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さくらインターネットはいま、ガバメントクラウドに認定(※)された「さくらのクラウド」を筆頭に、各種サービスをさらに拡充すべく、新規開発を積極的に進めています。それに合わせて、サービスをご利用いただくお客さまへ、必要な技術情報をよりわかりやすく提供することにも力を入れていきます。
※2025年度末までに技術要件をすべて満たすことを前提とした条件付きの認定。
今回の社員インタビューでは、そのための専任メンバー「テクニカルコミュニケーター」として2025年6月に入社した、クラウド事業本部の風穴江(かざあな こう)に話を聞きました。

編集者としての原点は『月刊スーパーアスキー』
最初に、風穴さんのこれまでの経歴を簡単に教えてください。
アスキーという会社が1990年に創刊したコンピュータ技術情報誌『月刊スーパーアスキー』の編集部に、創刊号直後に潜り込んだのが編集者としての原点です。スーパーアスキーという雑誌は、(当時の)パソコンのちょっと上の技術をカバーする位置づけで、UNIXワークステーションやそれに関連する技術トピックを扱っていました。なので、編集部にはUNIXワークステーションが何台もありましたし、当時まだ商用化されていなかったインターネットにも接続されていました。Webが広く使われるようになる前なので、電子メールとNetNews、それにFTPでソフトウェアを入手するのがおもな用途でしたが。
その後、スーパーアスキー誌が休刊するタイミングで完全にフリーランスとなりました。以降、現在まで、フリーランスのtech編集者としてお仕事をしています。1998年からなので、フリーランスとして、かれこれ27年になります。
27年! 編集のお仕事といえば、著者が書いた原稿を確認して校正する……みたいなイメージなのですが、会社に所属しない、フリーランスの編集者というのは、どんな感じのお仕事なんですか?
編集者の仕事は、一般の人が思っているものよりもだいぶ広いんですよ。私はよく「最終形を作るまでの一切合切」という説明をしています。
新しい企画を考えるのはもちろん、誰に書いてもらうか、誰に協力してもらうかの段取りを整えたり、筆が進まない著者を励まし刺激してアウトプットをサポートしたりもします。原稿が上がってきたら、どうすれば読者に伝わりやすくなるかを著者と一緒に検討し、プロットの修正や、本文の追記、削除、図版の追加などを提案することもあります。
校正や制作(DTP)は専門の人にお願いすることが多いですが、場合によっては一部を編集者がやることもあります。商業出版の場合は営業的な側面も大事なので、営業と著者の間に入って調整する役回りを担うこともありますね。あと、ページ数や構成上の必要があって、ほかに書く人がいなければ自分で原稿を書くこともあります。本当に、文字通り「何でも屋」なんです。
編集者って、そういうお仕事なんですね。イメージが変わりました。フリーランスの編集者としては、どんなお仕事をされてきたのですか?
最初は、いろいろな雑誌(やタブロイド紙)で記事を書かせてもらったり、企画のお手伝いをしたりという、それまでやっていたことの延長線上のような仕事が多かったです。
そのあと、たまたまご縁があって、Linux専門の雑誌を編集長として立ち上げました。ちょうどLinuxが大きな注目を集め始めた時期で、それ以降、Linuxに関する講演だったり、企業や業界団体の研修のお手伝いだったりと、Linuxやオープンソースを軸にいろいろなお仕事をしてきました。J-WAVE(東京のFMラジオ局)の番組で電話コメントしたり、「ほぼ日」でLinuxについてお話し1したりしたこともありました。
Linuxの人だったんですね。
最初に所属した編集部で、たまたまLinuxを担当することになって、1993年からLinuxの連載をスタートさせました。月刊商業誌でのLinux連載は、おそらくこれが世界初だったと思います。
世界初とはすごいですね!
いえ、すごいのは私ではなく、当時すでに日本にあった、Linuxについて情報交換するコミュニティの人たちです。私はたまたまそこに接点があって、いろいろ教えてもらっているうちに、ちょっとくわしくなっただけなので。
私がLinuxをやることになったのも、本当に、たまたまなんです。当時はまだ、多くの人がBSDが本命だと考えていたので、そちらは先輩が担当し、Linuxは一番下っ端だった私にお鉢が回ってきたわけです。最初のころは、編集担当の私自身、自分の仕事で使う環境はBSDでしたし(笑)。

編集者視点で築いた技術広報のキャリア
その後、サイボウズに入社されていますが、これはどういう経緯だったんですか?
とある出版社さんと一緒に新しいメディアを立ち上げる話を進めていて、かなり具体的なところまで話が進んでいたのですが、やむを得ない事情から中止となってしまいました。
ちょうどそのタイミングで、たまたまサイボウズ社長の青野さんと話す機会があり、やりたいことが似ていて、かつ私のスキルや経験が活かせそうということでサイボウズに入社することになりました。「複業OKだから」と言われたのが決め手でした。
サイボウズでは、フリーランスの編集者を続けつつ、技術ブランディングやエンジニアのアウトプットを支援するという、いまで言うところの「技術広報」の原型みたいなことをやり始めました。当時のサイボウズには「tech界隈での存在感を高めたい」という課題があり、それを編集者的な視点でどうにかしようと動いていたら、たまたまそうなっただけです。
「編集者的な視点」とは?
「情報を持っている人」と「その情報を届けたい人」とを橋渡しする、ということです。
先ほど、編集者の仕事は「何でも屋」だと言いました。実際に私も、メディアでの仕事以外に、さまざまなことをやってきました。これらは外形的には多種多様に見えるかもしれませんが、やっている側からするとシンプルで、情報の橋渡し、情報伝達のお手伝いをしているという感覚です。
サイボウズからHelpfeelへ転職した理由は?
