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「バーチャルツアーで大阪から世界を笑顔に」バーチャルお花見「空中散歩」&町工場のDX化

 毎年4月には多くの人々が訪れていた大阪・造幣局の「桜の通り抜け」。しかし、新型コロナの影響により2年連続で一般公開が中止となっています。

そんな中、今年4月に桜の通り抜けをバーチャルで体験できるサービスが公開されました。多くの方に桜を楽しんでもらうことで「大阪から世界を笑顔に!!」という想いが込められたこの取り組みについて、企画したMP-Strategyの代表・目黒充明さんにお話をうかがいました。

2021年造幣局 桜の通り抜け バーチャルツアー

2021年造幣局 桜の通り抜け バーチャルツアー

 桜の通り抜けバーチャルツアーとドローンで撮影された動画は「OSAKA町工場EXPO2021」のWebサイト内で楽しめます。

こちらのWebサイトには、さくらインターネットのサーバーをご利用いただいています。ぜひ、ご覧ください。

目黒さんプロフィール

目黒 充明(めぐろ みつあき)さん
1964年生まれ、大阪府出身。電機メーカーの商社で14年勤めたのち、さまざまな企業で働きビジネスを学ぶ。2013年に起業し、戦略コンサルティング会社「MP-Strategy」を設立。

大阪から元気を発信したい

ーーまず、桜の通り抜けバーチャルツアーについてうかがいます。なぜこのプロジェクトを始めようと思ったのか教えてください。

 昨年3月ごろから新型コロナが世界各地で広がりはじめて、人々の生活が一変しました。当社ではVR・バーチャルツアー制作をおこなっておりますので、その技術を使ってなにか世の中のためにできることがないかと考えたのです。

そこで昨年、大阪にある町工場のバーチャル展示会(OSAKA町工場EXPO)という取り組みをスタートしました。

 OSAKA町工場EXPOチームで、桜の通り抜けバーチャルツアーを制作しました。日本といえばやはり「桜」ですし、せめてバーチャルでお花見ができたら多くの方に喜んでいただけるのではないかと考えたのです。

私たちの会社は大阪にありますので、やはり大阪から元気を発信したい。そこで、大阪で有名な桜の名所である造幣局で撮影することにしました。

ーーこのプロジェクトを通じて伝えたいことを教えてください。

 造幣局では、毎年何十万人も桜の通り抜けを楽しむ方々がいます。昨年に続き、今年も一般公開が中止となってしまいましたので、みなさんストレスを感じていたと思います。バーチャルという形で、なんとかやすらぎを提供できないかなという想いがありました。

私たちが撮影をしているときに、造幣局の外から桜を見ている方を見かけました。そういった、桜の通り抜けを楽しみにしていたのに、近くで見られなかった方々にぜひ見ていただきたいと考えています。ドローンを使って撮影していますので、いままで見たことがない景色も楽しんでいただけるのではないかと思います。

オンラインでお話をうかがいました

(オンラインでお話をうかがいました)

ーープロジェクトを進めるうえで、大変だったことはありますか。

 造幣局は行政機関ですので、撮影が自由にできません。行政関連に詳しい方、数人に声をかけて、このプロジェクトのコンセプトを説明するところからはじめました。

1~2ヶ月くらい経ってから造幣局の方と直接お話しする機会を得ることができ、私の想いを伝えたところ、ようやく撮影許可を得られました。交渉期間が長かったので、桜の見ごろを逃してしまわないかが心配でしたが、間に合って良かったです。

 昨年の時点では、今年になれば例年通り桜を見に行けると思っていた方が多いのではないかと思います。でも、昨年に比べて状況が良くなっているとはいえません。大阪以外の地域でも、ゆっくりお花見を楽しめなくなってしまいました。

