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異動によって組織の風通しやサイロ化改善の効果がある

実際に異動を経験した方や異動を受け入れた方、キャリアコンサルタントの方などにお話をうかがいます。

今回は、社内異動を受け入れた側の社員が登場。社内異動についてどう思うか、異動を受け入れたことで良かった点と課題に感じた点を聞きました。

 

服部 和樹 プロフィー

服部 和樹 プロフィール

2013年8月にさくらインターネット入社。前職ではネットワーク監視やサーバー構築を経験。現在はテクニカルソリューション部でプリセールスを担当。

異動についてどう思うか

ーー服部さんのチームにも異動で入ってきた方がいらっしゃいますね。どのような人を受け入れるという基準はあるのでしょうか。

 

私のチームには、以前さくマガに登場した清水さんが異動してきています。活躍してくれていますね。清水さんはすでに技術的なスキルは持っているので、主に他部署との関わり方や契約書の見かた、法務との調整の仕方などを伝えた記憶があります。

私のチームは、お客さまにサービスの説明やサポートをしています。基本的には即戦力の方を求めているので、もともと知識と経験のある方が異動してきます。これは異動に限らず、採用でも同じです。

プリセールスで大切なのは、いろいろなことに興味を持てることだと思います。新しいニュースや技術に興味を持ち、お客さまにも興味を持ってほしいです。お客さまのサービスがどういうもので、どのようにさくらインターネットのサービスを使っているのかを知ることは大切です。

 

ーーお客さまと接するので、いろいろなことに興味を持つのは大切ですね。服部さんは「異動」についてどう思いますか?

 

風通しをよくしたり、組織のサイロ化を防ぐ効果も期待できるので賛成です。

※サイロ化とは、企業内の部署やチームが孤立して業務をし、他部署間でコミュニケーションや情報共有がなされていない状況を指します。

技術者がいきなりまったく関係のない部署に異動になると大変でしょうが、自分の技術や能力が活かせるところであればいいとは思います。能力が活かせないところへの異動は、異動する側だけではなく、異動を受け入れる側も大変ですから。

異動は受け入れる側の工夫も必要

異動は受け入れる側の工夫も必要

 

ーー異動を受け入れる側としては、どのようなことに気をつけていますか?

 

チームとしてメンバーを受け入れる場合、過去の所属部署での経験を活かして活躍できるように考えます。具体的にはメンバーの得意・不得意なことをヒアリングして、理解を深めます。

1on1や話をするなかで、時間をかけて少しずつ理解していくことが大事です。これがスタートラインではないでしょうか。メンバーの「やりたいこと」をしっかりと聞いて、楽しく仕事できているかを気にしています。どうしたら活躍できるかは、受け入れ側の工夫も必要です。

異動して来た人へのOJTはどうしてる?

ーー異動して来た人に、OJT(On the Job Training)をされています。工夫している点を教えてください。

 

先ほどもお話ししたように、私のチームには知識と経験のある方が異動してきます。それでも、過去の業務で経験したことがない部分もあります。その部分を重点的にOJTします。また各部署や部門との連携が多いので、それぞれの役割や情報流通についてもレクチャーをしています。

ただ、まだまだカリキュラムの出来に満足していないので、改善しているところです。

異動を受け入れて良かった点と課題点

異動を受け入れて良かった点と課題点

 

ーー異動を受け入れる側として、良かった点と課題に感じた点を教えてください。

 

良かった点は、既存のチームにないナレッジや経験によってチームの厚みが増したことです。たとえば、ウェブ制作に携わっていた人や他社のサービスにすごく詳しい方が入ってくれたことで、チームとしてレベルアップしたなと感じます。

課題に感じているのは、個々のフォローアップです。十分ではないと思われる点もあるため、今後の1on1も活用していきたいと考えています。これは個人差もあるので、積極的にコミュニケーションを取っていきたいです。メンバーの「やりたいこと」や、どのような考えを持っているのかわかれば、やりやすいですけどね。

 

ーー会社として「人材情報共有」という仕組みをはじめたので、それが活きてくるかもしれませんね。

 

※過去の経歴やさくらインターネット入社後に携わった業務経験を、共有する仕組み。社員が最大限のパフォーマンスを発揮し、働きがいを感じる状態を目指すためのもの。

確かに過去の経験といった情報があれば、ありがたいですね。

チームとしてこれからチャレンジしたいこと

ーーこれからチームでチャレンジしたいと思っていることを教えてください。

 

個人それぞれのレベルは上がってきました。これからは、チーム全体としての付加価値を出していきたいです。さらにチームを超えて全社的に一緒にやれるようにしていけば、さらに価値をお客さまへ提供できるのではないでしょうか。

個人ごとに得意なことやできることがあります。それをチームで見たときに、どうやって生かしていこうかと試行錯誤をしています。

ES(エンプロイーサクセス)実現のために必要なこと

ES(エンプロイーサクセス)実現のために必要なこと

 

ーーさくらインターネットにおける異動の目的は、ES(エンプロイーサクセス)実現のためです。ES実現のためには何が必要だと思いますか?

 

さくらインターネットが目指しているES(エンプロイーサクセス)実現のためには、異動もひとつの手段だと思います。異動を経験することで幅が広がりますよね。やってみることで新たな発見があると思うので、そこに価値を見いだせる人であれば異動もいいのではないでしょうか。

何年経ったら異動すると決まっている会社もあるそうですが、いろいろな仕事を経験するのはいいことだと思います。なぜかというと、サイロ化を防ぐためです。ただ、ここ数年で多少は人の入れ替わりがありましたよね? それによって既存の枠組みにとらわれずに、新しい話ができることが最近増えてきたと感じています。

転職となると、多少のリスクを背負います。転職してからその会社に合わない可能性だってあるわけです。場数を増やす意味でいうと、ひとつのメリットと言えるかもしれません。ES(エンプロイーサクセス)は、各個人が何を以って”成功”とするかによると思います。技術を得られたら成功という人もいるし、お金が得られたら成功という人もいます。

それぞれが考えている「成功」を、それぞれが知ること。これがスタートラインであり、重要ではないでしょうか。

 

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執筆

川崎 博則

1986年生まれ。2019年4月に中途でさくらインターネット株式会社に入社。さくマガ立ち上げメンバー。さくマガ編集長を務める。WEBマーケティングの仕事に10年以上たずさわっている。

※『さくマガ』に掲載の記事内容・情報は執筆時点のものです。

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