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「10年先を考えた、より使いやすいインフラを作りたい」。ネットワークアーキテクトに挑む、金丸洋平にインタビュー 

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さくらインターネットに新たに加わった仲間を紹介する『Welcome Talk「ようこそ、さくらへ!」』。今回は2025年6月入社のネットワークエンジニア・金丸洋平に、同じくネットワークエンジニアの土屋太二がインタビュー。2人の「インフラ屋」が、ネットワーク界隈の現状やさくらのクラウドの今後について語り合いました。 

金丸 洋平(かねまる ようへい) プロフィール

さくらインターネット クラウド事業本部 プラットフォーム部 
新卒入社したLINE株式会社にてデータセンターネットワークの運用・構築担当からキャリアをスタート。その後、プライベートクラウド向けネットワーク機能の開発、およびチームのエンジニアリングマネージャーを務める。2021年に株式会社メルカリへ転職し、ネットワーク領域を中心としたプラットフォームエンジニアリングに従事。2025年6月にさくらインターネットへ入社。 

「大きなインフラに触りたい」 

土屋

まずは自己紹介からお願いします。 

金丸

金丸洋平です。6月1日に入社しました。新卒でLINE(現:LINEヤフー)に入社し、最初の3年はオンプレミス環境でのデータセンターネットワークの運用と構築をしていました。そのあとクラウド構築チームに異動し、プライベートクラウドのネットワーク機能の開発と運用を4年間担当しました。 
しばらくして、パブリッククラウドの世界も見てみたいと思い、メルカリに転職しました。メルカリでは、いわゆるプラットフォームエンジニアをしていました。 

土屋

オンプレミス、プライベートクラウド、パブリッククラウドと環境は変わっていますが、業務領域はずっとインフラエンジニアなんですね。 

金丸

そうですね。学生時代からずっとインフラです。大学院ではネットワークに関連する研究をしていました。 

土屋

金丸さんは、学生時代からネットワークをやっていらして、企業でもネットワークをやりたくてLINEに入社されたんでしょうか。 

金丸

そうですね。「大規模なインフラに触れてみたい」というモチベーションはずっと持っています。 

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ロードバランサの機能をソフトウェアで実装 

土屋

初めて金丸さんとお会いしたのは、JANOG(日本ネットワーク・オペレーターズ・グループ)で登壇されたときですよね。ロードバランサを導入するのに、高額なハードウェア製品を購入するのではなく、Linuxとソフトウェアで自作したお話、衝撃的でした。アメリカの会社の取り組みとして聞いたことはありましたが、当時日本では珍しかったですよね? あれ、本当にびっくりしました。「コレ作る人がいるんだ!」って。 

金丸

当時のチームがそういうチャレンジをさせてくれる環境だったので、新卒でも動きやすかったですね。 

土屋

それをきっかけに、LINEの社内でもネットワークに関するチームが大きくなりましたよね。ソフトウェア開発やネットワーク製品の内製がさかんになっていった印象があります。 

金丸

そうですね。JANOGで発表したあたりから、そういった仕事に興味のある人が集まってくれて、専門のチームができました。 

土屋

あのあたりから、ネットワーク業界の雰囲気が変わったと思うんですよ。これまでソフトウェア開発に苦手意識のあったネットワークエンジニアが「こういうアプローチがあるんだ」と認識して、お尻に火がついたというか。みんなが頑張り始めて、プログラミングを覚えようとしたり、ネットワークをやりたい学生さんが集まったり。金丸さんのJANOGでの発表は、この流れのきっかけのひとつだったと思っています。 
メルカリではどのようなお仕事をされていたのですか? 

