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さくらインターネットでは、「さくらのクラウド」などを中心に、より多くのお客さまに選ばれるサービスづくりを進めています。あわせて、クラウドの魅力や使い方をわかりやすく発信し、技術情報をより身近に届ける取り組みも強化しています。 

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今回の社員インタビューでは、その活動を牽引する一人として2025年7月に入社した、クラウド事業本部の亀田治伸(かめだ はるのぶ)に話を聞きました。AWSやCloudflareなどでエバンジェリストとして活躍してきた亀田が語る、さくらインターネットでの挑戦と、これからのクラウドの「伝え方」とは? 

亀田 治伸(かめだ はるのぶ) プロフィール  

さくらインターネット株式会社 クラウド事業本部   
兵庫県伊丹市出身、米国州立南イリノイ大学卒業。認証系独立ASP、動画・音楽配信システム構築、決済代行事業者、外資クラウドエバンジェリスト数社を経て現職。得意領域は、認証、暗号、ネットワークを中心としたセキュリティ、映像配信、開発手法に見る組織論、クラウドアーキテクチャ、プレゼンテーション。 

シカゴで始まったキャリア。大手外資系企業をいくつも経験 

経歴を教えてください。 

米国イリノイ州の大学で経済を専攻していましたが、家庭に普及し始めたインターネットに触れ、コンピューターサイエンスと数学に専攻を変更しました。とにかく不良大学生で(笑)、卒業したのが27歳のとき。アメリカ在住の日本人が情報交換をするインターネット掲示板で、シカゴで会社を立ち上げた方と知り合って、おもしろそうだなと思ってその方の会社に入りました。1997年12月のことです。シカゴ近辺の日本人の家庭にインターネットを引き込んで、パソコンを売って設定する仕事でした。 

その後、日本に帰国されたそうですね。 

はい。シカゴで1年半ほど働いたのちに帰国し、日本ベリサインという会社に技術者として入社しました。外資系の、電子商取引のセキュリティ会社です。そこでは7年半ほど勤務し、最終的に技術統括までやらせていただきました。そこを退職したのち、いくつかの日本企業を経験しました。 

外資系企業から日本企業に転職したことで、ギャップなどは感じましたか? 

日本企業は外資系企業に比べて、ディスカッションが苦手な傾向があると感じています。たとえば、会議で資料に対して質問したり指摘したりすると、上席の方がムッとする……。そういうことがあったので、さくらインターネットに入るまで、自分は日本企業には適応が難しいと感じていました。それでまた外資系企業に転職したんです。いまはもうありませんが、日本セーフネットという暗号化アプライアンスを販売する会社に入りました。それまではずっと技術者として仕事をしていましたが、そこで営業や事業企画の仕事を経験しました。 

では、人前でお話しされるようになったのはそのころから? 

いえ、ベリサイン時代からイベントに登壇することはけっこうありました。当時はまだそこまで電子商取引が日本に定着していなくて、アメリカの最新の事例やRFCなどの最新規格などを日本語で説明することに需要があったので、たびたび人前でお話していました。 

その後いくつかの会社を経て、2015年にAWSに入社し、エバンジェリストとして活躍したそうですね。 

はい。新しいテクノロジーやサービスについて、プレゼンテーションやエンジニア向けハンズオンを通じて、人に伝えていく仕事です。私の場合はそれだけではなく、会社がお客さまに向けて発信する文章やキャンペーンの特設サイトの文言、イベントのほかの人の資料のチェックまで担当していました。 

AWSのエバンジェリストは7年半ほど続けたそうですね。 

はい。その後は2年半ほどCloudflareにいましたね。今年の2月に退職し、7月にさくらインターネットに転職しました。 

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「亀田さんを特別扱いするつもりはないですよ」と言われた 

なぜさくらインターネットに入社しようと思ったのでしょうか? 

