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「経営サイドとエンジニアの『翻訳者』でありたい」エンジニア 後藤秀宣に聞く

転職組に聞く入社理由「なぜさくら?」

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さくらインターネットには、有名企業を何社も渡り歩いてきた経験豊富なエンジニアがいます。本シリーズでは『転職組に聞く入社理由「なぜ、さくら?」~エンジニア職編~』と題し、これまでのキャリアや入社理由を紐解きながら、他社を経験しているエンジニアだからこそわかる、さくらインターネットの魅力を探ります。

第6回は、開発から経営までさまざまな経験を経てさくらインターネットに転職した、クラウド事業本部の後藤秀宣にインタビュー。転職を決心した理由やこれからのミッションなどについてくわしく聞きました。

後藤 秀宣(ごとう ひでのり) プロフィール

さくらインターネット クラウド事業本部
株式会社メルカリ、株式会社KabuK StyleのCOO兼CTOを経て、2024年11月にさくらインターネットへ転職。@hidenorigoto

さくらインターネットで働くことは、1ミリも想像していなかった

さくらインターネットに入社するまでの経歴を教えてください。

右往左往してきた人生で経歴が複雑なので詳細は省きますが、エンジニアとしてさまざまな会社に勤めたり、自分で受託の小さなソフトウェア会社を経営したりしていました。前々職はメルカリで、前職は旅行系のスタートアップです。COO兼CTOとして経営に関わりつつ、技術のすべてを幅広く見る役割をしていました。

だけど、経歴に注目されるのは本意ではありません。最近のさくらインターネットは華やかな経歴を持つ方が多く入社していますが、必ずしもそういう経歴の方だけを採用したいわけではないので。

後藤さんは採用にも関わっていますが、どんなエンジニアを採用したいと考えているのでしょうか。

一概には言えませんが、クラウドに興味がある方や、日本の官公庁のデジタル化に携わってみたい方であれば、さくらインターネットを楽しめると思います。

また、純粋に技術だけに携わるエンジニアだけではなく、エンジニアリングマネージャーに挑戦してみたい方も募集しています。変化が大きいフェーズにいるときは、マネージャーの仕事が多く出てくるんですよ。さくらインターネットはいま、そのフェーズにいます。

さくらインターネットに転職を決めた理由を教えてください。

前職での仕事が一段落し、そろそろ自分の次のフェーズを考えていたんですね。僕は49歳なので、人生この先あと何回も転職できるわけじゃないし、じっくり腰を据えて取り組めるチャレンジを探していました。そんなとき、以前の同僚だった長野さん(現:さくらインターネット クラウド事業本部 副本部長)に声をかけてもらったんです。さくらインターネットのことは創業当時から知ってはいたけれど、自分が働くことになるとは1ミリも想像していませんでした。

調べていくと、ガバメントクラウドやGPUなど、世の中のトレンドがさくらインターネットの方向性と一致しつつあることに興味を持ちました。また、さくらのクラウドをより広めていくためには大手競合と戦う必要があることも、ものすごく大きなチャレンジだと思い、転職を決めました。

後藤さんは「チャレンジ」を大切にしている印象です。

そうですね。「それまでと同じことをやるだけでは通用しない」といった環境に身を置くのが好きなんです。たとえば、僕はインフラレイヤーを本職としてきたことがないので、そこを学ばないことにはさくらインターネットでは通用しません。だからいま、必死にキャッチアップして学んでいます。

また、仕事のやり方もいままでどおりでは通用しないので、意識的に変えていく必要があります。前職と前々職はスタートアップだったので、マネジメントは意思決定のスピードが重要だったんですね。しかし、さくらインターネットはインフラレイヤーのサービスを提供している以上、一度出したものを簡単に引っ込めるわけにはいかないので、スピードよりも慎重な検討が求められます。だから僕も、さくらインターネットにフィットしたやり方を身につけているところです。

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経営サイドとエンジニアの「翻訳者」でありたい

さくらインターネットのエンジニアにはどんな印象がありますか?

