eスポーツイベントのMCや実況解説、演者として多数のイベントで活動しているPNG esports タレント部門所属 R4VEN(れいぶん)さんにインタビューをしました。
R4VENさんプロフィール
PNG esports タレント部門所属 R4VEN(読み:れいぶん)。教育活動とタレント活動、イベント活動の3つを中心に活動。イベントのMCや実況解説、演者として多数のイベントに出演。教育活動として現在3校を受け持つ。イベント活動としてオンライン、オフラインのイベントを主催したり、コミュニティイベントを開催している。
オールラウンドに活躍するR4VENさん
――R4VENさんが主にプレイされているゲームを教えてください。
その時々の流行りで、やるゲームは変わりますね。ついこの間までは『Escape from Tarkov(エスケープ フロム タルコフ)』をやっていましたし、ここ1、2週間はNintendoSwitchの『Pokémon LEGENDS アルセウス』をやっています。なので、流行りのゲームを触っていけたらなと思ってプレイしています。
あとはeスポーツなどのゲームに限らず、ポケモンカードなどのアナログなゲームもやったりしています。タレント活動として、いろいろなイベント活動に出演させてもらうので、何かひとつのゲームをやり込むというより、いろいろなゲームの知識を入れるようにしていますね。
――いつからゲームをするようになりましたか?
小学校1年生の時にニンテンドーDS用ソフト『New スーパーマリオブラザーズ』を親に買ってもらったんですけど、それがいちばん最初にプレイしたゲームです。
自分でお小遣いを貯めて、初めて自分のお金で買ったのはニンテンドーDS用ソフト「ポケットモンスター プラチナ」ですね。毎月500円ずつお小遣いを貯めて、レジで小銭がいっぱい入った袋を出して買ったことを今でも覚えてます。
初めてオンラインのゲームに触れたのは、中学3年生の時に流行ったスマ―トフォンゲーム『モダンコンバット』というゲームですね。当時は学校の友達とチームを組んでオンライン対戦で遊んでいました。TwitterなどのSNSを活用して遊び始めたのが、Nintendo Switchの『スプラトゥーン』ですかね。
スプラトゥーンのイベントが私の人生を変えた!
――いつからゲームを仕事として、プロを目指そうと思い始めましたか?
仕事にしようと思ったきっかけで言えば、モダンコンバットとかをやっていた時はそんなに興味はなかったんですよ。10年ぐらい前ですけど、その当時「eスポーツ」という言葉がそもそもなかったと思うし。で、そのeスポーツを意識するようになったのはスプラトゥーンからですかね。
さっきも言った通り、学校の友達ではなくSNSを活用していろいろな人とオンラインでゲームをやっていました。当時のレートで言うとカンスト(カウンターストップ、上限に達していた)していたので、Twitterなどで知り合った人と大会に出たりしていたんですね。
それで、スプラトゥーンのパーティーを組んで一緒にプレイするモードで、時間ごとのランキングが出るモードがあったんです。この時間からこの時間の1位はこの人、みたいな。当時スプラトゥーンを配信していた人が、そのモードで1位を獲得するみたいな企画をしていて、「それを止めよう」となりました。仲間を4人を集めて、その当時配信できる環境はすでに整っていたので、実際に配信しながら自分たちもそのモードをプレイしてたんですね。
そうしたら、その実況者さんの所から人が流れてきて、いきなり300人ぐらい視聴者さんを集められて、結局そのモードで僕たちが1位を取ったんです。その後、配信サイトから専属で配信しませんか? という話をいただいて。それで配信しながらお給料をいただいているうちに「こうやってゲームは仕事になるんだな」と思いました。それがまずこの道を選ぶきっかけの1つです。
あと、自分の通っていた高校が特殊で、本当にやる気のある人しか進学できないし、昔も今も、僕はサラリーマンになるのが嫌だなって思っていたので、それがきっかけでこの世界に入ったという感じです。あのスプラトゥーンが初めての「企画」だったかなあ。ちゃんとその後に、邪魔してしまった実況者さんには謝ったんですけどね(笑)。
――今までのゲーマー人生で、一番思い出に残っている作品はありますか?
間違いなく人生が変わったのはスプラトゥーンですね。私生活でもうまくいってなく、塞ぎ込んでしまっている時に、このゲームに出会って人生が変わったので。昔関わった人達には謝りたいくらい、当時、高校1年生ぐらいのときに周りの人に迷惑をかけてしまっていました。
学校で浮いてしまい、学校の友達の輪の中に戻れなかったんですね。その時に、インターネット上でも友達ができると教わったのがスプラトゥーンでした。今までの自分を作り上げてくれた、お世話になった人がほとんどスプラトゥーン関係で知り合った人なので、本当にこの作品には人生を変えてもらったと思っていますね。
eスポーツをやったり、何かこの業界で恩返ししたいと思うきっかけは、やはりゲームに救われたというところがあります。当時のみなさんにはこの場を借りて謝りたいぐらいです。
ゲームは「楽しい」。でも気をつけることもある
――R4VENさんが思う、ゲームの良い部分、または気をつける必要があることはありますか?
ゲームに対してという観点で言うと、良い部分はたくさん思いつきますよね。コミュニケーションツールにもなるし、ストレス発散にもなるし。気をつける部分で言うと、「ゲーム依存症」とかですかね。楽しすぎるが故に、やりすぎてしまうみたいな。
また違うベクトルから言うと、最近ではeスポーツ選手が、なりたい職業ランキングに入ってくるようになりましたけど、それに関しては「ゲームの良い部分しか見えていない」って思います。「俺はゲーム一本で頑張るんだ!!」と思うのは、別にダメとは言わないんですけど。ゲームって、上手い人がたくさんいる。上には上がたくさんいるので、あまり夢ばかり追いかけ続けるのはよくないかなとも思います。
――今の話ですが「良い部分しか見えていない人たち」はどうすればいいですか?
