さくらインターネットの最新の取り組みや社風を知る
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さくらインターネットは、琉球フットボールクラブ株式会社が運営する女子サッカーチーム「FC琉球さくら」とオフィシャルトップパートナーに就任する契約を2024年4月に締結しました。FC琉球さくらが目指す「沖縄の社会課題解決」のため、サッカー選手の抱えるセカンドキャリア問題の解決支援や沖縄県のDX人材育成など、まずはさくらインターネットが得意とするITの領域で、さまざまな取り組みをFC琉球さくらとともに進めています。
>>沖縄の未来をつくる女子サッカーチーム「FC琉球さくら」発足!~さくらインターネットがオフィシャルトップパートナーに~
本プロジェクトを担当するさくらインターネット 社長室の高江 龍助に、協賛に至った背景、取組内容、今後の展望などを聞きました。
高江 龍助(たかえ りゅうすけ) プロフィール
コンシューマー向けゲームメーカーでのマーケティングを約15年経験後、親族企業にて発展途上国でのインフラ整備事業に従事。新規プロジェクトやイベント進行に強みを持つ。2018年、さくらインターネットに入社し、各種サービス・コーポレートのプロモーションなどを推進。2023年より社長室に所属し、社内の一体感醸成、また社外におけるさくらインターネットの知名度・プレゼンス向上のためのプロジェクト進行をおもに担当する。
前例のないサッカーチームへの協賛
FC琉球さくらへ協賛した背景について教えてください。
現在、さくらインターネットの拠点は北海道、東京、大阪、福岡、沖縄にあり、地方創生のために各地域に根差した取り組みに注力しています。そして私が所属する社長室のミッションは「さくらインターネットのプレゼンスをあげる」こと。IT業界内だけでなく業界外でもプレゼンスを高めていく手段を模索しているなかで、FC琉球のオーナー企業であり、もともとお付き合いのあった面白法人カヤックから協賛のお話をいただきました。そして「沖縄の未来をつくる女子チーム」として沖縄の社会課題解決を目指していくというコンセプトに共感し、協賛を決めたんです。
サッカーチームへの協賛はさくらインターネットとして初めての試みですね。
そうなんです。ただ「サッカー」というのは結果論であって、沖縄を盛り上げていける、沖縄の熱量を象徴するような団体や個人ならすべてに可能性があると考えていました。
FC琉球の男子チームがいまJ3で、サッカーチームとしてすでに知名度があり、さらに「FC琉球さくら」は女子チームとして参入初年度であったことが大きいです。すでに他社の名前が入っているチーム名だと、それに対するファンの想いを覆すのはなかなか難しいですし、ときに反発もあるでしょう。そういう意味で真っ白な状態からスタートできるということに可能性を感じました。くわえて社会課題である女性活躍がキーでもあり、FC琉球さくらを応援しながら、ともに地場での社会貢献活動もできる。さまざまなパズルのピースがつながりました。
担当は希望されたのでしょうか?
はい。前職でプロサッカーチームのスポンサー経験があり、地場に根付いたスポーツチームの熱量・影響力のすごさを実感していました。私自身も学生時代にサッカーをしていたのもあり、これはおもしろいことになるぞとワクワクし、話がきてすぐに手をあげたんですよ。
IT企業とサッカーチーム、一見遠いイメージだと思います。ですが、いまのさくらインターネットはどんどん変革して成長するために、とくにIT業界外へのさまざまなアクションが求められています。社内で前例がないので怖くもあるチャレンジですが、私の想いを受け止めて、社長室はもちろん社内の多くの方がフォローしてくれています。大変ありがたいですね。
協賛の内容はどのようなものでしょうか。今後検討している取り組みについても教えてください。
1つ目はネーミングライツです。当社の名称である「さくら」は、響きが女子チームにぴったりだということで、異論なく満場一致で「FC琉球さくら」に決まりました。ちなみに「さくら=桜の花」だとまだまだファンの方には思われていますね(笑)。「さくら=さくらインターネット」となるように、これから地道に活動をしていかねばなりません。
2つ目はFC琉球さくらの選手向けセカンドキャリアスキルの構築の取り組みです。
その一貫として、まず2024年7月28日に、FC琉球さくらの選手向けのプログラミング教室を開催しました。これは選手にエンジニアを勧めるのではなく、セカンドキャリアとしてサッカー関連以外にもさまざまな選択肢があることを知ってもらうためです。
とはいえ、選手はサッカーが大好きで日々活動しています。できればサッカーの経験を活かせるキャリアをつくるために、ハブの役割を果たせないかと考えています。たとえばアスリートのトレーナー、サッカースクール、審判など、さまざまなものがあるでしょう。沖縄でFC琉球さくらやスポーツ業界が盛り上がれば、必然的にキャリアの選択肢が多く生まれてくると思っています。
そして3つ目が、DX人材育成の取り組みです。選手とともに沖縄の小学校などを回り、FC琉球さくらとさくらインターネット共催で子ども向けプログラミング教室の実施を検討しています。地場の子どもたちには選手同様に、将来の選択肢を広げるきっかけにしてほしいんです。
選手向けのプログラミング教室を開催
7月に開催した、選手向けのプログラミング教室はどのような内容だったのでしょうか。
さくらインターネットが実施している子ども向けプログラミング教室「KidsVenture」と同様です。「IchigoJam」1というプログラミング専用の子ども向けパソコンをはんだごてを使って組み立てる電子工作と、組み立てたIchigoJamを使ったゲームプログラミングをおこないました。ただ今回は、「ドリブルゲーム」と題して、ボールがたくさんの障害物を避けていくサッカー仕様のゲームをつくってもらったんです。U-15を含めたFC琉球さくらの選手30名に参加いただき、普段KidsVentureで教えているさくらインターネットの社員が講師を務めました。
KidsVentureは小学生が対象になりますが今回は大人向けということで、なにか意識した点はありますか。
子どもに教えるときはキーボードを打つ楽しみなどから始めるのですが、選手にはよりレベルアップして、プログラムのコード一つひとつの意味をていねいに伝えることを意識していました。普段KidsVentureで講師をしている社員も、大人向けに教えるのは初めてだったので、いい機会となったようです。
選手の様子はいかがでしたか?
