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さくらインターネットは、国産パブリッククラウドを開発・提供し、インターネットを活用したい多くの方々の活動を支えています。
今後、さらにパブリッククラウドの開発を進めていくうえで欠かせないのが「インフラ”開発”エンジニア」です。
日本最大級のサーバーホスティングサービスやIaaSサービスを通して、自分の開発したインフラ基盤を数十万規模のお客さまに使っていただけます。 お客さまがとても近く感じられる環境で、ご意見や反響が直接手応えとなるやりがいのある仕事です。
インフラ開発エンジニアの仕事内容、さくらインターネットにおけるエンジニアのキャリア、評価制度などについて、クラウド事業本部 副本部長の大久保 修一とSRE室 室長の長野 雅広に話を聞きました。
さくらインターネット初の新卒社員
――長野さんには、以前のインタビューでこれまでのキャリアについてうかがいました。大久保さんのキャリアについても教えてください。
大久保 修一(以下、大久保):2003年に新卒入社しました。といっても、当時は会社の規模が小さくて、オープンな新卒採用はしていなかったので、人伝いに誘われて入社しました。正式に言えるのかわかりませんが、はじめての新卒入社だと思います。入社してからは、バックボーンネットワークの運用担当をしました。学生時代からネットワークが大好きで、趣味の延長みたいな感じでしたね。2009年に、さくらインターネット研究所へ異動しました。2年くらいはリサーチっぽいことをやって、2011年3月からさくらのクラウドの開発に携わりました。2019年に現在のクラウド事業本部に移りました。
――2011年3月といえば、東日本大震災が起きたときですよね?
大久保:震災の一週間くらい前ですね。きっかけは、AWSさんが2011年3月2日に東京リージョンを開設 したことです。その翌日に創業者の田中さんと研究所 所長の鷲北さんに呼ばれて、クラウドの開発検討をはじめました。「さくらのクラウド」をリリースしたのが、2011年11月15日です。
大久保 修一(おおくぼ しゅういち)
さくらインターネット クラウド事業本部 副本部長。2003年にさくらインターネットへ新卒入社。ネットワークの運用担当、さくらインターネット研究所を経て現職。
インフラ”開発”エンジニアとインフラエンジニアの違い
――さくらインターネットのインフラ開発エンジニアについて教えてください。インフラエンジニアとは違うんですよね?
大久保:一般的なインフラエンジニアとは、少し毛色が違います。インフラ”開発”エンジニアとした理由は2つあります。
1つは文字通り「インフラを開発していくエンジニア」だからです。お客さまに使っていただくクラウドプラットフォーム、インフラを設計・開発・運用していく業務になります。
もう1つは、「ソフトウェアエンジニアリングをおこなう点を取り入れるため」です。お客さまのニーズは多様です。それに応じた高品質なサービスを提供するためには、サーバやネットワークの設計・構築をしたうえで、ソフトウェアを交えた開発が必要となります。
まとめると、サーバー、ネットワークのハードウェアとソフトウェアを組み合わせてインフラを作りあげ、お客さまに提供するのがさくらインターネットのインフラ開発エンジニアです。
――なかなか人材として求められる能力が高いと思いますが、どのような方がマッチしそうですか?
長野 雅広(以下、長野):同じような業種以外の方だと、なかなかいないかもしれません。ただ、ソフトウェアエンジニアで下のインフラのレイヤー に興味がある方や、インフラエンジニアでソフトウェアに興味がある方はマッチすると思います。といっても、まったく経験がないとちょっと難しいところはありますが……。何かしら自分で取り組んでいる方はマッチしやすいかなと思います。
長野 雅広(ながの まさひろ)@kazeburo
クラウド事業本部 SRE室 室長。2021年1月、さくらインターネットへ中途入社。Web サービスのチューニングコンテスト「ISUCON」の創設に関わる。
インフラ開発エンジニアはインフラエンジニアやソフトウェアエンジニアにとっての次のキャリアになりえる
――まったく経験がないと難しいということですが、経験が少なくてもポテンシャル採用の可能性はありますか?