人間はだいたい、40代前半くらいまでは「よい給与がほしい」「出世したい」といった欲が成長の源泉になります。しかし50代くらいになると、自分の欲よりも日本全体のことを考えはじめるんですよ。私も「働けるのもあと15~20年か」と考えたとき、日本を良くすることに貢献したいと思うようになりました。さくらインターネットはクラウドにおいて唯一、それができる可能性を持った会社なので、自分から横田さん(さくらインターネット執行役員)とお話しさせていただく機会をセッティングしたんです。 

亀田さんはすでに業界で有名な方なので、さくらインターネット側としても「あの亀田さんがさくらに?」という驚きがあったのではないでしょうか。 

どうなんでしょうね。じつはAWSを辞めたとき、ありがたいことに日本全国のユーザーコミュニティから110人くらいが集まって、退職パーティーを開催してくれたんです。それがネットメディアの記事にもなった。横田さんはそういった私の背景も知っているので、「さくらは亀田さんを特別扱いするつもりはないですよ。それでもいいですか?」とおっしゃっていました。私は「もちろんです」と答えました。 

入社してみて感じたさくらインターネットの印象を教えてください。 

先ほどお話ししたとおり、「日本企業に適応できるか?」という課題感を持っていたのですが、さくらインターネットはいわゆる日本企業っぽくなくて、それぞれがやりたいことを責任を持ってやっていることに驚きました。スタートアップがそのまま大きくなったような印象ですね。 

また、さくらには偉ぶっている人が1人もいません。入社20年の人の意見も、入社3か月の人の意見も、同じように耳を傾けてくれます。私が「こういうことをしたらどうか」と提案すると、頭から否定せずに一旦ディスカッションをしてくれる。そこは本当にすごいなと思っています。 

若手社員に対する印象はどうでしょうか? 

若手が成長しやすい環境で、みなさん非常にのびのびと働いているように見えます。組織がフラットだから、本人が希望すれば若手でも難しい仕事を任される。それに、日々のSlackのコミュニケーションで、ほかの人が難しい仕事をしている姿をリアルタイムで把握できるので、学ぼうと思えばどんどん学べます。成長したい人は楽しめるでしょうね。 

他社を見てきているからこそ感じるさくらインターネットの課題は? 

作ることは得意だけれど、それを伝えていくところがあまり得意ではない印象です。「基盤は用意したので使い方はユーザー側で考えてください」という状態になっているケースが多いので、そこは改革が必要だと思っています。さくらのクラウドのドキュメントって、私が読んでも難しいと感じるときがあって。もっと丁寧に伝えたほうがお客さまのためになるので、最低でも週1本は『さくらのナレッジ』などで使い方を解説しています。 

>>これまで執筆してきた『さくらのナレッジ』の記事 

ジョインして数か月ながら、ときには改善プロジェクトの立ち上げも 

業務内容を教えてください。 

「さくらのクラウド」を伝えるためのあらゆる施策に取り組んでいます。具体的には、営業担当と一緒にお客さまのところへ行ったり、ブログやハンズオンシナリオを執筆したり、マーケティング施策における方針やメッセージの策定のお手伝いをしたり。所属するクラウド事業本部以外の仕事もかなりやらせていただいています。たとえば「さくらのAI Engine」というサービスがリリースされた際は、ハンズオンブログや公式マニュアルのドキュメントも書きました。 

実際にお客さまと会うこともあるんですね。 

私がやりたいと言い出して、営業の方と一緒に、既存のお客さま150社を回っているところです。さくらのサービスの使い勝手についてどういう思いがおありなのか、改善してほしいところはないか、そういったことをヒアリングしてリストにまとめて開発チームに伝えています。「高優先度依頼」という部署横断で使うワークフローを作成し、改善プロジェクトを立ち上げ、人を集めて対策に取り組むこともあります。 

改善点を開発チームに伝えたら、すぐに反映されるのでしょうか? 