技術広報の理想は「技術広報担当者が不要になる」ことです。サイボウズでは、それにだいぶ近いところまでやり切れたかなと思います。そこまで到達できれば、あとは自律的に回っていくので。
Helpfeelは、たまたまNota(Helpfeelの旧社名)のころからつながりがあってよく知っていましたし、転職する前にも業務委託という形でお手伝いしていました。そうしたことを通じて、Helpfeelの開発陣には大きなポテンシャルがあるのはわかっていたので、そこで技術広報の新しい形にチャレンジしたいと考えました。
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技術広報の知見を活かした「さくらのクラウド」の新しい情報発信
さくらインターネットに転職した理由を教えてください。
編集者として長年考えていたことにチャレンジできる機会だと考えたからです。
サイボウズ入社以降は「技術広報」という役回りが多かったのですが、編集者としては、いつかまた新しいメディアにチャレンジしたいという想いは、ずっと持っていました。ただ、昨今のメディアを取り巻く状況を考えると簡単なことではないので、何となく数年後、あるいは定年後に何かできたらいいな……ぐらいの気持ちでした。
そんなとき、たまたま執行役員の横田さんからお声がけいただき、くわしくお話を聞いてみたところ、「技術情報の発信を良い感じにしていきたい」「そのための専任チームを作りたい」など、非常に興味深いお話で、長らく封印していた気持ちに火がつきました。私がお話をうかがうミーティングだったはずなのに、ミーティングの後半では、私が早口でたくさん話してしまいました(笑)。
さくらインターネットとは、以前からつながりがあったのですか?
ずっとニュース記者をしていたので、もちろん創業時から知っていましたし、その後の動向も見てきてはいました。また、社長の田中さんのX(旧:Twitter)は昔から興味を持って見ていました。
それもあってサイボウズにいたとき、(サイボウズ社長の青野さんの対談相手として)「さくらインターネットの田中さんは、おもしろいんじゃない?」と言っていたら、実現してしまったこともあります。 2
以前から、そんなつながりがあったとは!
この記事の、写真に写らないところに私もいて、対談後の懇親会にもちゃっかり参加していました。
ほかにも、昔から知っている方々が何人もいらっしゃったり、ここ最近は、知人のエンジニアが何人もさくらインターネットに入社していたりして、私のなかでは勝手に親近感が上がってはいました。荒木靖宏さんは、私が編集長をしていた雑誌で連載記事を書いてもらっていました。田中翼(yoku0825)さんは、サイボウズの媒体で私がインタビューしたこともあります。
そしてまさかまさか、自分も中の人になるとは、自分でもビックリです(笑)。
さくらインターネットでは、どのような業務をされるのですか?
決まっていません!(笑)
え、そうなんですか?
いや、もちろん、大まかに目指すことはあります。さくらのクラウドの技術情報を、それを必要とする方々に最適な形でお届けすることです。現在すでに、その1つの形として「さくらのクラウドマニュアル」があり、たくさんの情報を提供していますが、マニュアルを含めた技術情報提供を、もっと充実させていきます。
決まっているのはこれだけで、どうやってそこへ向かうかといった具体的なことは未定です。
私自身のモチベーションとしては、それが「未定」だったから入社を決めた面もあります。すでに敷かれたレールをうまく走るよりも、どこにどうやって線路を通すのか、そもそも線路でいいのかどうか、そこからチャレンジできるところに魅力を感じました。
そうなんですね。風穴さんのなかで、どういうふうにしたいといったイメージはありますか?
いま、生成AIの急速な進化によって、コンピュータの使い方から、日常生活の何気ない行動までが大きく変わろうとしていますよね。
これまでは、あらかじめ作られた静的なテキストを読んでもらう形で、技術情報が提供されてきました。でも、生成AIによって、ユーザー一人ひとりに最適なコンテンツを、その場でダイナミックに生成することも技術的には可能となってきています。それが最適解かどうかはわかりませんが、新しい情報伝達の形として、今後は、そうした技術的可能性を考慮しないわけにはいかないでしょう。
おもしろそうですね!
あ、いちおう補足しておきますが、さくらインターネットで急に何か突拍子もないメディアを作るということではありません。あくまで考え方の一例として挙げただけです。
編集者としての理想は、メディアに触れることで多くのユーザーが気づかないうちにちょっとずつ変わっていて、あるときふと「何だか心地良いな」「もっと読みたくなるな」と感じてもらうことです。さらに言えば、「このコンテンツがあるから、さくらのクラウドを使いたい」と言ってもらえるような流れを作れたら本望です。
「テクニカルコミュニケーター」の募集は現在も続いているんですよね。どんな方と一緒に働きたいですか?
ざっくりした言い方になっちゃいますが「技術が好きな人」ですかね。技術に対して「愛」と「リスペクト」がある人。
テクニカルコミュニケーターの仕事としては、アウトプットできるとか、周囲とコミュニケーションできるかとか、細かいことはいろいろあります。でも、それを長く続けていくこと考えると、この仕事に対して、どれだけモチベーションを高く保ち続けられるかが鍵になるかなと思っています。そのモチベーションの源泉となるのが、技術に対する「愛」と「リスペクト」だと思うんですよね。
技術が好きだという気持ちがあれば、より良いものを作るために突き詰めて考えることもできますし、あるいは取り巻く環境が大きく変わったとしても新しく学ぶことが苦にならず、楽しくやっていけると思うので。
新しくチームを作っていくところなので、こういう仕事に興味があれば、まずはカジュアルにお話しましょう。カジュアル面談も募集していますし、リアルでもSNSでも、遠慮なくお声がけください!
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(撮影:ナカムラヨシノーブ)