金丸

メルカリでも所属は「ネットワークチーム」で、ただ、LINEのときよりも少し高いレイヤーの仕事をしていました。パブリッククラウドやSaaSプロバイダーが提供するネットワーク機能とさまざまなソフトウェアを組み合わせて、社内のバックエンドエンジニアが開発をしやすいプラットフォームを作る仕事です。 

土屋

プラットフォームエンジニアリングですね。 

金丸

そうですね。既存のネットワークサービスをそのままバックエンド開発で使おうとすると、使いにくかったり、ネットワーク側の専門性が必要になったりすることがあるので。そこをうまく抽象化して、開発者にとって使いやすい形で提供するような仕事をしていました。 

さくらインターネットを選んだ理由 

土屋

LINEやメルカリでのご活躍を経てからさくらインターネットを選んでいただいたわけですが、そのあたりの理由や決め手になったポイントは何だったのでしょうか。 

金丸

冒頭で触れたように、オンプレミス、プライベートクラウド、そしてパブリッククラウドと、これまでさまざまな側面からネットワークに関わる機会がありました。そうした各々の環境で経験したことをうまく組み合わせつつも、何か新しいことにチャレンジしたいという漠然とした想いを、ここ最近少しずつ抱いていました。 そのタイミングで、さくらインターネットが「ネットワークアーキテクト(次世代ネットワークインフラ開発)」というポジションを募集しているのを知ったのが、最初のきっかけです。 

土屋

決め手になったポイントは? 

金丸

カジュアル面談で「おもしろそうだな」と思ったのが決め手ですね。 

土屋

カジュアル面談は私が担当して、業務の紹介やぜひ入社してほしいことなどをお話しさせていただきました。どう思われていましたか? 

金丸

正直当初は、少し懐疑的な気持ちがありました。アーキテクトと呼ばれる仕事には、特有の落とし穴があるイメージを持っていたので。 

土屋

落とし穴というと? 

金丸

たとえば「新しいものを作りたい野望はあるが、既存のシステムやプロセス、リソースの制限などの現実とすり合わせていった結果、同じようなものができてしまう」とか。 
もっと悪いと「理想を追求しすぎて、実際の現場の状況を考慮しない使いにくいものができてしまい、運用が苦労する」とか。 

土屋

ああ、ありますね。 

金丸

なので、最初は少し身構えていたのですが、実際に土屋さんたちとお話ししてみて、そういった懸念が晴れたので応募しました。 

土屋

どのような懸念が、どのような点から払拭されたのか、ぜひ聞いてみたいです。 

金丸

大きなポイントは2つありました。まず、土屋さんが面談で「運用をちゃんと捉える」とお話ししていましたよね。ただ作るだけじゃなく、運用現場の実態と意見をちゃんと含めて一緒に作りを考える。そして完成後は、われわれも運用現場に入る、という話でした。開発現場も運用現場も、マネジメントレイヤーの人たちも巻き込んでシステムを動かそうとしている点にすごく安心しました。 

もう1つは、「このプロジェクトは短期的ではなく、中長期的にやっていく」んだ、というメッセージがあったことです。短期的な締切に合わせた割り切り判断も大切ですが、インフラを良くする仕事には地道な努力も重要だと思っていたので。その話を聞けて「これはおもしろそうだ」と思いました。 
入社後のオンボーディングセッションでも、改めて「中長期的な視点」のお話を聞けて、安心感がありました。 

土屋

実際「アーキテクト」という言い方をするのが適切かは、いまも少し悩みがあります。われわれのメインミッションは設計ですが、設計チームと運用チームが分かれて失敗した例もたくさん知っていて……。そうはなりたくないという強い想いがあります。運用サイドにしっかり信頼してもらうこと、われわれ自身も運用メンバーの一員として関わることを意識しています。たしかにそこは、一般的なネットワークアーキテクトチームとは少し違うかもしれません。 

金丸

私としては、そこが一番「刺さった」ポイントです。 

土屋

実際に入社されてみて、どうですか。当初の印象とのギャップなどはあったでしょうか。 

金丸

そうですね……。歴史ある会社なので、正直、しがらみが多かったりするかな? という懸念はありました。実際に入社してみたら、みなさん非常にアクティブで、オープンな雰囲気ですね。入社したばかりの人でも各々が特技を活かして調査や検討を進めていたり、WikiやSlackの情報も開かれていて、すごく調べものがしやすかったり。ここはイメージとのギャップがありました。 