そうですね。そのような人たちって、受け身になっている子が多いので、もっと詳しい人に話を聞いたり、いろいろな経験をする必要があると思います。ゲームをやって上位に入って終わり、となるのではなくて、そのことをしっかり発信する必要もあると思うし「自分には何がいちばん向いているか、自分の強みは何か」を知る必要があると思います。
所属チームPNG esportsについて
――R4VENさんから見て、PNG esportsはどんなチームですか?
僕、チームができてすぐ加入したんですよね。チームの中でも最古参のメンバーなので、「一緒に成長してきたチーム」という感じです。チーム発足当時、SNSのフォロワーも全然いなかったのに、自分の熱意といいますか、才能を買ってくれてチームに入れさせてもらったので、自分と一緒に成長してきたチームという感じです。
――PNGに加入してから、変わったことはありますか?
そうですね。なんなら全部変わったって感じてますけどね。所属していない自分が想像できないです。チームに入っていなかったら、全く別の仕事をしてたんじゃないかな? 自分がやりたかったことが、ここで得た経験の上で成り立っていると思います。極端な言い方をしたら、180度人生が変わったってことですね。
活動期間は不定期でもいい。しかし継続することが大切。
――普段はどのくらい配信活動されていますか? また、配信外も含めてどれくらいゲームをされていますか?
配信活動は不定期ですね。その時のやる気次第だったり、イベントをやる時などに配信するって感じです。配信頻度で言うと、他の配信者さんよりは少ないかもしれないですね。どれぐらいゲームをプレイするかで言うと、その日によりますけど、半日とかやる時もあります。タルコフなどは、半日プレイするとかしょっちゅうでした。
――配信活動において、一番大変なことはなんですか?
コンテンツをずっと作り続けるところですかね。自分もなかなかできていない部分なんですけど、今有名な配信者さんやインフルエンサーさんなんかはコンテンツを作り続けてると思うんです。
そうでなければ、自分自身が面白いコンテンツになる必要があると思います。そんな人ってかなり少ないので、やっぱりコンテンツを作り続けることが大変ですかね。
――1本の動画を作るのに、どれぐらいの時間がかかりますか?
動画によるんですけど、がっつり編集をすると、丸一日かかることもあります。いちばん短いと10分ぐらいで作れちゃうこともあるし、手の込んだものでいくと、編集だけで1週間ぐらいかかることもありますね。一通り作った後に、「なんか違うな」と思って作り直すこともあります。
プロゲーマーになるためには「活動の軸」を持とう!
――プロゲーマーを目指そうとおもったら、まず何から始めるべきでしょうか?
いろいろあると思うんですけど、いちばん大事なのは、自分は何をしたいかの軸をしっかり作ることですかね。
じゃないと、続けていくモチベーションにもならないし、どうやってマネタイズをしていくのか定められません。クリエイティブ精神も大事ですし、方向性だったり、軸を決める必要があると思います。
逆にこれが決まってない人だったら、うまくいっている人の真似をするのがいいのではないでしょうか。その人がなぜうまくいっていて、その秘訣は何なのかということを学ぶ機会にもなります。
――プロを目指す、またはプロで活動する上で、一番大切なことは何ですか?
活動し続けるという点で言うと、モチベーションの維持ですかね。何をモチベーションに頑張るかというのは、とても大切だと思います。
競技をやっている人も、他のゲームにうつつをぬかしてしまうという話も聞きますし、配信や動画投稿をしている人も一回辞めちゃうと、再開するのがたいへんかもしれないので。やはり、やり続けることは大事ですよね。どれだけうまくいかなかったり、配信に視聴者が集まらなくても。
行動力とスピードが命。私の尊敬している人
――R4VENさんが尊敬している人はいますか?
尊敬している人はいろんな分野にたくさんいるんですけど、有名な人だと、前澤友作さんですかね。マネタイズの仕方とか、投資感とか、事業に対する嗅覚などがすごいなと思います。
配信者では、「Jasper7se(ジャスパー)」さんですかね。リアクションだったり、飽きさせない工夫だったりが見て取れ、配信者としてのお手本の最上位にいると思っています。実際、僕の生徒にも参考にする人として紹介しています。
――R4VENさんにとって、ライバルなどはいますか?
誰がライバルというよりかは、自分と同じジャンルの動画を作っている人ですかね。
最新情報の動画とかを出すとなると、スピード感がすごく大切なので、誰よりも先に動画を出さなきゃいけないという意味ではやはり同ジャンルの人ですか。
eスポーツの今後は「世代を超えた価値の提供」
――今後流行りそうなゲーム、またはR4VENさんがプレイしたいゲームは何ですか?
これは、『スプラトゥーン3』ですね。PVを見ると、前作とはゲーム性も変わりそうなので正直どうなるかわかりませんが、流行ってほしいという気持ちも込めてスプラトゥーン3です。
――今後、eスポーツ業界にどうなってほしいですか?
漠然と答えるなら、知らない人がいないくらいeスポーツがもっと広まって、流行ってほしい、もっとeスポーツの価値が高まってほしいなと思います。
具体例をあげていくなら、高齢者にとってゲームが認知症予防につながるとか。いろいろなスポーツって健康効果とかあると思うんですけど、eスポーツも、ただ見る、ただやるだけではなく、もっといろいろな価値がどんどん増えていってほしいです。
それが最終的に、eスポーツ自体の知名度向上に繋がるのではないかなとも思います。
――今後のR4VENさんに期待していいですか?
いいとも~
編集:株式会社PACkage、全日本大学eスポーツ対抗戦実行委員会