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「全部が本業」パラレルキャリアを実践するBANBANBAN 山本さん

お笑い芸人をしながら、ハウスクリーニングの仕事もしている山本さん。2人目のお子さんが生まれるときに、奥さんと話し合ってパラレルキャリアを開始しました。山本さんにパラレルキャリアの良さや今後の「やりたいこと」を聞きました。

山本 正剛(やまもと まさたけ)さん プロフィール

1979年生まれ、鹿児島県出身。2児の父。同じく鹿児島出身の鮫島ヒロミと共によしもとクリエイティブエージェンシーの漫才コンビ「BANBANBAN」として活動中。芸人活動をしながら、2018年にナチュラルハウスクリーニング事業「宇宙一」を始める。

子どもの将来を考えてパラレルキャリアを開始

――芸人のお仕事をしながら、2018年にハウスクリーニングをおこなう事業「宇宙一」を開始しています。始めようと思ったきっかけを教えてください。

きっかけは2人目の子どもができたことです。結婚して1人目の子どもが生まれる頃は、アルバイトと芸人活動に加えて妻の収入もあったので、なんとか生活できていたんですよ。

2人目の子どもを授かったときに、このままの稼ぎだと子どもの将来を考えたときに問題が出てくるということで、家族会議をしました。

会議していくうちに、芸人を辞めて就職先を見つけるか、手に職をつけて芸人活動を続けるかの2択になったんですよ。妻の後押しもあって、ハウスクリーニングの仕事をしながら芸人活動も続けることにしました。

 

――ハウスクリーニングのお仕事を選んだのはなぜでしょうか?

もともと、ハウスクリーニングのアルバイトを2年くらいしていたんです。朝にハウスクリーニングの仕事をして、お昼から芸人の仕事をするというルーティンでした。一時期、それに加えて居酒屋でもアルバイトをしていましたね。

パラレルキャリアをして良かったこと、大変だったこと

――パラレルキャリアをしてみて良かったこと、大変だったことはなんでしょうか?

良かったことは、時間に縛られずに自分のスケジュールに合わせて仕事できる点です。大変なことは、本当に慎重に仕事をしないといけない点ですかね。とくに僕のことを知らずにお掃除を頼んだお客さまは、プロとして呼んでくれるので。

 

――お客さんの割合としては、山本さんのことを知っている人と知らない人のどちらが多いのでしょうか?

9割は僕のことを知っている方ですね。お子さんの誕生日にハウスクリーニングをご依頼いただいたこともあります。アニメキャラクターのモノマネで「お誕生日おめでとうって言ってください」とお願いされ、モノマネしましたね。

 

――ファンの方にとっては、ご本人に会えてお掃除もしてくれて一石二鳥ですね。

お掃除中に「おしゃべりしていてもいいですか?」と聞かれるので、「全然いいですよ」とお答えしています。普通のハウスクリーニングだと、そんなことないですよね。

 

――複数の仕事をしていて、切り替えはどのようにしていますか?

基本的に切り替えという意識はないですね。「芸人とハウスクリーニング、どっちが本業なんだ」みたいなことをよく聞かれるんですよ。僕は全部が本業だと思っています。なぜかというと、ハウスクリーニングが副業って言うと頼んでくれる方にも失礼だし、芸人が副業って言ったら「もう辞めろよ」って言われちゃうじゃないですか。だからどっちも本業って目線で考えているので、切り替えって意識はないですね。

コロナの影響でハウスクリーニングの収入が芸人の収入を上回る

――コロナ禍によって起きた生活や仕事の変化について教えてください。

ハウスクリーニングのお仕事が圧倒的に多くなりましたね。それまでは芸人業が6〜7割でしたが、コロナ禍では除菌を目的にハウスクリーニングの依頼が増えました。収入もハウスクリーニングのほうが多かったですね。芸人一本でやっていたら大変だったと思います。

 