土屋

昔から、社員同士で議論をするのが好きだったり、ボトムアップでプロジェクトが立ち上がったりすることが多いようです。そういえば、そういうところはすごく「さくららしい」と思います。エンジニアが自分たちのオペレーションを自分たちで変えていこう、という文化は根付いているような気がします。 

歴史と刷新の間をつないで「この先10年を見据えたインフラ」を構築したい 

土屋

今後、金丸さんがさくらインターネットで取り組みたいことについて、ぜひ聞かせてください。 

金丸

さくらのクラウドはリリースから10年以上稼働を続けていますよね。ネットワークの設計も初期のころから大きくは変わっていないと聞いています。初期の設計がしっかりできているからこそで、すごいことだと思います。一方で、最近のガバメントクラウドやGPUクラウドといった新しい分野、新しいユーザーに向けた取り組みも進んでいます。これらの間には調整や改善が必要な点もあるはずです。 

これまでの資産と歴史あるシステム、新しいサービスをうまくつなぎ、次の10年、あるいはもっと長く、多くのお客さまに使っていただけるサービスのためのインフラを構築していきたいと考えています。 

土屋

さくらのネットワークは歴史が長いため、どうしても「昔ながら」の部分がありますよね。私は、もっとソフトウェア領域の改善が必要かと思っています。ネットワークインフラ上で動作するソフトウェアによる制御や、SDN、ネットワーク自動化の仕組み、Linuxでネットワーク機能を実装するような部分などにどうアプローチするかが難しかったんです。 

金丸さんのように、ネットワークにくわしく、ソフトウェアもできる方が来てくださったのは本当にありがたいです。金丸さんにしかできないようなプロジェクトがたくさん出てくると思うので、ぜひ頑張っていただきたいです。 

金丸

ありがとうございます。 

土屋

金丸さん個人としてチャレンジしてみたいプロジェクトはありますか? 

金丸

まずはいまのプロジェクトを着実に進めるのが最優先です。ただ、長期的には、さくらのクラウドはじめ、いろいろなサービスをさらに良くしていくことに、もっと広い視点で関われたらと思っています。 

土屋

具体的なビジョンがありそうですね? 

金丸

入社前、さくらのクラウドを使ってみたときに、外資系のパブリッククラウドに慣れている立場からすると、「あれ?」と思う箇所があったんですよね。悪いという意味ではなく、ギャップというか、解釈が違うというか。それらについて入社後に社内情報を見てみると、課題として認識され、改善の取り組みも進んでいるようでした。こうした取り組みは、今後もどんどん進むと思いますし、私も何らかの形で関わりたいと思っています。このサービスがより多くの人にとって使いやすいものになっていく、そんな手伝いができたらいいなと思っています。 

土屋

同感です。これまでさくらのクラウドを使ってくださっていた方はもちろん、もっと広く知られて、使っていただくには、やはりいろいろな機能や仕組みを考え直す必要があると思っています。そういう見直しのプロジェクトはすでにたくさん立ち上がっています。ぜひチャンスがあれば、金丸さんにもそういったプロジェクトに参加していただきたいです。 

金丸

そうですね。多くの人と関わりながら進める仕事だと思うので、うまくコミュニケーションを取りながら進めていきたいです。技術も活かしつつ、両立させていければと思っています。 

土屋

ありがとうございます。金丸さんの得意分野をぜひ活かしてください。 

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(撮影:ナカムラヨシノーブ) 

執筆

StudioKOKS

「ただしく、よみやすく、わかりやすく」文・理をつなぐテクニカルライター 。 高専出身、開発者を経てフリーライターとして独立し、メディア編集記者などを兼業しつつ技術系取材を中心に活動中。

※『さくマガ』に掲載の記事内容・情報は執筆時点のものです。

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