなチームだな、と思えたのが入社の決め手でしたが、まさにその想定通りでした。
エンジニア魂が強く、挑戦に寛容です。それも、ふんわりした夢のようなチャレンジではなく、ちゃんと社会の役に立つものをしっかりと作ろう、という方向でのチャレンジが推奨されています。ボトムアップでプロジェクトが立ち上がり、進む文化が根付いているので、何か新しいことをしたい、と思ったとき、手を挙げた人は基本的にやらせてもらえる環境だと思います。
また、情報共有環境の透明性がとても高く、全員がフラットに情報にアクセスできます。Slackチャンネルも基本的にすべてオープンなので、何かをしたいと思ったら、自分で社内の情報を収集して、ヒントを探し当てられる。それが全体的なフットワークの軽さにつながっているように思います。

その場で判断し、すぐ着手できる
フットワークの軽さについて、もう少しくわしくお聞かせください。
リモートで働くのが前提のためか、積極的なコミュニケーションと人への協力が推奨されており、それが人事評価項目にも含まれているんです。個人の業績といった定量評価に加えて、協力的な行動などの定性評価があり、それがオープンな雰囲気を作っているように思います。
具体的には、仕事中の意思決定の速さです。現場レベルで誰もが「これは必要だな」と思うことであれば、その場で「これ、やりましょうか」と方針が決まって、そのまま実施できます。
私がいるチームでは、上長の承認が必要な事項以外は、情報を持ち帰って検討する……といったことは、あまりしません。提案するときの「敷居の低さ」は、とても魅力的です。
現在、基盤ユニットのチームは、どのくらいの規模感で動いているのでしょうか。
私の所属している基盤ユニットは12~13名体制で、そのなかで担当業務のすべてを遂行します。通年で定常的に発生する増強(サーバーやストレージの増設や機材拡充など)についてはユニット内でチーム化されていて、私はその業務も担当しています。増強チームは3人体制で、それに時々、工事を担当する協力会社のメンバーが加わります。ユニット、チームともにサーバー、ネットワーク、ストレージ……といった細かい役割分担はなく、クラウドの基盤に関する部分を引き受けています。
新規サービスを検討するときは、開発スピードを加速するため、基本的に発案者本人の1人、もしくは2人体制でユニット、チームへ密に情報共有しながら進めていきます。
「技術の食い好みをしない、何でも食べたい人」と一緒に働きたい
少人数チームであらゆる困りごとを引き受け、幅広く対応する……忙しいチームかと思います。どんな人ならこの環境を楽しめそうでしょうか?
好奇心旺盛な人は向いていると思います。技術の好き嫌いがあまりなく、何でもバクバク食べたいタイプの人は楽しいでしょう。うんちゃまさん(※内山 翼)のような人は、あれもこれも面白そう、で何にでも食いつく。ああいう方にとってはすごくいい環境がそろっている会社でしょう。
※内山と山野(いずれもプラットフォーム部 基盤グループ 基盤ユニット所属)のインタビューはこちら
>> 「乗り越えた試練の数だけ強くなる」さくらインターネットのインフラ開発エンジニアが語る、サービス開発の楽しさとは
ただ、最初から何でもできるジェネラリストなどいません。これからできる範囲を広げたいと考えている人、たとえば「サーバーにはくわしくないけれど、ネットワークはくわしいから、これを機にサーバーにも強くなりたい」……というような人にとっては、すごく楽しい環境だと思います。
単純に手が足りない、という問題もあるので、いわゆるスペシャリスト人材がやれることもすごく多いでしょう。サーバーならサーバー、ネットワークならネットワークといった特定の分野を突き詰める人も「チョットデキル」くらいに高度な専門知識を持つかたでも、やってほしいことはたくさんあります(笑)。
「この機能は俺が作った」と言えるように
最後に、設楽さんご自身の今後の目標についてお聞かせください。
中長期的には、「さくらのサービスのこの機能は俺が作ったんだ」、と言えるようなエンジニアになりたいと思っています。そのためには、まだまだ知識も経験も足りません。なので短期的な目標として、とりあえず何にでも挑戦して、さくらインターネットでしか得られない経験をたくさん積みたいと思っています。
設樂さんのある日のスケジュール
※石狩データセンターへの出張時
6:00 | 起床 |
8:00 | 石狩データセンター へ移動・入館手続き |
9:00 | 設備構築の進捗確認(施工業者)→ 是正指示 → 確認 |
10:00 | サーバー OS インストール・動作確認 |
12:00 | ランチ |
13:00 | サーバー設置・配線作業 |
14:00 | サーバーリプレース対応 |
15:00 | ネットワーク機器の設定・動作確認 |
17:30 | 設備構築の進捗確認(施工業者) |
18:00 | 宿泊するホテルへ移動 |
19:00 | 北海道ならではの食事を楽しむ |
21:30 | 自由時間 |
23:00 | 就寝 |