幅広いビジネス分野でIT環境構築を手がける株式会社マーブル。同社でクラウド環境の設計や構築を担当するエンジニア2名が、株式会社 zero to oneとさくらインターネットが共同運営する「クラウドエンジニア養成講座」を受講し、「さくらのクラウド検定」を受検しました。クラウドに特化した技術を学ぶことで得られた手応えと、実務における具体的な成果について、マーブルの吉野さんと保田さんに聞きました。
吉野 圭祐さん プロフィール
ITプラットフォーム事業本部 ITインフラ事業部 第3システム部
提案・見積とインフラ設計、プロジェクト管理を担当する。
保田 みなみさん プロフィール
ITプラットフォーム事業本部 ITインフラ事業部 第2システム部
主にIoT分野におけるデータ収集基盤など、インフラ部分の構築を担当する。
「クラウドエンジニア養成講座」とは？
「クラウドエンジニア養成講座」は、さくらインターネットとパートナーの株式会社zero to oneが共同運営する、現場で使えるクラウドスキルを体系的に学べる講座です。クラウド活用が当たり前となったいま、企業や自治体のDXを支える人材を養成し、デジタル社会の発展に貢献することを目的としています。
経済産業省のリスキル講座制度に認定されている本講座では「さくらのクラウド」を使った演習もおこなうため、実務での即戦力化を後押しします。公式の「さくらのクラウド検定」で客観的に学習効果を証明でき、検定と講座を並行して学ぶことで、基礎から実務レベルまで効率よくステップアップできます。
※受講者の多くは、まず『さくらのクラウド検定』の公式オンライン教材で基礎を学び、検定受検後に本講座へ進む流れを選んでいます。
お客さまのニーズに応える、クラウド提案力の強化を目指す
貴社の事業と、現在の担当業務について教えてください。
マーブルは、幅広いビジネス分野において、お客さまのニーズに合わせたIT環境の構築をサポートしています。お客さまの分野は製造、物流、金融、ライフラインなど多岐にわたります。私はおもに、IoTシステムのデータ収集と情報処理をする、バックエンド部分を構築しています。
私はお客さまから要望をうかがって、提案と見積もり、インフラ設計をおこない、構築プロジェクトの管理も担当しています。オンプレミス運用のお客さまからクラウド化のご相談をいただくことも、クラウドそのものの比較をしたいと相談されることもあります。
どのようなきっかけで、「クラウドエンジニア養成講座」を受講し、「さくらのクラウド検定」を受検されたのでしょうか？
さくらインターネットの担当の方からおすすめいただいたのが、直接のきっかけです。さくらのクラウドがガバメントクラウドに（条件付き）認定されるという話もあったことから、官公庁系の入札案件を獲得する武器になるかと考え、受講を決めました。
また、じつは部下が検定の旧バージョン（1.0）に合格していたので、上司として新しいバージョン（1.1）を受けておきたい、という個人的な動機もありました（笑）。
デジタル技術を基礎から実践まで幅広く学べる「さくらのクラウド検定」
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ITパスポートの次に学びたい、業務に直結するクラウド実践講座
クラウドエンジニア養成講座は、情報処理推進機構（IPA）の「ITパスポート試験に合格している方」を受講者として想定しています。受講される前、どのような資格や検定をお持ちでしたか？
私はITパスポートを取得していました。今回の講座は、ITパスポートレベルの知識の復習をしつつ、さくらのクラウドを仕事で使うための実学を同時に進めるような内容でした。ITパスポートや基本情報技術者試験の知識があれば、実務に活かすうえで十分な手応えを感じられるでしょう。
また、IPAの資格はエンジニアとしての汎用的な知識を学ぶもので、クラウドエンジニア養成講座は、クラウド人材としての実践的な専門性を高めるものだと思います。
私は5年以上前に基本情報を取得していました。基本情報がIT技術のベースだとすると、今回の講座はよりクラウドに特化し、業務内容に直結すると感じました。もちろん、講座のなかには基礎的な内容も含まれており、知識の復習にもなりました。
クラウドエンジニア養成講座とさくらのクラウド検定の違いは、どのように感じられましたか？
どちらも動画教材が中心でしたが、少し苦戦したのは、養成講座の実践課題です。たとえば、コスト最適化を考慮した構成を設計する課題では、あえて細かい指示のない箇所がありました。実務でも発生する、お客さまから十分な情報を得られないケースや、要件定義が曖昧なケースが再現されており、そのような状況で検討を進める必要がありました。