家にいっぱいサーバーが転がっているような、よい意味で技術オタクのエンジニアが多い印象です。もちろん知識も豊富なんですけど、インプットだけではなく、自ら手を動かして試したり作ったりするのが好きな方が多いですね。

とくに若手のエンジニアにはどんな印象を持ちましたか?

さくらインターネットの若手はすごく優秀です。一方で、扱うものが大きく複雑になるにつれて、1人のエンジニアが能力を発揮するよりも、チームとしての総合力で戦っていくことが大切になります。さくらインターネットはそのフェーズに差し掛かったところですが、なかには「個人戦は得意だけどまだチーム戦の経験が浅い」というエンジニアもいる印象です。進んでいく方向さえ示せば、あとは自分たちでどんどん問題を解決していける人が多いので、私の仕事は「組織として向かうべき方向をうまく見つけるお手伝い」だと思っています。

後藤さんご自身は、自分のことをどんなエンジニアだと思っていますか?

僕はフェーズに応じて変わってきています。最初のころは、家にサーバーが転がっている系の技術オタクエンジニアでした。しかし一方で、技術だけではなくビジネスも好きなんですよ。やっぱり会社としてちゃんとお金を稼いでいかないと、みんなが不幸になるので。だからメルカリ時代にMBAのコースを履修してビジネススキルを磨きました。

エンジニアでありながらビジネスの知識もあるところが、後藤さんの強みなんですね。

その強みを活かして、経営サイドとエンジニアの「翻訳者」でありたいと考えています。というのも、会社によっては「エンジニアリング」と「ビジネス」の間の接続が弱くて、そのせいで経営とエンジニアとで考えが大きくずれてしまったり、現場のアイデアが経営者たちにうまく伝わらなくて意思決定に時間がかかったりといった課題がよく起きます。

逆に、エンジニアに対して経営者が使うビジネスの言葉で話しても、エンジニアには意図がうまく伝わらないこともあります。経営者の言葉を、エンジニアの言葉に翻訳する必要があるんですね。僕のビジネスの知識を活かして、そういった翻訳ができることが強みだと思っています。

年齢やキャリアを重ねてからジョインすることで、コミュニケーションにおいて心がけていることはありますか?

さくらインターネットには「肯定ファースト」「リード&フォロー」「伝わるまで話そう」という3つのバリューがあり、とてもよいバリューだと共感しています。

あとは、とくに若い方と話すとき、あまり年長者っぽくないキャラ作りを心がけています(笑)。話題のアニメの話をしてみるとか、若い人と近い目線で会話することは意識していますね。

単にクラウドを作って売るだけではなく、新たなプラクティスを提示していく

さくらインターネットでの業務内容を教えてください。

入社時点ではクラウド事業本部の本部付ですが、今後はクラウドを作る部署であるクラウドサービス部に強く関わり、エンジニアリングだけでなくサービスや事業も含めて貢献していきたいと考えています。おおまかにいえば「クラウドを作る」仕事全般ですね。

「クラウドを作る」ために大切なことを教えてください。

「クラウドを作る」ことにはいくつかの要素がありますが、まずは「サービスを作る」という側面があります。ほかの会社では、プロダクトマネージャーが市場について調べて、ユーザーのフィードバックを取り入れてプロダクトに落とし込むやり方をしています。このループをしっかり構築し、今後は、「ユーザーがどういうものを価値と感じているのか」「その価値を届けるためにどういう作り方をすればよいのか」を知ることが課題の1つです。

また、クラウドには「エンジニアのためのプロダクト」という側面もあります。エンジニアの困りごとは一般消費者のそれとは違うため、普通のプロダクト組織ではなく、エンジニア向けのものづくりを設計していく必要があるんです。幸い、さくらインターネットの社内にはエンジニアがたくさんいるし、他社での経験が豊富なエンジニアは、さくらインターネット以外のクラウドサービスも使い込んできています。こういったエンジニアの声や感性を上手に取り込みながら、プロダクトを作っていくことが非常に大切です。

後藤さん個人のさくらインターネットでのミッションを教えてください。

率直なことを言えば、いまは「AWSのクラウドを使って、AWSが提唱する方法でソフトウェアを作るのがエンジニアにとってのベストプラクティス」といった風潮があります。しかし、僕は本当にそれがベストなのかを疑っているんです。ほかにも方法があるんじゃないか、って。