リアルではありませんが、ご自宅でじっくり桜を見ていただける機会をつくれて良かったと思います。実際に多数のアクセスがありましたし、「癒しになりました」といったお言葉もたくさんいただけました。北海道や九州、東京など大阪以外の地域の方にも楽しんでいただけたようです。

ーーさくらのサーバーをご利用いただいているそうですがなぜ選んでいただけたのか、理由を教えてください。

 昨年から、「OSAKA町工場EXPO」のWebサイトにさくらのサーバーを利用しています。

ほかにもいくつかサーバーを借りていますが、BtoBの新たな展開をしていくうえで、アクセスが多くなる可能性を考え、安心して使えるレンタルサーバーが良いと思い、技術者と話し合って決めました。

町工場をバーチャルで見学

町工場をバーチャルで見学

ーー「OSAKA町工場EXPO」についても、どういった取り組みなのか教えていただきたいです。

 バーチャルで町工場の見学ができる取り組みです。Webサイトを昨年11月にオープンしました。

私は大阪の経営者が集まる勉強会の代表もやっていて、その中でどのように地域貢献をしていくかなどを話し合っています。新型コロナが流行しはじめたころ、経営者たちはリーマンショックのときの経験を活かし、当面のあいだ、事業を展開できるだけの資金を借りられていました。備えておかなければならないという意識はみんなあったんです。

ただし、借り入れた資金はいずれ返さなければなりません。事業をやっていくうえで、休んでいるだけではいけません。

 デジタルトランスフォーメーション(DX)はよく聞かれる言葉になりましたが、大阪の町工場においてデジタル化は遅れている状況です。

 

無頓着ではないけれど、どうやっていけばいいかわからない。こういった状況を変えるために、なんらかの方法で発信していく必要がありました。

経営者勉強会の幹事メンバーで話し合ったところ、バーチャルで町工場を見学できるようになればいいのではないか、という案が出ました。

町工場の場合、お客さまに工場を見学してもらい、そこから契約につながるというパターンが多いんです。バーチャルなら24時間見学が可能ですし、お客さまともっと密にコミュニケーションがとれて、契約につなげられるのではないかと考えました。

町工場の技術力をアピールしたい

 ねらいとしては、町工場それぞれの技術を知ってもらうこと、技術力の高さをアピールしたい想いがあります。ある程度の機械があれば同じ物は作れますが、「こういう人が作っています」ということを差別化して伝えたいと思ったんです。

たとえば、参加している工場でそれぞれ動画を公開していますが、動画の中で説明をしているのは実際の技術者です。話すことに慣れていないかもしれませんが、それでもいいのでご自分の言葉で話してもらいたいと思っています。

実際に作っている人が話すことで、「この人だったら安心して作ってもらえる」と感じていただけるのではないでしょうか。話すのはうまくないかもしれませんが、「この人は信頼できるな」「まじめやな」というところを伝えたいんです。本音を伝えていくことに重点を置いています。

 

 モノづくりを真剣にやっているところを知っていただいて、そこを気に入っていただけるお客さまと繋がりたいですね。中には昭和初期に建てられたボロボロの町工場もあります。でも、そのままを素直に発信しました。工場の雰囲気や人柄を含めて、ありのままを発信することが大事だと考えています。

大手の会社なら、もっと動画もきれいにつくるでしょうし、工場もきれいでしょうけれど、町工場はそうはいきません。でもそういった点も含めて、町工場のいいところが伝わればと思います。

ーー目黒さんが思う、大阪の町工場のいいところ・すごいところって何だと思いますか。

 大阪は人情の街です。人とのつながりを大事にしていますね。あとは、モノづくりの技術。これは本当にすごいです。

人とのつながりは大阪らしい文化ですね。海外のようにビジネスだけのドライなものではありません。良し悪しはありますが、文化として誇れる部分だと思います。

人をすごく大切にするところと、モノづくりに対して実直なところ。これはなかなかやろうと思ってできることではないですよね。 

DXはあくまで手段のひとつ

DXはあくまで手段のひとつ
 

ーー町工場における「DX」とはどのようなことでしょうか。

 町工場や製造業は、まだまだアナログ文化です。デジタルとなるとなかなか気が進まないとおっしゃる社長が多い現状ですね。それを少しずつ変えるために活動しています。無料で使えるツールも増えてきているので、まずはそれを使えるようにすることから進めています。