選手同士が和気あいあいと教え合いながら作業しており、いつも一緒にいるチームならではの一体感がありました。また積極的に質問もあり、楽しんでいただいたのではないかと思います。はんだごてやパソコンには普段触らないので、苦戦されていた選手もいました。それでもつねに笑顔だったことが印象的でしたね。作業時間はシーンと静まり返って、最後までやり遂げたら一気に表情が和らぐ。その瞬間的な集中力を見たときに「これがスポーツ選手か」と感心しました。
今回でみえてきた課題はありますか?
もともと子ども向けの内容だったので、普段パソコンにあまり触れないとはいえ、少々簡単な部分もあったかもしれません。また日本語が話せない海外出身の選手の対応として、通訳や英語の資料などの準備が直前までバタバタしてしまいました。次回はもう少し余裕をもって動き出したいです。なお今回、参加できていない選手が一部いらっしゃり、そしてFC琉球の男子チームからも希望があるので、今回の経験を活かして、男子と女子の合同実施などを検討したいですね。
また社内的には、プログラミング教室を沖縄在住の社員のみで回せるようにするために、講師となる人材を増やしたいです。
今回参加した選手にも、これから講師の補佐として、一緒に学校を回っていただこうと思っています。子どもが引っかかるポイントは大体キーボードの操作なんですよ。それであれば、選手もサポートできます。まずはさくらインターネットの社員が講師として育つことですけれども、最終的にはさくらインターネットだけでなく、FC琉球さくらの選手も含めてみんなでプログラミング教室を実施できるといいなと思いますね。
ちなみに、FC琉球の取り組み全般に協力してくださる「ソシオ」と呼ばれるボランティアスタッフがいらっしゃいます。そのソシオと一緒にやるのもおもしろくなりそうだと思っています。たくさんの沖縄の人が活躍する未来にしたいんですよ。
“記録”より”記憶”に残る活動をしていきたい
10月20日に、九州女子リーグ2部初優勝と1部昇格が決まりましたね!さくらインターネット一丸となりFC琉球さくらをさらに応援していくために、今後検討していることがあれば教えてください。
いまFC琉球さくらは九州女子リーグにいるので、試合があるのは九州のみです。「応援しに行きたい」といってくれる社員も多くいるのですが、なかなか九州まで全員連れていくのはコスト的にも難しい。しかし今後、全国区のなでしこリーグに昇格すれば、関東や関西近郊で試合をすることもあるでしょう。そうすれば社員をスタジアムに招待できるかもしれません。FC琉球さくらの応援はもちろん、スタジアムで生のサッカーを観る機会はなかなかないと思うので、そもそものサッカーの楽しさを感じてほしいですね。このプロジェクト自体も一緒にやりたい社員がいれば、ぜひ参加してほしいと思っています!
本プロジェクトで今後やりたいことを教えてください。
まずは、FC琉球さくらとさくらインターネット共催での子ども向けプログラミング教室を実現することです。沖縄という土地柄、多様なバックグラウンドを持つ子どもが多くいます。英語対応はもちろん、言語を超えたコミュニケーションもできるようなコンテンツにしていきたいです。FC琉球さくらのほかのスポンサーとも連携したいですね。
たとえば、午前中はいつもテレビやスタジアムで見る選手と一緒にサッカーをして、お昼ご飯はスポンサーから提供いただき、選手と食べる。午後はサッカーを題材としたプログラミング教室という、体も頭も動かす一日なんてどうでしょうか。
スポーツ選手が「記録より記憶に残るように」とスピーチされているのを聞いたことがある方もいらっしゃると思いますが、私はその言葉が好きなんです。子どもの記憶に残ることを重視したくて、10年後でも20年後でも、「あれ楽しかったな」と思い出してくれたらこのうえない喜びですね。子どもにはFC琉球さくらのイベントという記憶になるとは思いますが、そのご家族などに、少しずつさくらインターネットの取り組みを知っていただけたらうれしいです。
ほかにもFC琉球さくらの選手とは、さくらインターネットのDX拠点である「SAKURA innobase Okinawa」を活かした活動や、もっと沖縄の方々と連携し、沖縄を活性化できるような取り組みをしていきたいです。選手はサッカーをしているときのかっこいい姿だけではなく、オフの素の表情も魅力的なのでそういった一面も見られるような活動も検討したいですね。
最後に、FC琉球さくらの選手に向けてエールをお願いいたします!
選手のみなさまは、サッカーが大好きで人生をかけています。その本気の姿勢が本当に素晴らしいと思っています。30年前、学生時代にもっとサッカーに打ち込んでいたら、自分もそういう人生だったかもと思ったりもします(笑)。さくらインターネットは、スポンサーとしてできる限りなんでもサポートしていきますので、いまの「サッカーをやって毎日が楽しい!」という気持ちを大事にしてほしいです。そしてやはり勝負ごとなので、勝ってなんぼの世界です。どんどん上手くなって、勝ち進んで、全国区を目指していきましょう!
(撮影:ナカムラヨシノーブ)
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