長野:はい。最近、若い方はハードウェアを触る機会がないんですよね。そういった方はインフラに携わったことがなくても、インフラが好きだったり、チャレンジしたい想いがあればポテンシャルで採用する可能性はあると思います。
大久保:そうですね。中途採用だけではなく、新卒採用もしています。
――さくらインターネットのインフラ開発エンジニアとして働くメリットを教えてください。
長野:インフラ開発エンジニアは、ソフトウェアを使ってインフラの価値を高めていきます。IoTやSaaSと連携したルータ、クラウドサービスに繋がるストレージ、インフラ × ソフトウェアで生活のインフラが整備されていきます。そんな中で、インフラ開発エンジニアが活躍できる領域は無限です。ますます重要になっていくので、キャリアとしてもいいと思います。インフラエンジニアやソフトウェアエンジニアにとって、次のキャリアとなりえると考えています。
大久保:自社サービスにじっくり取り組めますね。深く取り組める環境があるのは大きいです。
――少し前に田中さん(さくらインターネット代表)のツイートが話題になったのですが、これは本当ですか? 本当であれば、働くメリットになるかなと。
さくらインターネットに転職したら、サーバーの置き場代がタダになります。
必要な人は、BGP4の接続もタダです。
ただ、既にうちの社員ならごめんなさい。 https://t.co/qVJaSoIubA— 田中邦裕@さくらインターネット社長?⬛? (@kunihirotanaka) 2022年9月13日
大久保:はい。実績として、社員が立ち上げたボランティアのプロジェクトにサーバーの置き場所やBGPを提供しています。こうした活動を通して、エンジニアの育成に貢献できたらと思っています。田中さんもそういう想いでツイートしたのではないでしょうか。
クラウド事業本部とSRE室の役割
――大久保さんはクラウド事業本部の副本部長、長野さんはSRE室の室長です。それぞれの部署の役割について教えてください。
大久保:クラウド事業本部は、レンタルサーバ・VPS・クラウド・専用サーバなど、さくらインターネットのクラウドサービスの事業運営責任を担っています。「クラウド事業を通じて、お客さまや社会のDXをしっかり支える」というミッションを掲げ、パブリックサービスの拡充に取り組んでいます。
長野:SREは、Googleで提唱されたシステム管理とサービス運用に対する、ソフトウェアエンジニアリングのアプローチです。高い頻度の変更と、お客さまに対する機能の信頼性を両立させます。
SRE室はクラウド事業本部内の1部門として、2022年7月に設立されました。設立のきっかけは、2022年1月にストレージに起因する障害の発生です。次にこうした障害が起きた場合にどのように検知、調査するか。これらをソフトウェアによって改善していく必要がありました。
システムというのは、変更したときに壊れることが多いという調査があります。変更しなければ壊れにくいとも言えます。
ただ、変更しなければいいのかというと、そうではありません。どんどん新しい機能を出していき、お客さまの要望に応えていく必要があります。高頻度の変更と信頼性を両立させていくのが、SREのアプローチになります。
「クラウドサービス、システムの信頼を高めることにより、お客さまや社会のDXをしっかり支える」をミッションに活動しています。
インフラを通して「やりたいこと」を「できるに変える」
――クラウド事業本部として、今後やりたいと考えていることを教えてください。
大久保:クラウド事業本部としては、パブリッククラウドのサービス拡充をお客さまと伴走しながら進めていきたいです。クラウドバイデフォルト、クラウドネイティブと言われている中で、パブリッククラウドがなければ、ITで「やりたいこと」を「できる」に変えていくことはできなくなってしまいます。そのパブリッククラウドを日本が作り続けられることが重要です。
長野:そのために、パブリッククラウドを作ることのできるインフラ開発エンジニアが必要になります。
大久保:さくらインターネットの場合、内製でおこなっていることが多いです。それこそ石狩データセンターは土地も自社で保有していますし、設備の運用から保守、開発までをすべて自社でおこなっています。なにか起きた際、お客さまから聞かれたときに答えられるよう、中身を知っていることが重要です。そうでないと答えられません。事業継続の観点からも、自社でコントロールできるようにしておくのは重要だと思います。
そこはまさに、インフラ開発エンジニアが仕事する醍醐味です。
インフラ好きな人と働きたい
――おふたりが一緒に働きたいと思う人について教えてください。
長野:前回のインタビューでも答えたように、課題や問題を発見して、どうしたらいいか一緒に考えてくれる方と働きたいという気持ちは変わりません。
自分はずっとウェブサービスの領域にいて、そこはやってきた経験がありますが、それ以外で経験してないことはまだまだたくさんあります。なので、いろいろな経験をしてきた方と一緒に働きたいです。あとは、インフラが好きな方ですね。
大久保:本当にその通りですね。私もすごく共感します。今でも趣味の延長みたいな感じでやっています。あとは、さくらインターネットの事業に共感して同じ志を持ってくれる方と働きたいです。ITインフラで社会を支えたいという志で一緒にやっていただける方と、ぜひ一緒に働きたいですね。
エンジニアのキャリアと評価制度
――さくらインターネットで働くと、どのようなキャリアが築けますか?
長野:さくらインターネットのサービスは、エンジニアドリブンで作られることも多いです。エンジニア1人ひとりの気づきがパブリックサービスに反映されます。
ソフトウェアエンジニア、インフラ開発エンジニア、インフラエンジニアから分け隔てなくアイデアが出せます。これは高い信頼関係ができているからです。さくらインターネットでは、インフラエンジニアがソフトウェア開発を学び、ソフトウェアエンジニアやインフラ開発エンジニアにキャリアを変えていくこともできます。また、ソフトウェアエンジニアがネットワークやサーバの構築、運用の改善に携わることもあるので、さまざまなキャリアを経験して幅広い知識を身につけられます。キャリアを変えていけるのも魅力のひとつです。
――エンジニアの評価制度はどのようになっていますか?
長野:多くの日本企業では、マネジメント層にならないと評価されにくい現状があると思いますが、さくらインターネットではそうではありません。スペシャリストとして特定の技術を評価して、給与も高くなっていきます。
エンジニアの仕事というのは、結果が伴うかどうかは非常に難しいところがあります。なので、プロセスも同じように大事にして評価をしていきます。
あと大事なのは、周りに良い影響を与えられるかどうかです。エンジニアに限らず、さくらインターネット全体として大事なことですね。
大久保:面接のときにも、そこは重視して見ています。会社というのは、人が作っているので、人が成長すれば将来の会社の成長にもつながります。ですので、成長の目標を立てて、それを実行できたかを評価していけるようにしたいです。今までできなかったことができるようになるとか、より良くできるようになるとかですね。
評価制度自体が目的じゃなくて、成長につながるツールとして使えたらいいなと思います。
さくらインターネットのメンバーは、みんな技術に対して真摯な態度です。そんな仲間と一緒に課題に挑戦したいエンジニア、強いチームを作っていきたいエンジニアを募集しています。
(撮影:ナカムラヨシノーブ)