生産管理などをデジタル化することで、瞬時に仕事の状況を管理できるようにする。その取り組みをはじめている段階です。

ーーDXのメリットはどのようなところにあると思いますか。

 従来、大阪の町工場では、近隣の方を相手にしたビジネスしかしていないんです。でも、インターネットで発信することで、全国から案件がくる可能性があります。それはいままでできなかったことです。

小さな町工場にとって、東京で開催される展示会などへの出店は資金面を考えると難しい。でも、OSAKA町工場EXPOのように、Webサイトで発信すれば誰かがみてくれるようになります。

まずは、「製造業のDX=発信」という段階です。いくらいいものを持っていても、発信をしなければ誰も見てくれません。

 いまはまず「伝えること」に取り組んでいますが、バーチャルで商品を販売することも検討しています。バーチャルで工場見学ができて、気になる商品の価格もわかって、そこからECサイトに飛んで購入できるような仕組みづくりを進めています。

あとは、見える化も進めていきたいですね。どこにコストがかかっているか、どこに利益があるかがわからない状況ですので、そこを分析できるようにしていきたいです。

ーー中小企業がDXに取り組むために大切なことは何でしょうか。

 自社の課題を見つめ直すことです。まず課題に気づいてから、それは人の力で解決できるのか、デジタルで解決できるのかを考えることが大事だと思います。

DXそのものも大事ですが、あくまで手段のひとつとして考える必要があります。自社の課題を見つけて、何をしないといけないかを明確にしないといけません。DXからはじめてしまうと、なにが本質なのかわからなくなってしまいますから。

大阪を魅力ある街へ

ーーさくマガのコンセプトは「やりたいことをできるに変える」なのですが、目黒さんが今後やりたいことについて教えてください。

 企業として大阪、とくに地元である東大阪の街づくりにどう関わっていくかについて考えています。産官学で連携してより住みやすい街にしたいですね。街づくりは、「誰かがやってくれる」とみんなが思っていますよね。でも、街を変えていくのは自分たちでやっていく必要があると思っています。

 私の所属する経営者団体では、企業紹介をしています。就職説明会のようなものではなく、東大阪にある企業の魅力を伝える活動や、ものづくりの体験会などです。

東大阪がもっと経済力を高めていけば、税金がたくさん入ります。そうすると街が豊かになって、人が集まってきて、教育も豊かになるんです。このようにして、東大阪市をもっと住みやすい街にしたいですね。

大阪の経営者として、今後どうしていくべきか、何年かかけてやっていきたいと考えています。

 また、2025年には大阪万博が開催されます。それまでに、町工場の情報発信を強化して、すごい工場がたくさんあることを伝えていきたいですね。

海外の方が見てくれることも意識して、「OSAKA町工場EXPO」の英語サイトも公開しているんです。大阪万博から町工場へ人の流れを作って、世界から直接発注してもらえることを目指しています。海外の方も、国内の方も、万博の展示場だけではなく、町工場を見学してくれたらいいなと思っています。

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執筆

武田 伸子

2014年に中途でさくらインターネットに入社。「さくらのユーザ通信」(メルマガ)やさくマガの編集を担当している。1児の母。おいしいごはんとお酒が好き。

編集

川崎 博則

1986年生まれ。2019年4月に中途でさくらインターネット株式会社に入社。さくマガ立ち上げメンバー。さくマガ編集長を務める。WEBマーケティングの仕事に10年以上たずさわっている。

※『さくマガ』に掲載の記事内容・情報は執筆時点のものです。

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