さくらのクラウドはもちろんAWSとは違うし、それを使ったソフトウェアの作り方も変わってきます。だから今後のさくらインターネットは、単にクラウドを作って売るだけじゃなくて、AWSではないさくらインターネットのソフトウェア作りの世界観というか、いままでとは違うプラクティスを提示できると思っています。「従来のAWSの方法だけではなく、さくらのクラウドを使った別の方法もありますよ」と喧伝していく。それが、僕のミッションだと思っています。

いろいろな会社を見てきた後藤さんが感じる、さくらインターネットの強みやおもしろさはなんでしょうか?

世の中のほとんどのソフトウェアは「クラウドの上」で作られているため、「クラウドの下」は意識しなくてもいい世界になっています。「クラウドの下」は、当たり前ですがクラウドがない世界なんです。さくらインターネットのエンジニアは、このクラウドがない世界で、クラウドを作らないといけない。これは傍から見るよりずっと大変なことなんですが、だからこそ、エンジニアにとってはおもしろいと思います。

また、さくらインターネットは「垂直統合」といって、上から下まですべて自社でやっているのも強みだと思います。要所要所では外部のOSSも使いますが、クラウドの根幹に関わる部分は自分たちで作る。そこも、さくらインターネットのおもしろさだと思います。

仕事を通じて、次の世代に未来の可能性を提示したい

さくらインターネットの仕事のやりがいを教えてください。

社長の田中さんは短期的に何かを為そうとしているのではなく、中長期的に、日本のさまざまな課題解決に貢献することを考えています。僕はそういう田中さんのビジョンにすごく共感するんです。たとえば、ガバメントクラウドは自治体の方々にしてみたら業務システムを支える道具でしかなく、直接的に彼らの課題を解決するものではありません。だけど、さくらインターネットが提供するガバメントクラウドをよくしていくことで、自治体の方々が少しでも仕事をしやすくなるのであれば、ほんのわずかだけれど、日本の未来を明るくすることにつながります。中長期的な国の課題にアプローチしていけることが、さくらインターネットのやりがいだと思います。

今後、さくらインターネットでやりたいことを教えてください。

クラウドを作るにあたって、ときにはエンジニアとしてコードを書くかもしれないし、サービスの事業的な企画をするかもしれないし、組織を整えるかもしれない。必要なことは何でもやっていきたいと考えています。クラウドを作るというのは簡単なことじゃないからこそ、真摯に取り組んでいきたいです。

さくらのクラウドはもともとあるサービスですが、現在はそのクラウドを新しい形へ作り変えようとしていると言えます。たとえば10年後に、子どもや孫に「僕はさくらのクラウドを作ることに関わったんだよ」と胸を張って言えるような仕事がしたいです。子どもや孫には、開かれた未来を感じていてほしいんですよ。そのためには僕自身が楽しんで仕事と向き合う姿を見せることが大切だと思います。次の世代に未来の可能性を提示できるような、そんな仕事をしていきたいですね。

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後藤さんのある日のスケジュール

9:30勤務開始
1日のスケジュールを確認し作業を進める
10:00社内ミーティング
定例ミーティングに参加し、業務の進捗状況の共有や相談をし合う
11:001on1
クラウド事業部内外のメンバーと話す
12:00お昼休憩
13:001on1
EM(エンジニアリングマネージャー)と話す
14:00プロジェクトミーティング
個別プロジェクトの推進、課題解決のための議論をおこなう
15:30採用面接
面接官として面接に参加
16:30カジュアル面談
さくらインターネットに興味を持っている求職者とざっくばらんに情報交換
17:30作業、翌日以降のミーティングに向けた準備
18:30退勤

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(撮影:ナカムラヨシノーブ)

執筆

吉玉サキ

エッセイも取材記事も書くライター。 北アルプスの山小屋で10年間働いていた。著書に『山小屋ガールの癒されない日々(平凡社)』『方向音痴って、なおるんですか?(交通新聞社)』がある。

※『さくマガ』に掲載の記事内容・情報は執筆時点のものです。

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