――コロナ禍になってから芸人以外の仕事を始めた方も多いですが、山本さんはほかの方と比べると早い時期からパラレルキャリアを実践していますね。

そうかもしれませんね。僕は芸歴で言うと20年目になるんですよ。ハウスクリーニングの仕事をはじめたときでも、すでに16年の芸歴がある状態でした。でもレギュラー番組も少なくて、子どもたちもいるので、好きなことだけやるのも違うかなと思ったんです。

 

――ハウスクリーニングの仕事が芸人の仕事に活きたと感じたエピソードを教えてほしいです。

ハウスクリーニングをしている芸人は珍しいので、お掃除芸人としてテレビ番組に呼ばれることがあります。

お掃除芸人としては『ヒルナンデス!』さんに呼ばれたのがはじめてだと思います。そのときの内容が、特技のある芸人集合というものでした。集まった芸人の中で1位を決めたのですが、僕が優勝させていただきました。次も呼ばれて、そのときも優勝して2連覇したんですよ。これは印象深いですね。

なにか武器を持つというのは、すごいことなんだなと実感しました。

世界中で愛される芸人になりたい

――このメディアのコンセプトが「やりたいことをできるに変える」です。山本さんはお仕事などでやりたいことをできていますか?

いまの仕事や生活で、やりたいことをできています。

少し話がそれるかもしれませんが、僕は毎日収入が0円の日を作らないことを意識しています。休みの日でもTikTokライブをして、少しでも収入を得られるようにしています。

いまの時代はTikTokやYouTubeなど、いろいろなプラットフォームがありますよね。頑張れば、そこで有名になれるチャンスがあるじゃないですか。周りの人には知られていなくても、限られたコンテンツでめちゃめちゃ有名人になれたらそれで全然いいと思います。昔に比べて、いい意味でプライドがなくなりましたね。家族の生活を考えると、プライドやこだわりはなくなりました。

 

――山本さんが今後「やりたい」と考えていることについて教えてください。また、それを実現するためにおこなっていることを教えてください。

僕自身、有名になっていきたいという気持ちはあります。世界に向けて、DB芸人が日の目を浴びるような道を作りたいですね。この間、ロケでDB芸人としてハワイに行ったんですよ。そのときに日本よりも声をかけられました。TikTokライブをすると、視聴者の半分は海外の方です。

DB芸人としての姿

これもあって、海外向けに何かコンテンツを発信できないかなと思い始めました。規模が大きいですけど、全世界に広まって愛される芸人になりたいですね。

 

――どの国の方からの視聴が多いんですか?

フランスの方が多いですね。あとはトルコやブラジルの方も多いです。

 

――コロナが落ち着いて、海外へ気軽に行けるようになったらやりたいことはありますか?

コンビで「アニソンディスコ」というアニソンDJイベントをやっているので、それを海外でもやりたいです。このアニソンディスコがあったから、コンビで芸人を続けられている部分もあるんですよ。キングオブコントやM-1グランプリは全然結果がでなかったんですけど、アニソンディスコのおかげで日本武道館にも立てました。

やりたいことを見つけるには、行動することが大事

――最後に、「やりたいことが見つからない」という方に向けてやりたいことを見つけるためのアドバイスをください。

日常の中で少しでもやりたいと思ったことがあれば、積極的に行動してやってみたほうがいいです。本当はやりたいことはあるんだけど、口に出して言うのが恥ずかしいって人もいると思うんですよ。自分がやりたいと思っていることを、実際にやっている人に会う機会もたくさんあるじゃないですか。調べて顔を出して、知り合いを増やしていくことで道も開けます。行動することが大事です。僕も行動をして、いまがあります。

 

(撮影:ナカムラヨシノーブ)

 

執筆

川崎 博則

1986年生まれ。2019年4月に中途でさくらインターネット株式会社に入社。さくマガ立ち上げメンバー。さくマガ編集長を務める。WEBマーケティングの仕事に10年以上たずさわっている。

※『さくマガ』に掲載の記事内容・情報は執筆時点のものです。

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