さくらのクラウド検定は動画視聴と小テストで知識を深めるもので、クラウドエンジニア養成講座はハンズオンと課題で実践力を鍛えるものだったと思います。
私は先に検定の教材で学習し、ひと通りの知識を得たうえで、養成講座でさくらのクラウドを触りました。そこで最初の課題に取り掛かり、つまずきました。
課題は「本当にわかっていないとできない」くらいの難しさがあり、知識を持っていることと、その知識を実務に使えることは別なのだなと痛感しました。
実務によくある難しさに、実践課題で挑戦
養成講座のハンズオンや課題で、とくに印象に残っていることはありますか？
ハンズオンの講座で実際に触れて、自分でクラウドを使った環境を構築できること自体が、一番の学びでした。座学で学んだことをすぐにハンズオンで試す流れだったので、知識が定着しやすかったと思います。
演習課題で構成を作成する際は、ノートに図を書きながら考えていきました。普段の業務で、お客さまからの「ふわっとした要望」を構成図に落とし込む仕事をしていたので、基本的には同じ進め方です。ただ、そこで考えた構成を自分で構築する際に、構成図の時点では気づかなかった問題が見つかることもありました。一気通貫でやることは、細かい部分まで深く理解する機会になりますね。
他社のクラウドサービスにも類似の講座があります。それらとの違いは感じられましたか？
他社のクラウド認定資格も、これから取得するつもりです。現在動画教材を見ているのですが、現時点ではまだ「動画を見ただけで、作れるようになるのだろうか」という疑問が残っています。ハンズオンや実践課題があるのとないのでは、かなり手応えが違いますね。
私はAWSの初歩的な資格を取得しているのですが、当時は何に取り掛かればいいのかわからず、学習方法を探すところから始めました。さくらのクラウドは基礎から実践まで順番に、体系的に学べるので、学習方法で迷わずにすみました。
「さくらのクラウドなら、今すぐ構成図が書けます」
受講後、学んだ内容は実務に活かせそうでしょうか？
これまで理解が浅いままだった部分を、さかのぼって深く理解できるようになったと思います。他社のクラウドを使った既存システムを見て、構成された理由や設計者の意図がわかるようになりました。
お客さまの要件を聞いて、提案書や構成図に落とし込む作業で大活躍しています。先日、複数のクラウドを指定して「どんな構成になるか教えて欲しい」と依頼された際、さくらのクラウドに関しては、その場でホワイトボードに構成図を書いてご説明できました。養成講座で実践的な構築を学んだおかげです。
ガバメントクラウドを見据え、「さくら」を強みに変えていく
最後に、今回の学びを踏まえた今後の展望についてお聞かせください。
クラウドの特性であるスケーリングなどを活かした構築を、これからどんどん手がけていきたいです。講座のなかで、自分が構築したサーバーやネットワークがどのように繋がっているのかをマップで可視化されたときに、少し感動しました。全体像を深く理解し、構成変更も含めてお客さまに説明できるエンジニアを目指したいです。
ガバメントクラウド認定を機に、官公庁の入札案件にも積極的に提案していきたいと思っています。
今後の目標としては、RFPに対して「要件は全部さくらのクラウドで満たせます。なので、国産クラウドを使いませんか」と胸を張って提案し、案件を獲得したいですね。そのために、新しくチームに来たメンバーにもこの講座を受けてもらい、「さくらのクラウドができる人」を増やしていきたいと考えています。
担当者コメント：体系的な学びを現場の力に
戸倉大輔 プロフィール
さくらインターネット テクニカルソリューション本部 ラーニングサポート部
全国の高等専門学校への出前授業や、「さくらのクラウド検定」を通じた技術者への教育支援を担当する。
「クラウドエンジニア養成講座」は、さくらインターネットのセールスパートナー複数社に受講いただいています。就業中の学習で時間確保に苦労される方が多い一方、体系的なカリキュラムと“実際のクラウド環境で手を動かす”演習に魅力を感じていただけているようです。
なお、本講座の演習課題は当社の現役エンジニアが作成・採点。「インフラの作り手」が直接サポートする体制は、他社ではなかなか見られない強みです。
今回お話をうかがった吉野さま・保田さまは、講座を受講して現場でも手応えを感じていただけたとのこと。講座内容と実務の成果がしっかり結びついていることを、大変うれしく思います。今後もクラウドエンジニア養成講座を通じて、デジタル社会の発展に貢献していきます。
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