基本的にはすみやかに対応していただいています。お客さまからヒアリングした改善点だけではなく、私が動作検証をして予想通りに動かないときもフィードバックをするんですが、だいたい2~3日で直ってくるので、本当にすごいなと思います。 

所属組織のミッションについて教えてください。 

クラウド事業本部としては、2026年3月のガバメントクラウド認定が必達です。いまはこれがすべてにおいて高プライオリティですね。一部得意領域の仕様策定や動作検証に参加しています。先ほどもお話ししたとおり、私は日本セーフネットという暗号化アプライアンスの会社にいた経験があります。さくらのクラウドにもセーフネットの暗号化アプライアンスが採用されているのですが、これがかなり特殊で、あまり触れる人がいないんですよ。 

さくらインターネットで働くやりがいを教えてください。 

自分が必要だと思ったものについては、どんどん自分で仕事を進めることができます。既存のお客さまを回ることも、改善プロジェクトの立ち上げも、すべて私が自分で言い出したこと。自分で言い出したぶん、責任も自分にあるところがやりがいにつながっています。 

伝えるべきは商材のよさよりもまずはビジョン 

さまざまな企業を経験してきたからこそ感じる、さくらインターネットならではの強みやおもしろさを教えてください。 

ガバメントクラウドにせよ、さくらインターネットは一般的な企業に比べて掲げる目標がとにかく大きい。そこは非常におもしろさや強みになるんじゃないかと思います。 

国産クラウドである点はどうでしょうか。 

「国産」という言葉はキャッチーでわかりやすいので、スローガンとしてはとても便利です。でも、ITってOSもネットワークプロトコルもストレージもハードウェアもすべて海外製じゃないですか。「国産クラウド」という表現は誤解を招きがちです。どちらかというと、クラウドというサービスを作るための、知識の集約と技術者の育成が重要だと思っています。 

ラーメンみたいなものですよ。小麦の国内自給率は8%しかないと言われているので92%は輸入ですけど、ラーメンって日本が世界に誇る文化じゃないですか。さくらのクラウドも同じで、モノを作ることよりも、「国産クラウド」という文化を広めることが重要だと思います。 

クラウドの開発者が同じ時間帯、同じ言語、同じ文化に存在している、ということは本来お客さまにとってメリットにつながるはず。であれば開発者の思いを正しくお客さまに届ける、お客さまのフィードバックを開発者に届ける、そのような情報のサイクルを作りたいと思っています。 

さくらインターネットに向いている人物像を教えてください。 

日々の業務に対して高い目標を設定して、そこにワクワクできる人。あとは、とにかくポジティブ思考な人です。反対に、飲みに行くたびに会社の愚痴を言うような人はさくらインターネットには合わないと思います。しかし、ポジティブでありつつも、問題意識を持つことは大切。「さくらインターネットに入れたから自分のキャリアは安泰だ」と安心してしまうと成長できないので、働くなかで何かしらの課題を見つけて、ポジティブに解決に取り組んでほしいです。 

さくらインターネットのビジョンは“「やりたいこと」を「できる」に変える” ですが、亀田さんが今後やりたいことはなんでしょうか? 

お客さまと長期にわたって関係を築くためには、商材の良さを伝えるだけでなく、会社やサービスのビジョンを伝え、共感していただくことがもっとも大切です。 

いまは自分の口で伝えていく活動が中心です。ただ今後はそれだけではなく、マニュアル作成のプロセスを整えたり、営業担当がお客さまの訪問に持っていく資料の雛形を整備したりと、「伝える」ためのさまざまなプロセスを強化していきたいですね。そしてゆくゆくは、講演やエンジニアを集めたハンズオン、地方企業の経営者との意見交換会など、外に出ていく活動もしていきたいです。 

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執筆

吉玉サキ

エッセイも取材記事も書くライター。 北アルプスの山小屋で10年間働いていた。著書に『山小屋ガールの癒されない日々(平凡社)』『方向音痴って、なおるんですか?(交通新聞社)』がある。

※『さくマガ』に掲載の記事内容・情報は執筆時点のものです。

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